花火は川すれすれに作られた台から上がっていた　それとも川に浮かんだ舟だったか　打ち上がってしばらくするとザーっと燃えかすが降ってきた　上がるたびに降ってくるので花火を見ながらずっと頭に付くかすを手ではらっていた　困った花火大会だなほんとになんて　笑いながら大勢の見物客が同じように頭をかいていた　ドーン　花火がサクレツするたびに対岸の見物客が姿を現す　向こうも大勢だ　帰り道は燃えかすを頭に沢山のっけた花火帰りの人でいっぱいだった　商店街の白い屋根付きの歩道をその時代の人がおおぜい歩いていた　花火の日だけやってる屋台でラムネを買った　いやそれはその日じゃなかったかもしれない　いつ買ったかその曖昧なラムネはネコ（手押し車）に氷水をはった桶に浮いていた　その曖昧なラムネは思ったより冷たくなかった　あの花火大会からというかあの燃えかすを手ではらってからもう何年もたつ

ジェットフォイルという速い船から降りて港の周りをぶらぶらしていると畑道にでた　畑とその後ろの山の感じが山梨の南の方と似ていた　同行の二人も山梨出身なので似ていると言っている　それから宿のあるとこまで路線バスで行った　着く頃にはすっかりバスの外は夜になっていた　宿は海の近くの高いところにあって　朝起きると窓ガラスに茶色っぽい泡がくっついていた　それは宿から70ｍほど下にある海から飛んでくる波の泡だった（海から舞い上がった泡が目の前の窓ガラスに着くまでワンカットで見る事ができた）　朝ごはんを食べてから近くをぶらついていると　崖の上の方に水族館があった　水族館は物置小屋を二つくっ付けたくらいの大きさだった　中に入るとテーブルの上に蓋の付いていない普通の水槽が幾つか置いてあって　壁には昔近くの海で撮影された有名な映画の写真がベタベタとはってあった　写真の中には地元の人が撮影風景を撮ったような珍しい写真もあったりした　「あれ、これジョーズじゃね」と友達がちょっと大きい声で言った「まじで！」　水槽を覗くとジョーズをそのまま縮小にしたような鮫がじっとしていた　あの崖の上の水族館というかあの小さい鮫を見てからもう何年もたつ

駅前は祭りのカッコをしたひとが大勢座り込んでいた　みなさんだいぶ練り歩いてくたびれてしまったみたいで　いやーもういいでしょこのくらいでやめましょうよ午後は　北口の方は行ったことにしましょうね　なんかこの神輿去年より重くないですか倉庫に置いておくと重くなるんですかねとかそんなことを言っていた　むかし静岡で見た秋祭りにテイストが似ているなと思った　静岡の秋祭りは夜だったけど　田んぼの脇にたっているガレージというか物置で地元のひとが踊りを踊っていた　その発光しているガレージが舞台になっていた　舞台と言っても一段高くなっているわけではないから　目線は踊り手と見てる人で同じだった　目の前で黄色い水泳帽をかぶった五人組のおばちゃんおじさんが立ち泳ぎでシンクロナイズドスイミングをやっていた　こっちは車のスピードをとまるくらい遅くして　何やってんだあれ　秋祭りって書いてあるねとか言いながらガレージの前を通り過ぎた　見ている近所のひとの顔（笑顔）に灯りが当たっていた　みんながいるところの裏はすぐ山になっていて斜面に点々と裸電球が光って作るジグザグの参道が見えていた　

素泊まりでもいいかな？駅員さんが受話器を口元から外して言った　それでいいですお願いします　礼を言って駅員さんに探してもらった旅館に向う　ちょっと行ったところにお店があるからそこで食べるものを買って行った方がいいよ　お店は他にないから　言われた通りそのお店で（酒屋だった）パンと菓子を買った　坂道の途中に旅館はあって　さっき電話で駅員さんが、というと宿も人もすぐわかってくれた　部屋は8畳ほどの広さで（というか8畳か）　床の間にテレビと金庫があった　風呂に入ってテレビドラマをみてねた　夜中に一度起きた時にテレビをつけると天気予報をやっていた　旅館のある県が五つくらいのエリアに分かれていて　エリアの呼び名は県北とか県南みたいな感じだった　朝食は昨日買っておいた蚊取り線香みたいなくるくるしているパンとちゃぶ台の上のティーバッグのお茶をいただいた　みょうに薄い湯呑みで熱かったですね指があれはほんと　慌てて湯呑みをちゃぶ台にバタって置いてバタって置いてからもう何年もたつ

