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氷フラミンゴが夜明け前に
ジャングルの奥でルビーを
吐き出した。
ホーキ星が増えて
銀河ゲートを壊してしまい
検問所のロボット守衛に捕まった。
ホーキ星を砕くと
中からルビーが転がり落ちた。
落ちたルビーを
氷フラミンゴが咥え
ジャングルの奥地めがけて飛んでいった。
ちゃんと魔法を使いなさい!
ホッペン坊やはママにしかられて、仕方なくボールペンを空中に浮かせたんだ。
ボールペンはフラフラ揺れながら、たどたどしく文字を机の上のノートに書き連ねた。
でもそれはあまりにも汚い字だったので、
なんて書いてるのかさっぱり分からない。
ママはため息をついて、
手を使って書きなさい、と言ったんだ。
愛猫家の大富豪がつくったオケだから
ステージの上はいつも猫だらけ。
指揮者の隣で毛づくろいをするメインクーン。
楽譜を尻尾でめくるアビシニアン。
ピアニストの指にかみつくシャルトリュー。
バイオリンにあわせて歌うラグドール。
チェロで爪研ぎアメリカンカール。
フルート奏者の膝の上で寝てしまうペルシャ。
オーボエ奏者に餌をせがむマンチカン。
だけどティンパニーにだけは近づかない。
トロンボーンの穴の中
ネズミが居ればしめたもの。
聴衆もみんな猫好き。
演奏の出来そっちのけで拍手喝采
ブラボー、ブラボー!
いつものミルクティーにいつもの音楽。
目の前を走り過ぎていくポニーテールにショートパンツ姿の美女もいつも通り。
星屑カフェは今朝も店じまいの時間になった。
マスターは営業終了を告げると
屋根の上に輝いていた北極星の明かりを消した。
Good morning,
Good night !
星屑カフェの中はいきなり真っ暗になったんだ。
風鈴がちりんと鳴った。
エンター·キーを押すと
また夏になる。
季節は自由に変えられる。
子供の頃に組立てた、夏の代名詞コンピューター。
だけど気象誘導コントローラーが壊れると、永久に夏から抜け出せなくなるんだ。
だけど、あの頃は夏がとても大切なものに思えたんだ。
あなたも幽霊になりませんか?
突然、映画館のトイレでピンクのスーツ姿の男に勧誘された。
えぇ、昔から存在するお岩さんのような幽霊もいることはいますが、私達のカンパニーは比較的最近に設立いたしまして、古い体制のものとは一線を画しております。
もちろん柳の木の下でいつまでも待機している必要はなく、ノートパソコンかスマホさえあればいつでもご自宅の墓からリモートでお仕事参加できます。
当然勤務時間も丑三つ刻に限らず、出勤はご自由にフレックスタイム制で選ぶことができます。
陰気とか怖いといった、この業界のネガティブな印象をできる限り払拭し、陽気で楽しい誰にでも愛される幽霊カンパニーとして、今後も邁進していく所存ですので、
ねぇ、あなた。幽霊になりませんか?
緑が清々しい竹林のなかを歩いていたら、いつの間にか酒林に迷い込んだらしい。
急に顔が火照ってきたんだ。
美味そうなタケノコがあちこちに顔を出していたので、何本か引っこ抜いた。
持ち帰ってそのタケノコを食べたら酔っ払ってしまった。
翌朝、乱暴に家のドアを叩く音がしたので出てみるとボロボロの着物姿のカグヤ姫が怒って立っていた。
「私の着物を食べるな!」
「この仕事あまり好きじゃないし、最近は下手なことすればすぐにセクハラで訴えられるし、目の前に十字架突き付けられるし、ひどいときにはニンニクの塊を投げつけられるんだ。」と、ドラクール。
「こんなひどい仕打ちに、もうぼくは耐えられない。」
もう吸血鬼やめたら?とぼくはメソメソ泣いているドラクールに言ったんだ。
代わりの仕事は考えているの? とぼくが尋ねたら首を横に振るので、彼向きの職業を一つ紹介してあげたんだ。
『脂肪を取るのに、たった一噛み』
「皆さんお待ちかね、吸脂鬼ドラクールさんの登場です。盛大な拍手を!」
数日後、テレビショッピングでいきいきと脂肪吸引の説明をしている元吸血鬼の姿を見てぼくはホッとしたんだ。
雨が降ってきたので海面は窪み、
そこにホーキ星達は巣を張ってたんだ。
みんなで宇宙の謎解きをして遊んでるところを星ジンシーに見つかってしまい、罰としてイヤと言うほど海月を食べさせられたんだ。
月光浴室に置いてあったブワナヤシの木が、ブクブクと泡を吐いて気絶していた。
月光を浴び過ぎて月射病にかかったらしい。
木が木でないふりをするから、こっちも気が気でない。
酔って、はしゃいで
果物売り娘と一緒に砂浜を散歩してたんだ。
星明かりが彼女の豊かな胸元を照らし、それはそれはゴージャスな気分。
歩くの早いってば。
エー、そんなことないよ。
そんなことないかい?
