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私立校・中高一貫校生
中高一貫校の勉強の対応

栄冠ゼミ

栄冠ゼミ出版



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  この本はタチヨミ版です。

私立校・中高一貫校生 中高一貫校の勉強の対応



  ~全般編~

  ~数学編~

  ~英語編~

  ~国語編~

  ~理科・社会編~

その他コラム

 お子さんを私立校・中高一貫校に入学させた親御さんの責任が問われる三学期

 部活動を続けたからといって、成績が上がるわけではない

 受験入学した方は気をつける

 部活動選びで決まる3年間

 記録された結果

 時間割と成果割

 宿題を出さない代償、やらない代償

 学校の勉強に必要なのは、失敗を直す気

 小学校・中学校時代に『輝く人』と中学校後半から大学まで『飛躍する人』

 明確なルールが決まっている進学ゲーム

~全般編~

各教科の勉強の仕方の話を始める前に

中高一貫校での勉強の対応 ~全般編~

初めに。

中高一貫校に通うということが、どういうことかわかってもらうために、ご家庭の少し裏事情的なことを書かせていただきたいと思います。

各ご家庭で、『こういった』ことを、何も知らせずに、伸び伸びと育てたい、育って欲しいと思う方はここで、見せるのを止めさせて下さい。

個人的には、そうやって、事実や現実を隠されて、『与えられる』ことが『当たり前』と育ってしまうことには、懸念をしておりますが、それでもというのであれば、見せる必要はないと思います。

もう一度書きますが、ここで見るのを止めて下さい。
















では、話を進めさせて頂きますが、私立校もそうですが、中高一貫校はまず授業料が高いです。

普通の学校の何倍もします。備品費や教材費も含めると、中高6年間で何百万、千何百万となる場合があります。

高校に進学する際も、外部受験の方同様、入学金を支払います。進学できたというのに、何で入学金を改めて払う必要があるんだと思われるかもしれませんが、中学と高校とでは、同じ敷地、校舎にある、系列校であっても、『別の学校』ということになります。

実際のところ、教育制度として、義務教育か、そうでないかの違いがありますので、別の学校と考えるほうがいいでしょう。そういった『体裁』で、入学金を、内部進学者、外部受験者、ともに納めることになっています。内部進学者の方は、高い授業料を払ってきたのに、改めて『入学金』を取られるわけです。

何が言いたいのかというと、中高一貫校に入るということは、そうやって、事あるごとに、お金が関わる、お金がかかることです。

中学2・3年生ともなれば、そういった感覚、感情が自然に身につくかと思いますが、親御さんはそれだけ、皆さんに期待しての『投資』を行っています。

それを自分のわがまま一つで、全てを台無しにし、さらには、また別の負担をかけて、何よりも心配をかけて、進級・進学できないということになる可能性があることを、自覚して下さい。

この感覚が無ければ、中高一貫校では進級・進学していくことは難しいでしょう。

ギリギリでも進級・進学できている方のほとんどが、こういったことを感覚的に、感情的に持っており、『これ以上親に迷惑をかけられない』『じゃあ、勉強をどうするか』と考えられるようになっています。

その感覚、感情が無い限り、別に学校なんて意味無いし、勉強なんか嫌いだし、その学校で進級・進学する将来・未来なんて、見えてこないし、考えられないと思われても致し方ないと思います。なぜなら、自ら望んで、その学校への入学を、決めたわけではないから。

昨今は、前者のような感覚、感情を持っていても、いなくても、進度の早い授業についていけず、どうしても進級・進学できないという方もおりますが、進級・進学できない、失礼ながら、落ちこぼれ候補生のほとんどが、後者のような感覚、感情で、あっけなく、進級・進学ができなくなって、その学校を去ることになります。

精神論にはなりますが、前者のような感覚、感情、どうしても進級・進学したいという思いが無い限り、私立校・中高一貫校ではついていけなくなるでしょう。

与えられることが、(道を)用意されることが、当たり前であって、権利であって、それを得るのに何の犠牲もない、と思っている限り、痛みや苦労知らずに育ってしまうことでしょう。

親御さんも、お金の苦労を子供には感じさせたくない、知られたくないと思うかもしれませんが、過剰なまでに、意識させないことは、過剰なまでに追い込むことと同じくらい、お子さんの将来・未来を狂わせる可能性があります。

お子さん自身が自ら意識できれば、最も良いことではありますが、あまりに意識を感じられない場合は、現実を事実を言ってあげるのも、しつけの一貫かと思います。

また、このしつけに関しては、後にも指摘させて頂きますが、中高一貫校においては、重要になってきますので、賛否はあると思いますが、厳しいことを書かせて頂くことをご容赦下さい。

