いま世界中を恐怖に落とし入れている、新型コロナウイルスはどこから来たのか? 発源地はどこなのか? 中国武漢市が世界から注視される中、中国ではどのような報道がされたのか。この大事態の中、いくつかの国がこれに絡むという謀略説が現れた。
一方、この疫病を治療、予防する希望の光も見えている。
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この本はタチヨミ版です。
はじめに
新型肺炎情報を発信して警察から警告を受けた 医師・李文亮の無念!
広州のサーズと武漢の疫病について思うこと
武漢の新型コロナウィルス肺炎の発生情況に思いを馳せる
今回の疫病発生情況は生物化学戦争だ!
米国とロシアが新型コロナウイルスの発生源をめぐって激論!
新型コロナウィルスは遺伝子の突然変異によるもの
新型コロナウイルスはどこで発生したのか? 専門家はこう語る!
武漢での世界軍人運動会の前に、アメリカで新型肺炎が発生?
新型コロナウイルスはイギリスが開発した生物兵器
新型コロナウイルスは実験室から出たのではなく、
百年のベテランワクチンBCGが使命を帯びている!
アメリカが要求、国連安保理決議案文言の追加を拒否
中国外交部、新型肺炎の源頭問題は一つの科学的な問題
習近平主席、国際社会の共同対応を強調 中米首脳電話会談
新型コロナウイルス肺炎の治療に漢方薬治癒率は九三、七%に達した
“恥知らずで品性無し!” 華春瑩が応答
新型コロナウイルスは、またたく間に世界中に蔓延した。
人々は怖れおののき、驚き、怒り、惑い、悲しみ、恐怖の日々を送っている。
これは戦争だ! という人も多い。
おそらくこのウイルスとの闘いが終息したときには、この社会も人間も変わってしまいそうである。いや、もうすでにその兆候は現れており、やがて世の中は変わり、人間までもが大きく変わろうとしているのではないか。
そこで思うのは、この新型コロナウイルスというものが、いったいどこから来て、どのように世界中へ拡散したのだろうかという疑問である。本書に紹介してあるが、ウイルスが動物から人間へ何度もジャンプし、感染し人から人へと長期間にわたって広がるといわれている。科学者はなぜウイルスの起源を追跡するのに多くのエネルギーと時間を費やすのか? 人間への直接感染源と動物宿主を見つけることによってのみ、感染源と伝染の連鎖を遮断することができるのだという。それは、ウイルスの真の発生源を特定することによってのみ、将来的に予想される、新型コロナウイルス再発の大悲劇を防ぐことができるからである。
このような大事態が起きると出てくるのは、陰謀説である。新型コロナウイルス肺炎でもいくつかの大国が関与したという話が流れている。その内容の一部を見ても、その信憑性を考える前に、恐怖とともに大きな怒りが沸き上がってくるのだ。
疫病の大嵐の中で、希望も見えている。世界中の人々が新型コロナウイルスと闘っている。そして既存の薬品の中から、日本発の治療薬や、中国の漢方薬の効果も伝えられ、BCGが予防薬となるかもしれないとのニュースもある。まもなくワクチン完成のメドも伝えられるであろう!
