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この本はタチヨミ版です。
高校への内部進学を決めた私立校・中高一貫校生は、12月から天国のように過ごされていると思います。
クリスマスのプレゼントも、お年玉も、進学祝いを兼ねて、豪華になることでしょう。
進学できるということが、ここまで家族の皆に喜ばれるのかと、少し戸惑うかもしれませんが、同時に、『こんなもの』で、進学できるのかという心配も残っていると思います。
不安をあおるようになりますが、その心配は的中します。
ここから先、約4カ月、放蕩三昧を続ければ、高校進学後、あっという間に、進級・進学不合格、つまり留年・中退候補生となります。
失礼ながら、それほどまでに、この時期に『受験』に向けて、実力・学力をつけている方との差は、広がりつつあります。
もちろん、私立校・中高一貫校での勉強、教育は、その受験勉強に負けず劣らずの素晴らしいものではありますが、その『勉強』を、『教育』を、自分の実力として、学力として、きちんと身につけ、『学び』『実践』し続ければの話となります。
しかし、この高校進学決定後の約4カ月を、そこまで高い意識を持って過ごす方は少なく、また、『過ごさない方が圧倒的に多い』という環境・状況が、悪影響するのも事実です。
友達の中では、もうすでに怠惰な生活を始めていたり、あるいは、部活動一直線で、高校の部活動に参加して、それに精も根も尽くし、勉強なんてする気にはなれず、冬休みの宿題など、最初からやろうともせずに、答えを写して終わらせる。
例え、その結果、休み明けのテストの点数が悪かろうが、進学できる事実を覆されることはありませんので、『最悪』そうなっても、誰一人として『悪い』とは言わないでしょう。
ましてや、『高校進学』できる事実、現実がある限り、皆さん自身も、そこまで言われる覚えはない、進学できた後の、一回や二回の『失敗』をとやかく言われる必要はないと思われることでしょう。
そういった行動を取った何人もの方を見てきましたが、そういう言動、態度、姿勢で、高校に進学していくと、苦しむことになります。
進学できるのは事実ではありますが、その内容は『内部進学』です。
高校一年次の一学期は、『受験進学』してきた外部生と、『内部進学』してきた内部生とで、明確な差が出てきます。
最も、二学期以降は、外部生と内部生とで、ほとんど差が無く、単に『出来る方』『やる方』と、『出来ない方』『やらない方』に分かれるようになります。
しかし、そこから先、進級・進学できない方には、外部生と内部生とで、また差が出てきます。
失礼ながら、外部生は腐っても元受験生、やると決めたら、勉強をやれるという自信があり、実際に勉強にかける時間が変わってきます。
ところが、内部生は、今まで『そこまで』詰め込んだ勉強などしたことなく、どうせ、また、『なんとかなる』でしょうと、甘く見積もって、点数・成績を『積み重ねて』しまうのも問題ですが、それ以上に『基礎学力』『継続的な勉強習慣』を著しく落としてしまうことになります。
進級に関しては、それでも、内部生もなんとか救われることは少なくありませんが、そこから『大学進学』となると、もう一つ大きな壁が現れることになります。
外部生でも、私立校・中高一貫校特有の『記録』され、『積み重なる』成績で、『進級・進学要綱』と照らし合わされて、『進学』が決まるという仕組み、システムに早めに慣れないと、その進級・進学要綱に泣かされることになります。
内部生は、その部分が『わかって』はいるものの、中学時代の基礎学力が身についていないと、学力の面において、救いようがない点数を取ってしまい、進学が絶望的になることがあります。
高校進学が決まれば、おそらくいつも以上に、『誰が』『何を』言っても、やらない・やる気になれないと思いますので、もう後は自分で気づくしかありません。
大抵の私立校・中高一貫校では、中学三年の三学期は、高校進学に向けて、『高校の範囲』の授業をすることが多いです。
その授業を、本当に、真面目に聞いていれば、高校での勉強がどういうものになるのか、なりそうかということがわかると思いますが、『高校進学』が『決定』したのだから、『自分には関係ない』という言動、態度、姿勢を示す限り、それに気づくことはないでしょう。
そのツケは、12月頃に出てきて、後悔することになります。
内部進学した高校生に聞けば、必ずこの時期、進学が決まってからの4か月間に、もう少しやっておけば良かったと言います。
特に数学・英語、せめて英語だけでもやっておけば、もう少し、高校時代を楽できた、苦しまないで済んだという方が多いです。
高校に進学してからは、授業は目まぐるしく早く進み、テスト科目も増えて、範囲も段違いに広く、これさえやれば平均点取れるなんてヤマもはれません。
