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高校に合格した。今日は入学式だ。
そろそろ出発しなければ間に合わない。時刻は十一時十分前。
私の母の実家で用意をしている。
制服を着ようとするが、上はそろっているのにスカートがなく、パジャマのズボンのまま探す。母や叔母に訴えるが、みんな関係ない話をしていて、あまり相手にしてくれない。急いでるのになんで、と思う。
やっとスカートが見つかり、今度は靴を探す。靴箱にはいろいろな靴が入っているが、どれもこれもリゾート風のデザインばかりで、目当てのものがなかなかみつからない。
靴を履こうとしたら今度はストッキングを忘れていることに気づいた。慌てて周りに言うと、叔母が持ってきてくれた。ところが受け取った瞬間、実はちゃんとストッキングを履いていることに気づいた。
母が運転する車に乗って出かけるが、もう時間ぎりぎりだ。時計は十一時十分前。
道を制服姿の、とても可愛い女の子が歩いている。どうも同じ高校らしいが、すごく怒った顔をしている。その後ろからやはり同じ制服の、大学時代の同級生の女の子が自転車に乗ってやってきて
「一緒に行こうよ」
と誘う。だが女の子はますます怒った顔で、返事もせずに一人で歩き続ける。
母が
「一緒に行きなさいよ、そのほうがいいわよ」
と車の中から彼女に呼びかける。
突然気づく。
私はとっくに高校を卒業しているはず。
だからもう高校には行けないんだ。とても残念な気持ちになる。
時計は十一時十分前。
薄暗い、階段の踊り場のようなところに、
子どもの荷物が沢山置いてある。
床に白くて長い、足の多い虫が這っている。
よく見ると、手すりのところに大きくて縞々模様のあるむしがいる。
子どもに見つからないうちに、殺してしまわなければ、と思う。
むしは一旦荷物の陰に隠れたが、出てきたところを棒のようなもので一撃した。
するとむしは半分あたりからずぼっと抜けて、ちょっと動いたが死んでしまった。
大学時代の下宿で、大学の後輩の女の子と一緒にいる。もう一人いるが誰かわからない。
隣の部屋から一年生の噂話が聞こえてくる。
後輩は誰かのために複雑そうな占いをしていたが、私は用があったので外に出た。
やや上り坂の広い道。明るい。歩いていたら、妙齢の人妻と男性の不倫現場を目撃。
ホテルに行くと、案内された部屋は今前の客が出て行ったばかりらしく、従業員が三人でベッドメイクや片づけをしていた。入り口で待たされる。
ホテルのオーナーらしき人が二人の客と話をしている。
私は何だか罪の意識を感じてきたので、帰ることにする。
トイレに行こうとするが、とても狭くて、おまけにドアがきっちり閉まらない。苦労してなんとか用を足す。それを見て笑っている人たち。笑うことないのに、と思う。
大勢でテレビ映画を観ながら食事している。
その映画はサスペンス物で、女性が誰かを殺してしまうという話。
その主人公の女性が一緒のテーブルに座っている。
「そうそう、次のところで私、殺しちゃったのよねえ」
などと言っている。
食事はおいしかった。
修学旅行か研修旅行、かで海沿いの島のような観光地に行く。
海は泳げる所とそうでない所があったけれど、底が見えるほど綺麗だった。
次女を連れて、仲のよいママ友と出かけた。ところがしばらくして、持っていたはずのバッグがないことに気づく。
「警察に届けたほうがいいよ」
とママ友に言われ、一緒に行くことになる。
警察は四角い建物の三階にある。エレベータを降りるとフロアは薄暗く、大きな引き戸から灯りがもれている。ここだよ、というので開けようとしたが思いのほか力が要った。中には事務机が沢山並んでいるが、一人だけしか人がいない。どうしましたか、と聞かれて説明しようとしたら、そこに自分のバッグが置かれていた。
ママ友に良かったねといわれ安心するが、同時に
「子どもはどうしてるの?こんなに夜遅くまでほったらかしてしまった!家に入れない」
と急に心配になる。
だが息子に鍵を持たせたことを思い出し、二人ともひとまず家には入れている、と安心する。
修学旅行中で、山へ向かうリフトのようなものに乗っている。
