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逸る心に終止符を打ち
何も握らず
空が雲に覆われているなら
その隙間から光を集め
誰も通ったことのない道
そこに足跡をつけよう
あなたは生きて行くうえで
大切なものは何ですか
それを大事に
胸に秘めて
朝
暗い夜道を歩いていても
俯いて歩いていたとしても
誰にも公平に
朝は来るだろう
目を瞑って
心の奥底が見えたなら
そこが始まりなんだろう
そこから始まるんだろう
答え
答えを探している
探している間は見つからない
何故かって
答えは自分の中にあるから
もう一人の自分
僕が失ったものはあなたではない
あなたの持っている何か
それは
僕の傍らに佇む
もう一人の自分
嘘
僕はときどき
自分を試すんだ
だから嘘をつくんだ
本当のことを少しだけ知っているから
だから嘘をつくんだ
雲
泣き出しそうだった
雲の隙間から
太陽が微笑む
君のためだよ
僕らは何も気づかず
忘れた宿題を
家に取りに帰る
遠回り
少し遠回りして
家に帰った
乾涸びた花壇に
古びた家並み
佇む老婆
遠回りして
明日も帰ろう
価値
全てを手に入れたようで
全てを失った
そう思っている彼女
あなたは未だ自分の価値に気付いていない
可能性
完成の一歩手前
そこを見たい
そこが知りたい
そこが素敵
花
あなたの笑顔が見たくて
道端に咲いている小さな花を摘んだ
大切に持ち帰ったつもりなのに
枯れてしまった
はらはらと散る花弁が
あなたの姿と重なるように見えた
階段
一つ階段を登りました
今までと違う感覚
また階段があります
初めて見る風景
階段はまだまだ続きます
一段一段
殻を脱ぎ捨て
肌を露わにしていく
今という階段
永遠に続く階段
割れた鏡
自分を割れた鏡に写す
求めれば
求める程
亀裂は深まる
そして気付く
僕は自分を手放す
記
ふと立ち止まり
後ろを振り向く
石ころが転がっている
一つ拾ってみた
ずっしりと重く
僕は直ぐに手を離した
それは過去の自分
偽りの記
記憶
かつての自分が瞬きをする
遠い昔の記憶が蘇る
今の自分とは違う
過去にしがみついている訳でもないが
断言することも出来ない
鏡を通して
昔の自分を見ている
恐れ
現在を失う
過去に生きる
現在という時間を忘れ
明日に恐れを抱く
やがて朝陽を浴びて
我に返る
鏡
世界中を旅して
君の笑顔を見出す
それは僕が君を求めている訳ではなく
僕の中の自分
それを見つけたから
蛍
一瞬の煌めき
蛍みたいだね
一瞬の瞬き
人生みたいだね
月
明日のことは
考えなくてよい
今日月見草の花弁が微笑んでくれたから
昨日のことも
考えなくてよい
解けない迷路だから
僕らは昇る陽を見つめ
夜空の月に想いを託す
遣る
動いてみる
ただひたすら遣ってみる
答えやヒントは
偶然やってくる
砂時計
逆さにすると
沢山降ってきて
一杯になる
また逆さにすると
沢山降ってきて
でも
もう逆さになんてしないんだ
きっと逆さになんてしないんだ
彩
あなたの言葉が
あなたをつくる
僕の想いが
あなたを彩る
子供
金持ちは去って行った
愚劣な奴は顔を見せない
正直者も少し辛そう
残ったのは
一握りの子供達

指輪
あなたは月の砂漠で
無くしたと思い込んでいる指輪を
一生懸命探している
無くした訳ではない
大切にし過ぎて
しまってある場所を忘れただけ

歯車
あなたを見ると
懐かしい
遠い昔の
自分に出逢えたような
いつも噛み合わない
歯車
今日はちょっと違う

死
僕は小さく生きている
小さく小さく生きている
だから小さく死んで往く
小さく小さく死んで往く
だから添える花は要らない
大輪の花は
きっと僕を呑み込んでしまうだろう

視線
あなたの言葉
あなたの瞬き
あなたの思考
その行為の奥深く
僕はそこに目を向ける

自由
ライオンは吠えない
百獣の王であるライオンは吠えない
草原の大地に思いを馳せ
思うがままに獲物を仕留めた
ライオンは吠えない
飼い馴らされたライオンは吠えない
ライオンは吠えない

秋桜
昨日出逢った素敵な娘は
昨日の出来事
微笑んでくれたのも
昨日の出来事
幸せの一歩手前
いつも一歩手前
だから今日は
摘み取ったばかりの秋桜を
そっと君に手渡そう

