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この本はタチヨミ版です。
はじめに
あなたは四十代五十代、働き盛りで忙しくされています。仕事優先で体調管理も後回しになりがちです。そしてあなたは、じわじわとお腹の周りにお肉が付いてきました。
ちょっと前のズボンを履いてみたら結構苦しくて焦ってしまいました。若いつもりでいたけれど、思ったよりおじさんに見られているのかもしれない。
でもやっぱり格好良くしていたいよなあ。
そうこうしているうちに、健康診断の数値も前に比べたら危ないことになってきた。中性脂肪なんかも気が付かないうちに結構溜まっている。尿酸値や肝臓の値も若い時に比べると随分悪くなった。問診でも少し痩せましょうなんて言われてしまった。
そろそろダイエットでもやってみるか。だけど、外食も多いし、飲んだ後の〆のラーメンも捨てがたいよなあ。じゃあ運動するとかというと、そんな暇はどこにあるんだ。
なんか簡単にダイエットする方法はないのか。そんな思いから書店やインターネットを眺めてみたけれど、なかなかこれというのが見つからない。琴線に触れないんだよなあ。
運動しろだの、記録をとれだの、カロリー計算しろなど私みたいな忙しい男にできるわけないだろう。もっと楽ちんに簡単に痩せる提案してくれよ。
あなたはこんな人ではありませんか。
仕事柄どうしても外食は多くなるし、運動に時間を割くこともままならない。いつの間にか肉は付いたし健康診断の数値も悪化してしまった。
痩せようかと思うけど、状況が状況だけに打つ手が見つからない。困ったなあと思っている、そんなあなたにこそ試して欲しいのが、私が提唱する痩せ脳ダイエットです。
痩せ脳ダイエットは基本的に殆ど努力は要りません。脳を切り替えていつの間にか痩せてしまおうという痩身法です。いや、痩身法でもないでしょう。痩せ脳さえ働きだしたら何もしなくていいのですから。
ただ、どんなことにもハードルはあります。痩せ脳を育てる為に、時にあなたの常識を捨てなければならないこともあります。人は誰でも痩せ脳を持っているのですが、その発現を妨げているのが常識なのです。
お金持ちと乞食はどちらがしあわせでしょう。常識的に言えばお金持ちの方がしあわせです。でもしあわせに質を求めたとしたらどうでしょうか。昔からしあわせの質を大切にしてきた人が沢山います。西行、道元、良寛、吉田兼好、松尾芭蕉、聖フランシスコなどなど。
彼らは所有を嫌いました。所有がしあわせの質を貶(おとし)めると考えたからです。
痩せ脳はこれと似ています。痩せ脳は自分の体は宇宙のものと思っています。だから脂肪を捨てられるのです。
しあわせの質は自分らしさともいえます。自分らしい人は太らないのです。もともと太っている人はいません。生まれつきのデブというのはなかなかあり得ないことです。もちろん例外はあるでしょうけれど、あなたがその例外である確率は極めて低いのです。だからあなたらしくあれば、あなたは体重を気にすることなく生きられるのです。自分らしくしあわせにすっきりした体で生きていられるのです。
本書は痩身の本ですが、常識に囚われないしあわせの質を向上させる本でもあります。
あなたらしさを取り戻すための本でもあります。
そのために、あなたの常識に合わないことが多々出てくるとは思いますが、腹を立てずに読み進めてください。
そして、本書はあなたが実践できるように工夫されています。ぜひ行動してください。きっとあなたの痩せ脳は開花するでしょう。痩せ脳が開花したらその声に耳を傾けさえすればいいのです。そうすればあなたは苦労せずに痩せていくことでしょう。
おわりにでは、読者特典も紹介してあります。ぜひ特典を受け取って、本当の意味での質の高い暮らしに役立ててください。
著者
第一章 殆どのダイエット法はリバウンドする
私は究極のダイエットともいえる断食を毎年二回ずつという生活を十年ほど続けています。その私は、ダイエットはリバウンドするものだと確信しています。
私の断食は四日間かけて胃を小さくし、その後二日間ないし三日間の絶食をして、その後徐々に食事量を戻していくというやり方です。私は身長が一七一センチそこそこです。筋肉はさほど付いておりません。
