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中華古典料理集(二)みそと酢とトウチ

食憲鴻秘

duotianminhong出版



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本文

(1)みそについて
  現在、多くの人は旧暦一月の最後の日までにみそを作るのが習慣だ。その日が忙しくてみそが作れないと、「みそを作る時とチャンスを逸してしまった」と思う。しかし、これは大きな間違いだ。聞くところによれば、古代の王様は農業生産を重視していたので、農繁期が始まらないうちに民衆に一年分の食べ物を作らせようとした。それゆえ、「雷が鳴ったらみそを作らない」という言葉は、旧暦二月三月の農繁期に時間を割かれることを心配しているのである。現在農耕に従事していない人たちにとっては、旧暦一月の最後の日を期限とする必要はない。雷鳴を避けなければならないわけでもない。方法がよければいいのである。
  ・甘口 みその作り方(一)
    一年で一番暑くて湿気の多い日に殻付きのこむぎをしっかり洗い、熱湯に入れた後すぐに取り出す。これを何度か繰り返す。その小麦の水を切った後、大きな竹籠に入れ、ハマヨモギで覆う。三日後に取り出して、天日干しにする。次の年の旧暦二月に再度天日干しにして、麦の殻を箕を使って取り除き、ひいて粉末にした後ふるいにかけ、甕に入れる。適量の塩と水を加えた後カラムシで織った布で覆い、みそになるまで毎日天日干しにする。甘みのあるみそができる。
   

  ・甘口みその作り方(二)
    毎年旧暦二月に小麦粉五十キロを蒸して塊にした後、切り分けてこもで包み、黄色い色になるまでそれを箱に入れておく。七日後に取り出す。五百グラムにつき二百グラムの塩(湯に入れて溶かしたもの)を甕に入れ、そこに黄色くなった小麦粉の塊も入れる。みそが熟さない間は竹でそれをかき混ぜ、小麦粉が固まってしまわないようにする。
  ・甘口みその作り方(三)
    白いダイズを黄色くなるまで炒り、同量の小麦粉を加え、水でこねて小さな塊にする。湯で煮た後叩き潰し、瓜、にがりと重ねて壺に入れ、土で口を密封して十か月待つ。甘いみそができる。
  ・醤油の作り方
    ダイズもしくはクロマメをじっくり煮て、小麦粉を入れる。それを槌で叩いて伸ばす。それにヨモギをかぶせて、黄色くなるまで待つ。黄色くなったらひいて粉末にし、塩水に入れてペースト状のものにする。そのペーストを竹を編んだものの上に置き、下側に壺を置くと、壺に醤油が垂れてくる。絹の袋に入れて濾過してもいい。
  ・炒りみそ
    年代物のみそ2.5キロ、炒ったごま二リットル、ショウガの千切り二百五十グラム、杏仁百グラム、シャジン百グラム、陳皮百五十グラム、サンショウの粉五十グラム、白砂糖二百グラム、煮た菜種油、これらを一緒に炒って乾かし、かごに入れる。夏の暑いときに数百キロ離れたところに持ち運んでも、簡単に変質しない。
  ・もち米のみそ
    通常の方法で酒にしたもち米とその酒糟、炒り塩五百グラム、薄味のトウチ二百五十グラム、サンショウ百五十グラム、コショウ二十五グラム、ダイウイキョウ、ウイキョウ各百グラム、乾燥ショウガ百グラム、これらを均等に撹拌し、ひいて粉末にすればおいしいみそが作れる。
  ・魚の卵のみそ
    皮を取った魚の卵(生水は使わない)に酒と醤油を混ぜ、ひく。それにごま油を入れて均等にかき混ぜた後天日干しにして、攪拌する。さらにサンショウとウイキョウを混ぜて天日干しにし、塊りに切り分ける。それに塩を振って、もう一度天日干しにするといい。
(2)酢について
  ・神酢
    旧暦五月二十一日に米を洗い始める。毎日一回洗い、全部で七回洗う。それを蒸した後、冷ましてから壺に入れ、カラムシの青い布で壺の口をきつく縛り、涼しい日陰に置く。その壺は棚の上に置くこと。地面につけてはならない。旧暦六月六日に、米飯一碗と水二碗をその壺に入れ、七日に一回かき混ぜる。合計七回かき混ぜた後、沸騰するまで煮る。事前に底に二百五十グラムの炒り米を敷き詰めた壺に、煮たものを入れ、土で壺の口を密封する。
  ・酢の作り方
    十リットルの古いキビを蒸す。それに七百グラムの砕いた麹を混ぜて、甕に入れる。さらに、そこに二十リットルの水を入れる。甕は清潔で揺れのないところに置く。一か月たつと食用に使える。
  ・大麦酢
    大麦の実十リットルを蒸し、十リットルを炒って、冷ます。それに麹の粉末四百グラムを加えて均等にかき混ぜ、甕に入れる。そこに二十キロの熱湯を注ぎ込み、カラムシの布で蓋をする。毎日日光にさらす。しょっちゅう甕を移動し、常に直射日光が当たるようにする。二十一日経ったら、大麦酢が出来上がる。
  
