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調理師試験 合格のための重要事項短文集 暗記BOOK 

上野和夫

合同会社ペネトレイト



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目次

本書について
調理師試験ガイダンス
公衆衛生学
食品学
栄養学
栄養学
食品衛生学
調理理論
食文化概論

調理師試験 合格のための重要事項短文集 暗記BOOK
ー試験合格には「短文で正しい知識」を身につけることが大切!ー


本書について


本書は、調理師試験の筆記試験によく出題される事項を集めています。


毎年出題される問題の半数以上は過去に出されている内容と同じです。調理師試験の合格ラインは6割以上の正解です。過去の問題をしっかり理解していると、6割以上の点数を取ることができます。ただ、注意しないといけないのは、同じ文章で問いかけているとはかぎらないです。そこで大切なのは、短い文章で正しい内容をしっかりと覚えることが大切です。


短い文章ですので、毎日50の文章を覚えると1月ですべて暗記できます。
読むことにあわせて、耳を使っての短文記憶の努力をされると、さらに短い日数でしっかり暗記することができます。


付属教材として音声テキストを準備していますのでご利用ください。


あとは過去問題集を手に入れて解いてみましょう。問題はスラスラ解けるような感じがします。出題者のワナにはまることがなくなるまで繰り返し過去問題を解いてください。


当社のホームページ(http://penetrateblog.com/)に問題を集めた本棚を準備しています。無料で利用できますので、ぜひトライしてください。すべての問題で合格(7割以上正解で合格)できたら試験に合格できると思います。


コンテンツ


本書について
1.公衆衛生学
2.食品学
3.栄養学
4.栄養学2
5.食品衛生学
6.調理理論
7.食文化概論
調理師試験ガイダンス



調理師試験ガイダンス


1.調理師免許を取得するには次の二つの方法がある。
(1)都道府県知事指定の調理師養成施設を終了する。
(2)調理師試験に合格する。


2.調理師試験の受験資格
次の(1)学歴及び(2)職歴の条件を満たしている必要があります。
(1)学歴
中学校卒業者もしくはこれに準ずる学校卒業した者、または厚生労働大臣がこれと同等以上の学力を有すると認めた者
(2)職歴(実務経験)
上記の学歴終了後、次の施設または営業施設で、調理業務に2年以上従事した者(従事期間については、複数の勤務先(過去分)の合算が可能)
①寄宿舎、学校、病院、事業所などの給食施設(継続して1回20食以上または1日50食以上を調理している施設)
②飲食店営業(旅館、簡易宿泊所を含む)
③魚介類販売業(販売のみで調理工程を認められていないものを除く)
④そうざい製造業


実務経験として認められていない場合
飲食店等で仕事をしていても、ウェイトレスやウエイター、ホステス、食器洗浄、会計、事務など直接調理業務に従事していない場合
栄養士、保育士、看護師、ホームヘルパーなどの職種で採用され、調理の業務に従事していた場合
アルバイト、パートとして行った調理業務(ただし、週4日以上かつ1日6時間以上継続して従事している場合を除く)
食品衛生法による営業許可を受けていない施設での調理業務
菓子製造業または喫茶店営業の許可のみを受けた営業施設で従事している場合
飲食店営業の許可を受けた営業施設でも、ケーキ・デザート類及びパン製造(調理パン等は除く)の業務に従事している者
料理学校や調理師学校で調理を習っていた期間、または教えていた期間
会社や研究所等で食品開発業務の一環として従事している場合
外国の飲食店で従事している場合
高校在学期間中に従事している場合(定時制・通信制を除く)など


受験の手続き
受験を希望する都道府県の調理師試験担当窓口などで、受験案内を入手し、必要な書類を願書受付期間中に指定の場所へ提出します。
提出書類(主なもの)
①受験申請書
②写真(6か月以内に撮影したもの。上半身、無帽)
③受験手数料(都道府県によって異なる)の領収証書
④最終学歴の卒業証明書(卒業した学校で入手)
⑤調理業務従事証明書(勤務先で作成・証明してもらう。2年以上調理業務に従事したことを証明するもの)
その他 戸籍抄本等、印鑑登録証明書 など


調理師試験
調理師試験は原則として都道府県(または各地域の試験実施機関)ごとに実施されます。
試験日や回数、試験問題数などは試験実施機関によって多少違いがあります。
厚生労働省保健医療局の通知により、調理師試験基準は以下のとおり示されています。


(1)試験形式
試験は筆記試験のみ。出題形式は「4肢択一問題」です。
出題数は60題以上、試験時間は120分以上と定められています。


(2)試験科目(6科目)
試験科目は、①公衆衛生、②食品学、③栄養学、④食品栄養学、⑤調理理論、⑥食文化概論の6科目です。


(3)合格基準
合格基準の目安は、原則として正解が総問題の6割以上です。ただし、科目別の平均点を著しく下回るものが1科目でもあれば、正解が6割以上あっても不合格となる場合があります。


(4)免許取得の申請
調理師免許を取得するためには、都道府県知事に免許取得の申請をします。免許申請に必要な主なものは次の通りです。
①調理師免許申請書(保健所または都道府県庁にある所定の用紙に記入)
②免許資格を証する書類(試験合格証書または合格通知書)
③医師の診断書(麻薬、大麻、あへん、覚せい剤の中毒者でないことを証明するもの)
④戸籍抄本または謄本もしくは住民票の写し(外国籍の場合は国籍が表示されている住民票の写し)
⑤免許手数料(都道府県によって異なる)など



1.公衆衛生学


1.WHO(世界保健機関)憲章では、「健康とは、肉体的、精神的ならびに社会的に完全に良好な状態であって、単に疾病または病弱の存在しないことだけではない」と定義している。


2.学校保健行政の対象は、児童生徒等(在学する幼児、児童、生徒または学生)および教職員などである。幼児・児童・生徒・学生は心身の発育過程にあるため、健康の保持や健やかな発育のためには、特別な配慮が必要である。


3.害虫や害獣の駆除、上下水道などについても公衆衛生の活動領域に含まれる。
公衆衛生の活動領域は、食品衛生、環境衛生(上下水道、汚物処理、害虫・害獣駆除、公害防止など)、栄養改善、健康づくり(母子保健、精神保健、生活習慣病のよぼうなど)衛生統計、衛生教育などがあげられる。


4.公衆衛生行政の中心的機関として最も広い範囲で活動しているのは、保健所である。


5.ILO(国際労働機関)は、労働者の保健・衛生活動を行う国連の専門機関である。


6.FAO(国連食糧農業機関)は、貧困と飢餓をなくすため、栄養改善、食糧の確保などを行う国連の専門機関である。


7.公衆衛生活動では、各種民間団体が国、地方公共団体、保健所などの行政機関に協力いている。


8.衛生統計とは、人口統計、疾病統計、栄養統計などをいう。このうち人口統計には、人口静態統計、人口動態統計があり、どちらのデータも反映される。


9.わが国の出生率は、全体的な流れでみると低下傾向にある。わが国の出生率は、第2次ベビーブームの終わった1974(昭和49)年以降、若干上昇した年もあるものの、全体的には低下傾向にある。


10.合計特殊出生率とは、 1人の女性(15~49歳)が生涯に産む子どもの平均数である。合計特殊出生率は、母親の年齢別出産数を年齢別の女子人口で割り、15~49歳を合計したものである。15~49歳は、WHOが示した出産可能年齢である。


11.わが国の合計特殊出生率は、2009(平成21)年では1.37である。合計特殊出生率は、低下傾向が著しく2005(平成17)年に過去最低の1.26を記録したが、出生率の若干の上昇にともなって2009年には1.37となった。


12.わが国の場合、合計特殊出生率が2.08前後を下回ると現在の人口を維持できなくなるとされている。人口を維持するために必要な合計特殊出生率を人口置換水準といい、わが国の場合は2.08前後である。


13.わが国の人口の自然増減率は2005(平成17)年にマイナスに転じ、人口の減少が始まったとされている。自然増減率とは、1年間に人口1000人当たりどれだけ自然増減があるかを表したものである。2006年には0.1の増加を示したが2007年には-0.1、2008年には-0.4、2009年には-0.6となり、人口の減少が始まっているといえる。


14.2009(平成21)年の死因別死亡率の第1位は悪性新生物(がん)である。心疾患は第2位、脳血管疾患(脳卒中)が第3位である。


15.平均寿命とは、 0歳の人の平均余命をいう。平均寿命は、2009年で男性が79.59歳、女性が86.44歳である。


16.平均余命とは、ある年齢に達した人が、 あと平均何年生きられるかを示した数をいう。


17.死亡率とは、人口1000人当たりの年間死亡数をいう。人口1000人当たりで示す人口動態統計には、出生率、 自然増減率、死亡率がある。2009年の死亡率は、9.1である。


18.食中毒統計は、医師から届出があった食中毒の原因物質や件数、患者数などについての統計である。


19.疾病統計のうち、国民生活基礎調査に基づいて作成されるものを一般疾病統計という。国民生活基礎調査は、家計の所得・財産、家族構成、健康、社会保障の状況などに関し、厚生労働省が毎年行う調査である。一般疾病統計は、これに基づいて作成される。


20.有訴者率は、 ある時点で病気やけがの自覚症状のある人が人口1000人当たりでどれだけいるかを示した数値である。


21.空気中の二酸化炭素の割合が増えると空気が汚れた状態になり、室内では0.1%以上になった場合に換気が必要となる。


22.人が最も快適と感じる気温は18℃前後、湿度は45~65%である。人が最も快適と感じる温度を生活至適温度、湿度を生活至適湿度という。気温18℃前後、湿度45~65%が基準となる。


23.気温の感じ方は、湿度や気流などの条件によって、実際の気温より暑く感じたり、寒く感じたりする。これを体感温度(感覚温度)という。


24.紫外線、赤外線ともに、直接目にあてると目の疾病の原因になることがある。


25.一般的な水の衛生条件では、大腸菌は検出されないとされている。一般的な水の衛生条件として、病原微生物を含まない(大腸菌は検出されない)とされている。


26.カルシウムイオン、マグネシウムイオンが多いほど、 その水の硬度が高い。硬度の高いものを硬水、低いものを軟水という。


27.赤痢は、ハエやゴキブリが媒介する疾病である。ハエが媒介する疾病には赤痢、腸チフス、寄生虫病などがある。また、ゴキブリが媒介する疾病には赤痢、急性灰白髄炎(ポリオ、小児まひ)、ジフテリアなどがある。


28.害虫やネズミの駆除は、早期に、なるべく広範囲で一斉に行うと効果的である。


29.マラリアは、ハマダラカが媒介する疾病である。黄熱はネッタイシマ力、 日本脳炎はコガタアカイエカが媒介する。


30.倉庫などでネズミの徹底駆除を行う場合には、一酸化炭素や青酸ガスなどの有毒ガスを使用することもある。通常のネズミ駆除では、アンツー、黄リン製剤、クマリン製剤、 ワルファリンなどの殺そ剤を毒えさとして置いて、ネズミに食べさせる。


31.ダニが媒介する疾病には、つつが虫病、アレルギー、皮膚炎などがある。つつが虫病は、 ダニのほかネズミも媒介する。ダニが媒介する疾病には、 ほかに回帰熱、Q熱などがある。


32.蚊の成虫を駆除するには、殺虫剤として有機リン系油剤を用いる。蚊の成虫には有機リン系油剤、それ以前の段階では、有機リン系乳剤を殺虫剤として使用する。


33.暖房は気温10℃以下、冷房は26℃以上で必要になるとされている。冷暖房を使用するときには、新鮮な空気をとり入れ、かつ効率のよい冷暖房ができるよう、適切な換気を行うことが必要である。


34.上水道は、塩素剤による消毒が義務づけられている。上水道は、安全性の高い水を家庭や事業所に配水することを目的としているため塩素剤での消毒が義務づけられている。


35.上水道を塩素消毒する場合、液体塩素、次亜塩素酸ナトリウムが用いられる。上水道で、液体塩素、次亜塩素酸ナトリウムによる塩素消毒が行われ、常時、給水栓から0.1ml/L以上の遊離残留塩素が検出されなければならない。


36.わが国では、水道普及率は97%以上と高いが、下水道処理人口普及率は2020(令和2)年度末で79.7%と先進国の中では低い数値である。


37.一般廃棄物とは、 ごみ、粗大ごみ、 し尿、動物の死体などをいい市町村が処理する。産業廃棄物とは、事業活動によって生じる燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチックなどをいい、各事業者が処理する。


38.「家電リサイクル法」とは、家電廃棄物の有用な部品や材料をリサイクルして廃棄物の減量や資源の有効活用を進めるための法律で、製造メーカーが再商品化等をしなければならないとしている。