終わり
夜が明け
空に輝く星々が眠りに就くとき
夜行列車がトンネルを抜ける
少し前の微かな光
あなたと会える五分前
そのくらいの感覚が
一番がいい
何故かって
終わりが来るのを恐れているから

春の雪
春の雪は
綻びかけた莟を
待ちわびた開花を
少し焦らす
春の雪は
別に意地悪ではない
僕らが少し躊躇うとき
僕らが足早に駈けて行こうとするとき
春の雪は
そんな僕らをそっと窘めてくれる

純白の少女
純白の少女は
赤い血を知らない
滴り落ちる
赤い血を知らない
今日も世界の何処かで
真っ赤に染まった悲鳴が聞こえる
純白の少女は
赤い血を知らない

笑わない女の子
毎朝出迎えてくれる
笑わない女の子
僕の心の欠片を
繋ぎ止めてくれているのかも知れない
笑わない女の子
笑えないのではなくて
笑わない女の子
僕は無関心な振りをして
少し心に隙をつくる
微かに心が繋がる瞬間
でも笑わない女の子
笑顔
あなたがいい気分で居ると
神様は微笑んでくれる
それは
街角のパン屋の娘の優しい心使いだったり
花壇に咲く鬱金香の花弁が太陽みたいだったり
懐くことのない野良猫が近寄って来てくれたり
あなたはいい気分で居ると
沢山の笑顔に囲まれる
唇
あなたの腕にある傷口が
少し膿んでいる
だから僕は
そっと唇を重ねた
あなたは少し笑みを浮かべ
また傷口に目をやる
やはり膿んでいる
水平線
君と僕の水平線
潮が満ちて
空が見えて
陽が昇り
でも決して交わることのない
君と僕の水平線
世界の裏側
僕はあなたの優しさを受け入れられない
僕はあなたの真っ直ぐな気持ちに答えることができない
僕はあなたの誠実な心を裏切ってしまうかも知れない
それは僕が汚れている訳ではなく
僕は少し遠回りをして
僕は少し遠回りをしてでも
世界の裏側を見てみたいんだ
孤独
君が振り向いたとき
僕は思った
君はまた出逢うだろう
君は頷く
道は二手に分かれていて
僕らは違う道を選ぶ
やがて僕は
二人で居た記憶を忘れ
雑踏にまぎれていく
いつか
いつか会おうと約束をした
電車に揺られて四時間
目的地へ向かう
混沌としていた思考は
やがて穏やかになり
車窓から外の風景を眺める
いつか会おうと約束をした
雨
雨に搔き消されてしまえばいい
君に放った言葉を
あれから何年経っただろう
今も僕は此処に居る
涙を抑えながら
ずっと此処に居る
再会
夢の中で友人と会った
つい最近会った筈だった
夢の中の彼は随分やつれたように見えた
目が覚めたら
テーブルの上に
一枚の枯れ葉が乗っていた
追悼
彼は地下の壁画に向かって叫んでいた
同じ魂を感じた
生とはなにか
恐れが現実となり
彼はこの世から姿を消した
雑音
もう手に入らないもの
それはお前の奏でる音
逝ってしまった彼の雑音
お互いを埋め合わせていたんだよ
俺の鼓動に
絆
少し離れていて
途切れがちだったり
疎らだったり
でも
それでも
決して壊れることのない
堅い絆
別れ
僕らは
同じ時間を分かち合った記憶を残しつつ
別々の道を歩む
さようならと言う言葉は
また会おうという言葉だと信じている
厳冬
あなたが誰かを
誰かがあなたを
求めている
やがて寒い冬が訪れ
空は手が届きそうなほど低く
実は硬く締まり
春の訪れを
静かに待つ
水
分厚い氷の下には
淡淡と流れる水
溢れんばかりの水
濁ることのない
澄んだ水
それが本当の
君の姿
愛の言葉
下手くそでいい
舌足らずでいい
そうやって呟く愛の言葉は
きっと一番
君らしい
波動
静かな音が聴きたい
君の心臓の鼓動のように
喧騒の中
僕らは出逢った
静寂の中
僕らの心は踊った
混沌の中
僕らは一つになった
静かな音が聴きたい
感覚
光のない世界で
見つめる
音のない世界で
傾聴する
麻痺した世界で
触れる
心の眼で
あなたを感じる
光
僕らの歩みは
光に戻るためのレッスン
ときにつまずき
ときに怒り
そして笑う
全て光に戻るためのレッスン
手
何かを生み出す手は暖かい
でも
それを守る手は
もっと暖かい
心眼
目に映るもの
手に入るもの
どれも綺麗に輝いていた
微かな鼓動
感じる影
僕はそっと手を差し伸べる
触れた指先に
花が咲く
星の欠片
僕は小さな星の欠片
だから上手く君を照らせない