幌をつけた小型トラックが徒歩くらいのスピードで横を走り抜けていった　トラックに取り付けられたスピーカーからアナウンスが聞こえる　移動販売車のようだ　このあたりで普通に話されている言葉の生アナウンスなので聞き取ることがちょっとというか全然できなかった　その日は雪が降ったり晴れたりしていた　歩道脇の小さな祠にリンゴが供えてあった　移動販売車は角を曲がって消えていった　と思ったらさっきよりスピードを上げて戻ってきた　あわててヒアリングの準備をしたけどスピーカーからは残念何も聞こえない　この通りの移動販売は終わったようだ　運転席には緑色の帽子を被ったおじさんが座っていた　あの移動販売車を見かけてからもう何年もたつ

コーヒーorきのこ茶¥730　中国小料理屋　漫画ゴラク　きゅうり1袋100円　純氷　清酒専用通箱　近代家具　酒処おにぎりお茶漬け　夜中の定食　清酒白雲　長期滞在者も歓迎　小型駐車場完備　タタミスリッパ　激安中古　仮営業時間AM9時からPM9時　ほぼ年中無休　スパイス　婚礼着付　火曜定休　オートスナック24時間営業　メガネサロン　この信号左折100KM　駐車禁止　茹で卵定食200円　無回転イス¥8190　歌とダンスでたのしいひととき　冷し麺　ハイオク179円　入浴料5000円サービス満点　囲碁　GWの営業時間5/1通常営業　シルバーライン¥5800の品¥3800但し本日５時まで　スーツ本格丸洗い　アパートマンション情報　納車整備渡し　エサ　ハーブマジックヘアカラー　ご予約優先　レバーともやし炒め700　2F角　車検早期予約5000円引き　ゴルフ苦手克服　将棋道場入会随時　バッティングセンター　空気入れ¥０　変則調整¥330　ガソリン¥154　新潟佐渡島産おけさ柿　思い切ってピアノレッスン　味の名店街　チゲ味噌　現金買取　フランスパン　夜間車両通行止めのお知らせ　ウォッシュアイランド　プラケース¥580　ところてん　カラオケ　抜群の音響　幻の焼酎森伊蔵　ビール券　ラーメン専科　音声の出るホームページ　ランチ500　スチームバス　新車は半額　無料案内所（たまにひとがいます）　玩具人形造花　ファンシーショップ　ドライブイン　貸しボート　ミッションインポッシブル　ダンススクール　スピード洗濯　ふんわり乾燥　和牛焼肉　L専門店　ビジネスホテル　一こ200円　売地坪12万円　入居者募集・・・・・・・・・カルピ

あの遊園地は真ん中に深い谷があって大きな橋がかかっていた　入り口のゲートのあるエリアには滑り台のあるプールやイベントに使う舞台なんかがあった　園内には小さなゲームコーナーがいくつかあって　その中で一台だけメダルゲーム（コイン落とし）のメダルが本物の１０円玉使用のものがあった　がしゃんジャラジャラ上手いけば沢山の１０円玉を獲得することができた　これは記憶違いのようでもあるけど　昔はそんなメダルゲームもこっそりあった（のかもしれない）　谷に架かる大きな橋を渡る　右側には幼なじみのこうちゃんがいて　左側にはこうちゃんのお兄さんのまーくんがいた　橋のたもとのところには大きな木があって日陰になっていた　その日陰を過ぎると橋なので当然あとは対岸までずっと夏の日差しを遮るものはなかった　あれっ、歩きながら少し変な感じになった　なんかおかしいな　周りの音が耳に入ってこないような　知らない景色なのに知っているような　その時の変な感じを今ごろになって言葉にしようとすると　この橋を歩いている感じを時間がたって時々思い出すだろう（なぜかは分からないが）みたいな感じか　ちょっと違うな　小学生が感じた今までと少し違う何か？　面白いとか怖いとかと違う　いや熱中症の初期症状？　さて、８月も後半ですね　今が旬のちょっと食べづらい房総名物コーヒーポンチ　一度食べてみたいですね