39.四日市ぜんそくなどの公害病や酸性雨の原因物質とされているのは、二酸化硫黄である。


40.二酸化窒素は、慢性気管支炎や酸性雨、光化学大気汚染の原因物質のひとつとされている。


41.光化学オキシダントは、窒素酸化物、炭化水素などに紫外線が作用してできる物質の総称で、人間だけでなく、植物にも影響があるとされている。


42.花粉症を起こすスギ花粉も、大気汚染物質である浮遊粒子状物質に含まれる。


43.浮遊粒子物質とは、空気中に浮かぶ粒子状物質のうち、直径が10μm以下のものをいう。


44.BOD(生物化学的酸素要求量)は、河川に用いられる。


45.COD(化学的酸素要求量)は、海や湖沼に用いられる。


46.水俣病は、工場排水に含まれていた有機水銀(メチル水銀)が、蓄積された魚介類を通して体内にとり込まれたことが原因で発生した公害病である。


47.イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した公害病で、鉱山の廃水に含まれたカドミウムが、上水や農地を汚染し、農作物や飲料水などを通して体内にとり込まれたことが原因で発生した。


48.ダイオキシン類は、「ダイオキシン類対策特別措置法」にもとづいて大気・水質・土壌汚染すべてに環境基準が設定されている。「環境基本法」に基づく大気汚染にかかわる環境基準が示されている物質に、 ダイオキシン類は含まれていない。


49.石綿(アスベスト)を吸い込むと、胸膜や腹膜、心膜に腫瘍ができる中皮腫や肺がんなどを引き起こす原因となる。しかし、潜伏期間が数十年と長いため、因果関係を特定することが難しい。


50.オゾン層を破壊する物質として、 フロンガスがあげられている。
電子部品製造の際に使用される洗浄用物質、冷蔵庫やクーラーなどの冷媒としてフロンガスは広く用いられてきたが、空中に放出されるとほとんど分解されることがなく成層圏まで達してオゾン層を破壊する。


51.オゾン層が破壊されると、紫外線が地表まで届いて皮膚がん、自内障、免疫力低下などの健康被害が起きるおそれがある。


52.地球温暖化とは、大気中の二酸化炭素やメタン、フロンなどのガスの濃度が高くなり、熱の放出が悪くなって地球の気温が上昇することをいう。


53.地球温暖化を食い止めるために最も効果が大きいのは、二酸化炭素を削減することである。


54.酸性雨は、工場や自動車から排出される硫黄酸化物や窒素酸化物が大気中に漂っているうちに雨に溶け込んで、地上に降り注ぐ現象をいう。


55.通常の雨は弱酸性だが、pH5.6以下の強い酸性の雨を酸性雨という。酸性雨は、植物に重大な害を与えるだけでなく、湖沼などを酸性化させたり、石造やコンクリート造の建造物などを劣化させたりする。


56.感染症とは、細菌やウイルスなどが体内に入って増殖することによって起きるもので、後天性の疾病である。


57.感染症を病原体の種類によって分類すると、細菌、ウイルス、スピロヘータ、原虫、 リケッチア、 クラミジアなどに分けられる。


58.マラリアは、原虫によって引き起こされる感染症である。このほか、原虫が引き起こす感染症には、 クリプトスポリジウム症やアメーバ赤痢などもある。


59.オウム病を引き起こすクラミジアは、細菌の一種である。クラミジアは、0.2~1.5μm(マイクロメートル)の球菌状の微生物で、細菌の一種である。そけいリンパ肉芽腫症も、 クラミジアが原因となって起きる感染症である。


60.感受性のある個体とは、感染症に対する抵抗力や免疫がなく、その感染症にかかりやすい、 かかる可能性がある状態の人をいう。


61.経気道感染には、飛沫感染と空気感染がある。


62.飛沫感染とは、患者や保菌者の病原体を含んだ咳、くしゃみなどによる飛沫を吸い込んで感染することをいう。


63.空気感染とは、病原体が付着したほこりやちりなどを吸い込む、 あるいは保菌者の咳やくしゃみなどの飛沫が乾燥したものが、空気中に遊離して感染することをいう。


64.人畜共通感染症はWHOによると、全世界で約180種類あるとされ、 わが国ではペットを介しての感染が多くみられる。


65.、アメーバ赤痢の潜伏期間は平均3~4週間と長い。


66.細菌性赤痢は、潜伏期間が2~5日で、発熱、下痢、悪寒、粘血便が主な症状である。


67.狸紅熱に感染すると、高熱やのどの痛み、全身に紅い発しんなどがみられる。


68.ジフテリア感染すると、発熱、のどの痛み、のどの粘膜に生じる偽膜がみられる。


69.感染症にかかった患者や、 その疑いのある人を診察した医師は、 ただちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。


70.感染症患者が発生した場合、感染症を広げないためには病原体で汚染された器物、衣類、建物、水などを消毒する。消毒の方法には、物理的消毒法と化学的消毒法がある。


71.食生活や生活習慣を改善することは、抵抗力を高めて感染症に対する感受性を低くし、感染しても症状を軽くすることができる。


72.2009(平成21)年の新規エイズ患者は、過去最高だった2008(平成20)年の431人と同数であるが、新規HIV感染者は1021人で過去3位である。


73.悪性新生物の部位別死亡数は、男性は肺がんが最も多く、胃がん、大腸がんと続く。女性は、大腸がんが最も多く、肺がん、胃がんという順になっている。


74.虚血性心疾患の主な危険因子は、コレステロールや動物性脂肪、塩分の多い食事、高血圧、脂質異常症、喫煙、肥満、運動不足である。


75.脳血管疾患のうち、近年増加しているのは、脳の血管が詰まって起きる脳梗塞である。原因としては、動脈硬化や高血圧があげられる。


76.糖尿病の三大合併症は、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害である。糖尿病性腎症は増加傾向にあり、進行すると腎不全となる。


77.肝臓病のうち脂肪肝は、エネルギーのとりすぎと関係が深いとされている。肝臓病には、 ウイルス感染によって発症するウイルス性肝炎などもあるが、生活習慣病としての肝臓病には、脂肪肝、肝硬変がある。


78.メタボリックシンドロームの診断基準では、 3内臓脂肪型肥満に加え、血清脂質異常、血圧高値、高血糖の3項目のうち2項目以上が当てはまる場合をいう。メタボリックシンドロームでは、動脈硬化性疾患の危険性が高まるとされている。


79.健康的な生活習慣を身につけることで疾病の発生を予防することは、疾病の一次予防の段階である。


80.疾病の二次予防は、定期的な健康診断を実施し、疾病を早期発見・早期治療すること、二次予防は、疾病の治療後、回復のためのリハビリテーションを行い、できるだけもとの生活に復帰し、再発を防ぐことをいう。


81.「健康日本21」では、すべての国民の健康と健康寿命の延伸などを目標としている。健康寿命とは、認知症や寝たきりにならず、心身ともに自立して健康に生活できる期間をいう。


82.健康日本21」で掲げている9分野とは、栄養・食生活、身体活動・運動、休養、こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんである。


83.ストレスをためると、各種生活習慣病にかかる可能性が大きくなるだけでなく、体の抵抗力を弱め、感染症にかかりやすくなるとされている。


84.健康づくりの3要素とは、栄養・運動・休養である。
健康づくりにおいて、栄養とは、栄養に関する正しい知識をもち、バランスのよい食事をとること、運動とは、運動不足にならないように意識的・積極的に運動すること、休養とは、休養、スポーツ、 レジャーなどでストレスを上手に解消することである。


85.「たばこ行動計画検討会報告書」には、公共の場や職場での分煙、医療機関などでの原則禁煙などが盛り込まれている。


86.わが国の妊産婦死亡率は、4.8で、世界的にも低い水準にある。


87.1~4歳の幼児の死亡原因で最も多いのは、先天奇形・変形および染色体異常である。


88.わが国の母子保健の基本は、「母子保健法」に定められている。

「母子保健法」では、結婚前の健診から妊娠、出産、新生児、乳幼児まで、総合的な保健対策を実施することを目標としている。


89.「学校保健安全法」では、学校医のほか学校歯科医、学校薬剤師などを置くこととされている。学校医などは、学校で行われる健康診断や健康相談などを担当する。健康診断には、就学時診断、定期健診、臨時健診がある。


90.小学校における保健教育は、 2年生まではすべての教育活動で、以後は体育の一部で、心身の発達やけがの防止、疾病予防などについての指導が行われる。


91.小・中学校、高等学校を通じて児童生徒に多い疾病は、虫歯と近視である。
2009年の統計では、小学校は近視が約30%・虫歯が約62%、中学校は近視が約53%・虫歯が約53%、高校は近視が約59%・虫歯が約62%となっている。


92.赤外線が異常に強い職場では、白内障や熱中症、湿しんなどの職業病がみられる。
ガラス工場などが就労する場では、赤外線が異常に強いといえる。赤外線が直接目にあたることで白内障が起きたり、暑さのために熱中症になったりする。


93.白ろう病とは、削岩工や伐採工、機械工などがかかりやすい職業病である。
白ろう病とは、手に振動を受け続けることで血管のけいれん。収縮、血行不良などが起きて指が白くなり、痛む疾病である。振動の多い職場でみられる。





2.食品学


1.植物性食品に含まれる脂質は、量的に少ないが、だぃずや種実類などには例外的に多く含まれている。また、植物性油脂には必須脂肪酸が多く含まれている。


2.動物性食品には、ビタミンA・ B2・ Dが多く含まれている。


3.植物性食品には、ビタミンC・ B1. 力ロテンが多く含まれている。


4.動物性食品には、カルシウムやリンなどが含まれている。


5.植物性食品にはカリウムやリンなどが含まれている。


6.「日本食品標準成分表(五訂増補日本食品標準成分表)」では、食品を18食品群に分類している。いもおよびでんぷん類、砂糖および甘味類、豆類、種実類、野菜類、果実類、 きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類、菓子類、嗜好飲料類、調味料および香辛料類、調理加工食品類の18食品群に分類している。


7.「日本食品標準成分表」の各食品群のはたらきをエネルギー源、体調節源、体構成源に分類すると、だいず類以外の豆類はエネルギー源となり、良質のたんぱく質を含むだいず類は体構成源となる。


8.くりやぎんなん、 ごまなどは、「日本食品標準成分表」では種実類に分類される。


9.だいずおよびその製品、あずきおよびその他の豆およびその製品は、「日本食品標準成分表」では豆類に分類される。


10.力ロテンやリコピン、 カプサンチンは、植物性食品に含まれている力ロテノイド系色素である。 かぼちゃやにんじん、 トマトなどに含まれている。動物性食品に含まれているカロテノイド系色素にはアスタキサンチンがあり、 かにやえびの殻などに含まれている。


11.肉類に含まれているヘモグロビンやミオグロビンはヘム色素とよばれ、動物の筋肉や血液中に多く合まれている。


12.クロロフィル系色素は緑黄色野菜に含まれ、アルカリ性では鮮やかな緑色だが、酸性になると黄褐色になる。


13.カフェインやテオブロミンは、苦味、渋味の成分である。カフェインはコーヒーや緑茶、テオブロミンはココアやチョコレートに含まれている成分である。


14.シネオール、ゲラニオールは、 しょうがに含まれている香りに関係する成分である。香りに関係する成分は、食品から立ち上がる香りをアロマ、口に入れたときに感じる香りをフレーバーとよぶ。かんきつ類にはリモネン、 シトラール、にんにくにはアリシンが含まれている。


15.酸味に関係する成分には、乳酸、 リンゴ酸、クエン酸、酒石酸がある。乳酸はヨーグルトや漬物、 リンコ酸はりんご、クエン酸はかんきつ類や梅干、酒石酸はぶどうに含まれている。


16.米を貯蔵する場合、温度を20℃以下、相対湿度を70%以下に保つとよい。米は高温多湿に弱いため、良好な状態で貯蔵するには、玄米かもみ米の状態で、温度を13℃以下、相対湿度を70%以下に保つ低温貯蔵がよいとされている。


17.もち米に含まれているでんぷんは、アミロペクチンである。でんぷんにはアミロペクチンとアミロースがあるが、アミロベクチンは粘りのもとであり、もち米はアミロペクチン100%で構成されている。


18.小麦と米のたんぱく質の量を比較した場合、小麦のほうが多く含まれている。ただし、 たんぱく価は、米のほうが優れている。


19.強力粉は、硬質小麦からつくられる。小麦は、 グルテンの合有量により、硬質、中間質、軟質の3種類に分類される。硬質小麦からつくられたのが強力粉、中間質小麦からつくられたのが中力粉、軟質小麦からつくられたのが薄力粉である。


