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海を見ていたから、色鮮やかな、
海、を見ていたからわたし、
の身体。は、
きっと偽物だと知りました。
詩「深海の音」
命の形、を 何に例えれば、
あなたは、
わたし、を好いてくれるのでしょうか。
詩「花言葉」
指先が触れたら、宇宙だ、
あなたを好きな恋を星として、繋いで、どうか、
別の名前で呼んでください。愛は歌を唄ってる、
隣で眠りを待つだけの呼吸なら、
いつか死んでしまうことを、笑った。
視界は朝の色を濡らして、きみを見失う理由を
無理にでも作ってしまうこの恋を、
どうか、別の名前で呼んでください。
詩「星座」
「命。」なんて、文字列でしかないのなら、
せめて、愛情には甘い味をください。
蜂蜜は零れて、夕日は奇麗で、
わたしに相応しい孤独。
目眩と運命、飴が美味しい季節になりましたね。
ガラスに映、らない人間を集めて、
脳みその東ロでは、パレードが踊る。
モノクロームな青空。
「愛。」なんて、
詩「白い赤」
光が、消えるまでの一瞬を、
わたしあの星の体内から見つめてる。
手紙から零れたのは、愛、
という漢字を知るずっと前、
心臓が溺れた時の感情でした。
光が、灯るまでの一瞬を、わたし以外の色が、
生命の中から覗いているので、
それを幸せと呼びました。
すべて、消える一秒前、
わたしの名前で星を愛して。
詩「彩星座」
愛を壊して夜明け。白昼夢の中から幽霊、
きみはまた、あの音を聴いてる。
命の独り言、透明なスクリーンに生きている
わたしの脳味噌は綺麗で、ほんとうに、綺麗で、
生きていた。光は暗闇の中でしか死ねない、
時計の針を飲み込んで、ずっと、
このまま今を続けて。
愛に触れて、星を壊して、
夜明けを散って。
詩「蛍」
きみは、あの言葉の中で生きてる。
世界は美しい、なら、
きっとわたしは死んでしまう。
部屋の中に星が灯って、
喉の途中にやさしさはあって。
色の中でだけ、笑える、だからわたし、
桃色が散る頃には死んでしまう。
世界が美しいので、
ちゃんと、
わたしは死んでしまうよ。
詩「桜舞」
結んだ空が、解れ、ほつれ、て、
降り注いだのは
まだ誰も知らない光の粒でした。
路地裏から声が香って、黒色はゆっくり、
わたしを愛してくれました。
永遠を抱きしめて、ひとりぼっちは笑った。
綺麗で、奇麗な、ほんとうに、
ここに命はありました。
知らない光を束にして、
きみが生まれた日、
一生に一度のプレゼント。
詩「生誕」
きみは、天使だ。羽をわたしの家に忘れたまま、
きっと帰ってこないのだから、
きみは、天使なのだろう。
朝の雲だけが答えで、
布団の中は宇宙よりも広いのです。
白くなれない身体の一部を切り裂いて、
中を覗けば甘い、甘いクリームをベッドにして、
きみが帰ってくるまで、
心臓と星空、
おやすみなさい。
詩「眠空」
いつかきみが海だった日の事を、
わたし、ちっぽけな朝に、思い出してしまう。
それが運命だよ、だなんて、
永遠に一度も言わないで、
朝焼けとは仲が悪いのでわたし、目を瞑る。
左手だけ光に触れて、
置き去りにされた心は路地裏で酸素を吸う。
いつかわたしが愛だった日の事、
忘れてしまうから、
きみが海だった日の事だけを、覚えたままで。
詩「きみ、青、」
魔法使いと童話と綿飴、
ふわふわ舞って、裏返れば、春の中。
きみのことが好きな雨は今日も美しくて、
タ暮れを飛ばして、ぜんぶ嫌になっちゃうような、
早口言葉が苦手なオレンジ。
指先から思い出を飛ばして、
届いた時には破片の先で指を切る。
きみの笑顔が魔法じゃないのなら、
わたしはきっと童話の住人なのですね。
詩「橙の魔法」
心臓の奥にある国を抱いて、
きみは、知らないだろうけど、
きみが思うより天国は治安が悪いから。
吐いた言葉を飲み込んで、
明日からわたし、第二形態。
懐かしい匂いにつられて首を吊られて、
寝静まった夜には内緒話をはじめよう。
幸せになりたいと願えば夜明け、
爪の色と同じ夜空は落っこちて。
詩「カラフル」
目を覚ますことなんて無いのだから、
煙の中を、歩く、歩く、少し立ち止まったら、
言葉に埋もれてしまうよ。
心臓の真似をして笑った、
きみは優等生だから少しだけ宙に浮く。