すごく急いで乗せられたので、ショルダーバッグも逆さまになり、落としてしまった!と一瞬焦ったが、わずかに足先に引っかかっていて、何とか捕まえることができた。
線路のようなところを離れるとかなり深い谷で、不安定に揺れるリフトがとても怖い。
駅に着いたが、バッグの口があいていて、財布がないことに気づく。
そこにいた二人の駅員さんに聞こうとしたが、何人かの男の子と話していてなかなか順番がまわってこない。駅員の足元に何か落ちていたが、財布ではなかった。
茶道の席に、高校時代の友達がたくさん来て騒いでいる。
「いつもこれくらい明るくやれたらいいのに」
と思う。
新学期の教室。席がすでに決まっている。私の席は前から二番目。一つの机に二人で座る。だが後ろの方は三人で一つの机だった。女の子が三人、
「これじゃあ狭すぎる。眠るとき困る」
と文句を言っている。
知り合いの男の子が後ろに座っていて親しげに話しかけてくる。この子こんなにとっつきやすかったかな、と不思議に思う。
学校の中にいて、家に電話しようとするが何故かどの電話機も不通で、かけることができない。すごく広い学校なので、大きなロビーを通り抜けて他の電話を探しに行った。やっと見つけたと思ったら、それは両替機だったので、きまりが悪かった。急いでまた探し回る。するとあたりが段々暗くなってくる。廊下を通り過ぎようとすると、教師が生徒を叱っている声が聞こえた。この学校は、名誉ばかり考えている、と思う。
元いたロビーも、どこなのかわからなくなってしまった。
人の声がするほうに行ってみると、そこでは大画面でTV放映をしていた。「動物」の番組だ。
深く切り立った崖で、鳥のような恐竜のような大きな生き物が飛び回っている。不気味。
出口がわからない。
下宿の部屋で男性と一緒にいるところをヘンなおばさんに見咎められる。
大家さんにも知られてしまったので
「あの人はまたいとこなんです」
と弁解する。
男性は眼鏡をかけていてずんぐりむっくりしている。やや年配。
迷路のような道を進もうとするが、敵がいて通れない。
尼さんの格好をした女性達が時折巡回に来る。
やっと外に出たが、暴動が起こりそうな雰囲気だったので、連れの女の子と一緒に逃げる。裏道を通っていかなければならないので、とても道が悪い。
とても速く走れるので、勢いあまって崖の上から跳んでしまった。深い谷底が見える。岩の上にうまく乗ることができ、落ちずにすんだ。怖かった。
だがうまく逃げおおせた。
レコードが裸のまま置いてある。レコードというよりCDのような形状。
埃だらけなので、棒の先に小さなスポンジのようなものがついた道具で拭き取る。周りの人たちも手伝おうとするが、やり方が乱暴なので、私がやるからいい、と止める。
戸棚にたくさんのディスクが並んでいる。
出しっぱなしのものも多く、端から片づける。
ビニールががさがさして入れにくいが、なんとか仕舞う。
女性が
「○○さんに言ってやりなさいよ」
と私に話しかける。
私は
「そんなつもりでやったんじゃない、ただそこにあるものを片づけただけ」
と答えてその場を立ち去る。
高校の入学式。講堂のようなところに、びっしりと人が並んでいる。体育館は改築中らしく、やむなくこの場所にしたという。
クラスごとに並んでいる。仲良しの子がたくさんいる。すぐ後ろに中学時代の同級生。お互い同じクラスでよかったねと喜び合う。
式が始まる。隣の部屋でブラスバンドの演奏。結構うまい。是非入部しよう、と思う。
ドラムがいいだろうか、しかし姪ほどはうまく出来ないかもしれない。
トランペットは? 昔やったことがあるからいいかも。
クラリネットは繊細な楽器だから難しい。
なんでもいい、と言うと大きな楽器になるかもしれない。
子ども達は楽器を演奏する私を見てどう思うだろう。
いつの間にかトロンボーンを手に持っている。
周りの皆が
「えー、持って来ちゃったんだ」
と笑う。
自分でもいつ誰のものを取ってしまったのかわからない。
あとで返しに行こう、そのときに入部できるかどうか聞いてみようと思う。
校歌斉唱、の声がしてみんな歌い出す。
各自の出身小学校の校歌を歌う、ということになっていて、みんなバラバラ。失笑がもれる。
