ある日、気になったこと。
成長と変化、この違いは何だろう?
・・・・・・
結局はどちらも同じ、
歩き続けるようなものなんじゃないかと思う。
違いは、多分
同じルート上をなのか
途中でルートを変えながらなのか。
あなたの今はどっち?
ひとつだけの虹
伊東 彩乃
変化は電車の旅によく似ている
兼松 明里
自分を優しくする呪文
磯部 三恵
成長と変化
l i s a
服装が軽くなり、ワンピースも清々しい季節。春を思いきり吸いこむ。気持ちだけ重たいなんて、不釣り合いね。心も軽装にするとき。
この歳になってもミニスカートが好きで、母親には、いい歳をしてみっともないなんて言われる。高い比率で出た脚は、地面と自分との距離を意識することができ、気持ちを軽くするから好んでいる。でも、いつかは年齢に見合う自分になるべきかしら?
変わりたくて仕方がないのに、変わることが怖くて仕方がない。
やがて時は訪れる。鈍い私でも感じるほどの歪みと違和感。変わる時を告げるサイン。
チャンスの音は小さく聞こえはじめ、だけど、聞こえないふりをする。今を変えることよりも、今にとどまることを守りたいから。
変化は痛み、希望は自分を苦しめる。そう思い身を固くする。
制限された籠の中。誰も助けてはくれない。それならせめて、これ以上傷つかないようにじっとしている方がいい。動かないでいることは、止まっているわけではなく、すでに逃げていることに他ならないのに。
そうやってずっと、目をそらしてきた。大人になったら変わると、時間が場所を移動させてくれると信じていた。でも不意に、何も変わっていない自分と出くわして、一気に戻された気持ちになる。
変わることが大人になるってこと? 大人になるっていつ?
私は変われない。大人にはなれない。
大人になるプロセス。
人の経験や役割に、標準もしくは平均があるのだとしたら、私の数値は貧弱で、あるときふと、焦りだす。私のライフキャリアレインボーの図だけ、大幅に人と異なる。
無数の選択と組み合わせ。私はどうして過去を、豊かな虹で彩れないのか。
今年、いくつかの挑戦をする。そのひとつに、猛烈に熱を注いでいることがある。しかし実は、もうやめようかと弱気になるほど効果が見えず、結果も出ない現状がある。でもなぜか惹かれて止まない。私にとって重要な何かがそこに潜んでいるような気がして、苦悩しながらも、向き合わなければという気持ちが湧いてくるから不思議。
今まで逃げ続けてきた課題の答えがそこにはある気がする。今度こそクリアしなければ。この先もずっと同じ課題に悩む暇も体力も、私にはないもの。
訪れているチャンスの音に、今度は耳を傾け始めた。
何に怯えていたのか。
変化はチャンスだ。
わかったときにやっと前が見えた。
「向き合うこと」
その気づきが、成長なのだと思う。私も早くカラフルな虹で彩れる大人になりたい。ミニスカートは継続だけれど。
「あかりちゃん、変わったね」
この一言は、どのように捉えていいのか悩むことが多い。
自分では変わっていないつもりでいるし、久しぶりに会った友達と昔話に花を咲かせているつもりだからだ。
何が変わったのか私にもよくわからなくて、「えっ? どこが変わった?」と聞いてしまう。
でも大抵、その答えは「うまく言えないけどなんか変わった」のことが多い。
う~ん、それはあなたの「思い出の中の私」と、今「目の前にいる私」が違うだけなんじゃないかなぁ、と冷静に分析してしまう。むしろ、私が変わったんじゃなくてあなたが変わったんじゃないかな? とも思う。
昔こんな言葉を聞いたことがある。
「ずっと同じ人と付き合っている人は成長しない」
私はこの一言はちょっとおかしいと思っている。
自分がその環境に身をおくことが、自分自身にどんな影響を与えているのかをよく考える。
そして自ら変化を求めて飛び出していく。
そして戻ってくることもある。
私が今までいたところはどこもとても居心地が良くて、たとえ私が以前と変わったとしても、いつ帰っても同じように受け入れてくれるし、背中を押してくれるからどんどんいろんなところへ行けるんだ。だから、昔からの仲間もとても大切で、同じ人と付き合っていても人は変化していくと思う。
人生は、線路のようなものであって、駅がたくさんあって、どこで降りて散策するかは自分次第。
ずっと進んでいくだけじゃなくて、戻ってみたり、他のところよりちょっと長く留まってみたり。
同じ駅にいる人と仲良くなって、旅を一緒にすることもあるだろう。そうやって経験してみて聞いて触って感じて、趣味も嗜好も変わっていく。
変化とは、旅人のようなものなのかなと思った。
きっと、その友達と一緒に過ごした昔と今とではお互いが違う駅にいるから、「あかりちゃん、変わったね」の一言が出たんじゃないかな。変わったって感じたんじゃないかな。
と、こんなことを会話の中の数分で考えていた
「自分を変えたい」
「変わりたい」
それは、過去の自分と決裂をしたい、あるいはこの今が生きにくい。そしてその原因は、自分のせいだと、そんなふうに思ったからではありませんか?
