───────────────────────
───────────────────────
この本はタチヨミ版です。
こ※これは実話をもとにしたフィクションです。
ポンコツとヤリチンへ、ヤンキーギャルより。
1
あたしにとってゲームって言うのは一番縁遠いものなのかもしれない。パパもママもゲームをしたらお勉強をしなくなるっていうから子供のころからゲームに触れる機会がなかった。あたしはひとりっこだし。できるゲームと言ったら、テトリスくらいで、昔どこでもいっしょっていうやつをお友達にやらせてもらったくらいで、コントローラーになんであんなにたくさんボタンがついているのか未だに意味不明なところがある。
いーちゃんと、うーちゃん、ふたりは私の親友で私の恋人。ふたりとも大好きすぎて、私は結婚をあきらめたくらいに大好きな存在。そんな二人の職業が絵eスポーツ選手で漫画家だって言ったらびっくりする?
あたし、漫画は大好き!でも、ふたりが描いている漫画はほとんど読んだことない。だって、めくるめくアバンチュールみたいな漫画描かないんだもん。
ふたりと出会ったのは大学を卒業してしばらくたったころ。あたしはひどい失恋をして、無職になって、昔からの夢だった小説家を本気で目指してみるいい機会だなあとか思って居た頃だった。
いーちゃんは私のアパートの上に住んでいて、うーくんはあたしのアパートの二つとなりに住んでいた。だからゴミ捨て場でよく出会ったし、近くの深夜のコンビニでよく行き会っていた。変な人だと思って最初はなるべく近寄らないようにしていたの。
だって東京で麦わら帽子をかぶってる男の人なんて怪しくてしょうがないと思わない?これはうーくん。いーちゃんはスタバの机を自分の仕事部屋みたいにカスタマイズして仕事をしているバカみたいにマイペースな人。これもまた怪しい奴だと思わない?
仲良くなったのはゴミ捨て場でいーちゃんがナニワ金融道の本を捨てているところにばったり出会ったことだった。怪しい人間が本当に怪しい本を読んでいたから思わず声をかけた。それがはじまりだった。
うーくんにもすぐに紹介されて、あたしたちはすぐに仲良くなった。
これがあたしたちのなれそめだ。
で、e-スポーツの選手だとか漫画家だってことを教えてもらった。しかも世界大会で優勝経験もあるような人で、仕事はもっぱらユーチューブ配信と大会に出ること、それから漫画を描くことだって聞いてもイマイチ、ピンとこなかった。
とりあえず世界一の経験があるっていうから「すごいなあ」とは思ったけれど。
「えいみは俺のものだ!手を出すな!」とかって、
いーちゃんがうーくんに決闘を挑んだって聞いていたけど、あんな陰キャが殴り合いなんかできるはずもなくて結局、金をやり取りしただけだったみたい。あたしはこれでも高校の時は田舎のレディースで総長の経験もあるからバカみたいッて笑っちゃったけれど。
これはeスポーツ選手であり漫画家のいーちゃんとうーくん、そして小説家を目指す元ヤンのあたしえいみの青春物語です。
いーちゃんのポンコツぶりにはさすがに嫌気がさす。あまりにもいらいらして、でも腕力では男性にかなわないことを私は子供のころに嫌というほど思い知ったから法学部を受験した。社会人学生というやつだ。そして、法律の勉強は道半ばだし、いざというときそれだけでは私の気持ちが収まらないと思って、ボクシング教室に通い始めた。友達のルウがやっている教室だから無理を言ってマンツーマンで指導してもらっている。ルウはメキシコ人と日本人のハーフで三回戦ボーイの実力もある人だ。あたしよりも若いけれどあたし以上に人の気持ちをわかってくれる優しい男の子。
ルウはいーちゃんとうーくんとあたしの関係をよく知っている。ただし、うーくんのほうがポンコツだと思っている節がある。男の沽券にかかわるから私もそれ以上は教えないようにしている。
いーちゃんの嫌なところはあたしが好きすぎていつも猪突猛進、こっちの状況なんておかまいなし。何をしていても一緒に行動しようとするし、無視するとかまってくれとあたしの目の前に立ちはだかってどこうとしない。無視をして、スマホの電源を切ってもいーちゃんと私はご近所さんだから最終手段は家まで来てしまう。
タチヨミ版はここまでとなります。
2021年9月30日 発行 初版
bb_B_00170720
bcck: http://bccks.jp/bcck/00170720/info
user: http://bccks.jp/user/150694
format:#002t
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp