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須磨にはいとど心尽くしの秋風に海はすこし遠けれど……浦波、夜々はげにいと近く聞こえてまたなくあはれなるものはかかる所の秋なりけり。
~源氏物語「須磨」より~




  この本はタチヨミ版です。

賢木 さかき

 其の一
 其の二 ~オフィスにて&閑話休題~
 其の三
 其の四 ~オフィスにて~
 其の五 ~弘徽殿の中納言が語る~
 其の六 ~オフィスにて~
 其の七
 其の八
 其の九 ~オフィスにて~
 其の十
 其の十一 ~オフィスにて~
 其の十二 ~オフィスにて王命婦が語る~
 其の十三 ~少納言@二条院が語る~
 其の十四 ~オフィスにて中納言が語る~

花散里 はなちるさと

 其の一
 其の二

須磨 すま

 其の一 ~オフィスにて~
 其の二 ~大殿の中納言が語る~
 其の三 ~二条院の少納言が語る~
 其の四
 其の五 ~オフィスにて~
 其の六
 其の七 ~オフィスにて~
 其の八 ~二条院からの手紙~
 其の九
 其の十 ~オフィスにて~
 其の十一
 其の十二 ~オフィスにて~
 其の十三
 其の十四
 其の十五

あとがき

其の一

 新斎宮さいぐうの伊勢への下向が近づくにつれ、六条御息所の心はますます揺れ動いていた。ヒカルの北の方(正妻)であった葵上亡き今、後釜として相応しい女性といえば六条御息所。そう世間でも皮算用し、宮家の内からも聞こえ、自身でもどこかで期待していたからだ。
 だが、すでに疎遠ぎみだったヒカルの訪れは完全に途絶えた。いかに喪中とはいえ、明らかに蔑ろな扱いと冷え切ったやり取りに、これは本当に気持ちが離れたのだと悟った御息所は、遂に伊勢行きを決意する。
 斎宮に母親が付き添って下向する、かなり異例の行動である。まだ幼さの残る娘を心配する母心とみせながら、ヒカルもろとも都での憂さを捨て去ることが最大の目的だった。
 ヒカルに対する事実上の縁切り宣言である。それを知ったヒカルは途端に惜しくなり、近況報告の体で丁重に文を通わせるが、御息所の心はもはや揺らがない。
「あの方も、わたくしに何か気に入らないところがあって疎んだのだろうし、これ以上悩みが増えかねないことを此方が態々わざわざする理由もない」
 元の邸に戻る際は、誰にもそれと覚られぬようこっそり行き来し、勿論ヒカルには知らせない。斎宮とともに暮らす野々宮は神域で、誰でもうかうかと来られるような場所ではない。流石のヒカルも気おくれして手をこまねいているうちに、月日ばかりが過ぎていった。
 ヒカルが野々宮への訪問を決めたのは、桐壺院の体調不良がきっかけだった。特に重病ではないものの、度々具合を悪くする父院の様子を心配するうちにふと、亡き叔父の后だった人への不義理を放置するのは如何にも薄情ではないか、人聞きもよろしくない。行くなら今、そう思ったのだ。

