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jacket

お手にとってくださり、ありがとうございます。
 弊誌は、[em]媒体不問の自由すぎる創作サークル「なんかつくろう部」が発行している、お題に沿って各々を表現する季刊広報誌です。
 今回、メンバーに投げたお題は「実」──たまには季節感のあるものにしようと選択。「虚実入り交じる」という文脈で、選択式で謎解きをする思考ゲーム仕立ての小説や、本誌初の創作料理が登場。フリーペーパーながら少しでも実りある読書体験となれば幸いです。[/em]

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なんかつくろう部 季刊

ナンカウトプット

Vol.3 2019_Autumn



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CONTENTS

アンバー・アンバー・ベリー・チェンバー
百舌鳥|選択肢つき小説

『アンバー・アンバー・ベリー・チェンバー』True Endからジャンプしてきた方は、
「鶏もも肉のグレープソースがけ」か『二択じゃねえぞタコ野郎』のリンクにここから飛ぶと他エンディングのネタバレを回避できます。

鶏もも肉のグレープソースがけ
ししゃも|創作料理

二択じゃねえぞタコ野郎
つきぬけ|小説

今季のまとめ テーマ「実」

アンバー・アンバー・ベリー・チェンバー

百舌鳥


注意事項

本小説は、選択式のマルチシナリオとなっています。基本的には提示される数字を選択していきながら読み進めていきますが……、隠しシナリオを見つけるにはほんの少し固定観念を疑う必要があります。

●00

ノーデンス財団には、超常現象の調査・保管を専門にする組織がある。

「命をノーデンスに捧げよ」
個より全を重んじる歪な巨大組織。

物語の主人公は、その組織の敏腕エージェント、そう"君"だ。
君は幾つかの"証拠"や"思考"をアイテムの様に駆使できる。記録しておくのが望ましい。
そして、"あなた"自身の閃きを頼りにするのも良い。

目を開くと新しい世界だ。心の準備ができた君は……。

01へ

●01

灰色のタイルの床。灰色の壁。
ノーデンス財団は潔白も邪悪も示さないその色を好んだ。ここアラスカ支局の地下施設も例外ではない。

視界を埋め尽くすグレーの廊下の奥。君の視線は、自然とドアの前に立つ大柄の人物に向かう。

「よお、待ってたぜ」

目が合うと明るく話しかけられた。黒いスーツを着て白い歯を見せている彼はアラスカ支局の職員だろう。

「まあ、そんな怖い顔するなよ。所属と作戦目的は忘れちゃないよな?」

挨拶や自己紹介より任務が重要なのはいつものことだが……さて。

  覚えている 03へ
  作戦目的? 25へ

●03

「OK。なら早速中に入ってくれ、もうアラスカ人にはお手上げなんでね」
大げさな手振りでそう言う彼を一瞥すると、君は木製のドアの前に立つ。灰で統一さたこの建物には、このドアは明らかに異質であり不安を誘う。

ドアの向こうには何が?
君は深呼吸をすると、金属のドアノブを回した。

  04へ

●04

内部は広めのリビングルームだ。何より驚かされるのは、テーブルや椅子などのインテリアだけでなく、観葉植物まで紙粘土のような灰色で統一されていることだ。

横広の長方形の部屋を見渡すと、気になるものが幾つかある。
ソファの上の家電らしき何か。
子供が遊んだ後のように受話器が外されて、直に床に置かれたダイヤル式電話。
部屋の中央には、灰色のテーブルクロスに覆われた丸テーブル。その上では何かが明かりに照らされれ意味ありげに強調されていた。君が調べるべきは……。

  ダイヤル式の電話だ。 05へ
  ソファの上の何かだ。 06へ
  丸テーブルの上だ。  07へ
  しばし落ち着こう   23へ

●05

部屋の中央のテーブルから一メートルほど右側の床の上に電話がある。君は受話器を慎重に拾うと耳に当てた。
「…………」
微かな音も聞こえない。機能していないのだろう。

残念に思う時間が惜しい君は、謎を解明しようとの決意を新たにする。

  24へ

●06

部屋の右側壁に沿って置かれたソファ。近づくと、その上にあるのは古いカセットテープレコーダーだと分かる。ボタンも各種操作のシンボルアイコンも全て灰色なので、それと判明するまで数秒かかった。
君はあちこち調べてみるも、電源も入れられず、カセットもない。
ただ、ソファの右隣にはこれまた灰色のエスプレッソマシーンがあることに気がついた。
淹れるコーヒーまでグレイなのだろうか?