だけど小さな星の欠片
だから君が瞬きした瞬間消えてしまう
そんな僕をたまに思い出して
夜空を見上げて
贈り物
沢山持っているから
一つあげる
君にあげる
だけど一つだけ
たった一つだけ
君に贈り物
一つは二つになり
二つは三つになり
やがて両手で抱えきれなくなって
君も誰かに贈り物
愛
身近に満ちあふれていて
空気みたいで
僕はそれに気づかず
そして
それが人間の本質
世界
小さな思いやり
些細な切っ掛け
ちっぽけな好意
そんなものを集めて
世界をつくればいいのかもね
壁
新たな一歩
前に進む為の困難
下ろし立ての靴を履いて
何処へ行こう
壁に向かって叫ぶ
向こう側に届かない声
生
今日という日は
初めてで
何もかも
此処から始まる
そして
終わりを告げる
その積み重ねが
僕らをつくっている
世相
僕が此処で佇んでいても
世界は回っている
僕が此処で叫んでいても
世界には届かない
不図した瞬間
ある老婆に話しかける
彼女はにっこりと笑い
僕の肩をそっと押す
成熟
僕らは成熟という言葉とは裏腹に
大切なものを失っているのでは無いだろうか
一生懸命探した星座や
飽きもせず眺めていた流れる雲
子供の頃夢見たこと
今日は読みかけの本を閉じて
夜空を見上げて床につこう
成長
失うことが怖いなら
何もしなければよいだろう
転ぶことが怖いなら
そこに佇んでいればよいだろう
成長というのは
角が取れて丸くなることではなく
何時までもささくれだった指先を
あなたに差し伸べることかも知れない
絶望
夢の中であなたはこう云った
次お会い出来るのは何時ですか
僕は答えた
また明日
でも眠りの中で小さく呟く
明日はもう来ないと
存在
付き合う人が変わり
目指す道も変わり
目にする風景も変わる
僕らは同じ場所には居ない
ただ此処に在るだけ
太陽を掴む
何も手に入らないと
嘆くなら
太陽を掴むといいだろう
手に入れた瞬間
真っ赤な炎はあなたを包み
過去も現在も未来も
握り締めているもの全て
灰となるだろう
梯子
僕は月に梯子を架け
一段一段登って行く
やがて空気も薄くなり
息が苦しい
だけど登って行く
何故かって
確かめたいんだよ
命というものを
天使
誰の心にも
天使が住んでいる
罪人の心にも
天使は住んでいる
僕らが疲れて
眠りに付く頃
子供の頃を思い出す
道
僕らは進むべき道を間違えた訳ではない
行き着くところは皆同じだ
左の手首に傷跡の残った彼
僕らはそれを選んでいるに過ぎない
世界は平等ではないと嘆く君
皆初めから知っていた筈だ
僕らは自ずから道を選んでいるに過ぎない
毒
毒を吐け
自由でいる為に
毒を吐け
純粋である為に
毒を吐け
生きる為に
お前が毒を吐く度に
誰も気付いていない様で
でもほんの一握りの人間が
自分の中で蠢いていた自己に気付くんだ
乳母車
誰も乗せていない乳母車を
白髪混じりの女性が押している
ときどき微笑み
押している
時というのは
人それぞれであって
彼女は今日も乳母車を押している
背を向ける
何度も手を振りたいけれど
背を向ける
何度も振り向きたいけれど
背を向ける
背を向ける
それは
心の片隅にある微かな記憶が
確信に変わるのを恐れていて
だから背を向ける
美
美しいということ
笑顔に隠された彼女の涙
真っ直ぐに進む彼の怒り
強がって見せる彼の心の痼り
美しいということ
影の裏を見抜く
美しいということ
彼ら彼女らの本来の姿
必然
僕らは出会う
必要なときに必要な人と出会う
それは偶然のように見えて
実は色んな奇跡が起きていて
それは必然なんだ
変化
絡んだ糸をほどく
歴史をほどく
そうすると気付いたりする
始まりはほんの些細なことだったりする
変わるのは大変なこと
変わるのは単純なこと
望み
肩書きは要らない
名声も要らない
望んでいることは
心の平和
それだけ
本質
少女に見えた彼女は老婆だった
少年の様に見えた彼は大人だった
見える筈がないとあなたは言うだろう
だけど僕らは見た目に惑わされ
ときに本質を見失う
その角を右に曲がったら
何が見えるのだろう
未完成
完成されていないから
美しいものもある
君と僕は
少しの間
向き合い
微笑み
そしてまた
それぞれの道を歩み始める
夢
僕等は眠りについたころ
夢を見る