今回はそんな時の対処法のひとつとして、私の体験談をご紹介したいと思います。
昭和生まれの私、子供の頃人気だったアニメが魔女っ娘シリーズ。中でもお気に入りは『ひみつのアッコちゃん』。魔法のコンパクトで変身して、色々な事件を解決していく。有名なのは変身時に唱える呪文『テクマクマヤコン』。
当時の私は、母のコンパクトを持ち出して、アッコちゃんごっこをよくしたものです(笑)。
少女にとって、異世界の力を呼ぶ呪文がとても神秘的で、そして変身能力を持つ主人公に強く憧れを感じていました。魔法でなりたい自分になって、自分の思うままにできるって、羨ましいですものね。
でも現実は魔法なんて……と思いますが、私たちに魔法はありませんが自然のそれに近い技を備えているのです。
えっ?! と思われますよね。
それは、心理学用語で「ペルソナ」といいます。
ペルソナはラテン語で仮面を表し、人は日常の場面ごとに仮面を被ると言われています。例えば、友達といる時の顔、仕事の上司または部下といる時の顔、恋人・夫といる時の顔など。人にはそれぞれの顔があり、ひとつではありません。
なぜなら、もしひとつの顔でしかいられないと、周囲と摩擦を発生させ、自分を追い込んでしまいかねないからです。
こんな経験はありませんか?
「こんなはずじゃなかった」って思ったこと。
私はよくそんな思いになり、自己嫌悪に陥っていました。こんなはずじゃなかった、どうしていつも、私はこうなってしまうんだろう……悩みました。
原因は、その場面に合った自分になれずに、ひとつの顔で存在しようとしていたからです。
そこで見つけたのが『ひみつのアッコちゃん』。変身です。
もしかしたら、人によっては変身が多重人格で偽りのように感じてしまうかもしれませんね。
いえいえ、そうではありません。どれも自分なのです。だって人と関わる中に、自分は存在しているもの。
変身は自分を優しくしてあげ、人と関わる中に確かに自分が存在しながら、思いのままに過ごすための技=魔法なのです。
もし、今悩まれている方は、持っている魔法を仕舞い込んでしまっているのかもしれません。
そこで提案です。
『テクマクマヤコン』
自分を優しくしていくための呪文を唱えてみてはいかがでしょうか?
三十代になる前、変わったことがある。それは、今まで輝いてみえた「成長」という言葉に違和感を覚えるようになったこと。
二十代半ば、当時勤務していた職場の上司から「若いうちは買ってでも苦労・経験を積みなさい」と言われた。
その方は新人のころ、上司から無茶な課題を出され続けて相当苦しかった。でもおかげで仕事の体力がついたし今とても役立っている、と言っていた。
その話を聞いた時は、経験が将来につながると思い、当時は初めての仕事、背伸びしても難しい仕事ばかりだったけれど、可能性の広がりを感じて頑張ろうと思え、成長という言葉がキラキラと感じられた。
二十代後半、その時とは職場が変わったけれど、相変わらず若手には「成長」の二文字が期待されていた。その期待は、会社の描くルートというのがあって、その上での目に見えて分かりやすい結果を出すこと。成長にも決められたルートがあると分かり、窮屈さを感じ始めていた。
成長とは、物事の規模が大きくなること。仕事なら、抱えるお客さんが増えたり、規模や責任が大きくなったり、役職が変わったり。
会社員として働くというのは、失敗を極力せずに、会社の期待する成果を上げていくこと。それを条件に雇われているので、応えるのはまぁ義務といえるし、分かりやすいルートは道標にもなり、できたときは達成感もあった。
また、周りから求められる意見や企画、若手目線、女性目線も、やはり目的はまず会社の成長、それによって社会の貢献につながる、というルートをたどれるかどうか。そのルートに沿っていれば、意見も意外とすんなり聞いてくれるし(思い返せばいい上司、先輩に恵まれていた)、しんどい部分もあったけれど会社は結構面白かった。
でも、ある日気づいてしまった。割り切れなくなってしまった。
起業家と会社員の違いは何?