不思議に笑いがこみ上げて、記憶に強く刻まれた。

『灰色コーヒー』を得た。

骨折り損を気にせず、君は再び部屋を見渡した。

  24へ

●07

部屋の中央で印象づけるように照らされた丸テーブルに近づくと、木皿に入った木の実が目に飛び込んだ。
それもそのはず、この実だけは色が付いていた。琥珀のように深みと光沢ある色は、実に美味そうに感じる。
君の記憶では、この琥珀色の実はアンバー・
ベリーという名の猛毒を含む種だ。この地域では、確かデス・ベリーと呼ばれてもいたはず。

『コーヒーと一緒にどうぞ』

君はこの部屋に入った時に、そんなことを言われた事を思い出した。
誰に? あの男に? いや違う。
君の思考は混乱する。声など聞かずに部屋を調べ始めた記憶と、入室時に声を掛けられた記憶が同時に事実として認識されているのだ!

EOとの接触が始まった緊迫感が君に幾つかの閃きを与えた。
君は……。

  記憶のメカニズムに注目したい 08へ
  謎の声の口調に注目したい   09へ
  インテリアの配置に注目したい 20へ
  デス・ベリーを食べる     18へ

●08

君は記憶のメカニズムに詳しくはない。仮に詳しいとしても、超常の力で出現したものにどこまで常識や知識が通じるかと不安になる。

しばし目を閉じると……。

  謎の声の口調が気になる    09へ
  インテリアの配置が気になる  20へ
  デス・ベリーを食べる     18へ

●09

『コーヒーと一緒にどうぞ』
この言葉は、EO0074の意思が込められている。アンバー・ベリーとコーヒーでくつろげとの意味だろう。

コーヒーは……。

  どこにあるか知らない。   24へ
  『灰色コーヒー』を思い出す 10へ

●10

君は棚に置かれたカップをエスプレッソマシーンにセットしてボタンを押した。
粘性の低いセメントの様な液体が注がれていく。

君は部屋に招待されたのだと考えた。このEOは人間的な思考を持つ。ならば!

  11へ

●11

君はコーヒーを2杯淹れて丸テーブルに向かう。そして、その手前側の椅子に座った、見えない相手は既に対面に腰掛けている、そう確信めいて。

「黙って人の部屋を暴くのって品がないわね」
あどけない少女の声。
「姿が見えなかったものでね」
君は落ち着いて弁明した。
「あら、本当かしら?」
脳裏に蘇る、この部屋での全ての光景に少女の姿があった。灰色のワンピースを着た、大きな瞳の美少女の像。
そして君の目の前に、いつの間にか座っていたのだ。
「でもコーヒーは美味しそう……今までここに着た人はこんなことしてくれなかったもの。まぁ、マナーは合格ね」
「……ありがとう」
君は自分が試されていると感じ、相手に合わせた返事をした。

「では、知能の方はどうかしら?」

『ウサギは水を飲めないのは、長きに渡り霜が出たから。さて、私は誰?』

直接脳内に割り込む問題に、君はしばし考え込む。相手は記憶や認識を操作・改竄できる。最悪の場合も考えて、慎重に答えねば!


  分かった!  答えの通りに行動せよ
  分からない  13へ

●12
「俺の記憶はどこからどこまでが真実なんだろう……」
彼女はただただ微笑んでいるだけだ。

君は余計な思考を止める。そう、彼女に出会った人間は、自己の無い人生を、罪として背負わなければならないのだ。

「俺はこれからどうやって生きていけばいい……?」
「心配する必要はないわ」

『これまでもずーっと、やってこれたじゃない』

    【Mery Bad End

●13

目の前がグレイアウトする。何が起こったか分からずに、君は灰色の混沌に身を委ねた。

  01へ

●14

『なら貴方が探しなさい』

君の返答に落胆したようだ。

『私の下僕としてこき使ってやるわ、その体滅するまで……』

君は心の奥底から彼女を命令を遵守したい気持ちになった。
「何なりとご命令を」君は跪く。

『まずはコーヒーを淹れてもらえるかしら? 灰色の苦いコーヒーを』

    【Bad End

●15

「私が見抜けないと思ったのかしら?」

  13へ

●22
「命をノーデンスに捧げよ!」
君は語気を強めて言う。
『それが答え?』
話しかけられても君はベリーを咀嚼し続けた。
『君は絶対に必要とされる。この場で一人の有能なエージェントが死ぬのだから。その能力があれば最高のエージェントになれる。組織は、ノーデンス財団は、俺個人より優位なんでね』
君はそんな思考をした。
記憶や認識を改変し植え付けられる存在には勝ち目がない。自己犠牲の精神は、彼女の願望と財団の野望は満たしてくれるのか?