 九月七日。連日準備で大わらわの野々宮では「もう今日か明日か」とせわしない中、ヒカルから度々、
「出立の合間にでも……」
 と訪問を匂わせる文が届いた。御息所はどうしたものかと煩わしく思いつつも、
「そこまで警戒するほどでもないのかしら。会うと言っても物越しだろうし」
 知らず知らず訪れを待つ気持ちに傾く。
 そういったタイミングを捉えることにかけては右に出る者のいないヒカルである。側近中の側近を十余人、随身ずいしんも目立たぬよう身をやつし、ひっそりと野々宮を訪れた。広い野原を分け入ると、秋の花はみな萎れ草も枯れて物寂しく、聞こえるのは虫の声ばかり。身に沁みる松風が吹き渡り、あるかなきかの楽の音が途切れ途切れに聴こえて来る。誠に趣深く優美だ。
 我が主人の、いつになく気合の入った支度っぷりを不思議に思っていたお供の者たちも、この独特の雰囲気に圧倒され感じ入る。ヒカル自身は言うまでも無く
「なぜ今まで此処に来ることを躊躇っていたのか」
 過ぎたこととはいえ悔しく思うのだった。
 ささやかな小柴垣を囲い代わりに、黒木の鳥居も神々しく、仮普請の板屋の其処かしこから神職らしき人々の咳払い、囁き声が聞こえる。斎火いみびを焚く火焼屋がほのかに明るく、人影もない。まさに別世界だ。
「このような所で幾日も俗世間から離れて暮らしておられたのか」
 ヒカルも神妙な気持ちになる。
 一行は北の対の適当な場所にそっと立ち、来訪を告げる。管弦の遊びはみな止まり、辺りは静けさに包まれる。女房達が応対するも、ヒカルは御息所との直の対面を要求する。
「ご存知だと思いますが私、このような外出も今は相応しくない身分になりました。注連縄しめなわの外に立ち通しなんて酷いじゃないですか。私のこの胸のたけを全て、是非面と向かってお話したい」
 ストレートな物言いに浮足立つ女房達、
「仰る通り、ご身分からしたら失礼にあたるかも……」「お外で立たせたままなのもお気の毒ですし……」
 口々に執り成そうとする。御息所は
「さてどうしたものかしら。確かにこのままでは女房たちにも体裁が悪いし、かといってあの方の言う通りに、今更年甲斐も無く端近に出て行くのは……」
 迷い躊躇った挙句結局は撥ねつけられず、溜息まじりにそっと御簾近くまでいざり出た。ヒカルは、
「さて此方では、簀子すのこに上がるくらいは許されるでしょうか」
 とばかりにさっと上がり込んで腰を下ろす。
 明るく照り出した夕月夜、ヒカルの姿形、立ち居振る舞いは得も言われぬ美しさだ。幾月も疎遠にしていたことはどう言い訳しても格好がつかないので、折り取った榊をそっと御簾の下から差し入れる。
「榊の変わらぬ色に導かれて神の斎垣いがきを越えてきましたのに。他人行儀なご対応で」
 御息所は、
「神の垣には目印の杉も付いてございませんのに
何を間違えて榊を折っていらしたのか
わたくしの気持ちはもう貴方にはありませんよ、お間違いなく」と返す。
「幼い少女がいる辺りにいらっしゃるだろうと
榊の葉の香りを辿って折ったのですよ
いやそんなことはないでしょう、今でも気持ちはありますよね?」
 周囲の眼は気になったが、御簾の内へ半分入り込みながら長押なげしに寄りかかるヒカル。
 何時でも心の赴くまま逢って、相手の気持ちもこちらにあると確信していた頃は、呑気に構えていてさして恋しくもなかった。看過できない出来事に遭ってからは、急速に冷めて隔たったのだが、こうして久しぶりに顔を合わせてみると、意外なほど昔の恋情が蘇り心がかき乱される。過去も未来も境が無くなり、溢れる思いに胸が痛む。知らぬ間に涙が落ちる。平静を装っている御息所の、隠し切れない心の内が漏れ出すさまに胸が騒ぐ。やはり引き留めようか、行くなと言おうかとまで思う程に。
 月も沈んだか、ほの暗く心うたれる空の景色を眺めながら、ぽつりぽつりと恨み言を吐き出していると、積もり積もったわだかまりも消えていくようだ。御息所にしてみれば、ようやく「今度こそ最後に」と未練を断ち切ったつもりだったのに案の定だ、逢うのではなかったと後悔しながら、堰を切ってしまった流れは止められない。
 互いの尽きせぬ思いを心ゆくまで語らった二人。かわした言の葉はとてもそのまま筆に移すことは出来ない。