その私がこの断食をすると、大体五キログラムから七キログラムの体重が減ります。断食は本当に痩せます。特殊な人でなければ必ず痩せます。
しかし、私は断食しても痩せないと人に伝えています。数値上では痩せているのに何故でしょうか。それは私の体が証明しています。断食をして痩せても、一か月もすると元の体重に戻るからです。
また、人によっては、先に筋肉から痩せていくので、痩せても見た目があまり変わらないという現象もあります。
プチ断食という断食が今とっても流行っているようです。日曜日から金曜日は食べて土曜日は食べないというような感じです。週一日の絶食で一週間の間に増えた体重を減らすというものですね。
一日食べないだけで、二キログラムぐらいは簡単に痩せられるので、効果的なダイエットとして持て囃(はや)されています。しかし、これがまさしく「断食は痩せない」の証です。
要するに人は食べなければ痩せるのですが、食べ始めたら元に戻るのです。
どんなダイエットも基本は食事制限ですよね。食べないことや特定の食品に偏ってって食べる方法などです。それにより多くの人が痩せているのも事実です。しかし、止めたら元に戻るのも事実です。
運動を基本にしたダイエットも運動を止めたら体重は元に戻ってしまいます。運動の場合は食事制限に比べると元に戻るまでの時間は長いのですが、元に戻ることに変わりはありません。
サプリメントにしてもサプリメントを止めたら元に戻ります。
このように、ダイエットはどうしてもやめた途端にリバウンドしてしまいます。酷(ひど)い場合にはダイエット前より太るということも起こります。食事制限を止めたら抑圧されていた食欲が爆発して飽食してしまうのですね。
ダイエットは食欲を抑えるというきつい「行」がつきものです。それから解放されたら、食欲に走る気持ちは良く分かります。
私も今の断食法をする前にやっていた、食欲を無理矢理抑える断食の時は、断食が明けた途端に飽食してしまいました。この時経験したのは断食ハイというものでもありました。断食の最終日にいわゆるハイな状態になるのです。何か分けわからずに楽しいのです。そして美味しいものを食べて飲んでとっても気持ち良くなってしまいました。もちろん体重も直ぐに戻りました。
そんな経験があるので、食事制限の後に飽食してしまう人の気持ちが良く分かるのです。
さて、そうやってダイエットと飽食を繰り返すのはどういうことなのでしょうか。
私達は毎日膨大な量の情報に晒(さら)されています。テレビも活字もチラシもインターネットも街中の看板も含めてその中で一番多く目に飛び込んでくるのはなんでしょう。
私は食べ物の情報だと思います。
町を歩けば無数の食堂があります。他の店と違って、一瞬でその店が飲食店だとわかる点も重要だと思います。ビルのテナントの看板を見てもどんな会社かは分かりませんが、蕎麦と書いてあれば蕎麦屋だとわかるし、ピザの絵が描いてあれば、ああピザ屋なのだなと分かるでしょ。
広告も同じで飲食店や食べ物の広告は食べ物が直接目に飛び込んでくるから受け取る情報量が多いのです。
そして、流行のSNSというメディアも、送られてくるのは殆どが、何々を食べましたという料理の写真です。
私達は何処にいても何時でも、そうやって食べ物情報を浴び続けているのですそうやって接触回数が増えると、人はそれを当たり前のことと感じてしまい、遂にはそれを食べることに疑問を感じなくなっていきます。
よくマーケティング講座などで、人は接触回数が多くなると親近感を持つようになると教えられます。広告も三回以上目に入ってくると、疑いが無くなってきて試してみようかなという気持ちになってしまいます。
また、有名人やその道のスペシャリストが美味しいと推薦していると、食べたこともないのに美味しいのだなと思ってしまいます。そして、それが食べたくなってしまうのです。
それを食べてみたら、美味しく感じてしまいます。そして、また食べたいなと思うのですが、そういう食事は大抵があなたを太らせる食べ物です。
ラーメン選手権みたいなコンテストで勝ち残るのは大抵がぎとぎと脂が乗ったこってりラーメンでしょ。
金持ち芸能人が出てきて、これは美味いなんて食べているのは悪玉コレステロール満点の黒毛和牛の霜降りステーキだったりします。