20.とうもろこしにはツェインというたんぱく質が含まれているが、必須アミノ酸の割合が低く、良質のたんぱく質とはいえない。脂質が比較的多いため、 コーン油などに用いられる。


21.そばは、 ほかの穀類と比べてたんぱく質の合有量が多く、必須アミノ酸であるリジンが多く含まれている。また、 リジンのほか、ルチン、 ビタミンBl・B2、 リンも多く含まれている。


22.さといもは水分が80%以上である。炭水化物、 ビタミン類が少ない。


23.じゃがいもの煮物をつくる場合には、粘りのあるメークインが適している。男爵を使うと煮崩れしやすい。男爵は粘りが少ないため、煮物に使うと煮崩れしやすく、 コロッケやサラダ、粉ふきいもなどに適している。


24.さつまいもは、 でんぷん分解酵素のアミラーゼを含み、加熱すると甘味が増す。さつまいもに含まれているでんぷんは、貯蔵することによってもアミラーゼにより分解されて麦芽糖に変化するため、甘味が増す。


25.砂糖は精製の度合いによって、分みつ糖と含みつ糖に分類され、黒砂糖は含みつ糖に含まれる。分みつ糖には、上白糖、 グラニュー糖、氷砂糖などがある。


26.ゆばは、ダイズの搾り汁である豆乳を加熱し、表面にできた膜を引き上げたものをいう。乾燥させた乾燥ゆばと、乾燥させない生ゆばがある。


27.あずき、いんげんまめ、えんどう、そらまめなど、ダイズ以外の豆類の主成分は、炭水化物(糖質)である。


28.たけのこの煮汁が冷めると白く濁るのは、チロシンのはたらきによる。たけのこを加熱した際白い粉がついたり、煮汁が冷めると白く濁るのは、チロシン(アミノ酸)のはたらきによる。このほか、シュウ酸は、 たけのこのえぐ味や苦味の原因となる。


29.淡色野菜には、力ロテンがまったく含まれていないものもあるが、少量含まれているものもある。淡色野菜は、主にビタミンCの供給源である。


30.力ロテンの供給源となるのは、緑黄色野菜である。


31.ぜんまいやわらびに含まれているアノイリナーゼは、 ビタミンB1分解酵素である。
ぜんまいやわらびに含まれているアノイリナーセは、 あさりやしじみにも含まれている。


32.果物に含まれているペクチンは、食物繊維の一種である。酸と砂糖と水によってゼリー状に変化する。その性質を利用して、 ジャムやゼリーがつくられる。


33.切ったりんごの切り回が褐色に変化することを褐変という。りんごの褐変は、 りんごに含まれているポリフェノール系の物質が空気に触れて酸化するほか、酸化酵素がはたらくために起こる。


34.しいたけには、グアニル酸とグルタミン酸が含まれ、この2つの相乗効果によってうま味が増す。しいたけは、 日光にあてることでエルゴステロールが増え、味、香りともに強くなる。


35.豚肉には、 ほかの肉類と比べてビタミンB1が多く含まれている。牛肉の10~20倍含まれている。


36.牛肉の肝臓(レバー)には、その他の部位よりも豊富にビタミンAやB1、B2、鉄が豊富に含まれている。牛肉には良質のたんぱく質が多く含まれている。


37.ベーコンは、豚のばら肉を塩漬けにしたあと、くん煙してつくられたものである。ハムやベーコンには、一般的に豚肉が多く用いられる。


38.いかやたこに含まれているタウリンには、血中コレステロール値を下げるはたらきがある。 いかやたこにはコレステロールが多く含まれているが、 タウリンが含まれているため、適度な摂取は問題がないとされている。


39.いわし、かつおにはビタミンDが多く含まれている。うなぎ以外の魚には、 ビタミンAは少ない。しかし、魚類の内臓部分には、 ビタミンAやB2、 Dが多く含まれている。


40.あさりやしじみなどの貝類は、たんぱく質、無機質(ミネラル)の量は魚類とほぼ同じだが、 ビタミンB12が多く含まれる。


41.牛乳の主なたんぱく質は、カゼインで、牛乳に含まれているたんぱく質の約85%を占めている。そのほかに、アルブミンとグロブリンが含まれている。


42.牛乳に乳酸菌や酵素を加えて発酵・熟成させたものをナチュラルチーズという。ナチュラルチーズには、カマンベール、チェダーなどの種類がある。ナチュラルチーズをさらに加熱加工したものがプロセスチーズである。


43.アイスクリームは、牛乳や乳製品に砂糖や香料、乳化剤などを加えて撹拌しながら凍らせたもののうち、乳固形分が15%以上(このうち乳脂肪分が8%以上)のものをいう。


44.アイスクリームは、乳固形分が15%以上(このうち乳脂肪分が8%以上)のものをいう。それ以下のものは、アイスミルク、ラクトアイスに分類される。


45.鶏卵には、 ビタミンCと炭水化物以外の栄養素が豊富に含まれている。


46.鶏卵の成分は、牛乳と並んで、ほぼ完全な栄養素で構成され、完全食品ともよばれる。必須アミノ酸をバランスよく含み、たんぱく価も高い。


47.卵白の成分は90%が水分で、残りのほとんどがたんぱく質である。卵黄に含まれているコレステロールはほとんど含まれていない。


48.卵黄の凝固温度は卵白よりも低く、65~70℃で凝固する。卵白は、70℃くらいから固まり始め、80℃以上で完全に凝固する。


49.植物性油脂は、通常は液体で、動物性油脂は通常は固体である。
植物性油脂のように不飽和脂肪酸を主体とするものは、液体が通常の状態である。また、動物性油脂のように飽和脂肪酸を主体とするものは固体が通常の状態である。


50.植物性油脂には多価不飽和脂肪酸が多く含まれ、中でも血中コレステロール低下作用があるリノール酸がとくに多い。 植物性油脂には必須脂肪酸のうち、 リノール酸が多く含まれている。また、 ビタミンEも含まれている。


51.動物性油脂にはナトリウムやリン、 カリウムなどの無機質(ミネラル)のほか、 ビタミンAなどが含まれている。


52.アルコールが1%以上含まれているものを、アルコール飲料という。アルコール飲料は、製造方法によって醸造酒、蒸留酒、混成酒に分類される。


53.清酒は、米を原料にして、 こうじ、酵母などからつくった清酒酵母を加えてアルコール発酵させたものである。


54.紅茶は、摘んだ葉をある程度まで乾燥させたあと発酵させたもので、発酵茶に分類される。発酵中にビタミンCが失われ、渋味も減少する。


55.緑茶は非発酵茶に分類され、摘んだ葉を蒸したあと、 もみながら乾燥させたものである。ビタミンCが多く含まれている。


56.みそは、 だぃずの蒸したものに麹と塩を加えて熟成させたものである。塩分の量によって甘みそと辛みそに分類される。甘みそは塩分量が5~7%、辛みそは10~13%である。


57.しょうゆを比較した場合、濃口しょうゆより薄口しょうゆのほうが塩分量が多い。
平均すると、濃口しょうゆの塩分量は15%、薄口しょうゆは16.3%である。色は濃口しょうゆのほうが濃いが、塩分量は薄口しょうゆのほうが多い。



3.栄養学


1.栄養効果を高めるために食品を食べやすくし、消化吸収をよくすることは、調理の目的のひとつである。


2.調理の目的には、栄養素を消化吸収しやすくすること、食欲を増すようにすること、衛生面の危険を防止すること、貯蔵性を高めることがある。


3.調理を対象別に分けると、家庭調理、学校・会社など特定多数の人に対する調理、飲食店など不特定多数の人に対する調理などに分けられる。


4.調理の分類には、対象別の分け方のほかに、普通食、病人食、行事食といった目的別の分け方や、 日本式、西洋式といった様式別の分け方などがある。


5.学校給食は、文部科学省が定めた給食の基準に基づいて調理が行われる。


6.調理を行う者は、食品そのものをよく知り、食品の種類やその組み合わせに応じた多種多様な調理を用いることが大切である。


7.調理は、食品の衛生的・栄養的な面を考え、 さらに嗜好性を高めて、食べる人の食欲も満足させなければならないため、調理を行う者は、食品を知り、多種多様な調理を用いて、それぞれの味を上手に引き出さなければならない。


8.調味操作とは、調味料を用いて料理の味を調えることをいう。


9.調理方法を操作の仕方によって分類すると、非加熱操作、加熱操作、調理操作、芸術的操作があり、調味操作とは味を調えることである


10.盛りつけや配膳など見た目を美しくする操作は芸術的操作である。


11.こすり洗いとは、 ブラシやたわしなどで食品の表面をこするようにして洗う方法をいい、根菜類やいも類などに用いられる。食品どうしの摩擦を利用して洗う方法は、混ぜ洗いといい、 さといもや豆類に用いられる。


12.ごぼうの変色を防ぐためには、( 5~10%)酢を入れた水に漬けておくとよい。


13.ため水とは、洗いおけなどに水をためて洗う方法である。


14.洗いおけなどにためた水に、常に一定量の水を加えてあふれさせながら洗う方法をオーバーフロー式という。


15.食品を液体に漬ける調理操作を浸漬(しんせき)という。


16.浸漬には、水や米のとぎ汁に漬ける、塩・砂糖・酢を入れた水に漬ける、重曹など薬品を入れた水に漬ける、調味液に漬けるなどがある。


17.豆類をやわらかく煮るためには、水に一晩漬けて戻し、吸水・膨潤(軟化)させる。


18.わらびやぜんまいなどのあく抜きは、灰や重曹を入れた水につける。


19.米は吸水すると、重重量が1.3倍、容積が1.2倍になる。米の吸水所要時間は、50~60分である。


20.だいずやあずきの吸水に必要な時間は、15~20時間である。だいずは重量が2.6倍、容積が2.5倍、あずきは重量・容積ともに2.4倍になる。


21.ひじきを戻すと、容積が10.0倍になる。戻すと非常に量が増加するので、戻す量に注意しなければならない。


22.たけのこのえぐ味を取るためには、米のとぎ汁かぬかを入れた水でゆでるとよい。


23.いも類の皮をむいたり、切ったときに酸化して褐変するのを防ぐためには、熱湯ではなく水につける。


24.粉砕とは、食品の組織や細胞を細かくして粉状にすること。


25.切砕とは、食品の食べられない部分を除き食べやすくすることをいう。


26.味の均一化とは、食品と調味料を混ぜあわせることであえ物などに味を浸透させることをいい、混合・撹拌のひとつである。


27.混合・攪拌とは、食品を混ぜる、こねる、泡立てる、あえるなどの調理操作をいう。材料の均一化、乳化、泡立て、温度分布の均質化、味の均一化、ドウの形成である。


28.乳化とは、液体中にほかの液体の細かい粒が分散した状態になることをいう。


29.乳化の方法にはマヨネーズやドレッシングの材料を分離しないように攪拌することである。


30.卵白に砂糖を加えて固く泡立てたものはメレンゲという。


31.魚や肉類を磨砕すると、粘りが増す。


32.魚や肉類を磨砕し、すり身やひき肉にすることによって、粘りが増す。食品の組織や細胞を細かくしてペースト状にするのが、磨砕の目的である。


33.だいこんやにんじんなどは磨砕することによって栄養素を損失することがある。


34.だいこんやにんじん、りんごなどアスコルビナーゼを含む野菜や果物をおろすと、ビタミンCの量が減少する。


35.ゆでた葉菜類や絹さや、いんげんなどを急速に冷やすと、色彩を鮮やかにし、その色を保持することができる。


36.野菜を氷水に漬けて急速に冷やすと色が鮮やかになり、その色を保つことができる。冷却には、室温で自然に冷ます、冷蔵庫に入れて冷やす、氷水や流水で冷やすなどの方法がある。


37.小口切りとは、 きゅうりやにんじん、ねぎなどを端から繊維に対して直角に切る方法をいう。


38.拍子木切りは、拍子木の形に切ることをいい、だいこんやかぶ、にんじんなどを切る際に用いる。フランス語でポン・ヌフ、中国語でティヤオともいう。


39.拍子木切りにしたものをさらに小口切りにしてさいころの形に切ることをさいの目切りという。


40.さいの目切りは、 1cm角以上のものを角切り0.7cm角程度のものをあられという。だいこんやにんじん、いも類などに用いられる。


41.かれい、ひらめなどのように身が薄く、幅が広い魚をおろすときに用いるのは五枚おろしである。


42.小骨の多い魚を開くときは腹開きにする。


43.背開きは小あじやきすなどの小魚や干物をつくるときなどに用いる。


44.フグやひらめなどを、紙のように薄くそいで刺身にしたものを薄づくりという。


45.薄づくりにするときには、盛りつけたときに皿の絵が透けて見えるほど薄くそぐ。そぎ切りの一種である。


46.加熱調理のうち、熱媒体として水を利用する方法を湿式加熱という。


47.湿式加熱には、ゆでる、煮る、蒸す、炊くという種類がある。加熱調理には、湿式加熱のほかに、乾式加熱、電磁誘導加熱、誘電加熱がある。


48.食品をゆでることによって、あくや悪臭を取り除き、殺菌することができる。このほか、ゆでる目的には、色を鮮やかにする、酸化酵素のはたらきを抑える、食品の組織をやわらかくする、たんぱく質を凝固させてうま味の流出を防ぐなどがある。


