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わらの家、木の家、レンガの家。子豚(こぶた)3匹がそれぞれ建(た)てた家。
オオカミがやってきて、わらの家は、オオカミの息でふきとんだ。
1男は、あわてて次男の家に逃げていった。
木の家もオオカミの息でふきとんだ。
次男もあわてて1男といっしょに3男の家まで逃げていった。
レンガの家でオオカミの息はきかなかった。
オオカミは子豚の母親の声マネをして入ろうとするが相手にされなかった。
オオカミはえんとつをのぼって家の中に入ろうとした。
3男が、えんとつから入ろうとしたオオカミに火をたいた。
オオカミ大やけどして、レンガの家から逃げ去った。
_____16年後
◆レンガの家Aにて。
「ジャン、オオカミジャン。わたしは今日は木の実が食べたい」
メスの豚(ぶた)が言った。
「へい、すぐ用意いたしますです、おじょう様」
ジャンは木の実を森に取りに行くことにした。
◆レンガの家Bにて。
「おい、トッポ、オオカミトッポ。アクセサリーを買ってきておくれよ」
メスの豚の妹が言った。
「へい、すぐ用意いたします、おじょう様」
トッポは森を抜(ぬ)けたところにある町までアクセサリーを買いに行くことにした。
◆レンガの家Cにて。
「…ニノ、オオカミニノ。あたしエステにいきたいですわ。
その前にいい服を着て行きたいから町で仕入れてきてよ」
メスの豚の3女が言った。
「かしこまりました。おじょう様。しばらくお待ちください」
ニノは森を抜けたところにある町まで服を買いに行くことにした。
◆森の入り口にて。
「よお、ジャン兄さん。そのすげえ量の木の実はなんだい?」
トッポはジャンに言った。
「ああ、これか?おじょう様が食べたいんだとよ」
「兄さんたち、ここにいたのですか?」
ニノはジャンとトッポにそう言った。
「木の実…とりに行ったんだよ。森の中に」
「そうですか。で、トッポ兄さんは?」
「アクセサリーを買いに行く」
「ほう。私は洋服です。」
「トッポ、ニノ。オレは先にもどるぞ」
ジャンはそういうとレンガの家Aへと向かった。
「おれ達はいっしょに森の奥までいかないとな」
トッポが言った。
「そうですね」
ニノが答えた。
◆森の奥にて。
「…あの3匹のメス豚、そろそろ食べたいよな?」
「ああ。そうですね。私たちも成長したし…、食べれそうですね」
「ジャン兄さんはどう言うかな?」
「”よし、そうしよう”っていうに決まってます」
「そうだな、よし…帰ったら食べてしまおう」
「ええ。そうしましょう」
◆レンガの家Aにて。
「早かったわね、ジャン」
「いえいえ。おそくなりました。ではでは木の実を」
「はいはい。ありがとう」
「どうぞ」
「むしゃもぐ…美味しいわね。」
「… …。」
◆森を抜けた町にて。
「それじゃ、おれはアクセサリーを買ってくる。」
「ええ、では私は洋服を買ってきますね」
_____次の日。
◆狼たちの寝室にて。
「なんだと?メス豚を食べるって?」
「しー、兄さん声が大きいよ。いいと思わねえか?」
「うん。いいな」
「ほらね。意見は全員一致(ぜんいんいっち)でしょ?」
「だな。」
「よし、食うぞ」
◆レンガの家Aにて。
「おじょう様。おはようございます。」
「あら、おはよう。どうしたの?なんだか顔が怖いわよ?」
「いまからお前を食ってやる!!」
「ふっ…、死ね」
メス豚の長女は銃(じゅう)でジャンを撃ち(うち)殺した。
◆レンガの家Bにて。
「おじょう様、おはようございます。」
「あら、おはよう。今日はあなたがここにきてから16年ね。
なにかプレゼントしたい気分だわ」
「なら…食わせろ!!」
「え?なに?」
「ふふふ!逃がさん!!」
「こんなことっ…無礼者(ぶれいもの)!」
「きゃっ!!」
「もう逃げらんねえぜ!!」
バキューン!!
「うあ?あぁあ?あっ…」
「きゃあああああああああああああああああ!!!!」
「だいじょうぶ?!まったく…、オオカミたちはやっぱり最低ね」
「お、お姉様?いったい…」
「拳銃よ、拳銃。それより3女のあの子が心配だわ。レンガの家Cに行くわよ!!」
「は、はい!!」
◆レンガの家C
「おじょう様…お別れの時間です」
「え?ニノ、どこかに行ってしまうの?」
「いいえ。おじょう様がどこか遠くに行くのです」
「え?」
ザシュッ!!
「ひいぃっ、痛いっ!!!」
「いただきます」
ニノは3女を食べた。
「…さてと。兄さんたちと落ち合うかな」
◆廊下(ろうか)にて。
「ニノ!私の妹を知らない?」
「おじょう様でしたらお昼寝をされてますよ」
「本当ね?」
「ええ。見に行って来られたらいかがですか?」
「それもそうね。」
「あ、お姉様、私も!!」
「行ってらっしゃいませー」
◆廊下にて。
「ふむ?兄さんたちは失敗したのか?武器を使われたのだろうな、きっとおそらく」
「…逃げるか?そうしよう」
◆レンガの家Cにて。
「いないわ」
「いないわね」
「まさか?」
「お姉様、服の切れ端(はし)が!!」
「……くそ!!ニノの奴っ!!」
◆森の奥にて。
「逃げるのも癪(しゃく)だな」
ニノは隠れながら残りのメス豚を食べることにした。
◆夜・レンガの家Aにて。
「お姉様、拳銃はそれしかないのですか?」
「うん。これしかないわね。」
「そんなっ…」
「あら?怖くて一人で寝れないかしら?だったらそれはあなたが持っていなさい」
「でも、お姉様が」
「あー、私の事なら心配はいらないから」
「そう、ですか…?」
「うんうん」
「ありがとう、お姉様」
「いいってことよ。少しお手洗いに行ってくるわね」
「はーい」
◆廊下にて。
「ふう…すっきりしたぁ」
メス豚の長女は大きく背伸び(せのび)をした。
「甘いな、妹に武器をあずけるとは」
「その声は…ニノ!!」
「お前は武器を持っていない。ありがたいことだ!」
ザシュッ・・・!!!
「くあああ…い、痛いっ!!」
「いただきます」
ニノはメス豚の長女を食べた。
◆レンガの家A
「お姉様・・・おそいなあ…まさか!?」
「…お前で最後だ」
「ニノ!?」
「後ろだよ」
「え?」
「ほんとは前でした」
「ひぃ!!」
「つかまえた」
「うあ…あぅ…」
「拳銃はどうした?」
くいっくいと2女が視線を向けた先に拳銃が置いてあった。
「不用心だったな。いただきます」
ザシュッ…!!!!
「ひいっ!!!」
ニノはメス豚の2女を食べた。
「仇(かたき)は取ったよ、兄さん…」
_____こうしてニノは、一人ぼっちになった。
【完】
2018年12月12日 発行 初版
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