旅のコンテンツなども、風光明媚な景色の後は「イクラだウニだスイーツだ」と、ご当地贅沢グルメの話です。
それを見たあなたは、「あれ食べてみたいね」と、家族や仲間と言い合っています。
しかし、それを食べるのは太るということと等価ではありませんか。情報化されている殆どの食事が高カロリーですよ。
たまには低カロリーのものも紹介されていますが、よく見たら添加物だらけだったりします。もちろん全部が全部とは言いませんよ。ただ、私の周りにある多くの低カロリーの加工食品には、ふんだんに添加物が含まれています。
甘味料など一部の添加物は食欲を増進する効果があると言われています。だから低カロリーであっても必要以上に食べてしまう危険があります。
食べ物情報に侵されたあなたは必要以上に食欲を感じ、食べてしまうことでしょう。そしてダイエットをしなくちゃならなくなるのですが、あなたの脳は既に食べ物情報で一杯に満たされているので、食事制限を続けることができません。
だから、食べて太って、ダイエットして痩せて、また美味しいものを食べて太ってを繰り返す運命なのです。
あなたが「痩せる」「太る」を繰り返すのは社会の要請です。社会はあなたにそうあって欲しいのです。
あなたが必要以上の食欲を持ってくれないと困るのです。
食に係る仕事は広く社会に浸透しています。そこで働く方々はあなたに飽食してもらいたいと考えています。
一方でダイエット関連の方々も、あなたが太ってくれないとニーズが無くなり困ります。だからダイエット業界の人達もあなたに太ってもらいたいのです。
そして、医療に係る仕事も、社会では大きなウエイトを占めていますが、その業界の人達もあなたに太ってもらいたいのです。
糖尿病予備軍は統計によると約一千万人もいますが、医療関係者にとってこんなに嬉しい話はありません。糖尿病の治療は健康保険の対象ですから、患者や予備軍の人は病院に行くのに抵抗がありませんし、薬も簡単に手に入れることができます。
出典
厚生労働省 平成二十八年 国民健康 栄養調査 三十ページ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h28-houkoku.pdf
そのようなわけで、ダイエット産業を始めとした世の中の多くの産業があなたに「太って痩せて」を繰り返して欲しいわけです。あなたはどんなにダイエットをしても、いつかはまた太らざるを得ない罠に嵌められているのです。
ダイエットは痩身を維持するためのものではありません。むしろあなたに太ってもらうためのものです。ダイエット情報を流す者もダイエットを直接指導する者もあなたが太ることを期待しているのです。
大切なことは、ダイエット情報を受け取らないことです。そして、今まで受け取ったダイエット情報をすべて捨てることです。
あなたが知っているダイエット情報は、あなたにリバウンドしてもらいたいダイエット情報です。あなたにリピートしてもらいたいのです。どのような商売もリピーター無しには成り立ちません。その上、リピーター確保がとても難しいのはご存知だと思います。そして、リピーターが確保できない商売は大抵潰れます。
ダイエット産業もリピーターを求めています。あなたが太ることを望んでいます。
「先生のところに来ている間は痩せていたんですが、止めたらまた太りました。また、ご指導宜しくお願いします。」
こんな会話が嬉しいのです。世の中は、あなたがダイエットにずっとお金をかけ続ける人であって欲しいのです。それが世の中の為なのですから。
ダイエットをしなければならなくなったあなたは、この世の中の罠に嵌って自分を見失っている状態だと考えてみてください。
あなたはあなたを太らせる情報にまみれて、体を大切にすることを忘れてしまいました。
世に溢れるグルメ番組、飲食店の看板、ソーシャルネットワークサイトの投稿、活字の記事、ニュースサイトに貼り付けられたバナー広告、そんなものを見て、「美味しそうだ。食べてみよう」これを繰り返した結果が今のあなたです。
そして、それを食べて美味しいと思ったのなら、ほぼ間違いなくあなたは自分を見失っています。
タチヨミ版はここまでとなります。
2020年2月5日 発行 初版
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