其の二 ~オフィスにて&閑話休題~

「ねえねえ右近ちゃん」
「なあに侍従ちゃん」
「えっとーこれってさあ……」
「ああ、お泊りしたみたいよ。中将のおもとさん曰く」
「そ、そんなあっさり(泣)。ていうかおもとさんと話したの?! いつの間に」
「ううん、私も又聞きなのよ。直接の関係者はもう京にはいないしさ。何でもあそこの女房さん達揃って王子のキラキラ☆オーラに当てられちゃって、
『何で、こんな素晴らしい方とお別れしなくてはいけないんですか御方さまはっ!』
って大騒ぎだったんだって」
「そらそうなるわ……わかる、わかりみがふかい」
「でもさあヒカル王子は多分、というか絶対、百%より戻す気はないわけじゃない? 単に、超スペック高い元カノが物理的に手の届かない所に自ら去っていくっていうシチュエーションが悔しくて、何か勿体ない気がするだけでしょ」
「右近ちゃんたら王子には厳しーい。でもわかる、常陸宮の姫君にだってあそこまで情熱かけて言い寄って、夢が醒めた後も面倒みてるヒトだもんね。まして六条の御方さまなんて超絶無理めの美女だもの、俺様を忘れるなんて許さねえ! 絶対に忘れさせないぜ! みたいな?キャー! 他人事ながらドキドキするう!」
「いやー御方さまにしちゃいい迷惑よ、必死で未練を断ち切って逃げようとしてるのに強引に再燃させられちゃってさ。しかもそれを野々宮っていう神域で、女房さん達以外にもバレバレって辛くない? まあどの程度イチャコラしてたのかはわかんないけど」
「えー別にいいじゃーん。だってもう二度と逢えないかもしれないんだしさ、神様だって許してくれるよ。最後のひと夜、燃やし尽くす……! って泣けるわーそれも相手がヒカル王子だよ?! 夢のよう……(うっとり)」
「何か演歌っぽくない? (笑)まあ王子は良くも悪くも王子だから、その後も旅装束とかお道具とか贈って来たらしいよ、女房さんたちの分まで」
「へー流石セレブ!」
「だけど六条の御方さまは至ってクールに、最低限の礼儀だけ踏まえた塩対応で済ませたんだって。娘ちゃんの手前もあるし。ここだけの話、娘ちゃんはあんまり王子のこと良く思ってないみたいでね。伊勢への下向が遅れに遅れた原因がそこだってわかってんのよね」
「新しい斎宮さまって十四歳だっけ? 潔癖なお年頃よねー」
「十六日に出立だったじゃない? その時野々宮に王子が斎宮さま宛の歌を木綿につけて寄越したらしいのよ。
『鳴る神でさえ思いあう仲は裂かないと言いますものを
大八州おおやしまを守りあそばす国つ神も心あらば
尽きせぬ思いがありながら別れねばならない理由をお教えください
どんなに考えられても割り切れない気がすると思いますよ』
そしたら、超絶忙しい中なのに速攻で返事が来たんだって。もちろん書いたのは女別当にょべっとう(斎宮付きの女官)だけどコレよ、
『国つ神が天にお二人の仲を問うたなら
あなたの中身のない言葉をまずただされるのではないですか?』」
「うわお! オブラート無しの直球ストレート来た!」
「いやもうぐうの音が出ないとはこのことよね。尽きせぬ思いが~とかいいながら、実際王子は見送りに出なかったわけだしさ。見物の車が多かったから人目に立ちすぎて色々面倒だったんだろうけど、まあアレよね、第一は振られた女にみっともなく縋りついてる的な絵面になるのが嫌だったんだろうね見栄っ張りだから」
「右近ちゃんたらほんっと王子嫌いよね。全面同意だけど」
「同意するんかい(笑)それでね、桂川でお祓いしてから内裏に入って儀式って流れだったんだけど、六条御方さまにとっては思い出の場所よ。大臣の娘として大事に育てられて、十六歳で入内、二十歳で夫の春宮に死に別れ、今三十歳で再びの宮中、しかも斎宮になった娘の付き添い。涙こそ零さなかったけど、感無量……ってお顔をしてたって」
「経歴だけ聞くと、平安女子としては理想に近い形の人生を送ってるように見えるけど、普通に大変だよね。良くも悪くも常に注目されちゃうし、そらメンヘラチックにもなるわ。今回の付き添いも前例が無いってことで結構叩かれちゃってたんでしょ?」
「何か変わったことやると無責任に文句付ける輩って必ずいるからね。でも、だからって娘を一人で送り出して京に残ること考えてみたら、そっちの方が無理よね。ヒカル大将の次の北の方になれるほどのスペックなのに、このままいくと単なる棄てられた元カノポジションだよ。体裁悪いなんてもんじゃない。王子だって完全に悪者になるしお互いに辛い。それに対して伊勢に行くっていうのは期間限定の出家みたいなもんだから、一旦リセットするには絶好の機会よ。前例破りは『自分自身の意思の強さ』のより強烈なアピールにもなるし。王子にとっても御方さまにとっても、両方の立場がこれ以上傷つかない最良の選択だったと思うわ」
「はー、ハイスペック過ぎるのも考えものね……フツーのOLで良かったアタシ」
「斎宮さまもお母さま譲りの超絶美少女らしいから、朱雀帝も気に入ってるみたい。もちろんヒカル王子も見逃さないわよね、鼻っ柱の強い賢い女子は元々嫌いじゃないし」
「またまた嵐の予感……」
「懲りないわよね……」