長女と一緒に電車に乗っている。特別快速のようだ。
びゅんびゅんと景色が過ぎ去っていく。空が青い。
車内にある路線図を見ている。六つか七つの駅を通り過ぎると終点は「沼田」だ。伊豆の近くで、温泉もあるらしい。
そこに一泊することにしよう、と決め、旦那に携帯で連絡を入れる。俺は夜になってからしか行けないよ、と言われる。
「沼田」に着く。「温泉」の看板がついた建物がたくさん。海が近いせいか魚屋がいっぱいある。
魚をアミですくわせてくれるところがあったので、入ってみる。いつのまにか大学時代の同級生も一緒にいて、はしゃぎながら魚をすくう。
店のおじさんやおばさんもにこにこしていて感じがいい。
泊まる場所はどこがいいか、おすすめのところを聞いてみようと思う。
青い空の色は薄れ、夕暮れがやってこようとしていた。
大きな建物。窓のはるか下に線路があって電車が入ってきているのが見える。
建物はどうやら大学のよう。構内にも駅があって、たくさんの学生たちが電車を待っている。
中学時代の意地悪な同級生が前にいて、親しげに話しかけてくる。私はあまり彼女とは話したくないので生返事しているが、向こうはしつこく喋り続ける。
電車が入ってきた。ジェットコースターのような車両。屋根がなく、みんな仰向けに寝るような形で乗る。しかも一両に三人ずつしか乗れない。順番が来たので乗り込んだが、スピードが遅く、上り坂では止まりそうになる。止まるとまずい、と思い足で漕いだ。必死の思いで進んでいく。
ママ友とバスに乗っている。
山奥から降りてくるバスだ。
行く先を間違えたことに気づき、途中で降りる。
バスはお寺のようなところでUターンする。
大学時代の同級生と一緒に、何かの準備をしている。Kちゃんという美人のクラスメートのことを
「キレイなのにつんつんしたところないし、面白いしいい子だよね」
と話していたら、誰かが
「そんなことないよ!あの子はこの間こんな言動を……」
などとぶつぶつと悪口を言い続けるので、ちょっと嫌な気分になる。
大学の構内に、ゴルフコースのように広い庭がある。小高い丘にのぼると、そこで「くじ」をやっている。紐を引っ張ると景品がくっついてくるやつだ。ところがそれを知っていながら、次女に手を引っ張られて降りていってしまう。雨も降ってきたしぞくぞくと人が降りてくるので、
「次女にくじを引かすと喜ぶかもしれないけど、この雨と人じゃあ・・・どうしよう」
と迷っている。
会社にいる。今日から仕事を始めるのだ。
「おさ子さん、ひさしぶり」
「今日からだってね、またよろしく」
顔見知りの社員達がにこやかに声をかけてきてくれて、ちょっと嬉しくなる。仕事から離れて何年も経つから、うまくできるかどうか心配だ。
地下に降りると、仲良しの先輩が白衣を着て社員食堂で働いている。驚いて声をかけると
「あ、僕は○○さんじゃないんだよ。よく似てるっていわれるけどね、アハハハ」
とにこやかに否定される。
エレベーターに乗ってオフィスに行くとその先輩が確かにそこに座っていた。よく似た人がいるものだなあ、と思った。
トイレに行きたいのだが、何故か何処へ行っても長蛇の列で、ちっとも用を足すことができない。埒があかないので、外に行ってみようと思う。白い道をどんどん歩いていくと、段々道幅が狭くなり、白い壁が迷路のようにせりあがってきた。
人ひとりやっと通れるような幅の道を這うように進むと、異国風の大きなお墓があった。お花が供えてある。どうもここで行き止まりのようだ。かなり高い場所にあるらしく、緑の風景が眼下に広がる。
ここから先へは進めない。引き返そうと思いふと見ると夫がいて、「お昼だから何か食べに行こう」という。いい考えだと思う。
何かの事故か災害の報道写真。滝つぼのようなところで撮られている。皆びしょぬれで意気消沈したようす。その上のほうに三人くらい、子どもの顔が浮かんでいる。最初はぼんやりしていたのだが、徐々にはっきりとしてくる。
「ああ、この事故で死んだ子の霊なのだ」
と思い、悲しく痛ましい気持ちになる。だがとても怖い。怖くて正視できず、その場から離れる。