49.煮魚のように煮崩れしやすいものを煮るときには、少なめの煮汁の中で落としぶたをして、煮汁が全体にいきわたるようにしながら煮る。煮魚をたっぷりの煮汁で煮ると、煮汁の中で魚が動いてしまい煮崩れの原因となる。


50.水分が多く短時間で煮るものは、材料の20~30%の量の煮汁で煮るようにする。材料と同量くらいの煮汁で煮るのは、煮込みなど長時間煮るものの場合である。


51.すね肉など硬い部分を調理するときには、弱火で長時間かけて煮込み、 うま味成分が煮汁の中に溶け出すようにする。


52.煮きりとは、酒やみりんのアルコール分を火にかけてとばし、料理の味を損なわないようにすることをいう。


53.蒸し物をつくる際、蒸し器のふたを密閉すると中の温度は100℃以上になる。
蒸気の温度は100℃であるが、蒸し器のふたを密閉すると100℃以上になる。このため、茶碗蒸しや卵豆腐などのようにすがたってはいけないものをつくる場合、ふたを少しずらして85~90℃程度で蒸し上げるようにする。


54.蒸し物の特徴として、食品の形が崩れないことがあげられる。
蒸し物の特徴として、直接火があたらないので焦げない、食品の形が崩れない、 うま味や栄養成分の溶出が少ないことがあげられる。


55.汁物の味つけは、塩分濃度を0.8~1.2%くらいにするとよい。吸い物は0.8~0.9%、みそ汁は1%くらいの塩分濃度が平均的である。


56.パイナップルやキウイフルーツなどたんばく質分解酵素を含んでいる果物を生の状態で混ぜると固まらなくなるのは、ゼラチンの溶液である。加熱する、缶詰を利用するなどのくふうが必要である。


57.炊くという調理法は、煮物と蒸し物の両方に含まれているといえる。
米を炊く場合は、米が水をかぶっている間は煮物、米が水を吸収したあとは蒸気で加熱することになる。


58.あえ物は、早くからあえておくと食品の水分が出て水っぼくなるため、食べる直前にあえるとよい。


59.焼くという操作は、串焼き、網焼き、つるし焼き、いぶし焼きなどの直火焼きと、鍋焼き、石焼き、包み焼き、鉄板焼きなどの間接焼きに分けられる。


60.西京みそは、 白みその一種である。西京みそに漬けた白身魚を焼いたものが西京焼である。


61.包み焼きは、
包み焼きは、アルミホイルや紙、塩などで食品を包んだり、覆ったりして食品に含まれる水分を利用する蒸し焼きである。


62.串焼きをする場合、食品が金串に付着しやすい。このため、冷めてからでは金串が抜けにくくなるので、焼き上がったら金串を熱いうちに回しておくことが大切である。


63.オーブンでメレンゲの色づけを行う場合、230~250℃くらいのごく強火で加熱するようにする。


64.魚や肉の焼き上がりは、表面が固まり、押してみて弾力のある状態である。この状態であれば中まで火が通っている。


65.ポテトチップスは、パリッとした揚げ上がりにするため、 130~140℃くらいの低温で8~10分かけて揚げる。


66.揚げ物では、ころもをつけない素揚げのほうが、吸油率は低くなる。素揚げは3~5%、から揚げは5~8%、天ぷら、フライは10~15%、かき揚げは35%である。


67.熱している油にころもを落とした場合に沈まずに表面で散るときの油の温度は、200℃以上である。ころもがちょっと沈み、すっと浮くのが180℃、 ころもが鍋の中ほどまで沈み、すっと浮くのが170℃、ころもが鍋底まで沈み、ゆっくり浮くのが160℃である。


68.炒め物では、油を使用するため脂溶性ビタミンの吸収率がよくなる。脂溶性ビタミンは、油に溶けやすい性質のため、炒め物などでは吸収率がよくなる。炒め物は、短時間の加熱操作のため、 ビタミンの損失も少ない。


69.炒め物での調味料の浸透は、油を使わない調理操作より少し悪くなる程度である。


70.炒め物をする場合には、一定の時間に加熱できるように、食品の大きさを切りそろえておくことが必要である。食品の大きさを切りそろえる、ゆでるなど下ごしらえをしておくなど、同時に火が通るようにするくふうが必要である。


71.牛刀とよばれる洋包丁は、刃が薄く、和洋中すべての調理に使用することができる。


72.中華包丁は、刃の幅が広く重い包丁で、中華料理では切る・砕く・そぐなど調理操作のほとんどをこの一本でまかなっている。


73.和包丁には、両刃のものと片刃のものがある。片刃の和包丁は、力が片方だけにかかるので、刺身のように切り残す部分に力が加わらないように切るものに使用する。


74.包丁を研ぐときは、砥石を目の粗いものから徐々に目の細かいものにして研ぎ上げる。


75.肉類を切ったあとのまな板は、洗浄後熱湯で消毒することが必要である。
まな板は、食中毒の予防などのためにも、肉類・魚介類を切ったあとには、洗浄後熱湯消毒ることが必要である。また、 どのような材料を切ったあとでも、使用後は洗剤をつけてたわしなどでていねいにこすり洗いしなければならない。


76.土鍋より銅鍋のほうが熱の伝わりがよい。熱伝導率の高い順に、ステンレス、ガラス、銅、アルミニウム、鉄、土(陶磁器)となる。


77.鍋は材質や形によって熱伝導率に違いがあり、熱伝導率が高いものは熱が速く伝わるため急速加熱に適しているが、冷めやすく保温性は低くなる。一方、熱伝導率が低いものは、 ゆっくりと加熱され保温を必要とするものに適している。


78.電子レンジは短時間調理が可能なため、栄養成分の損失や味の変化が少ない。食品の煮崩れや焦げつきも少ない。


79.電子レンジは、マイクロ波によって発生する高周波を利用して食品内部の水分を振動させ、 これによって生じた熱で食品そのものを発熱させるものである。加熱しすぎると食品内部の水分が失われ、食品が硬くなってしまうので注意する。


80.電磁調理器(IH調理器)は、鍋だけを発熱させるため、調理器具自体は熱くならず安全である。また、調理場の空気も汚れないが、一度に調理できる量が限られているため大規模調理には適していない。


81.耐熱ガラス、硬質ガラスとよばれるものは熱に強く、オーブン料理などにも使用することができる。


82.わが国の代表的な食器である漆器は、傷がつきやすく、漆がはがれやすいという短所がある。漆器を使用した際は、やわらかい布を使ってぬるま湯で洗い、ふせて水気を切ったあと、やわらかい布でからぶきして、 しまうようにする。


83.調理場の床は水がたまるとすべりやすく危険なため、自然に排水されるように勾配をつける。通常は、2/100程度の勾配とする。


84.天井部の配管や配線、 ダクトなどにはほこりがたまりやすいため、耐火、耐水性のある材質のものを用いて天井を張って平らにする。


85.食器洗浄を行う作業面の照度は、250ルクス程度とする。調理施設では、室内全体の照度は150~200ルクス、作業面の照度は200~300ルクス以上必要とされている。また、 レンジ表面は350ルクス、流しは300ルクス、盛りつけ台は300ルクス程度の照度とする。


86.調理施設の窓は、ほこりが入らないようにするため調理中は開けないようにし、必ず網目の細かい防虫網戸を取りつける。


87.窓や天窓、ファンによる自然換気は、換気量が少ないため大規模調理には適していない。
大規模調理では、吸気排気用の機械を取り付けた機械換気が行われる。また、 レンジやフライヤー、回転釜、魚焼き器など、 とくに熱・蒸気・臭気が発生しやすい場所には、 フードを取りつけて局所換気を行うようにする。


88.ウェットシステムとは、調理場の床に水を流しながら調理作業を行う方法をいう。作業中に出る水を排水管に直接流し込み、常に床を乾燥させておく方法は、 ドライシステムという。


89.ドライシステムとウェットシステムでは、 ドライシステムのほうが作業者は疲労しにくい。ドライシステムは長靴にゴムエプロンではなく、布製のエプロンや運動靴などの軽装で作業ができるので、 ウェットシステムに比べて作業者は疲労しにくい。


90.排水管にトラップを設けることで、悪臭が逆流してくるのを防ぐことができる。トラップとは、排水パイプの一部に水たまりを設けた設備をいう。ごみよけや、臭気どめ、ネズミ・虫の侵入防止などの目的で設けられる。


91.まな板や包丁は、 クレンザーや中性洗剤で洗浄したあと、次亜塩素酸ナトリウム液か逆性石けん液に漬けてから乾燥させる。次亜塩素酸ナトリウム液は200ppmに薄めたもの、逆性石けん液は0.5~1%に薄めたものを用いる。


92.調理器具類は、水洗いしたあと、最後に熱湯消毒する。分解できる部分は分解して細かい部分まで洗浄し、最後に熱湯をかける。


93.「食品衛生法」で認められている食器や器具の消毒用薬品は、次亜塩素酸ナトリウム、高度サラシ粉、過酸化水素の3種類である。


94.蒸気消毒は、94℃で5分以上、77℃で15分以上行う。食器や調理器具に用いる方法であるが、ガラス器や陶磁器には用いることができない。


95.食べているうちに感じ方が鈍くなっていくことを順応という。順応力の強さは、甘味、苦味、塩味、酸味の順になる。


96.料理から感じられる香りは、 食品特有の香りのほか、加熱によって食品中の糖とアミノ酸がアミノカルボニル反応を起こし、それによって生じる香りもある。


97.甘味、塩味、酸味、苦味、 うま味を五味という。
甘味、塩味、酸味、苦味の4つに辛味を加えて五味ということもある。また、塩味は鹹味(かんみ)ともいう。味覚には五味のほかに、渋味、 えぐ味などがある。


98.味の感じ方のうち、酸味については温度による変化がほとんどない。塩味と苦味は、温度が上がると感じ方が鈍くなる。このため、冷たい汁物の味つけを濃くすると、食べるときに塩辛く感じるということがある。


99.味を感じるのは、舌にある味蕾とよばれる小さな突起部分である。甘味は舌の先端部で、塩味は舌の周辺部で、酸味は舌根の両側、苦味は舌根の中央部で強く感じる。


100.味の感じ方は、体調に左右される。甘味や塩味は、発汗や疲れなどと密接なつながりをもち、体調によって感じ方に違いがある。


101.味の相互作用とは、食品に含まれている味の成分を2種類以上混ぜたときに、それぞれを単独で味わうより味が強く感じられたり、味質が変わって感じられたりすることをいう。


102.異なる味の成分を2つ混ぜたときに、主になる味が強く感じられるようになることを対比効果という。すいかに塩をかけることですいかの甘味が強く感じられるようになることや、だし汁に塩を加えることでうま味が強く感じられるようになることを対比効果という。


103.異なる系統の味の成分を2つ以上混ぜたときに、味の相乗効果とは、同じ系統の味の成分を2つ以上混ぜたときに、 1つずつのときよりも味が強く感じられるようになることをいう。


104.異なる味の成分を2つ以上混ぜたときに、 そのうちの1つあるいはすべての味が弱く感じられることを抑制効果という。コーヒーに砂糖を加えると苦味が弱まったように感じる、かんきつ類に砂糖をかけると酸味が弱まったように感じるなどを抑制効果という。


105.吸い物やみそ汁の食べごろの温度は、80℃である。


106.日本茶の飲みごろの温度は、茶葉の種類により異なる。玉露は65℃でいれて50℃くらいが飲みごろ、煎茶は80~90℃でいれて65℃くらいが飲みごろである。


107.フラボノイド系色素は、穀類や豆類、淡色野菜などに含まれ、アルカリによって黄色に変化する。フラボノイド系色素は、アルカリによって黄色に変化し、酸によって白色になる。れんこんやごぼうを酢水につけたり、酢を加えて煮ると白くなるのは、 この脱色作用による。


108.フラボノイド系色素は、鉄と結びつくと緑色や褐色に変化する。アントシアン系色素は、鉄やスズ、アルミニウムと結びついて色素が安定する。


109.アスタキサンチンは、脂溶性の天然色素である。アスタキサンチンは、かにやえびに含まれている脂溶性の力ロテノイド系色素である。


110.ほうれんそうをゆでるときに食塩を加えると、色が安定する。緑黄色野菜にはクロロフィルが多く含まれている。クロロフィルはアルカリ(重曹など)によって色が鮮やかになり、食塩を加えて加熱すると色が安定する。


111.中華麺をつくるときに加えるかんすいは、アルカリ性物質である。かんすいを中華麺に加えると、黄色くなる。これは、小麦粉に含まれているフラボノイド系色素がアルカリ性であるかんすいと結びついたためである。


112.力ロテノイド系色素は、植物性食品では、 かばちゃやにんじん、赤とうがらしなどに多く含まれている。


113.アントシアン系色素は、野菜や果物に含まれている水溶性色素である。酸性で赤に、アルカリ性で青に変化する。


114.なすを漬けるときにみょうばんでなすの表面を軽くもんでおくと、色が安定して鮮やかな色に漬け上がる。なすに含まれるアントシアン系色素は、鉄やスズ、アルミニウムなどと結びつくと色素が安定するため、みょうばんを加えると、みょうばんに含まれるアルミニウムがなすの色素と結びつき、 なすの色が安定する。また、黒豆を煮るときには古くぎを入れるとよい。


115.ハムやソーセージなど肉の加工品に発色剤を用いるのは、肉に含まれているヘム色素が加熱などによって褐色に変化するためである。ヘム色素は、酸素に触れると鮮やかな赤に変化するが、放置したり、加熱すると褐色に変化する。このため、ハムやソーセージなど肉の加工品は、鮮やかな色を保つために発色剤を加えて加熱する。


116.じゃがいもの皮をむいて放置すると褐色に変化するのは、ポリフェノール系の物質が空気中の酸素と結びついたためである。食品中の酵素のはたらきによって酸化が促進される。


117.食品の掲変を防ぐには、水に漬けて酸素との接触を防ぐ、酵素のはたらきを阻害する阻害剤を用いて酵素の作用を阻止するなどの方法がある。食塩水や酸性液(レモン汁など)が、酵素のはたらきを阻害する役目を果たす。また、加熱によっても掲変を防ぐことができる。


118.照り焼きやかば焼きに色や香りがつくのは、アミノカルボニル反応によるものである。アミノカルボニル反応は、食品中の糖とアミノ酸が一緒に加熱されることで反応して、褐色物質が生じるために起こる。


119.ショ糖は砂糖の主成分で、糖質のうち少糖類に分類され、50℃以上になると甘味を感じにくくなる。糖質は、温度によって甘味の感じ方が変化する。


120.水を加えた砂糖を200℃近くまで加熱すると、粘りのある褐色の液体に変化する。砂糖を加熱すると、褐色に変化することをカラメル化といい、プリンのソースなどに利用される。


121.たんぱく質に砂糖を加えると、凝固温度が上昇してやわらかく固まるようになる。卵黄に牛乳や砂糖を加えてつくるカスタードクリームなどは、 この性質を利用したものである。


122.生の状態のでんぷんはβ―でんぶんとよばれ、水に溶けないため消化吸収されない。β―でんぷんに水を加えて加熱することで糊状のα―でんぷんに変化し、食べると消化吸収される状態になる。この変化をでんぷんの糊化またはα化という。


123.糊化したでんぷんを室温で水を含んだまま放置すると、 β―でんぷんに戻る。これをでんぷんの老化という。


124.糖質は、酵母や細菌のはたらきで発酵する。酵母や細菌のはたらきで発酵する性質を利用して、アルコール飲料を製造したり、ぬか漬けを漬けたりする。


125.食品に含まれているたんぱく質の粒子は、大量の水を加えると溶けやすく、膨張しやすくなる。たんぱく質の粒子の、大量の水を加えると溶けやすく膨張しやすくなる性質を利用して、すね肉など硬い部分や豆類を長時間煮てやわらかくするなどの調理が行われる。


126.牛乳に含まれているカゼインは、酸によって凝固する性質がある。この性質を利用して、ヨーグルトはつくられる。


127.豆類に含まれているたんぱく質は、アルカリ物質を加えることで変化する性質をもっている。だいずなどを煮るときに重曹を加えるのは、豆類に含まれるたんぱく質がアルカリ物質によって変化する性質を利用したものである。


128.ヘット(牛肉の脂)は、溶けはじめる温度が40~46℃である。人間の体温より高いため、口の中に入れても溶けず、冷たい料理には向いていない。


129.魚類に含まれている多価不飽和脂肪酸は、調理したものを長時間保存すると酸化して味を損なう。


130.調理用油脂は、加熱や光、酸素によって酸化され、劣化する。調理用油脂を保存する際には、使用後はできるだけ熱いうちにろ過する。保存中に酸素に触れないように容器の口元まで入れて密封する。日光の当たらない場所に保管する。高温になる場所はさけるなどの注意が必要である。


131.無機質(ミネラル)は水に溶け出す性質があるため、水に30分漬けると成分を損失する場合がある。海藻類やれんこんなどは、水に30分漬けると平均で10~20%程度カルシウムが損失する。


132.肉類を焼いた場合、含まれている無機質(ミネラル)の量に変化はない。水を使わない調理の場合、肉類にかぎらず、魚や野菜類も無機質(ミネラル)の量に変化はない。


133.ビタミンDは熱や酸素に対して安定しているため、調理中の損失はほとんどない。ビタミンDはビタミンAと同様に安定したビタミンである。熱や酸素に対しては、 ビタミンDのほうがより安定しているといえる。


134.ビタミンEは、植物性油脂や魚油に多く含まれている。調理してから時間が経つと不飽和脂肪酸と酸素が結合した過酸化脂質が増加し、 ビタミンEが減少する。


135.ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、煮汁やゆで汁によく溶け出す。しかし、100℃までは変化しないため、蒸す調理ではほとんど損失しない。


136.ビタミンB2は、紫外線に対して不安定なビタミンのため、 日光に長時間さらすことは避けなければならない。ビタミンB2は水溶性のため、水によく溶ける。また、アルカリや紫外線に対しても不安定である。ただし、熱に対しては強く、一般的な調理ではほとんど分解しない。


137.しょうゆで味をつける味つけ飯を炊く場合、 しょうゆが水の吸収を妨げるため、加熱時間を5分間延長する。通常の炊飯では、強火にかけて沸騰したあと、中火で5分炊くが、味つけ飯では、 この際に5分間延長する。


138.通常の米は、米粒の表面のぬかを洗い落とさなければならず、洗い方が不十分な場合、炊き上がった飯の味と保存性が低下する。水を使わない調理の場合、肉類にかぎらず、魚や野菜類も無機質(ミネラル)の量に変化はない。


139.米を加熱したあと蒸らすのは、余熱によってでんぷんの糊化を促進するためである。加熱したあと消火したときには、 β デンプンの糊化が完全ではない。このため、余熱で蒸らして、 でんぶんの糊化を促進する。


140・小麦粉のうち、中力粉は、 うどんやそうめんに用いられる。グルテン量の多い強力粉は、パン、中華麺、パスタ類に用いられる。


141.小麦粉に水、砂糖を加えて練り上げると、弾力性や粘りが減少するが、安定感が増す。食塩を加えて練り上げると弾力性や粘りが増加し、 こしが強くなる。


142.小麦粉に水や食塩などを加えて練り上げたものはドウといい、バン生地や麺生地、パイ生地などが該当する。


143.バッターは、 ドウの水分が多くなり、流動性をもったものをいい、ケーキ、 クレープなどの生地が該当する。


144.じゃがいもは加熱しすぎると細胞内に含まれているでんぷんが表面に出てくるため、粘りが生じ味が悪くなる。中心部と表面のゆで上がり時間の差をできるだけ短くし、加熱しすぎないようにするため、水から入れてゆでる。


145.さといものぬめりは、煮るときに調味料の浸透を妨げるため、下処理の段階で塩でもんでぬめりを取るか、塩ゆでしたあと水洗いしておく。


146.さつまいもを切ったあと水に漬け、0.5%のみょうばん水でゆでると煮崩れを防ぐことができる。みょうばん水でゆでると、 さつまいもだけでなく、 くりやゆり根の煮崩れを防ぐことができる。


147.やまのいもに含まれているアミラーセは、でんぶん分解酵素の一種である。すりおろすことでアミラーゼのはたらきが増し、やまのいもに含まれているでんぷんの消化吸収がよくなる。


148.さつまいもは、 ゆっくりと加熱することでアミラーゼのはたらきが増し、甘味が強くなる。このため、電子レンジなどによる急速加熱より、蒸し物や石焼きのような長時間加熱のほうが適している。


149.クロロフィルは、ほうれんそう、パセリ、小松菜、サラダ菜などの緑黄色野菜に多く含まれる脂溶性の色素である。


150.緑黄色野菜に含まれるクロロフィルは、酸に弱いため、酢やしょうゆ、みそなどで調理する場合には、加熱時間を短くする、食べる直前に調理するなどの配慮が必要である。時間が経つと、色が悪くなる。


151.淡色野菜に含まれるビタミンCや無機質(ミネラル)は加熱による損失が大きい栄養素のため、生で食べられるものは、できるだけおろしたり、サラダや漬物などで食べるようにするとよい。


152.豆類は、 その成分や性質によって大きく3つに分けられるが、 グリンピースやえだ豆、 きぬさやなどは、野菜同様に使用するものに分類される。


153.だいずは豆の組織が硬いため、 加工するとよい。煮豆、豆腐、納豆、 しょうゆ、みそなどに加工すると、消化吸収率がよくなる。


154.あずきは長時間水につけると表皮が破れやすくなる。表皮が破れることを胴割れ(胴切れ)という。


155.あずきの主成分は、炭水化物とたんぱく質である。
炭水化物とたんぱく質を主成分にする豆類には、あずき、いんげん、えんどう豆などがある。だいずや落花生は、たんぱく質と脂質を主成分とする豆類である。


156.豚肉の場合には、寄生虫を死減させるため中心部までしっかりと火を通さなければならない。


157.肉類は死後硬直の間は肉が硬くなり、味も悪くなるので、食肉処理後に熟成期間をおく。熟成期間とは、食肉処理後、死後硬直が終了して肉が再びやわらかくなり味もよくなる期間をいう。牛肉が1~2週間、豚肉が3~5日、鶏肉が半日~1日である。


158.肉類は加熱することで肉汁が外に出てうま味が失われるが、表面をある程度焦がすことで、香りと味がよくなる。


159.肉類に含まれているたんぱく質の熱による凝固は、44~45℃で始まり、65~70℃で終了する。


160.肉類を加熱すると色が褐色に変化するのは、肉に含まれているミオグロビンが変化するためである。ヘモグロビンは、血液中に含まれている。


161.魚類の死後硬直の期間は、肉類に比べると短く、熟成も早くなる。また、小魚や普通の大きさの魚は死後硬直中でもおいしく食べることができる。


162.魚を焼く場合には、 強火の遠火で焼くとよい。魚を焼く場合は、強火の遠火で放射熱のはたらきを使って、均―に温度が上昇するようにしなければならない。弱火で焼くと、内部まで火が通るのに時間がかかり、外側は焦げ、内部はたんばく質が収縮して身が硬くなってしまう。


163.生の魚に熱湯をかけたりくぐらせたあと水で冷やすことを霜降りという。


164.あらいとは、生の魚を薄切りにし、氷水で冷やして身をひきしめることをいう。


165.魚を煮る場合には、沸騰した煮汁に入れて表面をすばやく凝固させ、 うま味が外に溶け出さないようにする。


166.半熟卵は、70℃前後の湯で15分間加熱してつくる。100℃の湯で10~12分間加熱すると、完熟卵ができ上がる。


167.温泉卵とは、卵黄と卵自の凝固温度の差を利用したもので、卵白はやわらかい状態で、卵黄は半熟状態になったものをいう。卵のたんぱく質は、卵黄が65℃くらい、卵白が70℃くらいから固まりはじめる。温泉卵は、70℃前後の湯に20分~30分漬けてつくる。


168.卵白に含まれている硫化水素と、卵黄に含まれている鉄分が化合して硫化鉄をつくるため、青黒く変色する。卵が古い場合や、新鮮でも加熱 しすぎたり、すぐに急冷しなかった場合にも青黒く変色することがある。


169.茶碗蒸しなど卵を蒸す調理の場合、卵液の濃度が濃いほど低温で固まる。茶碗蒸し、卵豆腐、 カスタードプディングなど卵を蒸す調理の場合、卵液の濃度が濃いほど低温で固まり、薄いほど凝固温度は高くなる。


170.卵白は、温度が高いほうが泡立ちやすくなる。しかし、泡が不安定でつやも悪くなるため、30℃以下の温度で泡立てるようにする。


171.卵白には、濃厚な部分と水様の部分とがあり、泡立ちやすいのは水様部分である。鮮度のよい卵には濃厚な部分が多く含まれているため、鮮度がよすぎると泡立ちにくくなる。


172.マヨネーズに含まれている油の粒子と水分との関係は、水中油滴型である。


173.マヨネーズや生クリームなどのように水分の中に油の粒子が分散している状態を、水中油滴型という。バターやマーガリンは油の中に水分が分散している状態で、油中水滴型である。


174.牛乳に含まれているカゼイン粒子には、いろいろな物質を吸着する力がある。
牛乳に含まれている脂肪球やカセイン粒子(コロイド)には、いろいろな物質を吸着する力があるため、調理前の肉や魚を漬けておくと臭みが抜ける。


175.牛乳は60~65℃以上で加熱すると表面に膜ができるが、これには栄養素が含まれているため、取り除くと栄養素を失うことになる。しかし、膜が残っていると舌ざわりが悪くなるため、加熱温度に注意し、かき混ぜたりしながら膜ができるのを防ぐとよい。


176.学校給食は、学童の体位の向上と健康の増進を図るとともに食生活に関する知識を与え、 その重要性を教えることを目的としている。


177.学校給食については、「学校給食法」に規定されている。学校給食の献立作成には専任の栄養士があたる。


178.産業給食では、職種や身体活動レベルを考慮した献立作成が必要である。
産業給食では職種によって消費エネルギーなどが異なるため、職種や身体活動レベルにあわせた献立を作成し、食事を提供することが必要である。


179.大規模調理で、大量の揚げ物を一度に行うときには、 フライヤーが用いられる。
大規模調理で用いられるフライヤーは、油の温度を常に適温に保つことができ、大量の揚げ物を短時間で行うことができる。


180.集団調理の献立は、必要な食事摂取基準を満たしているかどうかを考慮に入れて作成する。集団調理の献立の作成では、食事摂取基準を満たすことのほか、嗜好を尊重すること、経済的であること、能率的であることなどを考慮する。







4.栄養学2


1.5大栄養素のうち、無機質(ミネラル)を除いた4つの栄養素は有機化合物である。
食物のうち固形物は有機化合物と無機化合物とに分けられ、 5大栄養素では炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミンは有機化合物、無機質(ミネラル)は無機化合物に分類される。


2.タンパク質は、活動エネルギーを生み出し体温を保つ熱量素であるとともに、体の組織を作り成長を促す構成要素でもある。


3.無機質(ミネラル)とビタミン調整素は、体の機能を調整する栄養素である。


4.水は、人体を構成する成分のうち最も多くを占める。体内での栄養素の運搬や消化・吸収、排泄、浸透圧の調節、体温の調節など大切な割を担っている。


5.栄養素の働きをすべて満たすためには、いろいろな食品を組み合わせて、バランスのとれた食事をとることが必要である。


6.人体を構成する成分のうち脂質は個人差が大きく、一般的には男性より女性の方が多い。人体を構成する成分のうち脂質の割合は16%以上とされている。女性の場合平均値は約30%とされている。


7.人体を構成する元素で最も多いものは酸素である。酸素は約65%で最も多い。次いで炭素、水素、窒素、カルシウム、リンの順である。このほか、数多くの元素が含まれている。


8.基礎代謝とは体温の維持や呼吸など、生命の維持に必要な最小限のエネルギーをいう。概ね、空腹時に20度の快適な室温で静かに横になり、目覚めている状態のエネルギー代謝量である。


9.基礎代謝量は、年齢や性別、体格などいろいろな条件によって変化する。
基礎代謝量は、年齢が低くなるほど多くなる、女性より男性の方が多い、筋肉質である人の方が多いなど年齢や性別、体格などによって変化する。


10.推定エネルギー必要量とは、エネルギー出納が0(ゼロ)となる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日当たりのエネルギー摂取量を示したものである。


11.推定エネルギー必要量は、1日の基礎代謝量に身体活動エネルギーを掛けて算出する。エネルギー出納とは(成人の場合)エネルギー摂取量からエネルギー消費量をマイナスしたものをいう。


12.日本人の食事摂取基準では、健康障害をもたらす危険がないと見なされる習慣的な上限を与える量として耐容上限量を示している。


13.日本人の食事摂取基準では、各種栄養素について推定平均必要量、推奨量、目安量、耐容上限量、目標量の5つが示されている。


14.日常の生活活動の内容を3段階に区分した身体活動レベルでは、生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合は、身体活動レベルⅠとなる。身体活動レベルは低い(Ⅰ)、普通(Ⅱ)、高い(Ⅲ)の3段階に区別される。


15.炭水化物は単糖類、少糖類、多糖類に分類され、ブドウ糖は単糖類に含まれる。
ブドウ糖、果糖、ガラクトース、マンノースは単糖類、ショ糖麦芽糖、乳糖は少糖類(二糖類)、でんぷん、グリコーゲン、セルロース、マンナン、ペクチン、ガラクタン、イヌリン、アルギン酸は多糖類に分類される。


16.乳糖は、脳や神経系の成分として、発育が盛んな乳児期には大切なエネルギー源である。人乳には約7.2%、牛乳には約4.5%と、人乳には牛乳より多く含まれている。


17.炭水化物のうち糖質を分解する際には、ビタミンB1が大量に使われる。ビタミンB1を多く含んだ食品を献立に取り入れることが必要である。


18.でんぷんは、穀類やイモ類に多く含まれている多糖類である。アミロースとアミロペクチンからなるが、その割合は食品によって異なっている。


19.炭水化物のうち繊維は、人間の体内では消化・吸収されない。
true
繊維は、一般的に食物繊維とよばれ、体内では消化・吸収されないが、便秘の予防、血中コレステロールの低下などに効果があるとされている。


20.マンノースは単糖類の1種で、ブドウ糖と結びついてこんにゃくの主成分になる。多糖類のマンナンの構成成分である。


21.脂質の成分のうちステロールにはコレステロールとエルゴステロールがあり、植物油に含まれているエルゴステロールにはコレステロールの吸収を抑える作用がある。


22.主に動物性油脂に含まれるステーロールをコレステロールといい、細胞膜や副腎皮質ホルモン、胆汁酸などの成分であるが、体内で過剰になると動脈硬化や高血圧、心疾患などの原因になる。植物油に含まれるエルゴステロにはコレステロールの吸収を抑える作用がある。


23.必須脂肪酸とは、不飽和脂肪酸のうちリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸の3つをいう。リノール酸とリノレン酸は植物用に多く含まれ、アラキドン酸は、魚油 、レバー、卵など動物性油脂に多く含まれている。


24.必須脂肪酸が欠乏すると、成長の停止、脱毛、皮膚炎などの症状が起こる。


25.消化吸収率が最も高い栄養素は糖質で、約99%である。たんぱく質は80~90%、脂質は75~85%である。


26.脂質は、1g当たり9kcalのエネルギーを発生させる。脂質は、糖質やたんぱく質が1g当たり4kcalのエネルギーを発生させるのに比、 2倍以上のエネルギーを発生させる。また体内で代謝される際にビタミンB1を必要としないため、ビタミンB1の消費量を節約できる。


27.「日本人の食事摂取基準」における脂質の目標量は、脂質、飽和脂肪酸、n-6脂肪酸、n-3脂肪酸、コレステロールについて示されている。


28.n-6系脂肪酸は、リノール酸、γーリノレン酸、アラキドン酸など、n-3系脂肪酸は、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などである。


29.タンパク質には、炭素や水素、 酸素のほかに窒素が含まれている。窒素が含まれているのがたんぱく質の特徴で、窒素の割合は約16%である。人体を構成している成分としては、水分、脂質を除くと残りのほとんどがたんぱく質である。


30.必須アミノ酸とは、体内で合成できないか、作られる量が少ないため、食品からとらなければならないアミノ酸を言う。トリプトファン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、バリン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、スレオニンの9種類を一般的に必須アミノ酸と言う。


31.タンパク質のうち、アミノ酸だけで構成されているものを単純タンパク質といい、単純タンパク質にはアルブミンやグロブリン、グルテリンなどがある。


32.ペプトンは、もとになるタンパク質が熱や酸、アルカリなどの作用で変化した誘導タンパク質の1種類である。


33.穀物にもタンパク質は含まれているが、 リジン、スレオニン、トリプトファンなどの必須アミノ酸が不足しがちである。


34.1日あたりのタンパク質摂取量のうち、 40%程度を動物性タンパク質である。植物性タンパク質を多めに摂取することが望ましい。


35.必須アミノ酸は、植物性食品にも含まれているが、動物性食品の方が含有量が多く、栄養価が優れているとされている。植物性食品では大豆や大豆の加工食品にリジンが比較的多く含まれている。


36.カルシウムは、人体では 99%が骨や歯に含まれ、残りは血液、筋肉、神経などに組まれている。カルシウムが欠乏すると骨粗しょう症や、骨や歯がもろくなるなどの症状が現れる。


37.ヨウ素は、体内では甲状腺ホルモンの成分として含まれ、主な供給源は海草である。欠乏すると甲状腺腫、甲状腺肥大や肥満、発育不良などを起こす。


38.ナトリウムは、体内では血液や筋肉、臓器などの細胞外液として体液に含まれている。細胞内液に含まれているカリウムとで細胞内外の浸透圧を調節している。


39.鉄はタンパク質と結合してヘモグロビンを作り、酸素を体内に運搬する働きがある。
体内では血液中のヘモグロビンに70%が含まれている。鉄が欠乏すると貧血になったり、疲れやすくなったりする。


40.リンは、カルシウムの吸収に必要で、カルシウムとリンの比率が1:1~1:1.5のときが最も利用率がよいとされている。リンは、体内では80%が骨と歯に含まれている。


41.亜鉛が体内で欠乏すると、皮膚や味覚に障害が現れる。


42.銅が欠乏した場合には、貧血が現れたり、骨折や骨変形を起こしやすくなる。


43.ビタミンCは、熱や酸素、アルカリに弱いビタミンである。


44.ビタミンB12、ビタミンD、パントテン酸は、酸に弱いビタミンである。


45.ビタミンは、ほとんどを食品から摂取しなければならないが、体内で合成されるものもある。プロビタミンAのカロテンは、体内でビタミンAに、プロビタミンDのエルゴステロールは、ビタミンDに変化する。


46.ビタミンは、調理や加工による熱や酸、アルカリ、酸素、光などの影響を受けやすく、損失しやすい。脂溶性ビタミンより水溶性ビタミンのほうが、より大きな影響を受けるといえる。


47.ビタミンDには、小腸内でのカルシウムとリンの吸収を促進する作用がある。


48.ビタミンAは、皮膚や粘膜、視力を保つはたらきや成長促進、抗がん作用がある。


49.ビタミンKが欠乏すると、血液凝固に時間がかかるようになる。ビタミンKは、血液凝固に必要なプロトロンビンが肝臓で生成されるときに必要なため、欠乏すると血液凝固に時間がかかるようになる。


50.ビタミンは、エネルギーを発生させたり、体の組織のもとになることはない。しかし、体の機能を調整する重要な栄養素である。


51.妊娠初期の人に葉酸が欠乏すると、胎児が神経管閉鎖障害を発症するリスクが高いとされている。


52.ビタミンB2が欠乏すると、口唇炎、口角炎、発育不良が現れる。


53.ビタミンB1が欠乏すると、脚気、神経炎、浮腫、心臓肥大が現れる。


54.ペラグラは、ナイアシンが欠乏することで起きる皮膚炎の一種である。ナイアシンは炭水化物の代謝に関係し、欠乏するとペラグラのほか、口舌炎、胃腸病、皮膚炎、神経症状が現れる。


55.ストレスや喫煙を原因として、血液中のビタミンCの量は低下するとされている。ビタミンCが欠乏すると、壊血病、皮下出血、貧血、成長不良、骨形成不全が現れる。


56.レバーには、水溶性ビタミンのうち、ビタミンCを除くビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンが含まれている。


57.脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、Kの4つである。


58.膵臓のランゲルハンス島から分泌され血糖値を下げるのは、インスリンである。


59.グルカゴンには、血糖値を上げる作用がある。


60.アドレナリンは副腎髄質から分泌され、血圧を上げるはたらきがある。


61.脳下垂体からは成長ホルモンが分泌され、欠乏すると成長ホルモン分泌不全低身長症が現れる。成長ホルモンは、成長、生殖機能の調節、たんぱく質の合成と脂肪の燃焼に関係している。過剰になると、巨人症や先端肥大症が現れる。