砂の上に二人の足あとがついた。
「あなたのことスキよ」
人工衛星が飛び去った。
まさにその時、世界の終わりに向けて
たくさんの隕石が落下中。
今日は炭酸放送局の収録日だったけど、電信柱の影に繋がれた海賊のことがずっと気になっていたので、ぼくの収録はさんざんな泡振りだったんだ。
カノジョは外からぼくをじっと見つめ、窓ガラスに唇を押し付けたんだ。
ケチャップのついた汚れた口と、それよりも派手な赤い口紅。
それらを窓ガラスに毒々しく塗りつけると、満足そうに立ち去っていった。
地下鉄のシートに座って女の子が両足をバタバタさせている。
すると、まわりの空気がカクハンされてヨーグルト状になった。
それを微笑まし気に眺めていた初老の紳士も、真似をして両足をバタバタさせてみた。
すると、まわりの空気がカクハンされて納豆状になった。
ロッド少佐は離れ島での釣りをすすめられたので、日記を持って旅に出たんだ。。。
日記一日目。
この名もなき離島で、足跡を見つけた。
これはおそらく敵にちがいない。
二日目。
間違いない。この島にはまだ見ぬ敵がおる。
釣竿なんかではなく小銃を持ってくるべきであった!
三日目。
私は釣竿を担いで偵察を開始した。
敵はどこに潜んでおるのか?
四日目。
どうやら私は監視されてるらしい。
釣り人のふりをして、監視の目をごまかすことにした。
都合良くたくさん釣れた。
五日目。
敵の姿は見えないが、依然として監視され続けている気がする。
釣り人の真似を続けて様子を探る。
今日も生憎とたくさん釣れた。
六日目。
どうやら私は見えない敵の捕虜になってしまったらしい。
釣竿しか手元にないのが残念だ。
武器が欲しいが仕方がない。
他にすべき事もないので釣りをする。
今日も大漁だ。
七日目。
ここでは無駄に魚が釣れ過ぎる。
私はここへ釣りをしに来たわけではない。
敵の正体を見極め、反撃の機会をつかむためにここにおるのだ。
自らスパイとなってより深く潜伏の機会をうかがう。
もちろん釣り人のふりをして。
私は負けない。
「パンジー大佐、最近ロッド少佐の姿をお見かけしませんが、どこへ行かれたのでありますか?」
「諸君、ロッド少佐はどうやら巨大クジラの腹の中にいるようだ。」
「私に習えば、たった一回で泳ぎの達人になれますよー。」
コーチのウーラウーラ嬢はモデルのようなプロポーションで、柔和な笑顔がとても印象的だ。
「では皆さん、さっそくプールの向こう端まで泳いで行ってくださいねー。」
それはムリだ。
こんなに広いプール、向こう端まで泳ぎつける自信はない。
参加者たちは苦笑しながら
「コーチ、そりゃムリだよ」「大丈夫です。」
「そもそも向こう端、遠すぎて見えないよ」「大丈夫です。」
「僕達みんな泳げないんだけど?」「大丈夫です。」
ウーラウーラ嬢は穏やかな笑顔で言った。
「それでは石油注入しますねー。」
何だって?プールに石油を注ぐ?
参加者たちはざわめいた。
「それでは火をつけますよー。」
何だって?火をつける?
「サアサア、火だるまになりたくなかったらとっとと泳ぐ!」
僕達は死に物狂いでプールの端めがけて泳ぎ始めたんだ。
とろろ雪警報が出た。
屋根も壁も真っ白なとろろ雪に覆われて、自分の家がどこかわからなくなるとアザラシ交通部隊の出動だ!
