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mamanmiyukiタロットの世界



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  この本はタチヨミ版です。

 はじめに

日本では、タロットカードというと、たいてい、ライダー版とかウェイト版と呼ばれている、わりと新しく創作されたものや、それに沿って作られたオリジナルのものが主流で、マルセイユ版はあまり馴染みがないもの・・・という感じがあります。特に、初心者におすすめなものというと、ライダー版の本とカードがセットになったものが定番のようになっていますよね。
ですから、私も子供の頃に最初に買ったのは、近所の本屋さんに並んでいた、ライダー版に準拠した絵柄の大アルカナ22枚のカードと本がセットになったものでした。

ですが、後にマルセイユタロットに出会い、使ってみると・・・、人物の表情がすごく親しみがあって、「なんて使いやすい!」そして、「すごく、しっくりくる!」と感激したんです。

よく言われているのが、「78枚のカードを全部使って占うんじゃなきゃ本格的じゃない。」とか、「マルセイユタロットは、小アルカナがただの記号みたいで、何のことかわからなくて使いにくい。」・・・というようなことですが、実際に古くからマルセイユタロットを愛好してきたフランスで使われているやりかたを知っていくと、「なんて自由で、素敵なタロットなんだろう!」と思うようになりました。

初心者にマルセイユタロットが敬遠される理由のひとつである「解説書がついてなくて、どう使えばいいかわからない・・・」というのも、逆に言えば、「こうでなくちゃ!」っていうきまりが少なくて、のびのびと自由な使い方ができるということでもあり、それがマルセイユタロットの良さでもあると思うんです。

とはいうものの、そこに行き着くまでには、かなりの数の海外の本の日本語訳されたものを読んだりしながら相当の時間を費やすことになりましたし、そういう本は言い回しもかなり難解だったりして、これから初めてタロット占いをやってみようという人にとっては、ちょっと、とっつきにくい印象だったりします。また、付属のタロットカードも、オリジナル色が強く、ちょっと使いにくい感じだったり・・・。

そんなわけで、私自身もずっと感じていた、「マルセイユタロットの、難しくない実用書と、きれいなカードのセットってないの?」という願いをかなえるために、まずタロットカードを制作、その後、この本を制作することにしました。タロットカードの制作をしようと決心した時も、「いつでも持ち歩けて、どこででも使いやすく、見た目も美しいマルセイユタロットが欲しい!」という願いをかなえたかったというのがありましたが、今回の本もその延長線上のものという感じです。


もちろん、マルセイユタロットは古くから親しまれてきたタロットカードですので、世界中にたくさんの研究者の方々がいらっしゃり、多くの専門書があるわけですので、そちらにも親しんでいただきたいと思っているのですが、それと同時に、現代の、これからマルセイユタロットを使いたいという人が、そこへ入っていく入口として、この本、そして私の作ったタロットカードがお役に立てたらいいなぁと思っています。

 目 次


はじめに


*カードと仲良くなる*

*大アルカナが表わすことがら*


(番号なし)LE MAT. / 愚者
(I) LE BATELEVR / 手品師


(II) LA PAPESSE. / 女教皇
(III) LIMPERATRISE. / 女帝
(IIII) LEMPEREVR. / 皇帝
(V) LE PAPE. / 教皇
(VI) LAMOVREVX. / 恋人


(VII) LE CHARIOR. / 戦車
(VIII) IVSTICE. / 正義
(VIIII) LERMITE / 隠者
(X) LA ROVE DE FORTUNE / 運命の輪
(XI) LA FORCE / 力


(IIX) LE PENDV / 吊るし人
(XIII) (名称なし) / 死神
(XIIII) TENPERANCE / 節制
(XV) LE DIABLE. / 悪魔
(XVI) LA MAISON DIEV / 塔(神の家)


(XVII) LES TOILLE. / 星(泉)
(XVIII) LA LVNE. / 月
(XVIIII) LE SOLEIL. / 太陽
(XX) LE IVGEMENT. / 審判
(XXI) LE MONDE. / 世界


☕ タロットの起源のお話 ☕

*小アルカナが表わすことがら*


4つの組が表わす意味
*BASTON / 戦い(杖)
*COVPE / 馬車(杯/カップ)
*ESPEE / 馬(剣)
*DENIER / ドニエ硬貨(貨幣/コイン)


☕ タロット占いの上達のコツは? ☕
①自分専用のタロットカードを 占い用として用意しましょう
②自由な発想、自分の感性を大切に
③占いをするときには心を落ち着けて 集中しましょう
④占ったら記録をつけておきましょう


☕ 自分のカードを探してみましょう ☕
☆自分のカードの見つけ方☆
①「個人的なカード」・・・
②「魂のカード」・・・
③「今年のテーマのカード」・・・

*リーディングのしかた*


*タロットの世界では右から左へ時間が流れてる*


*展開法(スプレッド)*
☆3枚のカード+αの展開法☆
☆くさび形(6枚のカード+α)の展開法☆
☆ワンオラクル☆
☆二者択一スプレッド(4枚のカード+αの展開法)☆
☆時計形のスプレッド(13枚のカードの展開法)☆


*展開法の実例*
☆【例1】3枚のカード+αの展開法 カードを何枚か追加したケース
☆【例2】3枚のカード+αの展開法 カードが3枚だけで終わったケース(その1)
☆【例3】カードが3枚だけで終わったケース(その2)
☆【例4】次々とカードが出た場合は?
☆【例5】くさび形(6枚のカード+α)の展開法


