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この本はタチヨミ版です。
●eichan採集記
2009小佐渡のコブはサドコブか、タダコブか?
●ぷよんぷよん星人の西日本飛び石セダカ採集行
ダイセンセダカコブヤハズ
●編集子の採集日記2011
東京のカミキリ5月
●ハナカミキリ族大作戦17種目
ムナミゾハナカミキリ
●天牛人語(編集後記改め)
カミキリの学名変更の嵐(3)
クロカミキリ亜科~ハイイロハナカミキリ族まで
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●eichan採集記
2009小佐渡のコブはサドコブか、タダコブか?
2009.09.19-20
2007年に25年の禁を破って
再開したムシ(カミキリ)採りを本格化した2008年。
複数のサイトにコブヤハズの亜種サドコブヤハズの採集記が掲載された。
地図を見ながら採集記を読めば、
それがDD山荘の周辺であることは明らかだった。
佐渡島には観光にも行ったことがない。
カミさんに「来年、佐渡島に遊びに行こう」と誘い、
観光ついでのムシ採り計画が決まった。
が、ムシ採りを重ねるに伴い、
観光ついででは収まらなくなってくる。
サドコブへの思いが強まると、
サドコブが採れるイメージ(妄想)はできあがり、
サドコブ以上に気になるムシが頭を支配し始めた。
「日本産カミキリムシ」(東海大学出版)に記載の一節、
「興味深いことにミトコンドリアDNAを使った系統解析では、
大佐渡に産するものと、小佐渡に産するものでは系統が異なる…」。
では、小佐渡に産するコブヤハズは何者なのか?
DNAの系統が異なるのなら、その表現形はいかなるものか?
図鑑を見ても、サイトで検索しても、
コサドコブヤハズ(仮称)の写真は見当たらない。
大佐渡から小佐渡に向かう観光ルートに
コサドコブヤハズが採れそうなポイントを
無理やり組み込んだ。
さて、高速船が佐渡両津港に着くとレンタカーを借りて、
まずは大佐渡DD山へ。
幸か不幸か晴天が続き、道路脇はカラカラに乾燥している。
ササに引っ掛かった枯葉、枯枝を叩いてもゴミムシすらも落ちては来ない。
とにかく地図で目星をつけた林道の入口に車を停めて、
ビーティングの準備。
カミさんは車の中で本を読んでいるという。
一人林道に向かおうとすると、
まわりにたくさんのヤグルマソウの枯葉が目に付いた。
もちろんユキノシタ科の方である。
クルクル丸まってコブが好きそうな枯葉だが乾きすぎ。
うん?ヤグルマソウは、後の草叢の中にまで続いていた。
草叢の中から枯葉をそっと取り出してネットの上で開くと、
いきなり大きな♀が落ちてきた。
真っ黒なエリトラの大顆粒、小顆粒は大きく、幅広で迫力あるが、
それ以上に凄いのが真っ赤と言うより肉色の頭と胸。
鬼が島のアカオニを思わせるド迫力の配色だった。
その異形は、地域変異の大きいコブヤハズの中でも
亜種扱いとするのが納得できる。
ただし、この後に採れたものは多少は肉色がかるが、黒かった。
これを見せるとカミさんも採ると言うので、ネットを預けて目視で探すと、
すぐに♂が見つかった。
カミさんも♂♀を立て続けに落としていた。
しかし、他所はまったくダメ。やはり乾きすぎている。
DD山荘の裏山の藪の中で1♂が採れただけだった。
「50m位の間で9匹も採れた」というのが信じられないが、
ものは試しと夕食直後の19:00からDD山荘前の道端をライトで照らすと、
本当に次々と枝を登ってきている。60mで二桁に達した。
昼間はどこに隠れていたのか、日没と共に次々と登ってくるのだ。
ネットに落としてもほとんど擬死せずに活発に走りまわる。
ところが夜明け前に探すと、1♂が残っていただけだった。
乾燥した時のコブの生態を垣間見たようだ。
さて、2日目は小佐渡方面へ観光に。
そのついでにコサドコブヤハズのポイントへ!
大佐渡より標高の低い小佐渡でコサドコブヤハズが採れるような湿度の保てる
環境があるだろうか?半ばNULL覚悟である。
1つ目のポイントは峠から林道に入って間もなくのM山。
山の女神からの恵みを期待しての候補設定だが、やはり予想通りに乾いている。
アカマツの多い植生。草叢はススキがメイン。
それでも広葉樹が密になり湿度の保たれた一角があり、
うまい具合にオオカメノキの枝が折れて丸まった枯葉が重なり合っていた。
もしいるとすれば、ここしかない。
ネットで受けて、コン!ポトッ!ビンゴ!!
