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この本はタチヨミ版です。
初めに。
まず、私立校・中高一貫校において、留年を選択した方に、その選択は、賢明な判断だったと言いたいと思います。
多くの方、特に私立校などでは、体裁を考えると、留年するよりも、留学や転校を考える、あるいは学校側から『勧められる』ことが多いでしょう。
そんな中、もう一年、その学校で頑張ると決めたそのことを、否定されてしまっては、もう心の拠りどころが無くなってしまうと思います。
ですので、普段否定的なことばかり書いてきておりますが、私立校・中高一貫校における留年を選択したことに関しては、未来・将来、可能性を全面的に肯定したいと思います。
しかしながら、ここで一つだけ、釘を刺させて頂きます。
残念ながら、留年した方は、多くの人から受け入れられにくいです。誹謗中傷のようなことを言われることもあるでしょうし、嘲笑されることもあると思います。差別に感じるような区別をされることもあるかもしれません。
それでも、その学校に残る、その学校で進級・進学していく、卒業すると、決めたのであれば、留年した一年間、耐え抜いて下さい。
こう書くのには理由があります。
昨今、留年すると、途中で心が緩んでしまう、あるいは折れてしまい、進級・進学できないどころか、途中で学校を辞めてしまう方が多くなってきています。
日本では、留年する方が非常に少ないためか、その扱いが腫れ物を扱うかのように、あるいは、見世物のようになることがあります。
部活動などをやっていた方にとっては、複雑な状況・状態でしょう。去年まで先輩後輩としての立ち位置が、同級生になるのですから、違和感を感じることが多くなるでしょう。かといって、留年した人間が、先輩風をふかして偉そうにするのも、後輩からすれば偉そうにされるのも、同じ学年なのに、変に思えることでしょう。
実際には、もっと様々な理由や原因があってのことでしょうが、留年する方で、学校を去ることになる主なものは、人間関係となると思います。
こればかりは、どうしたほうが良いと、一概に言えませんので、『耐え抜いて下さい』と書かせて頂きます。
一年間過ごせれば、そして、その間に点数・成績と学業面で頑張っていれば、その先、もう一年、二年くらい、大したことはありません。むしろ、年が一つ上であること、留年したという経験が、同級生よりも大人として、達観できる部分が出てくることでしょう。
しかし、人間関係の問題ではなく、学業面での頑張りに影が刺した時、事情が変ってきます。
学校・先生側からの扱いも変ってきますし、同級生となった後輩からの扱いも、変ってくるでしょう。
おそらく共通する思い、気持ち、感想は、『留年したのに、この結果か・・・』です。
留年したということは、もう一年頑張るという意思表示をしたことであり、当然その『頑張る』の対象は、学業=『勉強』をというのが、暗黙の了解のように思われています。
百点満点を取り、学年トップを目指せとまでは言いませんが、学校・先生にしても、同級生となった後輩にしても、思うのは、『一年余分にやってきていて』、さらに、『勉強しないとどうなるか、わかった』にも関わらず、相変わらず学生生活を楽しんでいるかのような点数、赤点ギリギリだったり、成績を落したりとしているとなると、白い目で見られます。あるいは逆に、百点満点近い点数を頑張って取ったのに、『一年余分にやってきているから当然だよな』という嫌味を、言われたりすることもあると思います。
結局は、どちらの点数を、成績を取っても板ばさみとなるように思われますが、留年してまで挑んだチャンスの一年なのですから、嫌味を言われてでも、良い成績を取って、次に繋げられるようにして下さい。
ここで強調しておきたいことが、『留年する』ということは、進級・進学要綱における『テストの点数・成績』を、一年間分、まっさらに出来る、つまり帳消しされて、新たに書き換えることができる『メリット』があることです。
この最大のメリットを活かし、点数・成績の改正をきちんと行えれば、上位の成績で返り咲ける(進級・進学できる)可能性だってあります。
さすがに、留年しているという事実が、全く足を引っ張らないかというと、嘘にはなりますが、大学まで付属校だった場合、留年したかどうかの区別されること無く、選択肢を与えてもらえることはありますので、首席で卒業というのを目指してみるのも面白いと思います。