 


  ・神仙酢 
    旧暦五月五日に、米を炊く鍋の底についた焦げ飯を取り、揉んで塊りにして小さなかごに入れる。そもかごはぶら下げておく。毎日、塊りをひとつずつ入れる。次の年の五月五日になったら、塊りを取り出してすべてつきつぶし、ふるいにかけてきれいにした後、水と一緒に壺に入れ、密封する。二十一日経ったら、神仙酢ができあがる。赤い色で、おいしい。
  ・酢の保存法
    できたばかりで水を混ぜていない酢を沸騰させてから、壺に入れる。そこに赤く焼けた炭をひとつ入れ、さらに炒った小麦をひとつまみ入れる。しっかり密封すると、ずっと変質しない。

(3)トウチ
  ・トウチ
    エンドウ豆十リットルを一晩水に浸してから、煮る。それを2.5キロの小麦粉でくるみ、ござの上に広げて陰干しにする。カジノキの葉で覆い、豆が黄色くなるまで待つ。黄色くなったらきれいに洗い、ニガウリの皮五キロ、(賽の目状に切って塩で漬け、水分を切ったもの)、塩2.5キロ、杏仁四リットル(七度煮て皮と先端を取ったもの)、ショウガ2.5キロ(皮を取って千切りにしたもの)、サンショウ五百グラム、ハッカ、コウサイ、シソの葉それぞれ二百五十グラム(細かく切ったもの)、細かく切ったミカンの皮五百グラム、ダイウイキョウ、シャジンそれぞれ二百グラム、カルダモン五十グラム、イチゴ十個、ヒハツとリョウキョウそれぞれ十五グラム、シナモン二十五グラムを粉末にしたものを混ぜて、甕に入れる。甕の八分目まで、酒と醤油を半々に混ぜたものを注ぐ。しっかりと甕に蓋をし、数日後に味を見る。薄かったら醤油を加え、塩辛かったら酒を加える。土でしっかり密封して、太陽にさらす。一番暑い時に作り始めると、秋に完成する。とてもおいしい。
 トウチは家庭でよく使う調味料で、生臭物を料理するときに向いている。漢方薬でもあり、イライラを取り除き、胃を整え、熱を取る。

   

  ・香トウチ
    ダイズ十リットルを水で洗い、一晩水に浸してから、水分を切る。蒸籠でじっくり蒸した後、一晩陰干しにする。それに小麦粉を混ぜて、草を編んだすだれの上に並べ(そのすだれは地面から五十センチほど離しておく)る。その際、上はカジノキの葉で覆い、下にはヨモギをぎっしり敷き詰めておく。七日経つと黄色いみそができている。それを太陽にさらした後、ふるいにかけ、塩一キロ、イチゴ十個、ジラシ五十グラム、ウイキョウ、サンショウ、シナモン、シャジンなどの粉をそれぞれ百グラム、アズキの粉二十五グラム、ミカンの皮二十五グラム、瓜のさね適量、杏仁適量、シソの葉の千切り百グラム、砕いたアンズ五十グラム、砕いたミントの葉五十グラム、ショウガの千切り一キロ、シロウリの賽の目切り五キロを混ぜ合わせたものを、旧暦六月六日に加える。水を使わずに一日に三回か五回攪拌した後、甕に入れる。その甕の四面に日があたるように気をつけて、二十一日間天日干しにする。その後、取り出して、半乾きになるまで干し、再び甕に入れる。食べるときは菜種油と混ぜるのがいい。
  ・トウチ(乾燥バージョン)
    ダイズ十リットルを一晩水に浸す。ウイキョウ、サンショウ、ケイヒ、シソの葉それぞれ百グラム、カンゾウ二十五グラム、シャジン五十グラム、塩五百グラム、醤油一碗を一緒に鍋に入れる。そこにダイズを入れ、十センチくらいの高さまで水を灌ぐ。沸騰するまで加熱し、沸騰したら火を弱めて煮込む。湯が少なくなったら適宜加える。再度過熱し、どろどろになるまでじっくり煮込む。ダイズを取り出してスープを切り、太陽にさらした後、再びスープの中に戻す。昼は太陽にさらし、夜はスープにつける。それを繰り返して、スープがなくなりダイズが乾いたら、壺に入れて貯蔵する。いつでも取り出して食べられる。乾いたダイズを焼酎につけて、再び天日干しにすると、とてもおいしい。


中華古典料理集(二)みそと酢とトウチ

2022年1月30日 発行 初版

著  者:食憲鴻秘
発  行:duotianminhong出版

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