屋上で手を繋いだ。
時間は無味無臭なので
好きにはなれませんでした。
林檎味のきみだけ、
わたしは、愛していました。
詩「林檎」
命の隙間から甘い蜜、吸い込んで春、
雨曝し、ちゃんと生きてる音がする。
脳味噌は迷路なので、わたし、
人間として生きていくのが精一杯なのです。
お腹いっぱいの愛をちょうだい、
命しか要らない夜をちょうだい、
夢の手前で拾った真実は
数分後に爆発してしまって、
残った破片に
わたしと同じ名前をつけて。
詩「蜜の味」
夕焼け、春が落ちて、優しい手のひら。
許されない愛を抱えて十二時間、
飛んでゆけたら、ずっと向こうの、話をしよう。
流れる透明に引き摺られて、
きみは大人になった。なってしまう、
大人に吸い込まれてしまった。
色々で片付けられた命を、
だけを、
愛していて。
詩「透明度」
偶然と暗闇の中間地点で、命の中の甘味を吸って、
生きている、あの子は幸せになってしまった。
気付いてしまう、朝と夜では匂いが違うこと。
五月蝿い路地はラブソング。
紛れて紛れ込んで真夜中。愛を酸素に変えて、
明日も生きてしまうのでしょう。
記憶は少しだけ浮いてる、
私は月にはなれませんでした。
色違いの私は扉の反対側。
声も色も身体も捨てて、命、だけを愛して。
詩「色種」
例えば、きみは透明で、
私の命は黄色く光って、すべて夢でした。
遊園地に住み着く妖怪は
とても綺麗に笑いました、
少女の霊はまだそこで生きてる。
誰も揺れることを知らなくて、
それは平和ならもうきっと星の丸さは
無意味でしかないのです。
五本の指は紫陽花の真似をして、
きみを愛したい、と言った。
すべて夢でした、を望んでる、
そうして命は動いていて、
透明に触れてしまうように綺麗でした。
詩「紫陽花」
わたしは、海を泣く。
ただそこにあるだけでは、価値が無いらしい。
そう、星の砂が泣いていたので、
代わりに空の色を教えてあげた。
足の小指と引き換えに朝日を浴びた。
夏と引き換えに、前髪は伸びて。
制服から心が漏れて、しまうから、
能動的に死んでしまえばいい。
二酸化炭素だけがきみで、手を繋いだら雨の中。
到底未だに人間のまま、
深呼吸をして、心臓を幸せに。
波に拐われるのが夕暮れだけでは無いのなら。
わたしは、海と鳴く。
詩「心中」
まだここは海の底でした。
星の代わりにゴミを浮かべて、きみは、
綺麗だねって笑う。酸素からは程遠く、
夕焼けは今日も私を嫌ってる。
鯨の群れと珊瑚礁。あの子の腕から羽が生えて、
きっともうすぐ、飛んでいってしまうから。
赤色ばかりの部屋に落ちてきた緑色だけを
愛した。
復讐と制服と明日の空の色、ぜんぶ、
愛してあげるから。懐かしい歌、優しい傷口、
きみが笑ったってまだここは海の底。
宇宙と心だけを手放して、
ぜんぶ愛したフリをした。
それでも世界が続くなら、
私は、鯨になって泡を唄う。
詩「鯨の唄」
きみの涙は最高速で春になる。
肺に成った果実の味とこの憂鬱を何に例えよう。
首根っこに囚われたまま、生きている、
それは名前を持てないままなら
この偶然も死ぬ運命に囚われたまま。
甘い匂いに吊られて枯れて、森の中。
誰も優しくなんてなりたくないよ。
寿命だけが尊い真夜中。
喉の手前から神様が漏れ出して。
詩「春になる」
いのちは命 として、殺さなければいけない。
首だけ置いて眠る夜、に、
私は誰も愛さなくていい。
触れられるものに触れなくても
許されることだけが、
幸せだ。襟足の長さと息を吐くまで続く憂鬱。
星の隙間、心臓の隙 間、
そこからほんとうに宇宙は始まった。
夢の中で昼寝をしよう、知らない音楽で踊ろう、
星の上は歩きづらいし、
命の絵は描けないのなら、
人間だった。
だから、いのちは命として、
詩「いのちとして」
触れられないなら、愛じゃないし、
私は私を、生きられない。と思うんです。
このままじゃ全部夢になりそうな曲がり角に
本当が転がっていた。
砂利だらけの汚い思い出を見つ けて、
この世界では蹴り飛ばす暇すら無いんだって、
ほら、きみは話を 聞かない。
瞳の奥では脳味噌が体液に塗れてるよ、
明日は夜から雨だよ、
骨組みの折れた傘を持って私、
可哀想な人でしょう。
誰も泣かなった夜に私だけ泣いていたい。
天井が屋根を貫いて空は真っ白でした。五月蝿い、