迷いを断つべく、君はデス・ベリーを更に掴んで口に押し込んだ。

  17へ

●17

君が木の実を飲み込むと、少女は満足げに微笑んだ。

「デス・ベリーの記憶は、猛毒を含むっていうのは、偽よ。貴方は真実だと認識したでしょうけどね」
まだ何が起こっているか掴みきれない君は少女の言葉を聞くしかない。

「私はアン・フィアット・ノーデンス。初めて人類が出会ったEOにしてノーデンス財団の創始者よ」

  『疑いの精神』があるなら 21へ
  『疑いの精神』がないなら 12へ

●21

君は、既に自分の記憶に連続性がないのを思い出し、諦めるような口調で聞いた。
「それで、これは何回目なんだ?」
「数え切れないほど……」
「なぜこんなことをする?」
「優れたエージェントを確保するため」
「もしかして、俺は……」
と言いかけたが、何を聞いても全く意味がない。彼女が考えこそが君にとっての正しい記憶となるのだから。

「質問がありましたらどうぞ?」
目の左端の観葉植物はいつの間にか緑色に変わっていた。
「何を聞くべきかすら分かりませんよ」
「あら、私はもう記憶改竄能力を使っていませんよ?」
部屋の右奥のソファは落ち着いたブルーに。
「と言いますと? その保証はありますか?」
「健康保証から財産保証まで、一通りは財団で行っています。ここ数年は結構人気なのですよ」
テーブルの上には、ごく普通に見えるブラックコーヒーがある。
「え、誰にですか?」
「まあ、特に新入社員にですね……っというところで頂いた質問には全部答えた感じになるわね」
琥珀色のベリーは見当たらず、周囲を見渡すと、そこは高度に洗練されたデザイン性を持つ部屋だった。
「え、あ、はい」
「では、正式採用とします、本日はお疲れ様でした」
テーブルの向かいにノーデンスのCEOのアン・ノーデンスがいた。グレーのスーツの似合う初老の女性は、まるで少女のように可愛げに微笑みかける。

「帰り道、ぼーっと考え事とかしないでくださいね」

君は外観エレベーターに乗り込む。下への加速を感じるその内部で、君は身体全体に喜びが広がるのを味わう。
あの世界から出られたからだろうか。
大手に就職が決まったからだろうか。
それとも、世界の秘密を知ったからだろうか。

天にも届く灰色のビルから見下ろす市街地は、なぜか今の君にはちっぽけに感じられる。

    【True End

●20

木の机、2つの照明、皿をしまう横長の棚、絨毯の敷かれた床、散らばった書類、灰色の壁は優しいオレンジ色に照らされている。

「…………」

関連性は見いだせない。
君はやはり次のことに着目することにした。

  記憶のメカニズム   08
  いきなり現れた記憶  09
  デス・ベリーを食べる 18

●18

諦めた君は琥珀色の実を何個か口に入れて噛んだ。
濃厚な甘さは期待以上、どこかナッツの様なコクがある。酸味は極めて少なく、舌の細胞が喜ぶような美味だと言えた。

  16へ

●16

然るに君は理不尽な死を迎えようとしている。そもそもEOは不可解で理不尽なものだから、ここではこのような死に方が相応しいのかも知れない。

君は這い上がる死の闇を、静かに迎え入れた……。

    【Bad End

●23
落ち着いて自己の感情を認識した。
相手は認識されないEOだ。つまり、既に私は出会っている可能性すらある。
忘れてさせられていたり、認識させないように何らかの力が掛けられていてもおかしくはないのだ。
何かを得たわけでは無いが、この視点を大切にしようと思えた。

『疑いの精神』を得た。

君の意思は揺るぎない。

  24へ

●24

さて、さらに調査を進めよう。

  ダイヤル式の電話  05へ
  ソファの上の何か  06へ
  丸テーブルの上   07へ
  しばし落ち着こう  23へ

●25

「おい、ふざけている場合かよ」
君は表情を変えずにいる。
「まあ、確認の意味も込めて説明してやるよ……超常(EO)の案件だ。財団は超常現象発現体を多く管理しているな? その中の一つ、EO-No00744ーArと思われる現象が発現、アウトオブオーダーだ」
「二点ほど確認したい」
君は静かに声を発した。
「どうぞ?」
「思われる、とは?」
「そのままの意味だ。00744は『誰にも認識されない性質』を持っていただろ? そう、ならなぜ"分かった"んだとなるわな。電話が来たんだ。00744からな」
「職員の記憶や認識能力に異常が見られたためEOと推定した、ってところか?」
「ああ、その通りだ。やはり分かってるじゃないか」
君は流れの中で疑問の一つが思考の闇に消えていくのに、微かな不安を覚えた。

君は気を強く保つ。弱い心が任務を邪魔しないように訓練されているからだ。

  03へ

●30

「わお、本当に答えた……」
少女は驚きを顕にしている。
「こんどはこちらの番だ。なぜ誰からも認識されない?」
「誰も私を必要としないから」
悲しげに頭を垂らして少女は続けた。
「オーストリア、ドイツ、ソビエト、アメリカ。私の力は戦いに諜報に権力闘争に重宝されたわ」
「それで?」
「私の能力は自由に他人の記憶を改竄するもの……分かるでしょ?」
君は思い当たる節があった。
「どこまでが本当の記憶か分からなくなる」
少女は頷いた。君自身、既に自分の記憶の真偽は不明だった。

