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この本はタチヨミ版です。
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バタバタと階段を降りる音が、三階、二階、そして一階にまで届く。その階段の音に気づいたマコトは、手を止めてじっくりと聞き入った。オンラインゲームの小さなBGMが外したイヤホンから漏れ聞こえる。オンラインゲームをしているパソコンの左下にホームサポートから通知が表示されている。
【2050/03/XX 今日のイベント セイ新居引っ越し 】
一階に降りてきた、セイの背中にはリュックと、手には小ぶりのボストンバック。さっぱりと切り添えられた短髪と、お気に入りのパーカー姿は、マコトからみれば、今から友達と旅行です、そんな風にしか見えなかった。しかしセイは大学卒業をし、働き出して二年はたっていた。
「ぜんぶ持っていきなよ、まだ洗面所に化粧水とかヘアアイロンとかいろいろあったぞ」 「いーじゃん、ちょっとくらい。近いし、また取りにくればいいんだから」
へらっと笑って、セイはそのまま玄関へと向かう。セイにつられて、マコトが玄関に向かおうとすると、セイの後ろから階段を降りてきたココロと鉢合わせになる。黒いボアフリースのワンピースを着て、長い髪の毛はお団子にしてまとまっている。
タチヨミ版はここまでとなります。
2021年8月15日 発行 初版
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SF創作講座第4・5期。NovelJam初参加。食べることと本を読むことが大好き。