大型の♀だ。エリトラは黒くない。
しかし、本土の新潟産のような赤みはなく、群馬産のような土色でもない。
ミルクを注いだコーヒーとでも表現しようか、
独特の渋い色合いに、斜めにシャープな白紋が鮮やかだ。
頭や胸は少し肉色がかった黒で、サドコブに近い。幅が広く、
短めのエリトラの形もサドコブに近いが、
背中の膨らみは少なく、フラットな体型だ。
大顆粒・小顆粒ともに大きく、これもサドコブに似ているが、
小顆粒の数はサドコブよりは少なめだ。
(本土産よりは明らかに多い)
側隆起後半の稜線上に並ぶ小顆粒はサドコブと同様に発達し、
ノコギリ状で格好良い。
確かにサドコブとは異なるが、
全体的には本土産よりサドコブとの共通点が多いように思われる。
もっと注目を集めても良さそうな私好みの渋さだ。
林道をさらに西に進むと、海岸に下る道が分かれていた。
ここでも車を停めた。海岸に下る道が湿っぽく感じたからだ。
道を少し下ると左に作業道があり、道の脇の枝が掃われていた。
掃われた枝は適度に枯れていい感じだ。
カエデやアジサイ類の枯枝から小型の1♂1♀を追加できた。
苦戦を覚悟していたのに、あっさりと♂♀揃い、気分良く観光に向える。
海岸に下りて、佐渡の銘酒「北雪酒造」へ。
残念ながらドライバーの私は我慢して、利き酒をカミさんに任せた。
カミさんが選んだ2本を帰宅後に飲んだ。
普通には売っていない銘柄で、絶品だった。
念願のたらい舟にも乗って、今宵の宿に向かう。
帰路も林道と交差するので、さらに追加を狙うと、
アジサイ類の枯葉に付く2♂が見つかった。
最後はとても立派な大型の♂だった。
<体長:21mm 体幅:8mm 触角:41mm>
大満足な戦果(山の女神からの贈り物)のおかげで、
最終日はトキ保護センターなどの
観光(ファミリーサービス)に徹することができた。
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●ぷよんぷよん星人の西日本飛び石セダカ採集行
ダイセンセダカコブヤハズ
(鳥取県大山・9月29日~30日)
前2週に渡る四国採集を終え、
今回はダイセンセダカコブの多産地として有名な鳥取県大山へ。
何せ多産地の誉れ高い場所であった為、
今回の飛び石遠征の一番の本命であったのだが結果から言うとNull。
場所の選定が間違っていたのか、
その他の理由があったのかは知る由も無いが、
縁が無ければこんなものだろうと思う。
しかしながら、西日本随一と謳われる大山のブナ林はとてつもなく奥深く、
大山寺橋から眺める日本海は「素晴らしい」の一言。
採集抜きとまでは言わないが今一度訪れてみたくなる場所であった。
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●編集子の採集日記2011
東京のカミキリ、5月
いまだに以下のカミキリが課題で、
東京都でも採れるらしい。
シナノサビカミキリ
カッコウメダカカミキリ
サドチビアメイロカミキリ
オダヒゲナガコバネカミキリ
クリチビカミキリ
タイリクフタホシサビカミキリ
ピックチビコブカミキリ
チビコブカミキリ(旧シロチビコブ)
ナカバヤシモモブトカミキリ
それで・・・・
諸先生に案内してもらうことになった。
4月29日
森川先生から昨日一頭だけオダ君が採れたというので、
東京の日の出町に出撃、先生に案内してもらう。
ミヤマルリハナ、キバネニセハムシハナ、ヒナルリ、ヒメクロトラ
ピックがいない。
快晴だが低温、昨日オダの採れた日、夏日の気温だった。
5月3日 東京某所
AXT先生がクリチビが4月に数頭採れたというので、案内してもらう。
曇り、チョイ寒い。
ヒシ4、ヘリグゴチビコブ5、クリチビ1、ベニカミキリ1
クリチビが一頭だけいた、奇跡だ。
5月9日
裏高尾に行ってみる、狙いはオダ。
カエデ、ウワバミサクラの花は終わっていた。
ヒナルリ、ホソトラ、フタオビハナ、キバネ多し、
カエデ散りかけで ヤマトシロオビトラ
帰りにスギカミキリ
5月13日
地元池袋でキクスイカミキリが交尾する時期、数頭撮影
5月31日
ラスカル先生の案内で地元のベニバハナ。
一頭オスがいた。
今年は早くベニバがでているという。
その他ルリカミキリ
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●ハナカミキリ族大作戦17種目
ムナミゾハナカミキリ
ハナカミキリ亜科ハナカミキリ族の全種制覇に挑んでいます。
図鑑の順番にトレースしています。
ムナミゾハナカミキリ
http://www2.gol.com/users/nanacorp/ZUKAN/munamizohana.htm
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サハリンネキが採れた時に、同時に飛び出してきたカミキリがいた。
よっちゃん(ヨツスジハナ)風だが、
ネットにいれると
げげげ~、胸溝。
ホストを見つければ多数採集されるという噂はあったが、
縁がなかった。
どんなカミキリでもホストが見つかれば普通種なんですね。
富士山で20以上は採集できる場所があることがわかり
ネットでも騒がれていたが、こちら情報が来ませんでした。
やっと2009年に情報がもらい、行ってみましたが
既に遅し、多数羽化したホストはお持ち帰りとかで
無残な状態で、行かれた方の悲惨報告が多かった。
運よく一頭だけ採集できました。
本種のホスト付近は他と違って、コケなどが密生した
ちょっと変わった場所ですね。
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●天牛人語(編集後記改め)
カミキリの学名変更の嵐(3)
クロカミキリ亜科~ハイイロハナカミキリ族まで
2007年「日本産カミキリムシ」から
http://www.nanyodo.net/Longicorn%20Beetles%20of%20Japan.htm
学名が変更されていますね。
徐々に カミキリ情報館でも対応しております。
http://www2.gol.com/users/nanacorp/johokan/0menu.htm
第3弾
学名変更
クロカミキリ亜科
●ケブカヒラタカミキリ
Nothorhina muricata (Dalman, 1817)
●ハナカミキリ亜科に新族!
アラメハナカミキリ族
Tribe Sachalinobiini Danilevsky, 2010
●フタコブルリハナカミキリ亜属
Subgenus Eotoxotus Casey, 1913
タチヨミ版はここまでとなります。
2021年11月12日 発行 初版
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