『私を利用する奴は最後にこう言うの……』
「全てを忘れさせてくれ」
『全て無かったことにしてくれ』
「だから私を必要としない人間は」
『殺すのよ』
「強く自殺したい記憶なんかを植え付けてね……でも」
『貴方は私を必要としてくれるでしょ?』

部屋と脳内に響くメッセージには、明確な悪意が含まれていた。君は必死に考え返答しなければならない。失敗は死やそれより酷い結末を意味するだろう。

「ああ、どうしても必要だ」
君は断言した。
『なぜ言い切れるの?』
彼女は目を見開いて尋ねる。

その瞳をしっかりと見据えた君は……。

「我々の組織は君を必要とするだろう」と説得する  13へ

「世界のどこかにはきっといるさ」と宥める     14へ

「大柄の黒人が会いたいと言っていた」と嘘をつく  15へ

デス・ベリーを食べる  22へ

二択じゃねえぞタコ野郎

つきぬけ

請け負うべきじゃなかった。いつもそうだ、俺はなんとなくの判断で失敗してしまう。
 二つ返事病──俺はいつも自分の役割を求めるのに貪欲だ。頼みを多く引き受けて、容易にキャパシティをオーバーする。
 そして今がその最たる瞬間だ。長年ほうっておいた悪癖が、俺のライター人生を脅かさんとしている。

 俺は二択を迫られている。

 真を選べば、俺は市場価値を失ってしまうだろう。
 嘘を選べば、俺は……

 こういうとき、賢いやつは抜け道を考えるだろう。だが俺はそれほど頭は冴えていないし、苦しまぎれに飲むエナジードリンクはさっぱり効き目がない。どうしてこんな状況に追い詰められてるのかって言えば……

 俺はライターだ。ブロガーといってもいい。自称とかへっぽことかの呼び名がその前についてもいいが、とにかくも世の中のちょっとした楽しみを大げさに取り上げるのが好きだ。喋り下手だからYouTuberにはなれず、ゲーム実況はノリで始めてみたのはいいが、動画がボロクソな評価だったから諦めた。
 はじめはこの仕事も消去法に思えたが、続けていくうちに「陽気な内向型」の俺にはそこそこ向いているってことがわかってきた。
 今回も俺は、ほんのちょっとした好奇心で案件を請け負った。その名も「フリーランス自己管理チャレンジ」というもの。サービスが使い物になりそうかを実際にテストする「実証試験」の手伝いをすることになっている。

 ルールは3つ。

1、依頼を1つこなす間、デスクトップ画面とWebカメラで始終監視する
2、実況と解説がつき、俺の執筆作業を中継する(後にダイジェスト動画として公開す)
3、フリーランス専門のコンサルタントがさまざまな角度から分析し、業務改善に役立てる

 なにか効果がありそうかと言われれば微妙な試みだが、このチャレンジをレポート記事にまとめあげることが、俺の請け合った案件だ。
俺の見立てでは、半分ネタだと思っている。そうでもなければ、そもそも俺には仕事が回ってこないだろう。しかし、フリーランス仲介のIT企業がバックについているらしいから変な話だ。
 今回クライアントから依頼されているのはノベルゲームのレビューが5本。序盤を要約し、見どころを規定文字数でまとめるという仕事だ。「いつもの取引先といつもの仕事をする」ことで、自己管理チャレンジの企画者側と話がついている。もちろん実況者側も把握していることだ。

「さあ始まりました、フリーランス自己管理チャレンジスタートです! 実況はわたくしこはだがお届けいたしまーす!」「認可後初めての実証試験です。一体どのように転ぶのでしょう」

 スポーツ実況ではなく、まさにゲーム実況のノリだ。それもそのはずで「こはだ」なる実況者は、ライターをしながら趣味で動画投稿をしてバズった結果この役目を担っている。高めの声を作っているが、年の頃は30に迫る。
 一時期はほんとうにくだらない縛りのある動画ばかり上げていたのだが、ここ数年でいきなりアイドル化して人気をつけてきやがった。付き合いが長いだけに何とも複雑な心境だが、今回の依頼はそのコネがあってのものだ。
 解説はどこのどいつなのかは知らないけれど、間違いなくクライアント側の人間だろう。インテリジェントなおっさんじみた口ぶりから、こいつがフリーランス専門コンサルティングなのだろう。

「さてと、今回はほんとうにイチから始めるんですもんね。というわけで、まずはPCを点けるところから。最近のノートパソコンはほんと起動がはやいねー」

 顔認証を使ってさっとログインすると、まっさらなデスクトップがあらわになる。「録画されるから、必要なもの以外は分けておけよ」と言われたから、実況専用のユーザーアカウントをPC上に作ったのだ。