*展開法の実例のリーディング*
☆【例1】3枚のカード+αの展開法 カードを何枚か追加したケースのリーディング


☆【例2】3枚のカード+αの展開法 カードが3枚だけで終わったケース(その1) のリーディング
☆【例5】くさび形(6枚のカード+α)の展開法 のリーディング


☕ タロットカードのお手入れのしかた ☕


あとがき


mamanmiyuki(ママンミユキ)

 *カードと仲良くなる*


タロットカードを使いこなせるようになるには、カードの意味を覚えたりすることよりも、もっと大切なことがあります。それは、カードと仲良くなることです。
人と人の付き合いでも、初対面の人、ちょっとした知り合い、親友などいろいろな人がいるのと同じような感じで、より親しくなるにはちょっと時間や手順が必要なんですね。そして仲良くなると、カードの方から語りかけてくれるようになってきます。では、どうすれば仲良くなれるのかということをちょっとお話ししましょう。

新しいカードを手に入れたら(もちろんすでに持っていたカードでも)、一度カードをひととおりながめたら、夜、枕の下に置いて一緒に寝ましょう。そして、自分の好きなハンカチやクロスなどの布に包んで、お気に入りのポーチや箱に入れておきます。素材は、絹や綿、木や籐などの天然素材のものがいいですね。カードも呼吸をしているんですよ。それに静電気なども起きたりしないですし。置き場所は、できれば部屋の東側の、人が触らないところにして、たびたび出してながめたり使ったり・・・と、まめに接するようにします。また、カードをシャッフルするときは、テーブルなどに直接置いたりしないで、専用のクロスの上に広げるようにしましょう。






市販のクロスもいろいろありますが、たいてい大きさが88センチ角くらいと、わりと大きめで、外出先の小さい喫茶店のテーブルなどだと、ちょっと不便です。・・・なので、私はお気に入りの柄の布でクロスを作って使っています。一番小さいので40センチ角くらいですが、とっても使いやすいです。普通の展開法なら充分な大きさですし、持ち運びもラクラクです。市販のものはすべりが良くシワになりにくいということでポリエステルなどの化せんの生地のものがほとんどですが、これでカードを包むわけではないので、それでも大丈夫でしょう。ランチョンマットを使ってるという友達もいますし、みなさんいろいろ工夫しているようです。

こうして、お気に入りの道具をあれこれタロット用にそろえたりしていつも大切に扱っていくと、タロットとの特別な関係も深まっていきます。そして、いつも使っていくうちに、だんだん仲の良い親友のような関係になり、なんでも相談できる大切なパートナーになっていくんですね。



*大アルカナが表わすことがら*


タロットカードの78枚のカードは、大きく分けて、「大アルカナ」と呼ばれるカード22枚と、「小アルカナ」と呼ばれるカード56枚を組み合わせて1組になっています。「アルカナ」というのは「秘密」とか「秘儀」という意味で使われていて、「大アルカナ」は「大きなアルカナ」とか「メジャーなアルカナ」、「小アルカナ」の「小」は「大アルカナに比べて小さい」とか「マイナーな」、「大アルカナよりは重要でない」というふうにとらえるとわかりやすいでしょう。

(番号なし)LE MAT. / 愚者

【正位置】
予定されていないことがらを表わしたり、これから運命の新たなサイクルが始まろうとしていることを示しています。自由なこと、何かを探求していることも表わします。

【逆位置】
進む方向が決まらないことや、後戻りしたがることを示します。


マルセイユ版では番号がふられていません。
番号がないというところから、心が無であることや、すべてのものの卵、すべてのものの始めを意味しています。
タロットでの犬は、あの世の門を守ったとされていて、「月」のカードにも出てきます。
愚者は遠くを見つめながら旅をしています。足元には小川が流れ、それをまたいでいますが、そこに注意ははらわれていないようです。その視線はぼんやりしたものではなく、何かの目的を持って歩き出しているように見えます。
愚者の破れたタイツの下は緑色で、新しい生命と新しい始まりの使者として描かれています。

(I) LE BATELEVR / 手品師

【正位置】
意志の力や、主導権をにぎること、自信、融通がきくこと、社交性、新しい重要なサイクルが始まったことを表わします。手先の器用さを使った仕事を意味することもあります。

【逆位置】
策略で人をだましたり、意志の弱さや未熟なこと、臆病なことなどを示します。


1は、積極的な行動や1つの個体を表わしています。1は創造力の数で力強く、自信にあふれています。
ここでは手品師が元素を巧みに操っている様子が描かれていて、元素のシンボルの、杖・カップ・剣・コインが小さいテーブルの上に並べられています。
タロットカードの手品師は、神が変容した姿だといわれていて、商売の神であるとか、旅の神であるとされています。そして、かつて両性具有の神で美少年だったために女性的な深い知恵を持っていて、地獄とこの世を自由に行き来することができ、使者の魂を道案内したともいわれています。
手品師は、永遠と、生と死の両方の出入り口を象徴する連球形(∞)の帽子をかぶっています。



  タチヨミ版はここまでとなります。


mamanmiyukiタロットの世界

2021年8月6日 発行 増補改訂版(初版発行 2017/3/25)

著  者:mamanmiyuki
発  行:La Mer
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      ℡ 0475-89-1962

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mamanmiyukiタロットの世界

著者名 mamanmiyuki
発行所 La Mer

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