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突然、あなたのポストに一通の便り。一体だれから? どんな内容? すると、あなたは……。 さあ、想像の翼を広げてみてください。その場のみなさん(あなた)のアイデアと半日で書き上げる予測不能の「みんなで創作」のお話です。お楽しみにください! 

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手紙が届いた
Who wrote a letter??

小野寺ひかり

HAROU

 目 次

はじめに

一通目

『りおちゃんからの手紙』

二通目

『二人の戦い』

三通目

『南町田のまちのがっこう祭の招待状』

四通目

special thank "you"

はじめに

本作は、参加者のみなさま(YOU)のアイデアをもとに、著者がイベント開催期間である、半日でリアルタイム完成を目指した小説です。2018年11月3日鶴間小学校にて開催されました「南町田のまちのがっこう祭」は、新しい暮らしの拠点を創り出していくコンセプトをもつ「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」の一環で開催されたイベントです。

物語が始まるきっかけを、タイトルの通り「手紙が届く」ことに決めました。ある日、あなたのポストに一通の便り。一体だれから? どんな内容なのか? 私の質問からみなさんのアイデアをどんどん引き出して物語を展開が決まっていきます。
参加してくださったみなさん(あなた)のアイデアと半日で書き上げる(実際は、まだまだ執筆中)予測不能の「みんなで創作」のお話です。お楽しみにください! 

企画名「つながるおはなし」

一通目

一通目のお客さんは、小学生くらいの男の子、こうた君とお父さんとお母さん!
「手紙が届いた」ので、一緒におはなしを考えましょう~とお誘いするとこわごわながら、お話を考えてくれました。
どんな手紙かな、まずはお名前を教えて、と会話から「こうた君へ」と模造紙に絵を描いていきます。私自身もこんな感じかなと探りながら質問していきます。例えば、知っている人からの手紙か、知らない人からの手紙かな、と。すると。「りおちゃん」とお友達の名前が飛び出しました。
宛先と送り主が決まると、あとはその文面。「『またおうちに遊びにきてね』って」書いていると、届いた手紙が完成。
ここから、こうた君は、どうするのでしょう。
どんなお返事を書く? それとも、おうちに遊びに行っちゃう?
「遊びにいく」と言います。
だったら、お土産を持っていきたいね。りおちゃんの喜ぶものがいいんじゃないのかな。
お母さんのアシストもあり、「『プリキュアの変身ステッキ』~」
さあ、お話がまとまったかな、とこんな一通目のアイデアからできたのが『りおちゃんからの手紙』です。

『りおちゃんからの手紙』

りおちゃんは、こうた君の仲良しのお友達です。
ある日の放課後のこと。こうた君が、りおちゃんのおうちに遊びにいきました。
ピンポーン!、と高い音でチャイムが鳴ります。
こうた君は、これがりおちゃん家のチャイムの音なんだと思いました。
インターホンのカメラを覗いていた、こうた君でしたが、玄関のほうが先に開きました。
「わっ」
「こうたくんっ」
さっきまで学校でいっしょに勉強していた、りおちゃんです。
りおちゃんには少し重そうなドアから顔を出しています。
「びっくりさせちゃった?」
「こっちからしゃべるのかと」
おうちに招き入れたりおちゃんは、わたし、背伸びしないとモニターに届かないから、
とインターホンを指さしました。
「あっ、ぼくもだ」
こうた君は、これって人が目の前にいるのに、電話のようにおしゃべりができるのでちょっとヘンで面白いなと思いました。
それからふたりは、とても愉しい遊びをたくさんしました。りおちゃんはお気に入りプリキュアの変身ステッキを、こうた君に見せるのを忘れてしまうくらい。
あっという間に帰る時間になってしまいます。
「じゃあね、りおちゃん」
「ばいばい」
それから数日して、こうた君のおうちに手紙が届きました。
りおちゃんからです。
ピンクのクレヨンで「『また、おうちに遊びにきてね』」と書いてありました。こうた君は嬉しくなって、すぐに出かけていきました。手紙はちょっと前の言葉が、今に届くからすごいなと思いました。
こうた君の片手には、りおちゃんの好きなプリキュアの変身ステッキを持っています。
「プレゼントするんだ」とお母さんにだけ教えました。
りおちゃん、きっと喜ぶだろうなあ、と想像するだけでニヤニヤしてしまいます。
ピンポーン!
玄関から、りおちゃんが顔をのぞかせます。
「うふふ」
りおちゃんも、今日こそはプリキュアの変身ステッキを見せたくて
背中に隠していました。
それからはどうなったんでしょう。
続きは、こうた君に聞いてみないとね……。

「手紙が届いた」一通目『りおちゃんからの手紙』

二通目

二通目は、まなちゃんとなおみちゃんの、賢そうでとてもかわいい鶴間小の3年生のもとに届きました。
本づくりに興味をもって「ここだ~」とブースを探してやってきてくれました。
前にも手作りでお話をつくったことがあるんだ、と楽しそうにお話しするので、わたしも聞いていて面白くなりそうだぞと心の中で腕まくりしました。
二人あてに「手紙が届く」といいなというので、秘密基地、そう二人だけのおうちというのはどうかな、とさっそく設定を考え始めました。アイデアが止まりません。
ハートの型のポストがある二人暮らしの一軒家。トトロに出てくるような小道を抜けていくとたどり着く。そう、大人の入れない世界なの、と。
そんな幸せな世界に届くのが「不幸の手紙」!
印象的だったのが、二人にはしっかりした価値観があったこと。例えば住むのはお城じゃなかったり、王子さまはいらないよ~と、はっきり言ってもらったりしたこと。『二人の戦い』には彼女たちの好きと大好きがたくさん登場しています。見どころは、ラストシーンに出てくるドレス。二人の将来の夢のひとつがファッションデザイナーなんだそう。ワンダホー!
しかし、他にも書いてもらったのに写真を撮り忘れてしまいました。いつか私に洋服をデザインしてね!