胎内にいたときと
同じ夢を見る
結局同じなんだ
閉じた世界と嘆いていたが
本当は開かれているんだ
夢の欠片
今を生きるためには
裸の自分と向き合うこと
きっと必要なこと
僕はときどき君を思い出すけれど
夢の欠片に魅力はない
矛盾
自分の言葉を探している
いつも探している
見つかる度に
僕らは離れてしまい
見つかる度に
心は交わる
明日
言葉の欠片を寄せ集めて
未来と読む
言葉の欠片を寄せ集めて
可能性と読む
言葉の欠片を寄せ集めて
希望と読む
あなたを追い越すことは出来なくても
明日は来る
夜
僕の知らないところで
世界は回っている
君の知らないところで
僕は生きている
零れ落ちそうな星空の夜に
僕は心の雨の音を聞く
眠れないなら眠ることもない
僕の知らないところで
世界は回っている
勇気
疑って逃げるより
信じて騙される方が
ましかも知れない
そんな勇気が足りない
そんな勇気が欲しい
陽
あなたがもしも
道に迷っているなら
道端に咲く小さな花達や
森の木々に話しかければよいかも知れない
未来のことは誰もわからない
分かることはただ唯一
明日も陽が昇るということ
乱心
小さな過ちは
川になり
降り注いだ雨は
気息を乱し
乱心を迎える
旅
旅に出たい
僕の知らない世界を見てみたい
旅に出たい
魂に終着駅はないのかも知れない
旅に出たい
でも最後の旅があるならば
君が生まれ育った街に行きたい
涙
誰しも持っているであろう
痛みや傷
たとえどんなに深く傷ついていたとしても
流す涙に無駄はない
季節は巡り
やがて春を迎えるように
心のしきたりに
例外はない
乖離
あなたの前で
元気でいられる僕は
あなたに貰った心遣いのお陰かも知れない
あなたを通して自分を見つめる
だけど自分から離れて行く
雪
願いは空に届くよ
心が真っ新なとき
そういうときに足跡をつけよう
降りしきる雪の中
新雪に
薔薇の花弁
涙が乾く
その日まで
僕は薔薇の花を見ていた
その花弁が
一枚一枚落ちる度に
わだかまりは解けつつも
確信は深まり
やがて僕は
静かに眠りにつく
命
僕は命をすり減らしている訳ではない
僕は自分の限界を知りたい訳でもない
僕はただ此処に在る
命ある限りつくり続ける
一輪の花
古い殻を破って
過去を赦して
一輪の花を摘みました
正しい道
間違った道
迷ってしまはないように
だから一輪の花を摘みました
終着駅
暗闇の中にほんのりと浮かぶ小さな光
僕は随分長い間それを掴もうとしていた
掴めば全ての苦悩は解決する
そんなことも思ったりしていた
いつも探していた終着駅
ある日気づくと全く見えなくなっていた
暗闇が存在しない
ただ世界が光に包まれている
僕が探していた終着駅
そんなものは始めからなかった
道
大丈夫
最善の道は書いてある
生まれたときから
あなたの背後に
ほら
歩いて来た道だよ
樹(父へ)
普段は目立たない
樹のような存在
目立たないけれど
樹のような存在
雨風に負けない
樹のような強さ
枝葉は優しく
小鳥達の憩いの場
僕もまた
樹に成りたいと思う
心(母へ)
あなたの心
寄せ集めました
あなたが切り刻んだ心
寄せ集めました
少し足りません
でも寄せ集めました
あなたとあなたの愛する人から
僕は生まれました
最後まで私の拙い表現にお付き合い下さり、ありがとうございます。
2/3という作品集を出版してから、続編のようなものを発表したいと思っていました。
歩き続ける、つまり「生きる」といことについて、日々の生活について綴ってみました。
デザインはタイポグラフィー、オリジナルの書体を使ったデザインだけで制作しました。
「生きる」ということ、簡単なことではない様な気がします。
況して、精神疾患を患ってしまった人間にとっては尚更のことなのです。
私はこうして、こう思って生きています。生かされています。
間違っていることも多いかも知れません。
それでも「置かれた場所で咲く」と言う言葉を実行して来たつもりです。
私の作品から心に残るものが一つでもあれば、嬉しく思います。
2020年7月7日 発行 初版
bb_B_00164912
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