 閑話休題。
 詰め詰めの「葵」を終えてなだれ込んだ「賢木」、ここに来て明らかに書き方が変わってきているのを感じます。まず、どういう人なのかあまり語られなかった六条御息所というキャラクターが俄然生き生きと形を成して来ている。「葵」で内面をえぐったことで、作者自身にも明確にその姿が見えてきたのではないでしょうか。身分も教養も容姿もハイレベル、自他共に認めるこだわりの趣味人でもある。そのぶん抑圧も強く、一旦タガが外れるとコントロール出来なくなる危うさも抱えている。ただ本来理詰めで冷静な判断が出来る人ではあるので、最終的にはベストの選択をする……この人物造形が、この章最後の以下のやりとりによく表れています。
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(伊勢に向かう車の行列が二条院近くを通った際、ヒカルが榊の枝に挿して渡した)
「私を振りすてて今日は旅立たれるが、鈴鹿川を
渡る時に八十瀬はつせの波に袖が濡れるのではないでしょうか」
 辺りはもう暗く慌ただしい折だったので、翌日逢坂の関の向こうから返事が来た。
「鈴鹿川の八十瀬の波に袖が濡れるか濡れないか
伊勢に行ってまで誰が思い起こしてくださるでしょうか」
 言葉少なに書いているが、筆跡はいかにも風雅で優美だったので
「これでもう少し情愛深さがあれば」
 と思う。
 霧が深くたちこめて常ならぬ様の明け方に、ぼんやりと独り言をいうヒカル。
「あの方の行った方向を眺めていようこの秋は
霧よ、逢坂山を隠さないでくれ」
 西の対にも渡らず、誰のせいというのでもなく物寂しそうにぼんやり過していた。まして旅の空にある一行は、どんなにか思う所が多かったことか。
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 じつの無い言葉と喝破した十四歳の斎宮と同様、この時点で六条御息所は全くヒカルの言葉を信じていないことがよくわかります。
 ご自分の邸の近くを通ったから少し気にしているだけで、鈴鹿川を越えて伊勢に着く頃にはどうせ私のことなんて忘れるでしょう?
 まさにその通り真実を言い当てているので、ヒカルにも若干刺さります。だから「もう少し情愛深さがあれば」なんて言い方をしている。ヒカルが送った「情愛深い言葉」は、見事にその甘ったるい嘘をはぎ取られて中身のみ戻って来た、情愛が無いと感じたならばそれは元々自分自身がそうなのだ、ということに気づいていない。
 作者のメタな発言は以前からさりげなく出て来ていましたが、ここに来てかなりあからさまに強い口調で書いています。ヒカルという「非の打ち所のない男」の問題点がどこにあるのか、六条御息所というこれまた「非の打ち所のない女」への言動を通してくっきり明示されたというところでしょう。