「手紙が届いた」二通目『二人の戦い』

『二人の戦い』

「手紙が届いた」二通目『二人の戦い』
©まほとなおみ

ここは、子供だけが入ることのできる秘密の世界ーー。
夜空からはしんしんと雪が降っています。あたりは原っぱで丘の上に一軒だけ、ぼうっと暖かい灯りがついた小さなおうちが見えますか。

黄色い屋根に桃色のリボンはデコレーションされていて、オレンジの壁を引き立てています。玄関には赤いハートのポスト。特注であつらえたようなデザインです。一体どんな人が住んでいるのでしょう?
窓から中の様子を覗いてみます。おや、大きな暖炉の前に、毛布の中に小さな塊が二つ見えました。

毛布は、楽しそうな笑い声をあげています。わっ、と二人の女の子が毛布から飛び出しました。実はここ、まほちゃんとなおみちゃんのおうちなんです。

まほちゃん、なおみちゃんという女の子は二人で暮らしています。もちろんちょっと前までは普通の小学校三年生でした。みんなと同じように家族と一緒に暮らし、学校にも毎日通って、勉強だってマアマア嫌いじゃありませんでした。

そんな生活が変貌したのはーー。大雨や土砂崩れ、これまでにない強い台風が来ると東京中の電車が止まったり、天気予報のニュースでも騒いだり、公立小学校は予測不能の天候に備えて、自宅勉強優先で、一年間の休みを決めしたりした、あの夏の日。

二人は校庭にいました。小学校が長い間休みになることはわかっていても、急に生活は変えられないもので体育の授業で習ったばかりの縄跳びを練習していたんです。三重飛びが飛べた、その時でした。突然、びょおおおお、と豪風にまほちゃんとなおみちゃんは空高く舞い上がりました。

「「きゃあああ」」

気がづくと二人は森の中に倒れていました。なおみちゃんは、ここは鶴間公園かなあ、と思いました。ただ、昼というのに薄暗く誰の姿も見えません。まほちゃんも「びっくりしたあ」と洋服についた土を払いながら、「ここ、どこだろう」とあたりを見回します。帰らないと、とそ二人は思ったので森のトンネルを抜けて探検を始めましたが見つかったのはこの一軒家だけでした。

小さなおうちを見つけた二人は、すぐに駆け寄りました。助けを求めたんではありません。ここに住むんだ!と直感が叫んでいたのです。部屋のなかも他に見たことのない可愛いおうちでした。ソファも二つ、ベッドも二つ、クローゼットも二つ、開けるとぴったりのサイズのワンピースや帽子、靴までもがたくさん入っていました。すべて新品です。どのような不思議な力がおうちにかかっているのか二人には見当もつきませんでしたがおいしい料理もお皿の上に用意されているのでした。

こうして二人暮らしを始めたのです。それから秋が過ぎ、冬がやってきました。時おり家族のことや学校の友達のことを思い出して、元気にしているだろうかと少しさみしい気持ちにもなりますがゲームをしたり、お菓子を食べたり、やることはたくさんありました。

二人は幸せでした。

and more……

「手紙が届いた」二通目『二人の戦い』
©まほとなおみ
「手紙が届いた」二通目『二人の戦い』
©まほとなおみ

三通目

三通目はやたぴぃさん!

やたぴぃさん

『南町田のまちのがっこう祭の招待状』

執筆中です

「手紙が届いた」三通目

四通目

最後は、まなちゃんとゆうこさん!

「手紙が届いた」四通目

special thank "you"

本作は2018年11月3日、「南町田のまちのがっこう祭」内の企画イベントによって当日の執筆のうちに誕生しました。好きを持ち寄るまちづくりコンセプトのもと、「物語を考えることが好き」なわたしが、参加者のみなさまのアイデアもとにして作品を執筆いたしました。作品のタネをくださったみなさまをご紹介いたします。

一通目
こうた君
二通目
まほちゃん&なるみちゃん
三通目
やたぴぃさん
四通目
まなちゃん&ゆうこさん

ここに御礼申し上げます。ありがとうございました!
本作は電子書籍で無料公開しております。ご家族や、友人にも作品を通じて、今日の思い出を振り返ってもらえたらとても嬉しいです。

手紙が届いた Who wrote a letter??

2018年11月3日 発行 初版

著  者:小野寺ひかり
発  行:HAROU

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小野寺ひかり

文筆家・脚本家。広告代理店勤務を経てフリーランス活動を開始。2018年「本」と「人」をつなぐ活動に興味関心を持ち、一般社団法人まちライブラリーに賛同、東京事務局を担当。NPO法人日本独立作家同盟にて、リアルパブリッシングイベントNovelJam2018秋ディレクター、部会長を担当。南町田のまちのがっこう祭では、「つながるおはなし」を企画し、アイデアから短時間で小説をつくるイベントを実施した。小説には『平成残侠客伝』など。
Twitter @OnoderaHikari
ブログ 小野寺ひかりのブログ
連絡先 h.onodera90@gmail.com

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