「あれ、どうやら買ったばっかりみたいですね?」「配信のために環境をリセットしたんじゃないでしょうか。用意周到ですね」

 俺はテキストエディターを立ち上げて、まっさらな画面に「人様のデスクトップを詮索するな」と書き込んだ。

「あっはーなにかを返してきた!! 人様のデスクトップをのぞくなって!」「こはださん、彼をちゃんと作業に集中させてください」
「こちらには執筆スピードからタイプミスまでお見通しですからね!」「そうなんです。実況者側には、キーボードの入力内容がリアルタイムで伝わるようにしています」

 明らかに視聴者への説明だとわかるやりとりに、末恐ろしさを感じる。
 つまりは、PCをハッキングするいい機会ってわけか。
 ふつうは実況されながら(というか茶々を入れられながら)書くのは、とてつもなく集中力を欠く行為だ。しかしながら見えっ張りに追い立てられた脳が、アドレナリンだかエピネフリンだかを撒き散らしてくれるおかげで、どうにか作業に手をつけられそうではある。
 さっそく1本目から取り掛かろうか。俺の作業スタイルを紹介しよう。
 動画編集ソフトで、個人的には盛り上がりだと思うシーンを切り取り、ずっとループさせる。そうすることで、ノベルゲーム特有なページ送りの手間を省く。そして、そのシーンについてひたすら打ち出すのだ。思いの丈を書けるだけ書いたら、ノートを取り出すと次は紙の出番。

「ヘえー紙にいちど考えを吐き出すんですね! 私は最初から最後まで同じファイルに書いちゃうけれどなあ」「いやー、いろいろなフリーランスを見てきましたが、進め方はほんとうに人によって違いますよね」

 Webカメラの角度を変えて、手元が見えるようにしてみる。なるべく検索ワードにひっかかりそうな単語を書き出して、グルーピングしたり線でつなげたりして、なんとなーくまとめていくのだ。
 これが意外と侮れず、だんだんと要点が絞られていく。ぐだぐだとPC上で編集しているよりもずっと早いことがある。そうして出た要素と要素をカタコトみたいにテキストに書き出して、後は上手いようにつなぎ合わせれば記事になる。
 作品に大した思い入れはないが、むしろハマった作品だとやりづらい。かといってまったく興味がなければそれは苦痛でしかない。ちょっと気になるぐらいがちょうどいいのだ。

「おーおーおー、これはコピペじゃないのかなー、大丈夫でしょうか? オフレコにしますか?」「あまり煽らないであげてください。ここからリライトするんですよ。必要なもの以外を削ぎ落して、マッシュポテトみたいに原形をとどめないぐらい粉々にするんです」

 Ctrl+CとCtrl+Vのキーを押しただけでコピペ記事扱いにするのやめろ。操作上では間違っていないけれども。
「ふんふん、確かに、並べ替えて、言葉を付け足して。あれあれ全部消しちゃった!?」「また最初から書き直してますね。今の一連の作業は脳へのインプットということでしょうか」

 違う、良くなかったから消しただけだ。
 そんなこんなで茶々を入れられながら、ときどきカメラにサムズダウンしながら執筆を進めていく。

「はーいここでまたドリンクバーにイン! カップを持っていったから、多分そうですよね」「カメラからだと見えませんが、そうとう良い場所を確保したみたいですね。あ、やっぱり席に戻ってくるのも早いですね」

 ドリンクバーで新しくガソリンを補給している間にも、ワイヤレスイヤホンで実況を拾う。

「フリーランスの方はやっぱりカフェやファミレスが職場なんですか? 私はずっと家なんですよー」「最近はコワーキングスペースといった、定額で使える作業空間も充実しているんですよ」

 まさか完成までずっとこの調子で喋り続けるのかと思ったが、作業が軌道に乗ってくると少し静かになる。
 
 3本目の執筆が終わり、とりあえず中腹を超えたといったところか。

 とりあえずこれはこれで納品するか。
 そう思ってメールの文字列をなんとなく目でなぞった瞬間。
 首筋のリンパ管に電撃が走った。それはまるで何かが破ける音のような……。
 は? え?
 ほぼ驚きに近いリアクションが口から出てくる。隣の席の視線がこちらを向く。頭がアイドリングストップしている。
 見てしまったのだ。納期を1週間も過ぎた仕事を。
 俺は腱反射よりも早くPCを操作して、ミリ秒単位でブラウザバックした。

 そんなアホなことがあるわけないと心の中で反芻しつつも、もう一度確認するには怖すぎた。今、この画面は丸々録画されているのだ。

「メールチェックが早いなー、すごいなー、何が映ってるのかわかんないぐらい!!」「そうですねーやりとりに時間はかけていられませんからねー!」

 しかし実況、解説はそれについては何も言及してこない。そしてリアクションが不自然。
 これはもう「見て」しまったのだろう。どうする?

