背徳と官能のモラルなき名言集、ここに誕生。反社会的な人生哲学にこそ真実があった!
表紙写真:Tanel Teemusk
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この本はタチヨミ版です。
モラルなき名言の世界へようこそ。
本書には歴代の極悪たちが残した珠玉の名言が、洋の東西、古今を問わず幅広く掲載されている。どれをとっても取扱注意の金言名句ばかり。どの言葉にも人間のどす黒くグロテスクな真実の姿が写し出されている。あなたがこれから読もうとしているのは、闇に捧げられた言葉、背徳者たちの魂の叫びなのだ。
アメリカの詩人、ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローは、こんな言葉を残している。
「世間は邪悪の香料を愛する」
本書を手に取ったあなたもきっと、邪悪の香料を愛する者の一人だろう。
悪こそ欲望に忠実な人間本来の姿である。
そして、ワルの名言こそ、人を惹きつける香料なのだ。
さらにあなたの日常を刺激的にするスパイスにもなるはずである。
さあ、ここから先は本来なら封印されているはずの禁断の世界である。
今回は特別にその封印を解き、反社会的な名言をあなたにお届けしよう。
甘美な悪の名言世界をご堪能あれ!
「悪党人生 おもろいで」
かい人21面相(グリコ・森永事件)
1984年の江崎グリコ社長誘拐事件から始まるグリコ・森永事件。
犯人のかい人21面相は1年以上にわたって脅迫状、警告状、挑戦状などを企業や警察、そしてマスコミに送りつけた。関係各所に送られた犯人からの手紙は膨大な数にのぼる。
かい人21面相は殺人こそ犯していないものの、グリコ、森永をはじめとする多くの食品会社に被害を与えた。そして食品の安全性を脅かされた人々は恐怖した。しかし、彼らの声明文は関西弁で独特のユーモアがあり、人々は「犯人グループは次に何をしでかすのか」と事件展開に期待しつつ報道を見守った。
グリコ・森永事件が「劇場型事件」と呼ばれる所以である。
かい人21面相がマスコミに送った32通目の手紙に書いていた言葉が、
「悪党人生 おもろいで」
犯罪史上、これほど痛快な悪党宣言があっただろうか。
その手紙で、かい人21面相は「わしらも 悪や くいもんの 会社 いびるの やめても まだ なんぼでも やること ある」と、犯行終結宣言を出した。
彼らが脅していたのはグリコと森永だけではない。あらゆる食品会社が被害にあった。ハウス食品もその一つであった。くしくも、この犯行終結宣言が出された1985年8月12日、ハウス食品の社長が歴史に残る大事故で亡くなっている。520人もの犠牲者を出した日航ジャンボ機墜落事故である。
2000年2月13日に東京・愛知青酸入り菓子ばらまき事件の殺人未遂罪が時効をむかえ、すべての公的時効が成立した。
かい人21面相は今もどこかで「おもろい悪党人生」を送っているのだろうか。
タチヨミ版はここまでとなります。
2018年8月21日 発行 第三版
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作家・脚本家。1979年、大阪市生まれ。和歌山で青春時代を過ごす。大阪府立大学経済学部中退。2009年、劇場映画『青空』で脚本家デビュー後、映画、演劇、コントなどジャンルにとらわれず幅広く作品を執筆。『絵のない夢』、『武田くノ一忍法伝シリーズ』、『山本周五郎劇場』(舞台)などで知られる。また『年鑑代表シナリオ集』の編纂委員をつとめるなど、文化事業にも携わる。その他、浮世絵などの江戸文化をテーマにした書籍を多数企画・プロデュース。古代史と江戸文化を愛好し、暇を見つけては史跡めぐりを愉しむ。骨董や原始美術にも造詣が深く、アフリカのプリミティブアートなどを販売するネットショップのオーナーもつとめる。