大学時代の友達と久しぶりに会い、電車に乗っている。行き先は渋谷だ。
「渋谷なんて何年振りかな」「私もよ」
というような会話をしていたら、駅に着く。渋谷だった。慌てて降りる。
階段をかけおりると、どっちへいったらいいのかわからない。友達が
「あ、こっち見たことある。きっとこっちだよ」
といって階段をまた下りて上る。渋谷は今どんな感じになっているんだろうか。期待で胸がわくわくする。
車に乗って大勢で食事に行こうとしている。大きなビルに入っている中華料理屋で食べることにする。なんとなくイマイチかもよ、と言っている女の子もいたが、時間ないしこの際いいよ、と皆で諦めたように店に入る。
人数の割には小さいテーブル席に座らされる。注文したものは、すぐ出てきたものもあったが、なかなか来ないものもあって、やっぱりイマイチなんだわあとみんな思う。
もうすぐ学校に行く時間だ。だがさあ出よう、としたところで、留守を預かっている近所の友達の家に施錠してきたかどうか、確認し忘れたことに気づく。慌ててその家に行くと、案の定鍵は開いていて、家の中が散らかっている。
まずい、泥棒に入られただろうか。盗まれたものがないかどうか確認するため中に入る、薄暗くてよくみえない。玄関の横の大きな窓も開いていたので閉めようとしたら、近くで工事をやっている人の声が聞こえ、手が伸びてくる。その手が窓にかかる一瞬前に閉めて鍵をかけることができて、ホっとする。
ふと気づくと、暗い家の中に近所のおばさんが立っている。いつの間に入ってきたのだろう、と思い
「鍵、開いてましたよね」
と声をかけた。おばさんは
「そうね、開いてたわ」
と言う。顔は覚えているが名前が思い出せない。家の中を確認する手は休めず、あとで母に聞こうと思っていると、向こうから話しかけてくる。
「この家もね、良かったわよね。お父さん、脳腫瘍だったんでしょ。一時はどうなることかと思ったわよねえ、別人みたいに痩せちゃって。でも持ち直して、こうして家族で旅行にいけるんだものねえ、ホントに良かったわねえ」
私はなんとなくこのおばさんから逃げたくなり、玄関をめざす。学校に遅れないだろうか、と心配になる。
女の先輩と一緒に歩きながら話している。私は実際と違い(笑)モテ系の高校生、ということになっている。
かなり可愛いらしい。憧れの先輩にももしかして手が届くかも! などと思っている。
クラスは運動会の話で盛り上がっている。私は足が速いので、リレーに出ることになるだろうな、と思う。リレーには百メートル・百五十メートル・二百メートルがあって、二百だときついけど、他に走る人が誰もいないようだったらやってもいいかなと考えている。
男子が、クラスを盛り上げるにはどうしたらいいかを熱心に議論している。
家に帰ると、何か騒ぎが持ち上がっている。親族の誰かが、私の苦手な女性と結婚することになったのだ。
「あの人はやめたほうがいいよ、だってもう結婚してるはずだよ。重婚になっちゃうよ」
女性達に一生懸命伝えようとする。あの人が誰かの嫁になるなんて、それはちょっと困る。説得を試みているうちに、これは本当のことではない、こんなことが起こるはずはないんだ、とだんだん気がついてくる。
息子と次女を連れて街に出ている。
長女は家で留守番だ。
何かを探しているのだが、その店にはないようだ。息子が
「お母さん、あっちのほうの店にはあると思うよ」
というので、そこを出て違う店に向かう。大通りを下っていったところだ。
川が流れている。
突然、前を一人で歩いていた次女が川に入る。それほど深くはないが流れは速い、息子と私は慌てて次女の名前を呼び、上がってくるように言うが、次女は構わずどんどん先へ歩いていく。流れはどんどんはげしくなり水量も増えてくる、このままでは溺れてしまう。ますます大きな声で叫ぶが次女はまったく聞こえていないようだ。
川は暗いトンネルをくぐる。流れにのまれた次女はそこに吸い込まれていく。
ああ、もうだめだ。きっと死んでしまう。
私と息子は走って、トンネルの出口に向かう。
そのとき、脇から知らない女の人が川に飛び込んだ。出口から流れてきた次女をつかまえ、岸にあげてくれた。次女は泣きべそがおだったが無事だ。