さて、中高一貫校では、他の学校よりも『お金』がかかっている、そしてそれを親御さんが負担している(支払っている)ということを知り、感覚、感情を持てるようになったら、次に考えなければならないのが、進級・進学要綱のことだと思います。

親御さんに迷惑をかけているとまでは言いませんが、そこまで期待されている、愛されているということがわかれば、何が何でも進級・進学はしたいと思われることでしょう。

しかし、そのための条件や要綱を知らずして、『ただ頑張る』『なんとなく頑張る』だけでは、葛藤が増えることになります。

中高一貫校に限らず、ほとんどの学校で進級・進学要綱に近いものがあります。それでも、明確にされているのは、私立校・中高一貫校だけでしょう。なぜなら、それが、進級・進学の『基準』となっているから。

私立校・中高一貫校のほとんどの学校は、単位制『絶対評価』ですので、クラスの平均点や偏差値などに関わらず、基本的に、各個人の点数、成績『のみ』を見られて評価されます。極端に言えば、学年の『全員』が『進級・進学できない』こともあります。もっとも、そうなったらそうなったで問題にはなるでしょうが。

そのため、この進級・進学の『基準』を知らないということは、ルールも知らないのに、ゲームやスポーツをやっているようなものです。

闇雲に勉強すればいい、大抵その場合、『自分なりに』や『自分的に』で満足していると思いますが、そういうわけではないということに、気付かないと、勉強にかけた時間・頑張りに対して、成果はあまり出てこないことでしょう。

そうなると、そこで心が折れるか、もういいやと諦めることになってしまうと思います。

まずはルールとなる進級・進学要綱を知り、『加えて』、成績のつけ方で、必要な成績の取りかたを、点数を、授業のカリキュラムで自分は何を学ぶのかなどを、知る必要があります。

それで、初めて中高一貫校の勉強の対応のスタート地点に立てます。

これを知らずに、ただ突き進んでいっても、それは悲劇への道へまっしぐらだったりしますので、必ず確認するようにして下さい。

毎学期、毎テストごとに、この確認をすることを推奨しておりますが、どうしても、難しいというのであれば、各学年で一回二回の確認でも構いません。

最悪なのは、学校の先生から提示されて初めて知った、これはまずいと思う間もなく、それは、ほぼほぼ進級・進学できないことの勧告になっていたなんてことです。

そうならないためにも、これは親御さんも、一緒に確認するようにしてみて下さい。

そうして、進級・進学の『ルール』を知ったら、次は具体的なこと、学校生活や勉強のことに、対応しなければなりません。

成績のつけ方に関しては、各学校、各教科、各先生ごとで異なると思いますが、中高一貫校の場合、その『6年間』を通しての教育という方針・考え方から、『平常点』を重視される傾向が強いです。

極端な話ではありますが、テストは毎回赤点ギリギリ30点、40点でも、平常点が最高得点を取っていれば、おそらく成績は5段階評価で3、それを続けていく限り、進級・進学が『できない』ということにはならないでしょう。

最終的な進学先の選択は、あまりできないかもしれませんが、進学させないということに決してならないと思います。

こうした平常点を重視する傾向は、それが勉強の基礎となり、後に大化けする可能性を、学校・先生側が知っている、あるいはデータとして持っているためです。

テストはその時に勝負・運かもしれませんが、平常点は日々の努力の積み重ねですので、それが『できている』限り、学校は、先生は決して見捨てません。必ずどこかでブレイクスルーする時が来ると信じられているからです。

そして、この平常点が、昨今は、ご家庭のしつけに大きく関わってしまっています。

一昔前なら、学校が、先生が、厳しく、それこそ体罰とまではいかなくとも、居残りをさせたり、特別に課題を増やすなどの罰を与えて、平常点の重要性を、日々の努力の重要性を諭していた、説いていたものですが、今それを行うことは、ハラスメント問題や差別問題、さらにはえこ贔屓なんて言われたりして、学校は、先生は、『何も言えなくなった』『何も言わなくなった』『何もしなくなった』ようです。

そうなると、授業中騒がない、寝ない、ノートを取るなど、基本的なことに関しては、ご家庭内のしつけの範疇であり、それを学校で授業で披露している形になり、その『評価』が、成績として『評価』されているといえます。

現状の中高一貫校においてのお子さんの成績は、親御さんのしつけに対する成績、評価と合致していると思って下さい。



  タチヨミ版はここまでとなります。


私立校・中高一貫校生 中高一貫校の勉強の対応

2019年4月28日 発行 初版

著  者:栄冠ゼミ
発  行:栄冠ゼミ出版

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