中高一貫校生は、同じ校内、同じ校舎だったりするので、なおさら、『中学時代』を抜け出せないかもしれませんが、なるべく早く、それこそ、『三学期』から高校生になったつもりで、勉強を、生活を、見直しておかないと、後悔することになるでしょう。
私立校・中高一貫校の中学生、高校生の勉強について、よく書いておりますが、『最も簡単で、最も点数が取りやすい』一学期に、それも特に一年次一学期においては、点数を稼ぎ、成績を稼ぎ、二学期に備えるのが、最も効率的かつ効果的な勉強となります。
これは、部活動や学校行事が活発になる二学期の対策としてではありますが、勉強の内容自体も、二学期から難しく、そして授業の進度も早く、範囲も広くなる傾向があり、その対策にもなります。
この二学期の対策として、一学期の内に取れるだけ取っておきましょうと、毎年、提案しておりますが、ほとんどの方がこれを軽んじられます。そして、このことを最も感じ、後に大きく後悔することになるのが、『高校一年次の一学期』でしょう。
この一年次一学期は、中学時代の基礎学力の『遺産』や受験の実力・学力で、『そこまで』頑張らなくても、そこそこの点数が取れて、成績が取れます。
なんだ、高校の勉強、テストなんて、簡単じゃないかと思われるところだと思いますが、実際の内容は異なります。
『もっとやれば、やっていれば』、テストは満点近くをとり、成績はオール『5』だって取れたのに、『手を抜いて』『取らなかった』ということになります。
また、この時点で、赤点や不合格、1・2といった成績を取るようでは、他大学の指定校推薦や、付属の大学での人気学部学科への内部進学などの選択肢も失うことになるでしょう。
無限の可能性を否定するなと言われてしまうかもしれませんが、高校以降は、『記録』をされた時点、記録が続いていく時点で、否定したのは、『否定していく』のは、皆さん自身となります。
うるさいように感じられるかもしれませんが、これが『記録化』社会となります。
高校以降は、一度つけた『記録』は変えられません。中学時代もそうではありましたが、中学までは『まだ』『義務教育』なので、小学校気分、成績表ではなくご家庭・親御さんへの『通知表』程度に考えていたことだと思います。
しかし、高校以降は『成績』=『単位認定』が、進級・進学要綱に大きく関わり、基準を満たさなければ、『普通』に進級・進学することはできません。
中学三年次の二学期に、高校進学への不安を多少は感じられたかと思いますが、高校からは、それが毎学年、さらに高校三年次には『積み重なった』成績が、有無を言わさず、重圧となってきます。
プラマイゼロをキープしているから大丈夫などという気持ちでいると、たった一点、二点で、泣かされるということもありますので、気を付けて下さい。
もちろん、私立校・中高一貫校の皆さんは、中学三年次に、それを、その緊張感を、経験してきているわけですから、それをあと3年間、『続けて』『保てれば』、問題なく、『普通』に進学できると思います。
一学期の時点で、点数や成績がどうなったから、二学期をどうするか、どうしたか、それと同じことを、繰り返して、きちんと基準を満たせば、大丈夫です。
中学二年次までに、そういった意識や覚悟を、点数や成績の取り方をできるようになっていれば、私立校・中高一貫校で難なく進級・進学していくことはできると思います。
問題は、出来なかったにも関わらず、奇跡的に、ギリギリ進学『してしまい』、さらに、その『反省』をすることなく、高校進学決定後、『進学』できたのは、自分に、『実力』『学力』があったためと、勘違いされる方です。
『運も実力の内』などという言葉もありますが、私立校・中高一貫校で、その言葉通りに『綱渡り』を繰り返している限り、必ずどこかで破たんします。
私立校・中高一貫校生で、高校進学が『運』で進学できたと思う方は、その『運』はもう使い切ったと思って下さい。高校以降はむしろ『不運』に見舞われることでしょう。
こうやって、大げさに言って、脅して、勉強させようという魂胆なんだろうと思われるかもしれませんが、昨今の私立校・中高一貫校生の学力の格差を考えると、人によっては『大げさ』なことではないと思います。
圧倒的大多数の方は、『普通』に進級・進学していくとは思いますが、この高校進学時でも、『進学できなかった』方が、必ずいたと思います。つまりは、『必ず』『全員』が、『進学できる』わけではないということは、わかっていると思います。
高校以降は、それが毎年『審査』されることになりますので、高校進学決定後も、おふざけやお遊びは冬休みまでにしておくことをオススメします。
タチヨミ版はここまでとなります。
2019年6月16日 発行 初版
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