62.消化とは、口から取り込まれた食物が消化器官で分解され、吸収されやすい形になることをいう。


63.消化器は、消化器官(口腔・咽頭・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)と付属消化器官(唾液腺・膵臓・肝臓)をあせていう。


64.口から取り込んだ食物は小腸で90%が吸収され、残りのほとんどが大腸で吸収される。食物の小腸での吸収が終わるまでには、食後約9時間かかる。吸収されずに残ったものは、食後約24時間で排出される。


65.でんぷんは、だ液に含まれているプチアリンや、膵液に含まれているアミロプシンによって麦芽糖に分解される。


66.糖質は、最終的にブドウ糖などの単糖類に分解され、小腸で吸収される。


67.大腸で吸収されるのは、無機質(ミネラル)の一部と水分のほとんどである。


68.胆汁は、十二指腸で脂質を乳化する。胆汁には消化酵素が含まれないが、十二指腸に分泌されて脂肪を乳化し、膵液リパーゼのはたらいを助ける作用がある。


69.たんぱく質は、消化酵素によってアミノ酸に分解された後、小腸で吸収される。


70.たんぱく質は、胃液のペプシン、膵液のトリプシン、腸液のエレプシンなどによって胃・十二指腸・小腸でアミノ酸に分解され、小腸で吸収される。


71.ビタミンや無機質(ミネラル)は、分解されずに水分や脂質に溶け込み吸収される。
無機質(ミネラル)のうちカルシウムと鉄は小腸で、そのほかは大腸で吸収される。また、ビタミンは、水溶性のものの一部は胃で、脂溶性のものは小腸で吸収される。


72.脂質は、体内に入ると消化酵素によって脂肪酸とグリセリンに分解され小腸で吸収され、必要な分はエネルギーとして利用されるが、残りは肝臓や皮下脂肪に貯蔵される。


73.「国民健康・栄養調査」によると、2009(平成21)年で1日当たりの食塩摂取量は全国平均で10.3gである。ここ数年、横ばい傾向であるといえる。


74.「国民健康・栄養調査」では、国民の栄養素摂取量、食物摂取量の実態のほか、運動、喫煙、飲酒習慣などの生活習慣についても調査が行われている。


75.厚生労働省により10項目の「食生活指針」が示されている。10項目の「食生活指針」により、望ましい食生活のあり方が示されている。


76.「食事バランスガイド」は、国民一人ひとりがバランスのとれた食生活の実現を図れるよう、食事の望ましい組み合わせと量を示したものである。厚生労働省と農林水産省が「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるものとして、1日に「何を」「どれくらい」食べたらよいかをイラストでわかりやすく示したものである。


77.「食事バランスガイド」では、1日の総エネルギーは、成人を対象として2,200±200kcalを想定している。


78.「食事バランスガイド」では、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つの区分が示されている。


79.「日本人の食事摂取基準」では、身体活動レベルⅡの妊婦の場合、妊娠末期の推定エネルギー必要量の付加量は450kcalとされている。


80.妊婦の推定エネルギー必要量の付加量は初期で50kcal、中期で250kcal、末期で450kcalとされている。授乳婦の場合は、350kcalである。


81.妊娠期には、ホルモンの作用で体内にナトリウムがたまりやすくなり、妊娠高血圧症候群にかかりやすくなる。


82.妊娠期には、胎児の発育に欠かせない良質なたんぱく質やカウシウム、ビタミンB2を十分にとるようにする。牛乳や魚、肉などを欠かさないようにし、体調を整えるために緑黄色野菜や淡色野菜、果物、海藻などからビタミンや無機質(ミネラル)を摂取するようにする。


83.母乳は栄養成分の組成が理想的であり、母乳で育てると乳児のアレルギーが少なくなる。母乳の長所として、乳児のアレルギーが少ないことのほか、免疫物質が多く含まれているため抵抗力が多くなる。


84.離乳食の開始は生後5~6ヶ月ごろとされ、なめらかにすりつぶした状態のつぶし粥などから与えるようにする。「乳児・離乳の支援ガイド」によって、離乳の開始に与えるものは、従来のどろどろ状の半流動食からなめらかにつぶした状態のものに変更された。


85.離乳食を進めていく過程で生後9ヶ月以降は鉄分が不足しやすいので、離乳食に赤身の魚や肉、レバーを取り入れるなどして工夫するなどが「授乳・離乳の支援ガイド」で示されている。


85.学童期は乳児期に続いて成長が著しく、骨や筋肉の発達もさかんな時期である。偏食のない規則正しい食生活お習慣をつけることが大切である。


86.学童期には、カルシウムをとくに牛乳や乳製品から多く摂取するようにする。カルシウムのほかにも必須アミノ酸を豊富に含む動物性たんぱく質、鉄分、脂質などを多くとる。


87.思春期には、カルシウム、ビタミン、鉄を学童期より多く取る。身長・体重の増加が著しく、活動量も増加する。


88.老年期になると、胃液や胃酸、膵液、酵素などの分泌量が低下することで、消化吸収能力が低下する。


89.高齢者は、消化能力は低下するが、たんぱく質の代謝能力は低下しない。たんぱく質が不足しないように摂取することが必要である。


90.高齢者は、カルシウムの消化吸収率や体内での利用率が低下するため、体重が減少しても成人と同様にカルシウムを摂取することが必要である。カルシウムを摂取するために吸収率のよい牛乳などを十分に摂取する。


91.糖尿病の場合、1日の総エネルギー量を決め、少量ずつ3食等分に摂取することが大切である。一度に大量の食物を摂取すると、急に血糖値が上がるので、少量ずつ3食等分に摂取する。


92.糖尿病食では, たんぱく質、脂質、炭水化物をバランスよくとることが大切である。また,砂糖類や動物性食品に偏らないようにし,無機質(ミネラル)やビタミンを十分にとることが大切である。


93.BMI(体格指数)では、男女ともBMI(体格指数)22を健康上理想的な数値とし、25以上を肥満としている。


94.慢性肝炎の食事療法は、低たんぱくに制限する必要はない。症状に応じ良質たんぱく、高ビタミン、高無機質の食事が必要である。


95.心臓病では、浮腫のある場合医師に指示された塩分量に制限する。水分のとり過ぎにも注意する。


96.高血圧の治療のためには塩分の制限が重要であり、高血圧治療ガイドラインでは1日6g未満とすることが勧められてい


97.脂質異常症(高脂血症)は、血液中の中性脂肪(トリグリセライド)・LDLコレステロールが基準値より多い状態、HDLコレステロールが基準値より少ない状態である。


98.急性腎炎、慢性腎炎ともに塩分の制限が行われる。塩分は浮腫の原因となるため、急性腎炎・慢性腎炎ともに塩分の制限が行われる。また、急性腎炎ではエネルギー量が不足しないように注意しながら水分、たんぱく質の制限も行われる。慢性腎炎ではカリウムを制限し、良質なたんぱく質を摂取するようにする。


99.ネフローゼ症候群とは、血液中のたんぱく質が大量に尿中に排泄されるために体内のたんぱく質が減少してしまう疾患である。細胞内の体液のバランスが崩れ浮腫が起こる。


100.骨粗髪症は、閉経後の女性や高齢者にみられる疾患で、男性や若い女性にもみられる疾患である。若い女性の場合、無理なダイエットを行った場合などに起こりやすい。


101.痛風は、血液中に尿酸がたまり、 それが関節の中で結晶となって刺激するために痛みが起きる疾患で、男性に多くみられる疾患であるが、女性にもみられる。





5.食品衛生学


1.「調理師法」は法律のひとつであり、国会の議決によって制定されたものである。
法律は、わが国の法規の中で憲法の次に位置するものである。憲法以下、法律、政令、省令、告示、条例、規則という順位となり、下位の法は上位の法に反することはできない。


2.衛生法規は、「日本国憲法」第25条の理念を基盤としている。
「日本国憲法」第25条では生存権の保障を示し、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、また、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定している。


3.「調理師法施行規則」は省令のため、厚生労働大臣が制定する。内閣が制定するのは、政令である。


4.条例は地方公共団体議会が制定するものである。制定された都道府県、市町村の区域内でしか効力をもたない。


5.「調理師法」は、一般衛生法規(保健衛生法規)のうちの公衆衛生関係法規に含まれている。労働衛生法規とは、「労働基準法」や「労働安全衛生法」をいう。


6.「廃棄物処理法」は、環境省などが所管する環境保全関係法規に含まれている。環境保全関係法規には、「廃棄物処理法」のほか「環境基本法」、「大気汚染防止法」、「下水道法」などが含まれている。


7.調理師を名乗るためには、調理師試験に合格し所定の免許取得手続きをして、調理師名簿に登録されなければならない。


8.調理師法第8条において調理師でない者が調理師の名称を使用することが禁じられている。また、同法第11条において、調理師でない者が調理師の名称を用いた場合には、30万円以下の罰金に処することが規定されている。


9.調理師免許は、厚生労働大臣が指定した養成施設を修了するか、 2年以上の調理実務を経験したあと調理師試験に合格し、免許申請を行い、調理師名簿に登録されることで取得できる。


10.調理師免許の申請は、申請書に厚生労働省令に定める書類を添えて住所地の都道府県知事に対して行う。


11.外国人が免許の申請を行う場合には、戸籍謄本・抄本の代わりに、外国人登録証の写しを提出し、本籍地の代わりに国籍を登録する。


12.都道府県知事は、調理師免許を所持している者が麻薬あへん大麻覚せい剤の中毒者になった場合、罰金以上の刑に処せられた場合、 その者の責任における調理業務に関して、食中毒その他衛生上重大な事故を発生させた場合に免許を取り消すことができる。


13.住所地は登録内容ではないため、住所変更の申請は必要ない。本籍地など調理師名簿の登録事項に変更があった場合には、免許を与えた都道府県知事に対して変更申請を行う。


14.調理業務に就業している者は、2年ごとに届出を行う義務がある。免許を所持しているだけの場合には必要ない。


15.免許証の書き換え交付を申請する場合には、申請書に古い免許証を添えて、免許を与えた都道府県知事に提出する。調理師免許証に記載されている事項(本籍地や氏名など)が変わった場合には、免許証の書き換え交付を申請することができる。


16.調理師免許の取消処分を受けた場合には、 5日以内に免許を与えた都道府県知事に免許証を返納しなければならない。


17.調理師名簿の登録事項に変更が生じた場合には、30日以内に免許を与えた都道府県知事に対して名簿の訂正を申請しなければならない。調理師名簿の登録事項とは、本籍地の都道府県名(外国人は国籍)、氏名、年齢、性別などで、氏名、本籍地(国籍)などに変更が生じた場合には訂正の申請が必要になる。


18.調理師本人が死亡した場合には、30日以内に同居の親族やその他の同居者などの届出義務者が、名簿登録の消除申請を行わなければならない。


19.「食品衛生法」でいう食品とは、医薬品と医薬部外品を除いたすべての飲食物をいう。「食品衛生法」第4条で定義されている用語には、食品のほか、添加物、天然香料、器具、容器包装、食品衛生、営業、営業者、登録検査機関などがある。


20.「食品衛生法」の目的には「公衆衛生の見地から」という規定が含まれている。このため、一般家庭の食品の衛生対策は同法の対象ではない。


21.健康に害がないという確証のない食品について、食品衛生上の危害の発生を防止する必要がある場合、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いたうえで、厚生労働大臣は販売を禁止できる。


22.添加物に規格・基準に適合しないものがあった場合、都道府県知事は、製造・加工業者に対して検査を受けることを命令することができる。
「食品衛生法」第26条で、都道府県知事は、食品・添加物・器具容器包装に規格基準に適合しないものを発見した場合には、製造・加工業者に対して検査を受けることを命令することができると規定されている。


23.食品衛生検査施設の設置は、国、都道府県、保健所を設置する市、特別区に義務づけられている。


24.都道府県知事は、許可する際に必要に応じて、許可に5年を下らない有効期間を設ける、営業品目の取扱いを制限するなどの一定の条件をつけることができる。


25.「食品衛生法」の目的に食品の安全性の確保が加えられたことを受けて、「食品安全基本法」が制定された。2003(平成15)年に「食品安全基本法」が制定されたことにともなって、「食品衛生法」の目的に食品の安全性の確保や国民の健康の保護が加えられた。


26.「食品安全基本法」の対象食品は、医薬品、医薬部外品を除いたすべての飲食物であり、輸入食品も含む。「食品安全基本法」制定の背景には、大量食中毒の発生や輸入野菜の違法残留農薬、無登録農薬の使用、BSE(牛海綿状脳症)問題などの問題がある。