「ありがとうございます、ありがとう」
私と息子はその女性に何度も礼をいう。
本当に良かった、と思う。
どこか高いところから海岸をみている。
青く美しい海の色に、あちこちで歓声があがる。
崖の下、珊瑚礁も透けてみえる。あんなところで泳いでみたい、と思った次の瞬間、海の中にいた。
目の前の水面に大きなヒレがひらりひらりと舞う。ドキっとしたが、それはイルカたちだった。青い流線型の体に触れようと手を伸ばすが、イルカはキュキュっと笑ったような声をたてて逃げていってしまった。目の覚めるような青い海のなかでイルカ達の群れが遊ぶ。
そこにいた人達に、上に引っ張りあげてもらった。
ふと見ると、崖の端ぎりぎりに小さな線路が二本ひいてあって、おもちゃのような機関車が煙をはいてすれ違っている。
可愛い、と思って眺めていると、片方の機関車がバランスを崩してこちら側に倒れた。周りの人と笑いながら起こしてやる。海側に落ちなくてよかった、と思う。
冷蔵庫のなかに、お菓子が入っている。シュークリームが入っていたはずなのに、なぜか細いカステラのようなお菓子に変わっている。
早く食べてしまわないと悪くなってしまう、と思い急いで口に入れた。
親戚の母子が、「ここにいれておいたお菓子は?」とみんなに聞きまわっている。兄や義姉が、「さあ、知らないわー」「誰か食べてしもたんやろか」などと言っている。
どうしよう、あれは私のものではなかったんだ。まずい。このまま知らん振りを決め込もうか、とも思ったが、結局自分が食べたことを義姉には告白する。
「あれね、限定ものでなかなか手に入らないものみたいよ。どうする?」
と言われ、急いでインターネットで調べはじめる。平凡なお菓子だと思ったのに、確かになかなか見つからない。
探し続ける母子を横目に、気持ちばかり焦る。
夜中にふと目が覚めた
まだ暗い
ふと見るとすぐ右隣に、次女が座っている
なんでこんなところに座っているのだろう?
右側は息子だったはず
肩をちょっと超えるくらいの長さの髪
いや、次女じゃない
次女ではないけど
誰?
シルエットだけの少女
横顔のかたち
どんな表情をしているのかはまったく見えない
ただそこに座っている
しばらくじっと見ていたが
一瞬目を離したら消えていた
息子がすやすや眠っている
何事もなかったように
夢なのかもしれない
もし現実だったとしたなら
私は生まれて初めて幽霊というものをみたのだ
と
思った
友達のMと評判の店にランチに出かけることになり、タクシーに乗った。ところが、いつまで経っても着かない。
こんなに遠かった?料金すごい上がるんじゃないの大丈夫?
と二人で心配するが、ようやく到着。駐車場にはたくさんの人がいて満車らしく、離れた場所に停めることになる。
かなり歩いてやっと目当ての店に着いた。中華料理屋のような感じで、広いが特にキレイでもなく豪華でもない。なぜか運転手まで一緒に来て食べていた。
お会計を済ませふと見ると、Mがいない。探しても見つからず、携帯で連絡を取ろうとするが中々かけられない。かけても出ない。
さらわれたのなら、携帯も捨てられてしまったかもしれない。どうしようと焦る。
警察に相談すると、地域の実力者?のところに行けという。その間も、Mの親御さんに連絡すべきかどうか迷う。きっと心配している、だが何もわからないのに何を言えばいいのか。こんなところ来なければよかったと思う。
広い場所に来た。例の実力者は下の方にいるらしい。段差になっている花壇のようなところに降りると、子犬のような小動物がわらわらと寄ってきてじゃれついた。可愛いがそんなことをしてる暇はない。どうにか押しのけて、下に降りようとするが結構高くて、飛び降りるかどうか迷った。
頭の中で、さらわれたと思われるタイミングの映像が繰り返し流れる。ご両親にどう言おうか、まだ考えている。
中学生か高校生、とにかく大学に入る前の自分に戻っている。
誰かはわからないが全員見知った顔。女子が多い。
校舎がある。長い門が続く。渡り廊下を歩いていると、戦車に乗った有名人がやってくる。周りにはそれを捕まえようとする警察が大勢いて銃撃してくるが、皆
「戦車だから大丈夫だね」