夏が終わって、次の季節も夏でした、
愛はただの液体でした。
詩「溶けて」
ゆっくりと、星の崩れ落ちる音。
綺麗でした、奇麗でした、
玄関の手前側はずっと味方で、
私あと数年間は泣けそうもない。
手すりの無い階段を登れない、
やさしい空だけ降り注いで朝の色。
きみも知らない呼吸の裏側。
足を組む事だけが武器な若さを、
誰かが愛してくれるだろうか。
炎の色を間違えて、心臓の入口を間違えて、
最後の言葉を間違えて。
それでも命は縋りつくので、
まだ会えそうにないよ、
星は駆け足で夕暮れを飛び越えて、
笑ってしまうような命だから、
詩「灯す」
それは、どこまでも透明でした。
未来から左手までの距離を 数えて、
泣きそうな朝に煙だけを呑み込んで。
ゆっくり、ゆっ、くり、でいいよ、
どうせ命になんてなれやしない。
藍を読み間違えて心を知った。
ほんとうの話はしないで、わたし、
まだあの春の中で死んでいたい。
星が綺麗だと思えた回数だけ、
きみは、わたしは、美しい。
詩「美しく」
命ばかりが優しくされる。私はどこだ。
ここは朝と昼のちょうど真ん中、
いつも日々を飛ぶ鳥の名前は
花が死ぬ時と同じ名前。
生きていたいと少年は朝に目を覚ます。
電信柱を食べ尽くして私、この町が、好きだ。
夏の氷が夜を無視して、
これは日常のただの愛人みたいなもので。
銃声の鳴らない川から美味しい水が流れてる。
それに、私、きみが好きだ。
詩「夏と銃声」
例えば、言葉はいつまでも生きて、
私を置いてけぼりにしてほしい。
バス停の幽霊、知らない街の原価は百円、
ほんとうは全部嘘だよ、去年咲いた桜の幽霊。
鳥の鳴き声が点滅をして、
小さい朝だけ優しくて、
私、ずっと白線の内側。サイレンと前髪。
才能のはじまり。
校舎裏の子供は子供のままだった、
助手席で息をする、窓ガラスから雨が降る。
桜のはなびらは、私の走馬灯みたいだ。
だから真っ白なピンクの中でいつまでも、
つまらない、
生きていて。
詩「バス停の幽霊」
もうこのままでは死んでしまう、
昨日、花が咲いたから、
私、二つ目の信号を左に曲がる。
こんな日常だったので、
人間と呼ばれている命だから灰色の空が降る。
雨と同じ色の傘をさす、右肩は濡れる、
優しさを吸って息苦しさを感じる。
言葉にするには勿体が無いから
叫び声のような産声。
今日、生まれた、君は、誰を救える。
神様は画面右端に閉じ込めて、一瞬のような星。
かなしい、かなしいよ、 人はかなしいよ。
だから空は浮いたまま、私を避けたまま、
君は泣けない、やっぱりかなしいね。
死ぬ瞬間、きっと、みんな知る、
喉の奥に宇宙があること。
詩「雨が降る」
青色の銃声は、天国の手前で主役になった。
夜が冷めたら、コーヒーを飲もう。そのまま、
朝を眠ろう。
あなたの命は借り物だけど泣かないで。
私、雨の味を知ってる。手首で笑うこと、
前髪を切らないこと、あの日きみが嫌われたこと、
ぜんぶ優しさだと思おう。
ヘッドホンから漏れ出したんだろう、
だから世界は回るんだろう、
明日の天気は晴れだって、
私の心は青のまま、世界の端っこ、
愛おしいくらいに撃ち抜けミュージック。
詩「青色の銃声」
風船の数だけが思い出だ。きみはまだ子供だ、
私はもう大人だ、朝は眩しいし夜は暗いね。
命の続きを生きれたら、
首から下は命以外のモノにしよう。
憂鬱と信号機、 息が詰まるのは喉のせいだって、
水面だけが穏やかな夕方。愛情はモザイク、
海と膿。正直な愛でぜんぶ殺して飲み込んで。
そうしてきみはきっと眠りについて
日常の虜になって。
折れたインクで都会を描いて。
来世、私、
「愛してる」って名前で生まれてあげる。
詩「愛してる」
鳥の鳴き声は青を食べて、
わたしは大さじ二杯の心臓を差し出して、
もう、すぐ、朝が落ちてくる。
だから逃げて、遠く、遠く、逃げて。
心はずっと、森の中で踊ってる。
美しい羽を広げて、舞って、跳ねて、
心はずっと、踊りをやめないで。
これは、恋を知る前に嘆いだ匂いだ、
きみに抱かれた日に海が見せた色だ、
「わたしはあなたが好き」だと言えば、
星の隙間から、
心臓は溢れ。
詩「星の匂い」
2020年1月27日 発行 初版
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