spine
jacket

───────────────────────



カミキリ通信266〜270号

カミキリ情報館

カミキリ情報館出版



───────────────────────




  この本はタチヨミ版です。

カミキリ通信266号 (2012.4.22)

======== 目次 ============

●ぷよんぷよん星人の
 西日本飛び石セダカ採集行

セダカコブヤハズ

●三塚義司氏の
 山形県のカミキリリスト追加更新  


●編集子の採集日記2011年

 北海道4日目 ムツボシアオコトラで締め


●気になるニュース

 日本にも現在、氷河が三箇所ある。


●天牛人語(編集後記改め)

 カミキリの学名変更の嵐(6)
 カミキリ亜科 前半

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ぷよんぷよん星人の西日本飛び石セダカ採集行

(大阪府高代寺山・セダカコブヤハズ・10月20日)

幸いスズメバチに刺された患部は大事に到らず、
皮膚科の先生が仰るには
「エピペンを携帯する必要もない」との事。

「これは快気祝いするしかない!」

かなり身勝手な論法から前週(10/13)には

山梨県石和温泉方面の春日山に出向き、
イワワキセダカ1♂を採集。

だが、何故だか腰が落ち着かない。

1ヶ月近く遠出ばかりして居た為、

神経と肉体が遠出モードに突入していたのだろうと思う。

では、どこへ出掛けようか?

今回西日本のセダカ旅を計画する上で
各県何箇所かの候補地はあった。

ただし、どこも日帰りで訪れるには
厳しい場所ばかりであり計画には苦慮した。

そのような中、唯一日帰りで行ける候補地として

今回訪れた大阪府高代寺山が存在していたのである。

11月も間近という状況ではあるが、

「低山であれば秋の訪れは若干遅れるのでは?

もしそうであればまだ、採れる可能性はあるかもしれない」

そんなアテがあるような無いような考えを元に

朝一の飛行機に乗り込み一路大阪へ。

空港からモノレール、在来線を乗り継ぎ、妙高山駅へ到着。

駅から高代寺山へは徒歩でのアプローチ。

天候は曇天。

コブ採集のフィナーレを飾るには
相応しい天候と言えるかもしれない。

高代寺山山頂に到達するには大きく、

2ルートがあり、吉川城址後からのアプローチを試みる。

前段階で調べた範囲ではこちら側からのアプローチ
の方が、自然林を望める環境だと踏んだからである。
ひょこひょこと登り始めて見たが起伏らしい起伏も特に無く、

普段行きなれている神奈川や千葉の里山を彷彿とさせる
道のりであり、正直山登りというよりは里山散策。

ピクニック気分であった。
時間をかけてルッキングをしながら
歩いてみたもののお昼前には山頂へ到達。

「ホントにこんな場所にコブっているのか?」
と思うほどの手軽さであった。

すれ違う登山客も皆無。ほんとうに静かな里山環境である。

結局、往路でコブに出会うことは無かった。

東ではそれなりの標高でしかコブは得られない為、
標高500mに満たないこの山に本当に居るのだろうか・・。

復路ではササを薮コギしつつ枯葉を見て回るも×。

もと来た道を戻りつつ諦めムードのその時、
低木の枯葉に何やら蠢くものが視界に入る。

毎回ながらようやくセダカコブヤハズ(1♂)に出会えた。
何やら堅そうに見える枯葉を求めてか、
枝から枯葉へノソノソ乗り移ろうとしている様子。

動きはかなり緩慢でもう、越冬間近なのであろう。
手にとってよくよく見ると、なんだかスッキリとした明るい印象。

1匹だが今の時期で思いつきで訪れ、
採集できただけで大満足である。

その後、追加は得られなかったものの

欲をかけるだけの腕や運は持ち合わせていない為、

これで十分。

「いてくれて有難う」

そんな言葉を心で呟きながら大阪を後にしたのであった。

(後述)

約1カ月に渡る西日本飛び石セダカ採集行を終え、
思い起こし、書き出すと苦労の連続のような文章になってしまった。

しかしながら、現地にいた心境・
ひとまず全行程を終えた今の思いはこれとは真逆。

毎週が楽しくて仕方が無かった。
各所ともまだまだ、素晴らしい原生林や自然林が多く残されており、

そこで生活を営んでおられる方々の穏やかな物腰、

都市部ではなかなか味わえない風情がそこには多く残されていた。

この後、日本の自然がどのように変異して行くのか

学の無い私に知る由も無いが、

出来ることなら変わらないで今のままであり続けて欲しい。

切にそう願っている。
今回のような派手な遠征を今後出来るかどうかは分からないが、

少しでも多くの場所でムシというフィルターを通して
各所へ出向いてみたいと考えている。

日本は考えているよりも遥かに広く、

素敵な場所がまだまだ沢山あるのだから。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●山形県のカミキリリスト追加更新 

山形の三塚です。

「県及び島別リスト」を覗きましたら、

ナント福島県のリストが追加

されているではないですか!