「固まりましたね……瞑想?」「原稿を開いたままぼーっとしています。あるいは、全体の構成を確認しているのか……」

 俺は、Webカメラから見えるよう、わかりやすく頭に手をあてて考える。構成もクソもない。考えているフリをしながらこの場を切り抜けるしかない。
 いやいや考えるっていったって、どうする。平静を装うにも限界がある。
無理だ。この焦りようでは全ての動作がぎこちなくなる気がする。〆切超過が発覚してからずっと、行空きを入れたり消したり、語尾を修正するフリをしている。不毛な時間を実況されつづけるのには息が詰まる。

「はれれ、ワープロソフトを閉じちゃいましたね!?」「なるほど、もしかするとファミレスの2時間制限で移動を挟む必要があるのかもしれません」

 ここは、一時離脱を決断し申す。
 ちょうど夕方に近づいて客が増えてきたころだったから、リフレッシュにかこつけて別のファミレスに移動するぞ。ノートPCを閉じて移動している間は、さすがに実況されない。
 その間になんとか立て直す。俺のプランはこうだ。

1、何事もなかったかのように受注を進め、納品。レポート記事には「間に合った」と書く
 うまくいけば一番いいが、クライアントからしたら論外中の論外。得意先をひとつロスすることになるが、これがレポートにも動画配信にも一番影響が出ない。

2、1週間遅れた旨を取り急ぎ謝罪、今日中に納品、レポート記事には「間に合わなかった」と書く
 完全なる正直者だが、そんなことをすれば俺のブロガー人生が終わってしまう。つまり正直であること意外、何のメリットもない。俺は聖人ではない。飯を食わせろ。Q.E.D.

3、そもそもレポート記事を途中で契約解除する。
 なんだかんだで怪しまれてアウトになる気しかしない。却下。ここまで収録の準備もしてきて、下手すりゃさらにでかいトラブルになる。

 選択肢 出すだけ出して 選べない。そんな五七五を詠んでいる暇はない。
 クライアントをぶった切るか、自分の評判を落とすか──その二択に集約されてしまう。

 俺はそこまで機転の利くタイプじゃない。ならば誰かにその役割をアウトソースするのが自然だろう。こういう時、まず頼れる仲間は誰か。それは外ならぬ「嫁」だ。そう、俺には同じく、フリーランスの嫁がいる。納期を外したこともなければ、草稿を送らなかったこともない叩き上げだ。
 ただ、この状況で連絡するのはいろいろな意味で憚られるが……いや、しかし、むしろ今しかないともいえる。

「すまん、助けてくれ」

 さっそくチャットでヘルプを求めた。

「やめて」
「まじでやばいの」
「おめでとう、このドアホ」
「納期が1週間も過ぎてた」
「雑魚が」
「なんとかごまかしたいのだが」

 何の脈絡もなくワカサギのスタンプが送られてくる。律義に罵倒を視覚的情報で説明するな。

「もう見なかったフリしたくないからさ、」
「うん」
「さっさとスマホでメール送って、謝って」
「じゃないとあかんね」
「で、文面はもう二度と見ない、開かない」
「それで行こう」

 ひとまず、それでこの場は回避できる。すぐに連絡をとろう。レポート記事はやはりあいまいに書いてごまかすしかないか。
 あきれ返った嫁からシラスの魚群スタンプが送られてくる。次いで、呆けた顔をしたタコ。
 わかった、わかったから、俺の謝罪メール作りを邪魔しないでくれ。俺もお前も、嘘はつきたくなければ面倒ごとをもみ消したい性分だろう。

「こはだです。ただいま復帰しました! やっこさんも丁度オンラインになりましたね」「席を立ってから15分ほど間がありました。拠点を喫茶店に移して再開です」
「それにしても、半日ぐらいはずっと監視している事になりますけど、私らにとってもコレはかなりの重労働ですよね。実はさっき、居眠りしかけました」「身も蓋もないことを言わないでください。とりあえず今は最後まで見届けましょう」

 とりあえず書き進めてはみるが、今度はレポートをどうごまかして書けばいいのかが、新しい悩みの種になっていた。フリーランスは良くも悪くも、自分の名前を売る世界だ。やらかしは一生涯ネット上に残り、積み上げた信用がすっ飛ぶのは一瞬のことだ。馬鹿正直に「1週間遅れちまったぜ」と書けるような、能天気な業界ではない。
 つもる話は山ほどあるが、今は一刻も早くこの監視から逃げ延びなければならない。
 しかし不思議なことに「さっさと済まそう」と思うほどに次の一文が思い浮かばなくなるものだ。