あっちこっちの信号機の上に、太鼓腹アザラシが乗っている。
「ここは西11条7丁目なり、ドーン!」
「ここは東6条3丁目なり、ドドーン!」
太鼓腹を叩く音で、今いる場所を教えてくれるんだ。
人員不足で急遽駆り出された小太鼓腹アザラシも、負けじと
雪まみれになりながら小さな腹太鼓を打ち鳴らしている。
「父ちゃんスゲーなー、ぽこーん!」
「父ちゃんカッコイー、ぽこぽーん!」
アザラシ交通部隊に加わるつもりで、ぼくも太鼓腹を準備はしているのだが、いつも出る幕なんかないんだ。
飛び猫サンテスタンを頭にのせて飛んでいたら、
雲の上に散らばる足跡を見つけたんだ。
近づいたらなんと妹のリョゼンがたき火を焚いていた。
水蒸気人間も一緒だ。
リョゼン久しぶり。雲の上で何をしてるんだい?
「お兄ちゃん、見てよ。実験農場をここに作ったの。」
へえ! 何を植えているんだい?
「ちょっと、そこ掘ってみて」
水蒸気人間が雲を掘ると、中から卵が出てきた。
「雲の卵チーズ。」
チーズなの、それ? へー、雲から作ったの?
「そ、伸びるチーズなの。卵割ってみて、お兄ちゃん。」
卵を割るとゴロゴロ!と小さな雷が鳴って中からチーズが滴り落ちた。
雨みたいな味がするね。あまり美味しくないかも。
「そうなの。だから発売日が先へ伸びるチーズなの。」
ふふふ、とリョゼンは笑った。
売れ行きが伸びるチーズではないんだ? ぼくが皮肉ると、リョゼンは「他にもあるもん。」と言って、ぼくを雲の上の生チーズ養殖池へ連れて行った。
池の中ではたくさんの生チーズが泳いでいたんだ。
ところで、後日リョゼンの作ったチーズは雲間の村ウーダ・ワラットではかなり売れ行きが良かったらしい。
水蒸気人間達にとって、雨の味がするのが特に評判良かったんだってさ。
雲の上から氷山を釣り上げようとしていたら、激しい水煙があがって氷山の下から中間世界が現れたんだ。
その真っ青な世界でプツプツとため息を奏でている、じゃがいものような隕石群を根こそぎ回収しに星屑運搬船がやって来た。
すべてを青の彼方へ運ぶために。
ブリキロボットに手紙が届いた。
胸の継ぎ目の部分に、手紙が挟まれた。
それはラブレターの返事だった。
ブリキロボットはソファーに座り込んで
手紙が熱くなるのを、感じていた。
子供のころ、ポケットにたくさんの星を詰め込んで、夏の終わりを走ってたんだ。
ふとしたはずみで小石につまずき、転んでしまった。
落ちていたセミの死骸の上に星をばらまいてしまったんだ。
新しい星座セミ座はこうして生まれ、短い期間激しく鳴き続けた後、すぐに死んでしまった。
お気に入りの公園で
クッキーの詰め合わせを食べながら
夜空を眺めていたんだ。
星の中では
今夜も青い落ち葉が溜まって
カクテルのような泡を吹き出している。
夏祭りに鳴く花火。
フレアダンス·コンテスト。
光る金魚の優雅な泳ぎ姿。
メロンの網はすぐ破れてしまうんだ。
すくった金魚を大事そうに持ち帰るカップル。
人気者のネオンベビー。
粘菌宇宙の黒曜隕石に腰かけて、
美しい魔女が長い黒髪を指で弄びながら
いたずらっぽくウインクする。
向こう側の宇宙も
良い夏だ。
竜のマントを羽織った、ゾント教授が天体観測をしている。
ゾント教授が持っている天体望遠鏡は、宇宙の果てを見るための特注品だ。
(たくさんの数字と銀色のティースプーンが、ものすごい勢いで渦を巻いて遠ざかっていく・・・)
宇宙の果てのいつもと変わらない光景を眺めてから、教授は紅茶をひとくちすすり、ギターをポロンと鳴らすんだ。
今夜の月は夜空に磁力で浮かんでいる。
いつもより鈍い黄色の光を放っている。
月のほの暗い影の場所から蓋が開いて、縄ばしごがスルスルと垂れ下がった。
縄ばしごを伝ってヤシガニのTOPPO先生がノロノロと降りてきた。
2019年3月30日 発行 初版
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