失敗込みでつくり続ける人と、失敗をせずに役割をこなし続ける人。そうじゃないかと思う。どちらが良い悪いではなく、職業によって求められる素質が違うように、起業家と会社員は真逆のようなものだと思う。
うすうす気づいていたけれど、ある日はっきり気づいてしまった。
起業家のように、失敗するかもしれないけれど、予想外のことばかりかもしれないけれど、私は「つくり続ける人」になりたいと。
自覚すると「変化」を考えざるをえなくなってしまって……会社員を辞めた。
成長は、一つ一つの変化の積み重ねの先にあるものだと思う。
それは会社員でも起業家でも同じ。だから、変化していくことをためらいたくないし、どのルートにいてもきっとできる。
会社員でなくなったことへの不安は未だにあるし、フリーランスになって順調かというと決してそうではなく、うまくいかないことの方が多いけれど、後悔はしていない。だって、どのルートに乗るのかを選ばせてくれた人たちがいるから。
そう、変化も一人では起こせない。この歳になってやっと分かってくる。
だから頑張らなくちゃ! と周りにいてくれる人・いてくれた人を励みにして今日も仕事する。
兼松 明里
(かねまつ あかり)
「心のつめあわせ」
引き出物プランナー、贈り物コーディネーター
学生時代は畜産を学び、卒業後は製薬会社の技術職に。その後、知的財産の仕事に就きながら、趣味の旅・食べ歩き・お取り寄せをきっかけに自作のカタログギフトを作製。その後「引き出物プランナー」「贈り物コーディネーター」として開業。現在、ヒト・モノ・コトとの出会いを求めて子供と一緒に車で動き回る日々を送っている。
Message
世の中すべてのモノやコトは理由さえあれば
“ギフト”になる可能性をもっている
ブログ
http://ameblo.jp/kokoro-no-tsumeawase/
Instagram
@hikidemonoplanner
伊東 彩乃
(いとう あやの)
中小企業診断士事務所スタッフ
静岡に生まれ、静岡の学校を卒業し、静岡でOLなどを経て、現在は中小企業診断士の事務所に勤務。広報を担当。静岡市七間町を中心に、静岡おまちのイベント・お店・商品・人をブログで紹介する日々。
Message
「自分なんて…」と思うからこそ自分自身を開きたい。
変われることを伝えられる人になりたい。
事務所スタッフブログ
http://ouendan.eshizuoka.jp/
磯部 三恵
(いそべ みえ)
「therapy mirakul 」
女性専用カウンセリング、メンタルケアセラピスト
私は昔、インナーチャイルドに捉われていました。抵抗していくことで、現在の自分、ライフスタイルを獲得しています。女性が自分らしく充実して生きていく、そのために私ができるお手伝いがある! その思いから「ミラクル」をはじめました。
Message
自己の過去から『現在』『未来』は変えられる。
意識づけが変化を生み充実したWoman lifeに繋がる。
ホームページ
http://www.therapymirakul.com
l i s a
ピアノ弾き、音楽クリエイター、図書館司書
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わたしはわたし
ひとはひと
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だからおもしろい✨
を心にとめて
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2017年4月26日 初版 2020年3月 第2版 発行
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毎号「言葉」を決めて、そこから連想されることを各自書いていくのですが、同じ言葉なのに思い出したり考えたり感じたりすることはバラバラ。文調も使われる言葉も人それぞれ。それは、考え方の違い、これまで生きてきた背景の違い、感性やセンスの違い‥‥‥その人らしさが出ているからだと思います。それってとっても面白い! と思いませんか?
読んでくださる皆さんが「自分だったらどうだろう?」と想像をめぐらせる、自分を見つめる機会になったならうれしく思います。
自分らしく生きたい人のヒントになることを願って。