さらに学業面でのメリットを言えば、一年上のかつて同級生だった友人から、過去問をもらえたり、勉強を教えてもらうことだってでき、勉強、そして進級・進学への、本気の意欲を先生に示せば、先生も(留年していることを)考慮してくれることでしょう。
そうなれれば、留年することは、必ずしも悪でもなければ、地獄のような苦でもありません。
ただ、この学業面でのメリットを、無視した言動・態度・姿勢を取り始めると、学校・先生、同級生となった後輩との人間関係にも、悪影響してくることがありますので、気をつけて下さい。
これは、どの年代、どの世代、どんな思想を持つか関係ないとことだと思いますが、基本的に、諦めないで頑張っている方を、蔑むような、蹴落とすようなことを、言う、する方は少ないです。
留年した方で、『そんなこと』をされるのは、すぐに諦めて、サボッて、それでいて、自分勝手な理屈で、権利主張して、好き勝手にする言動・態度・姿勢を取る方でしょう。
留年した方が本来、最も気にしなければならないのは、こういった言動・態度・姿勢です。
学校・先生は、すでにその方の素性を知っていますが、同級生となった後輩に気付かれた時、その扱いは、前記したように、腫れ物・見世物、あるいは、それよりひどい、まるで人間失格の落伍者のように扱われることもあるでしょう。
学校・先生が驚くほどの変貌を遂げろ、とまでは言いませんが、留年したということを、常に意識して、言動・態度・姿勢を、謙虚に真摯にしておくことをオススメします。
また、部活動や趣味、学校生活に関しても、その言動・態度・姿勢が、示せるようにしておかなければなりません。
部活動が忙しく、勉強ができなかったというのであれば、せめて留年したこの一年は、部活動を休部すべきでしょう。
留年という結果を出しておきながら、あれもこれもどれもやりたいというのは、学校・先生からして見れば、『またか・・・』と思われる、『自分勝手な理屈』、『権利主張』と見られるだけです。
いやいや、今度は本当に、『文武両道』を『目指します』というのは、もう無しです。
学校にも寄りますが、同じ学年を連続して留年することは許されていない、留年したその年、『また』留年することは出来ないはずです。
つまり、留年したにも関わらず、その留年の原因となったもの(部活・趣味など)を続けて、『うまくやります』という言動・態度・姿勢が、すでに『自分勝手な理屈』『権利主張』になっており、学校・先生は何も言いませんが、結果に対しては、かなり厳しい目で見られることになります。
一学期の時点で、改善の余地無し、進級・進学の見込み無しと判断された場合、早ければ一学期中間テスト後に、『勧告』されることがありますので、気をつけて下さい。
留年した方は、こういった精神的なデメリットがありますが、状況的なメリット(一年先に習ったことをもう一度やり直せる)を有効に活用すれば、成績を飛躍的に伸ばすことができ、進級・進学を有利にすることができます。
そのためにも、留年したという一年を、チャンスを活かして、その後の進路、人生を有意義にすることをオススメします。
具体的な行動として、次に提案しますが、これらは『やって当たり前』のことだと思って、さらに、自分なりに工夫して、一年間行動してみて下さい。
①留年者であることを忘れずに、部活動・趣味はもちろん、学校生活全てをよく考え直す。学校・先生の温情を忘れないこと、特に休み・遅刻・早退などは避けること
②授業中は先生に見られている(注目されている)と思って、絶対に寝ない、ふざけない、だらけないこと
③宿題・課題などの提出物は提出日前に出すこと
④テスト対策は去年よりも早めにやること、理想は一ヶ月前からやること
⑤点数・成績を取る意識を持つこと
⑥未来・将来について、真剣に考えてみること。進級・進学要綱を見直すのはもちろんのこと、大学のことや将来・未来につきたい職業・会社などを調べてみること
⑦資格や検定などを受けてみること
⑧断捨離をすること(自分の部屋、人間関係、スマホ・ケータイのデータなど)
⑨自分には絶対にできないと思っている趣味・習慣をやってみること
タチヨミ版はここまでとなります。
2019年3月12日 発行 初版
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