「なんか、やたらと語尾にこだわっていませんか? 気になるのは分かりますけど」「前の文と重複しているわけでもなさそうです。表現に気を遣っているのでしょうか」

 違う、語尾で悩んでいるのではない。語尾をいじって時間を稼いでいるのだ。あと、ほんの少し踏ん張ればゴールインなのに、ラストワンマイルの気力が出ない。
 レビュー対象の4作目が、ゼロ年代のめちゃくちゃキラキラした学園モノなのもつらい。こちとらそんなエンタメチックな気分じゃねえっていうの。なけなしの力を振り絞って少年時代に立ち戻り、ときめき、ときめきと自己暗示をかけながら仕上げた。

「ほかのブログを見漁りはじめましたねぇ……」「概観をつかみたいのか、集中力が切れているのか。そのどっちともとれそうです」

 とはいえ、いろいろと「参照」しながらだが。
 そして最後の5作目は、むしろとことん暗い話だった。か弱いハムスターやウサギみたいな少年少女が絶望的な話をたどる、そんなものが好きな奴はいっぱいいる。そして、読者層がはっきりしているとまた書きやすい。皆、のっぴきならない問題を抱えているのだ。そう思えば今の状況も……。

「あー完全にガス欠ですねー、ミスタイプがめちゃくちゃ多いし、顔が緩みきってますね」「これだけの時間ぶっ通しで作業すると表情筋に影響してくると。なるほど把握しました」
 ああ、自分でも何を打っているのかもわからん。そしてこはだも、はじめのキャピキャピが嘘のようにつっけんどんな態度だ。キャラ崩壊キャラ崩壊っていつも動画で突っ込こまれてたから、今さらだろうけれど。

「はい、新規メール作成ね。お世話になっております、原稿お送りします、修正があればご指摘ください、取り急ぎ、っと、ドラッグ&ドロップで添付するのも忘れずに、じゃあ送信してくださーい」「露骨に急かさないでください、文面での印象も大事ですからね」

「あー終わった!! つかれた!! 私一文字も書いていないのに!!」

 かくして総執筆時間、6時間ぐらいでライティングは終了。何もかもがやっつけ仕事のままショーは閉幕となった。

 そして明くる日。
 自己管理チャレンジの分析結果が通達され、俺はメールに添付されたURLを踏んだ。
 無駄なほどに洗練されたダッシュボード上に、自己管理の改善指針とやらが映しだされる。半分どうでもいいのだが、この結果を見なければレポート記事が書きはじめられないのだ。
よくある多角形のグラフが目に入る。どういう基準で出しているのかわからないが、作業効率は高得点。理屈はわからないけど嬉しい。情報整理力は平均。スケジュール管理力はマイナスがつく。
 その中に「対応力」というパラメータがあり、いちばん低い評価がついている。いや、なんやねんそれは。何に対する対応だよ。基準がわからないからショックもない。
 ステータスの概要欄をよく読んでみる。「納期遅延など不測の事態に対し、冷静に確認をとりつつ対応できるかどうか」だそうだ。
ありましたね、不測の事態。

「そんなの真面目に見なくていいよ」

 隣で実況のダイジェスト動画を見ていた嫁がそうつぶやく。とうのとっくに「こはだ」の仮面を投げ捨て、画面を二分割して何かを書き続けている。

「メールの納期、あれ後から書き換えたやつだから」
「書き換えた?」
 ちょっと何言ってるのかわからな、あっ……!?
 今、わかったのだが……事実を飲み込めない。安心感と虚無感が同時に襲う。
 つまり、ドッキリだったってことかオイ。
「お前、それ、分かってて……」
 私は噛んでないよ、と吐き捨てるように言う。
納期改ざんは収録直後に知らされたことだそうで、解説役すら知らなかったという。当たり前の話だが、テレビのドッキリは基本裁判沙汰にはならない。今回の「実証試験」もそれと同じで、コンサルティングサービスの一環として、あえて揺さぶりをかけて対応力を見るそうだ。
そんなもっともらしい名目で、俺たちは今ごまかされようとしているのだ。
 俺たちがガッカリとする以上に、そこまでして弱小ライターから何のデータを吸い出そうとしているのかが、わからない。大したうまみもないだろうし、一体何がしたいのか!
「一緒に訴えよう!」
「大げさなんだよ」
「お人好しだからって二人そろって利用されて腹が立たんのか?」
 それもあるが、なんつーか、とにかく必死をこいて頭を悩ませたあの時間を返してほしい。
「うるさいタコ」
 お人好しだと本気で思ってんの、と小声でつづく。
「いやタコってどういう……」
 俺も物書きの端くれだ(そう思いたい)から、嫁の意図をたどってみる。そしたらすぐに思い浮かんだことがある。いろんなところに手を伸ばすだとか、ふにゃふにゃして落ち着かないとか、主体性がないとか……そんなところか?
 俺は狐につままれたようなまま「タコ 暴言 語源」で調べる。ふうん、なるほど。タコは死にかけると、自分の腕を全部食ってしまうんだと。
「うけおうべきじゃなかった、いつもそうだ、オレはなんとなくのはんだんでしっぱい」「やめろ」
 そして、嫁は脈絡もなく俺の下書き中の記事を勝手に読み上げはじめる。人の書いた文を音読する以上の嫌がらせあるか? そんなことに一喜一憂するのはアホらしいと彼女は言っているのだ。
 わかった、わかった。
 俺は冒頭につらつらと書き連ねた、この大げさな文章を消すことにした。わざわざ美談にしなくても、このエピソードは俺たちの間だけで始末をつければいい。