と安心して見ている。戦車は街の中を傍若無人に走り回る。
友達との十一時の約束に遅れた。今住んでいる場所ではなく、実家にいて
「どうして起こしてくれなかったのか」
と母を責めている。酷く腹が立って殆どパニック状態に陥る。
その後、懐かしい人々が家の玄関まで来ているのを見た。小学校の同級生もいた。
飛行機に乗り出発する。自分はこのまま死ぬのではないかと非常に不安な気持ちを抱いているうち、飛行機は元いた場所に戻る。再度出発した時には不安は消え、きっと大丈夫だと思い直している。
周りには平原が広がっている。
修学旅行か、合宿のような雰囲気。小学校の頃仲が良かった四~五人で1つの部屋にいる。畳敷きの和室だ。六時ごろ、女性教師がズカズカと入って来て皆を起こす。全員でしぶしぶ身支度をはじめる。
壁ぎわの物置の隣には、番号のついた鍵が沢山並んでいて、
「これは持ち出さずここに置いておくこと」
と書いてある。私はその一つを持っていたので慌てて返そうとしたが、友人が
「大丈夫だよ、わかんないよ」
と言って止める。鍵の行方はそのままわからなくなった。そうこうしているうちに皆着替えを終えて出て行ってしまった。別の友人がひとりだけ待っていてくれたが、歩くのが速すぎて追いつけない。私は最初履いたコンバースを自分のテニスシューズに履き替えた。左右の大きさが違っていたが、履いてみたらぴったりだった。
ドアを開けるとそこは中学校の廊下だった。前を友人たちが歩いていくのが見える。教室にはたくさんの人がいて騒ぐ声が聴こえる。
急いで階段を駆け下りて、小さい子に躓きそうになるが危うく避けた。最後の段の辺りで、知らない中年男性が縄を張り、今にも早回しをしようと待ち構えている。回し始めたらもう通れないと思う。さっきの小さい子も、校長先生もその前でじっと待っている。私はとても急いでいたので、回りそうになった瞬間走り抜けた。間一髪成功した。
気づくと小学校の講堂に向かう廊下を男女二列で歩いている。私の隣には小太りの男子、前にはかなり太めの男子がいて、二人とも仲が良く楽しそうに喋っている。講堂には沢山の人が並んでいて、前の方にどんどん詰めさせられる。その途中で幼馴染と再会、
「五万円!ほらあのバイト代のこと!」
と言われ
「ああそういえば忘れてたな」
と思い謝るが、列がどんどん前に進み離れていってしまう。
「またあとで電話するね!」
と言ったものの考え直し、その場にあった机で紙に「依田さん」と「印田さん」の電話番号を書いてもらう。旅行の途中で落ち合おうということになったが、私は彼女が結婚していることを知っていたので
「でもなかなか出て来れないでしょ」
と言うと
「そう」
と苦笑いした。
最前列でスライドを観ている。スライドなんてつまんない、と思った瞬間フィルム映像に変わった。とても眩しい。近くに高校の同級生もいる。未婚のはずだが、結婚していることになっている。
旅行に来ている。目的は静養。建て増しを繰り返し通路が入り組んだ旅館で、一階も二階も同じようなつくり。大勢人がいるらしき大部屋の前を通り、廊下をくねくねと曲がって「75」の部屋に入る。そこには段ボール箱いっぱいに「昔のもの」が詰められて置いてある。
お風呂に入ることになる。深夜だったのでもうボイラーが切ってあったが、お湯は充分温かかった。広くてとても気持ちが良かった。
戦時中。大勢の女の子たちが山奥の古い木造の建物に向かっている。雨が降っていて、玄関には傘が一杯ある。友達と引率者の男性三~四人と一緒に、そのまま小さな平屋の建物を抜けて中庭のような場所に出た。雨は激しく、今出て来た建物が傾いている。
(そろそろ崩れるな)
と思い、皆がいる所に引き返し、傘をまとめて、一人一人順番に渡す。
(こんなことやってる場合じゃないのに)(いつあの建物が崩れるか)(あの子は死にそうだな)(自分はどうだろう)
他人事のように考えている。
最初から、この家が崩れて何人もの人が下敷きになって死ぬことはわかっていた。
お菓子を作った。オーブンで焼こうとしたが、まだ中が温まっていない。目盛りを120度に合わせると一気に温度が上昇した。
出来上がったお菓子はテーブルの上に並べて置いた。