其の三

 お初にお目もじいたします、弁の君と申します。只今藤壺は立て込んでおりまして、王命婦さまもさまざまな事に忙殺されておいでです。しかし誰かがこの記録を取らねばならず、ならば僭越ながらわたくし弁の君がお役目を果たそうと、こう思った次第です。

 以前から体調が思わしくなかった桐壺院のご容体が急速に悪化いたしましたのは、十月に入ってからのことでした。急ぎ行幸を決め対面された朱雀帝には、まず幼き春宮の行く末をくれぐれも頼むと仰られ、更に近衛大将であるヒカルさまについては、
「私の在位中と同じく政治の後見役とせよ。若いが能力は高い。占いで必ず天下を治める相があると言われたが、だからこそ親王には成さず臣下にして、朝廷の補佐役とさせる気でいたのだ。我が意思に違うことのなきように」
 などと破格の扱いを求めていらっしゃいました。
 春宮が行啓された際はそのご成長ぶりを殊の外お喜びになられ、短い時間ではありますが楽しく過ごされました。お帰りを惜しまれるご様子には、藤壺中宮さま共々涙を禁じ得ませんでした。
 その後もヒカル大将はじめ主だった人々のお見舞いが続きましたが、大后さまのお姿がみえません。おそらく、つきっきりで看病されている中宮さまへの意地が邪魔をしていたのでございましょう。そうこうしているうちに十一月、とうとう院はお隠れになられました。然程の苦しみも無く、眠っているかのような穏やかなお顔にございました。
 
 国をあげての深い悲しみのうちにも、時は容赦なく流れてゆきます。四十九日を過ぎますと、桐壺院のお邸に集まっておられた多くの女御、御息所の方々は皆散り散りに退出してゆかれます。寂しいことですが誰も彼も、何時までもこの場に居るわけにも参りません。
 年も押し迫った師走の二十日ごろ、藤壺中宮さまもご実家である三条の宮に戻られることになりました。雪が降りしきる風の強い日にございましたので、ただでさえ寂しい院内はますます人が減り、がらんとしておりました。兄君である兵部卿宮さまがお迎えに来られ、そこにヒカル大将も現れました。
 庭先の五葉の松が雪に当たり、下葉が萎れているのをご覧になった兵部卿宮さまは、
「蔭が広くて頼りにしていた松が枯れてしまったのだろうか
下葉が散りゆく年の暮れに」
 と観たままを詠まれたのですが、折も折ですから心に沁みたのでしょう、しとどに袖を濡らされたヒカルさまが返されました。
「氷の張りつめた池が鏡のようだが
長年見慣れた父のお姿を見られないのが悲しい」
 いつものヒカルさまらしからぬ出来のお歌でしたので、お傍に控えていた王命婦さまがさりげなく、
「歳が暮れて岩井の水も凍りつき
見慣れていた人影も薄れて見えなくなってゆきますこと」
 と詠みなおしておられました。他にも尽きせぬ思い出話はいくらもございますが、キリが無いのでこの辺で……。
 さて、藤壺中宮さまが三条の宮へと移られる儀式は従来通り粛々と行われました。
「生まれ育った実家だと言うのに何だか、旅先のような心地がするわね」



  タチヨミ版はここまでとなります。


ひかるのきみ 肆

2020年5月24日 発行 初版

著  者:乎岶 はる
発  行:みくまり庵

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