本書は、中国の様々な報道(ネットの小さな発信も含め)から、中国は新型コロナウイルスをどう報じてきたかをまとめたものである。紹介する文章は、時系列に編集してある。どこでどのような報道がなされたのかを読み、読者自身の知識と合わせ、新型コロナウイルスの発生源と、またいくつかの国がどのように動いたかを考える参考にしていただきたい。(編訳者代表:渡辺義一郎)
中国の新聞「新京報」によれば、新型コロナウイルスによる肺炎症状の最も早い報告は、二〇一九年一二月、新型コロナウイルスはすでに武漢で人と人との間での感染が起きていた。武漢市華南の海鮮卸売市場は早期病例の主な感染地と見られていた。しかし二〇一九年一二月一日に発病した一名の患者はこの市場とは全く関係なかったことが分かり、これがウイルスの来源に疑問を提出することになる。
つまり、最も早い患者の出現が二〇一九年一二月一日であれば、遅くとも一一月中旬には、すでに武漢市周辺のどこかで新型コロナウイルスに感染した人がいたということである。このウイルスの特徴からして一一月上旬には現れていた可能性もある。
新型コロナウイルスの出現に、早くから危機感を抱いた一人の医師がいた。彼の名は、李文亮氏。武漢市中央病院の眼科医師で三五歳である。彼は二〇一九年一二月、湖北省中西医結合病院(中医学〈現代漢方〉と西洋医学の結合)、武漢市中央病院後湖院区(分院)、武漢市赤十字会病院などで、原因不明の肺炎の患者が診察され、次々と入院していることに関心をよせていた。
二〇一九年一二月三〇日午後、この症例が新型のものとの情報を聞くや、すぐに、彼は同窓である武漢大学の「臨床〇四クラス」のSNSチャット仲間に「華南海鮮卸売市場で七例のSARS症例が診断された」とのセージを送信し、臨床医でもある友人たちに「家族や親戚に予防に注意を払わせましよう」と呼びかけた。
二〇二〇年一月三日、彼は管轄の警察署から「インターネットに虚偽の発言を投稿した」ため、警告を受け訓戒書を出された。二〇二〇年一月六日、 李文亮医師は八二歳の眼科患者を診察した。患者は一月七日に発熱し、その後新型コロナウイルスと診断され、一月二三日に死亡した。
一月一〇日、李文亮医師が発熱し、武漢市中央病院発熱外来を受診した。一月一二日入院し、一四日、呼吸器および救急医療の第三病棟に転院した。病床からも彼はSNS でこの新型肺炎への注意喚起を発信し続けた。一月二三日呼吸と危重症医学科集中治療室に移り、 残念ながら二月七日に医療部の集中治療室で亡くなったのである。
李文亮医師の、新型コロナウイルスの初期情報がネットに拡散され、多くの人々に注意を促した。しかし、地元公安当局はこれを虚偽情報と警告を発したのであった。もし、それが無く、情報が正しく市民に伝わっていたなら、新型コロナウイルスへの対応も緊急対策をもって、拡散防止に役立ったものと思われる。関係当局の初動対応のミス、足並みの乱れが、疫病の世界蔓延につながっていった。二月七日、李文亮医師が亡くなってから、ネット上SNSには、彼が病床から発信した、新型コロナウイルスへの注意喚起のメッセージと写真がたくさん見られた。彼はいつの間にか英雄になっていった。これからの中国にとってなくてはならない若者の無念の姿であった。
李文亮医師の一連の経緯をニュース報道を参考にまとめてみた。
李文亮。一九八五年一〇月生まれ、遼寧省錦州市出身。武漢大学臨床医学七年制専業卒業。福建省アモイで三年間勤務し、その後二〇一四年に武漢に戻り、現在まで武漢中央病院に勤務。眼科医師。中国共産党員。
この簡単な経歴をみても、遼寧省の田舎から武漢大学へ進学し、医師になり、省都・武漢市の大病院の勤務医。しかも中国共産党員である。非常に優秀な医師であったことが解る。
二〇一九年一二月、湖北省中西医結合病院(中医学〈現代漢方〉と西洋医学を結びつけた診療を行う)、武漢市中央病院後湖院区(分院)、武漢市赤十字会病院などに、原因不明の肺炎の患者が次々と入院していた。
一二月二七日、湖北省中西医結合病院の呼吸器・救急医療部門の部長である張継先は、原因不明の肺炎患者三例の状況を病院に報告した。この状況は、武漢の江漢地区CDCに報告された。同じ日に、武漢CDCはこれら三人の患者の疫学調査と検査を手配した。
一二月二九日、湖北省中西医結合病院は、華南海鮮卸売市場からの原因不明の肺炎の別の四症例を報告した。武漢市保健衛生委員会は専門家チームを編成して調査を実施し、その夜、関連する患者を武漢金銀潭病院に紹介した。市内のいくつもの病院が同様の症例を発見したことを考慮して、武漢市保健衛生委員会は部門文書「不明肺炎の治療の報告に関する緊急通知」をそれぞれ一二月三〇日一五時一〇分と一八時五〇分に発行した。「肺炎の原因不明の治療の成功に関する緊急通知」では、肺炎の原因不明の治療を適切に実施し、華南海鮮卸売市場において関連する肺炎の事例を包括的に調査および遡及調査する必要がある。二つの通知は、同日(一二月三〇日)の一五時二二分と一九時〇〇
分にインターネットにアップロードされた。
タチヨミ版はここまでとなります。
2020年4月20日 発行 初版
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