だったら山形県でも追加してもらえないかと

思いメールしました。


<リスト記載順>

・アラメハナカミキリ 
月刊むしNO. 466 (2009) 2. 米沢市吾妻山で記録あり。

・クロルリハナカミキリ 
月刊むしNO. 476 (2010) 45-46. 西川町、大江町で記録あり。

・タテジマホソハナカミキリ 
出羽のむしNO. 5 (2009) 45-61. 大江町、米沢市で記録あり。

・ホソハナカミキリ
出羽のむしNO. 6 (2010) 77-83. 山形市で記録あり

・ヒゲジロホソコバネカミキリ 
月刊むしNO. 428 (2006) 45-46. 小国町飯豊山で記録あり。

・ヨコヤマヒメカミキリ 
酒田の昆虫 (1998) 117-124. 酒田市で記録あり。

・サドチビアメイロカミキリ 
月刊むしNO. 389 (2003) 45. 小国町で記録あり。

・コボトケヒゲナガコバネカミキリ
出羽のむしNO. 5 (2009) 45-61. 山形市、天童市で記録あり。

・エゾトラカミキリ
吾妻の昆虫 (1994) 65. 小国町で記録あり。

・ヨツボシシロオビゴマフカミキリ
月刊むしNO. 492 (2012) 50. 米沢市で記録あり。

・フトキクスイモドキカミキリ
月刊むしNO. 476 (2010) 45-46. 大江町で記録あり。

・ヒメナガサビカミキリ
出羽のむし NO. 6 (2010) 77-83. 米沢市、長井市で記録あり。

・タコサビカミキリ
出羽のむしNO. 5 (2009) 45-61.
遊佐町、米沢市、山形市など各所で記録あり。

・ハイイロヤハズカミキリ
出羽のむしNO. 5 (2009) 45-61. 鶴岡市で記録あり。

・カッコウカミキリ
出羽のむしNO. 6 (2010) 65-75. 山形市で記録あり。

・ミヤマチビコブカミキリ
出羽のむしNO. 5 (2009) 45-61. 西川町で記録あり。

・ピックチビコブカミキリ
月刊むしNO. 453 (2008) 58. 西川町、米沢市で記録あり。

・シロオビドイカミキリ
月刊むしNO. 430 (2006) 8. 米沢市吾妻山で記録あり。

・チャバネクロツツカミキリ
酒田の昆虫 (1998) 117-124. 酒田市で記録あり。

・ホンドヒメシラオビカミキリ
月刊むしNO. 453 (2008) 58. 山形市、白鷹町で記録あり。

・ナカバヤシモモブトカミキリ
月刊むしNO. 454 (2008) 15-16.山形市、鶴岡市で記録あり。

・トホシカミキリ 
月刊むしNO. 490 (2011) 9-10. 西川町で記録あり。

・ニセヤツボシカミキリ 
未発表ながら米沢市で3名の方が採集済み (標本見ています)

・ヤツボシカミキリ
出羽のむしNO. 5 (2009) 120. 米沢市で記録あり。

・ジュウモンジニセリンゴカミキリ
月刊むしNO. 424 (2006) 45. 小国町で記録あり。



<不明種>

・チャイロヒメコブハナカミキリ
は記録間違いのようです?
同定ミスの可能性もあり、標本の確認を要する。

・ヒゲブトハナカミキリ
の記録はありますが、…?。
標本の確認を要する。生息の可能性は高く、調査必要。

・ベニバハナカミキリ
は東北で唯一記録なし。
絶対いるはずです、調査必要。

・オオハナカミキリ
は東北で山形、宮城記録なし。
調査必要。

・クロサワヘリグロハナカミキリ
の古い記録はありますが、…?。
標本の確認を要する。

・ヒゲナガヒメカミキリ
は1958年の古い記録他2例あり。
現在は絶滅の可能性が高い。

以上
        現在宮城県に単身赴任中 三塚義司


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●編集子の採集日記2011年

北海道4日目 ムツボシアオコトラで締め

快晴

最終日で、午前10時までしか採集できません。


7時にタケウチの採れたエリアへ

カラカネハナ極東亜種がまた一頭

しかし、やはりアンテナが欠けています。

8時に掬いましたがタケウチ落ちず。

昨日よりハナカミキリの数が減っていました。

ノリウツギの花もなにか褪せていました。

====

9時スギ 

ヨスジホソが1日目に5頭以上いたエリアへ

一頭つまみました。

ヨスジホソは午後の方が多いですね。

掬わなかった日陰のノリウツギを掬ったら

色褪せたムツボシアオコトラがネットイン

これで エンド。


━━━━━━━━━━━━━━━━━

●気になるニュース

日本にも現在、氷河が三箇所ある。

立山連峰に「氷河」が3カ所、国内初認定-雪氷学会



  タチヨミ版はここまでとなります。


カミキリ通信266〜270号

2021年11月12日 発行 初版

著  者:カミキリ情報館
発  行:カミキリ情報館出版

bb_B_00171522
bcck: http://bccks.jp/bcck/00171522/info
user: http://bccks.jp/user/150816
format:#002y

Powered by BCCKS

株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp

jacket