「どうでもいいから、はよ新作買いに行こ」
 下書きをほうっぽり出して、俺たちは新作の人気ゲームを買いに出かけた。

今季のまとめ ~テーマ「実」~

ナンカウトプット編集部


今号のふりかえり

 言いたいことはわかります。もう冬ですよね。沖縄とかならまだ紅葉してるのかな……とか頭の悪いこと考えてるサークル長です。そんな深夜テンションなイントロで申し訳ございませんが、今号のまとめをして参りましょう。
 百舌鳥さんの『アンバー・アンバー・ベリー・チェンバー』は、リンク機能をフル活用した半分ノベルゲーのような体裁。初見殺しもいいとこですが、「選択式」「連番」といったものに潜む常識を「疑う」ことではじめて真のエンドに近づくというものになっています。
 拙著『二択じゃねえぞタコ野郎』は、本サークルではなく「JAMJAM CAMPFIRE」という合同企画(森きいこさん主催)に投稿したものでしたが、ちょうど時期が発刊と重なり「虚実」というイメージに無理やりこじつけることができました。
 本物のライターさんの仕事模様とは全然違うのだろうなと思いつつ、クラウドソーシングかじったときの記憶だけで書きました。
 また、ナンカウトプットでは初の媒体になる「創作料理」が登場。おかげで縦組と横組が混在するカオスな冊子になりました。小憎らしいシェフのやたら長文なコメントがありますが、投稿者のししゃもさん本人ではなく筆者の仕業によるものです。
 途中まで鶏もも肉鶏むね肉を取り違えていたのは内緒。


かんたんな活動報告

 夏ごろからメンバーがどんどん流入しております。
 社会人サークル向けのWebサービス「つなげーと」では創作カテゴリで最上段に来ているとかなんとか。週一で集まってのんびり喋っているだけなのに恐れ多い……と、いうわけでもなくて、とにかくメンバーの活動が活発化してきています。
 もくもく会イベントをメンバーの自主開催でやったり、リレー小説の話が持ち上がるなど、文芸部的でわくわくしますね。
 一番変わってきたというかありがたいと思っているのが、分担をお願いできるようになったことです。自分が小説ハッカソン「Noveljam」で忙しくしていても、代わりに例会の司会を請け負ってくれる、という方もいますし、そもそも今回の装丁は『アンバー・アンバー・ベリー・チェンバー』著作の百舌鳥さんが手掛けました。抱え込みがちな編集長ですが、メンバーに全幅の信頼を寄せてこれからも精進して参ります。
 課題としては、まだまだアウトプットが少ないと思っています。とくに「note」の記事数は少なく、今のところ拙作「Summer Edge,Into The Ridge」を公開しただけ。毎週たくさんの「なんか」が報告されているので、サークル外への見せ方をいろいろ考えていきたいですね。


さいごに:当サークルについて

 本サークル「なんかつくろう部」は、数多の創作媒体を「なんか」と一括りにしたうえで、創作活動のサポートを目的とするコミュニティです。創作の主翼とも言えるモチベーションの相互維持と、成果物のアウトプットに特化した活動をしています。

 「なんか」の対象となる創作媒体は、
 小説|イラスト|動画|漫画|シナリオ
 ゲーム制作|音楽|演劇|手芸|工作|写真|絵本|詩歌────

 と、基本的に何でもありです。ここで挙げた例に当てはまらずとも、二次創作がメインだという方でもいいですし、生け花や書道、自作OSやコンパイラ、ストーンヘンジからミステリーサークルまで、基本的になんでも吸収します。
 メジャーな媒体である小説・イラストに偏らざるを得ないところもありますが、創作媒体の異なるメンバー同士で「新しく始めてみようかな」「何かコラボできないかな」というように、好奇心を互いに励起できるようなしくみを作っていきたいと思っています。

ナンカウトプット Vol.03 Autumn_2019

2019年11月30日 発行 初版

著  者:百舌鳥
     ししゃも

編  集:つきぬけ

発  行:なんかつくろう部

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 なんかつくろう部は、様々な創作活動を行うサークルです。異なったジャンル・趣味の人と情報や感想を交換し合い、モチベーションを維持しながら創作活動できるコミュニティを目指します。
 
サークルにご興味ある方はこちらから
https://nannkatsukuroubu.wixsite.com/sousakusiyouze
https://tunagate.com/circle/10109

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