父が食べて「よくできてる、美味しい」と褒めてくれたが、兄たちは不味いと言った。自分でも食べてみたら、特に不味くもなく美味しくもない、普通の味だった。
家族でカラオケに行った。家族以外のメンバーもいるようだ。父が最初に歌ったが、知らない曲だった。その後部屋を移ることになり、狭い階段を上がって二階へ。テーブルチャージを取られないか、父が皆の分も払うと言い出さないか心配になる。
場面が切り替わって、高校の教室になる。どうやら卒業の日らしい。父が前に出て挨拶している。席は所々空席が目立つ。
大学時代の友人がやって来て、
「委員会が長引いた。だから私は後にしようと言ったのに」
と、一緒にいた同じ委員の男子を詰る。彼は弁解するが、私のキツイ一言で黙ってしまう。
私の席の後ろに同級生の女子、男子が座っている。二人は仲良くお喋りしていて、こちらが話しかけても無視された。
ああこれで高校時代も終わりだな、でも残った日は何をするんだろう?授業?最後に学食で食べ納めをしようか……と思った途端現実を思い出し、脳内は後悔の嵐となる。
知らない街に来た。同居人と一緒に住んでいる友人に会うためだ。そのアパートから一旦出て、もう一度戻ろうとしたら道を一本間違えて全く別方向に行ってしまった。
お寺のような建物が立ち並び、どんどん山の中へと入っていく。道も徐々に狭くなって、いつのまにか背後に大勢人がいる。私は角で立ち止まって、その人たちが通り過ぎていくのを眺めた。目の前には真っ青な四角いプールがあって、とても綺麗だ。
しばらくして、ようやく友人のアパートを探し当てる。中で何かをしているような物音が聴こえる。ドアを勢いよく開けた。
部屋の中で鏡をみている。舌に切り傷があって気になって仕方がない。見ているうちに、自分の手で治すことを思いつく。指を舌に近づけると熱く、痛みが和らいだ。大きい方の鏡を見ると、次第に体中から光が放たれる。自分はやはりこういう能力を持っていたのだと思う。
自宅にいる。地球最後の日がどうやら近いらしい。周囲は騒然としている。その中で、見知らぬ男性と私はピアノの前に座り、和音を鳴らしている。彼が「ミソドミ」を弾き、「何だか暗い音だ」というので、代わりに「ドミソド」と弾こうとするが、指が届かない。悲しくなって彼に手を差し伸べると、抱きしめてくれた。
アメリカにいる。電車かバスかわからない乗り物の窓はとても大きい。女の子が三人座っている。誰なのかはわからない。時々ひどく年配に見える。
窓から見える風景は、グランドキャニオンや大きな湖。雪がちらついている。そこを通り過ぎて住宅街に出た。日本風の家がいくつも寄り集まって一つになっていたり、小高い丘の上に積み重なるように家がかたまっていたり、奇妙な家ばかりだ。
着いた所はニューヨークだった。ふと我に返り、
「今何故こんな所にいるのだろう、次の便ですぐ日本に帰らなくては。二回行くことになってしまう」
と思っている。
部屋では、女性たちが集まってテレビを観ている。マイケル・ジャクソンだ。室内では小さい人たちが並んで踊っている。私たち三人は別の番組が観たかったので、チャンネルを切り替えた。皆文句を言うが、構わず替え続けると、ニュースが流れだした。地震のニュースだ。
私たちはこれを見たかったのだった。
雑誌には、非常階段を逃げようとした女性の無残な写真が載っている。鉄パイプで心臓が完全に両断されている。
海辺。がっしりした男の人が、近くの木の枝を切って海に投げ込んでいる。もうすぐ来る津波を止めるためだ。しばらくするとトラックが走って来て砂浜を横切る。その途端大きな波が来る。私が男の人の代わりに枝を思い切り投げるが、小さすぎたし遅すぎた。
だが砂浜にいた人々は、トラックや、スケート靴で後をついてきた救急隊員たちに助けられる。皆一旦は水に沈んだが、すぐ浅瀬に上がり、溺れた人は一人もいなかった。
2019年4月1日 発行 初版
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福井県出身、大学では国文学専攻、2019年現在埼玉県民。性別は女。本と漫画と映画が好き。
ブログ「もの書く日々」で夢日記不定期連載。