27.食品関連事業者とは、食品を製造する事業者だけでなく、食品の安全性に影響を及ぼす可能性がある事業者や調理師まで含んでいる。


28.国や地方公共団体、食品関連事業者は、食品の安全性確保のためには、生産から販売までのすべての段階で必要な措置をとらなければならないと規定されている。HACCP(ハサップ)も含まれている。


29.食品安全委員会は、「食品安全基本法」に基づいて内閣府に設置されている。


30.微生物やウイルス、 プリオンなどに関する評価を行うのは、食品安全委員会の専門調査会評価チームの生物系評価グループである。食品安全委員会は委員、専門調査会、事務局で構成されている。評価チームは専門調査会に属し、化学物質系、生物系、新食品等の評価グループに分かれている。


31.「健康増進法」の目的には、国民の栄養の改善についても含まれている。「健康増進法」では、「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、 もって国民保健の向上を図ることを目的とする」としている。


32.「国民健康・栄養調査」の執行に関する事務は、都道府県知事、保健所を設置する市または特別区の市長または区長が行うとされている。


33.「国民健康・栄養調査」の調査員は、医師や管理栄養士、保健師などから任命される。「国民健康・栄養調査」の調査員は、都道府県、保健所を設置する市、特別区に置かれ、医師や管理栄養士、保健師などから都道府県知事が任命する。


34.市町村では、住民の健康増進を図るために、住民からの栄養の改善、 その他の生活習慣の改善に関する相談に応じ、 また、必要な栄養指導や保健指導、それに付随する業務を行う。相談にあたるのは、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、管理栄養士、栄養士、歯科衛生士などである。


35.「健康増進法」では、学校、病院、飲食店などを管理する者は、受動喫煙を防止するために必要な措置を講じるよう努めなければならないと規定している。


36.特別用途食品には、内閣総理大臣の許可が必要である。許可された食品には、特別用途食品であることを示すマークや、 どのような用途に適しているのかを表示しなければならない。


37.「地域保健法」では、地域保健対策を推進するための基本指針を定めることが規定されている。地域保健対策を推進するための基本指針、基本的事項を定めることや、地域保健対策に関する法律による対策が、地域におぃて総合的に推進されるようにすることが規定されている。


38.保健所は、交通事情やほかの官公署との関係、公衆衛生の状態、人口の分布状態によって設置される。2010(平成22)年4月現在、全国に494の保健所がある。


39.保健所の業務を行うために必要な職員は、都道府県知事、保健所を設置する市の市長、特別区の区長が置くこととされている。


40.保健所の所長は、原則として医師でなければならない。保健所の所長は、原則として医師でなければならないが、医師をあてることが著しく困難であることを地方公共団体の長が認めた場合には、原則として2年以内にかぎって一定の条件を満たした技術吏員を所長にあてることができる。


41.地方公共団体の保健所の施設や設備に必要な経費は、全部または一部を国が補助することができるとされている。


42.市町村保健センターは、保健所よりもさらに身近な住民の健康づくりのための拠点として母子保健事業、一般的な健康相談や保健指導、予防接種、定期検診などを行うもので、市町村が設置することができるとされている。


43.「感染症法」において、結核は二類感染症に指定されている。2006(平成18)年の「感染症法」の改正にともなって「結核予防法」が廃止され、結核は、「感染症法」に基づく感染症となった。


44.一類、二類、新型インフルエンザ等感染症については、72時間を限度とする感染症指定医療機関への入院勧告や、強制入院の措置がとられるが、三類感染症については、入院勧告、強制入院の措置はとられない。


45.学校長は、児童・生徒に対して結核についての定期健康診断を行わなければならない。
結核に対する固有の施策として、学校長は児童・生徒に対して、期日または期間を指定して定期健康診断を実施しなければならない。


46.インフルエンザは、「予防接種法」の定期二類疾病に指定され、高齢者を対象として定期予防接種が実施されている。


47.労働者の衛生対策の基本を定めているのは、「労働安全衛生法」である。「労働基準法」は、労働条件の基準を定めることにより、労働者の生活安定を図ることを目的とした法律である。


48.「廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)」に基づいて、都道府県および保健所を設置する市、特別区に環境衛生指導員が置かれる。「廃棄物処理法」は、廃棄物を適正に処理し、生活環境を清潔にすることによって、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律である。同法の施行のために環境衛生指導員が置かれる。



6.調理理論


1.食品衛生行政を進めている国の機関は、厚生労働省である。厚生労働省内に医薬食品局があり、その中の食品安全部が行政を担当している。


2.薬事・食品衛生審議会は、厚生労働大臣の諮問機関として、食品添加物の指定など食品衛生の重要事項を検討する。


3.国の食品衛生監視員は、厚生労働省に配置されるほか、 日本中の港湾や空港で、輸入食品の検査や監視にあたっている。


4.乳製品の製造・加工する事業所には、「食品衛生法」によって専任の食品衛生管理者を置くことが義務付けられている。乳製品のほか、食肉製品、魚肉製品、食用油脂、マーガリン、添加物などを製造・加工する際に、とくに衛生上の考慮を必要とする事業所に義務づけられている。


5.食品衛生管理者は、「食品衛生法」によって資格が定められており、医師や歯科医師、薬剤師、獣医師のほか、食品衛生管理者養成施設を修了した者など、高度な専門知識をもった者でなければなることができない。


6.飲食店や販売店などで衛生上の管理・監督を行う者を、食品衛生責任者という。食品衛生責任者は、飲食店や販売店など営業施設で衛生上の管理・監督を行う。食品衛生に関する知識をもち、従業員に対して衛生上の教育や管理を行わなければならない。


7.病原微生物とは、微生物のうち人間の体内に入ると食中毒や病気の原因になるものをいう。微生物には、食品を発酵させるが人体には無害な食用微生物、人体に有害な病原微生物がある。このほか、微生物には、食品を腐敗させ、品質を低下させるはたらきなどがある。


8.病原微生物は、真菌(かび)類、細菌、 リケッチア、 ウイルス、スピロヘータ、原虫類の6種類に分類される。


9.真菌(かび)類がつくるかび毒のことを、マイコトキシンという。かび毒は、 マイコトキシンとよばれる。かび毒の中には、アフラトキシンのように強い発がん性をもつものもある。


10.細菌のうち球菌類は、肺炎や敗血症の原因となる。球菌類には単球菌、双球菌、連鎖球菌、 ブドウ球菌があり、肺炎や敗血症、黄色ブドウ球菌食中毒などの原因となる。


11.かびがつくる物質のうち、抗菌性があり人体に毒性の少ないものは、抗生物質として医療に役立てられている。


12.病原微生物増殖の三大条件は、水分、適度な温度、栄養素である。これらは増殖の条件であって、生存の条件ではないので、すべてがそろわなくても生存することができる。


13.水分活性が0.60以下になると、あらゆる微生物が繁殖することができない。水分が多いほど微生物は増殖しやすく、水分活性0.800~0.999が増殖に最適である。


14.微生物には、高温菌、中温菌、低温菌があり、-5℃の低温や70℃以上の高温であっても増殖するものもある。


15.酸素がなければ増殖できない微生物を偏性好気性菌といい、 かびなどが属する。


16.病原微生物によっては、酸素の有無が増殖に関係するものもあり、増殖に酸素が必要かどうかで偏性好気性菌、微好気性菌、通性嫌気性菌、偏性嫌気性菌に分類される。


17.病原微生物が増殖しやすい水素イオン濃度(pH)は、一般的には中性から弱アルカリ性である。ただし、真菌(かび)類の中には、かなり強い酸性でも増殖できるものがある。


18.病原微生物が体内に侵入しても、必ず病気を発症するわけではない。病原微生物が体内に侵入すると人体は抗体をつくり、病原微生物と結びついてそのはたらきをなくす。このようなはたらきを免疫という。


19.食中毒とは、人体にとって有害な物質が食物とともに体内に入り、急性の健康障害を起こすことをいう。食中毒は、 その原因物質によって細菌性、 ウイルス性、 自然毒、化学性の4つに分けられる。


20.食中毒では、すぐに症状が現れる場合もあるが、ある程度時間が経過してから症状が現れる場合もある。この期間を潜伏期間という。


21.赤痢や腸チフスは、細菌が食品とともに体内に侵入して発症することは細菌性食中毒と同じであるが、経口感染症とよばれている。


22.2009(平成21)年に起きた食中毒のうち、もっとも多かったのはカンピロバクターを原因とする食中毒である。 カンピロバクター、ノロウイルス、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌の順に多くなっている。近年は、 ノロウイルスの占める割合が増加している。


23.2009年に起きた食中毒の原因施設として最も多かったのは、飲食店である。2009年の統計では、飲食店、家庭、旅館の順に多い。患者数でみると、飲食店、旅館、仕出し屋の順である。


24.O-157による食中毒は1996(平成8)年に多発し、患者数は1万人を超えたが、その後は減少している。


25.サルモネラ属菌食中毒の原因食品は、菌をもった動物の肉や卵、乳、加工食品などである。サルモネラ属菌にはたくさんの種類があるが、サルモネラ属菌食中毒のうち、鶏卵による食中毒の約半数がサルモネラ・エンテリティディスによるとされている。


26.サルモネラ属菌は10℃以下の低温ではほとんど増殖しないため、食品を冷蔵・冷凍保存することが予防法となる。また、60度で30分加熱すると死滅するため、十分に過熱調理することも予防法となる。


27.腸炎ビブリオは分裂速度が非常に速く、至適温度の条件下では、約10分に1回分裂し増殖する。なお、一般的に、細菌の1回の分裂速度は平均して20~30分である。


28.腸炎ビブリオは、海水中に広く存在する細菌のため、塩分がないと生存できない。このため、魚介類を流水でよく水洗いすることは予防法となる。


29.大腸菌は人間の体内にも存在し、 大腸菌が常在している。しかし、 これらの大腸菌に病原性はなく、O-157などのように病原性をもつものが食中毒を引き起こす。


30.ベロ毒素は、腸管出血性大腸菌がつくりだす毒素である。腸管出血性大腸菌は、べ口毒素産生大腸菌ともいい、出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群など重大な合併症を引き起こすことがある。


31.カンピロバクター食中毒は潜伏期間が2~7日とほかの食中毒より比較的長いことが特徴である。原因食品を特定するのが難しい場合が多い。カンピロバクター食中毒は、とくに鶏肉からの感染が多いとされている。


32.カンピロバクターは、酸素が少量のときだけ増殖する微好奇性菌である。食品を十分に加熱する、飲料水は十分殺菌・消毒するなどが予防法である。


33.黄色ブドウ球菌が、エンテロトキシンという毒素を産生する。エンテロトキシンが原因となって食中毒が起きる。ブドウ球菌による食中毒では、潜伏期間が短く、発熱がほとんどないのが特徴である。


34.エンテロトキシンは低温では産生されないが、黄色ブドウ球菌そのものは低温でも増殖が可能である。


35.ボツリヌス菌による食中毒は、細菌性食中毒の中で最も致命率が高い食中毒である。ボツリヌス菌は、酸素がまったくないか、微量のときだけ増殖する偏性嫌気性菌である。


36.ボツリヌス菌食中毒の原因食品として、わが国では、 いずしがあげられる。
いずしとは、塩漬けの魚と飯、野菜などを熟成させたもので、ゎが国ではボッリヌス菌食中毒の原因食品となることが多い。外国では、ハムやソーセージなどの食肉製品が原因食品となることが多い。


37.ウエルシュ菌の芽胞は、熱に強く、加熱しても完全には死減しない。
芽胞とは、細菌の中にできる休眠型の細胞で、高温や乾燥、酸・アルカリなどの薬品にも強く、細菌自体が死滅しても生き残り、条件が整えばまた増殖を始める。


38.セレウス菌食中毒は、炒飯、スープ類など加熱調理した食品を室温に放置した場合に多く発生する。セレウス菌食中毒を予防するには、十分に加熱調理したあと低温保存する、長時間保存した場合には食べる直前に十分に再加熱するなどが必要である。


39.セレウス菌食中毒には下痢型とおう吐型があり、潜伏期間は下痢型が8~16時間、おう吐型が30分~5時間である。


40.ノロウイルスによる食中毒は、二枚貝を食べた場合だけでなく、感染者の便や吐物に触れた手指で食品にさわり、 それを食べること(二次汚染)などからも発生する。潜伏期間は1~3日である。


41.ノロウイルスによる食中毒の主な症状は、腹痛、微熱、下痢、吐き気など風邪に似た症状が現れる。


42.ボツリヌス菌食中毒の症状は、頭痛やめまい、吐き気、視力障害、神経まひなどが現れる。


43.かきによるノロウイルス食中毒を予防するためには、加熱用かきを生では食べない、体調が悪いときには食べない、85℃以上で90秒以上加熱する。


44.ソラニンは、 じゃがいもの芽や貯蔵中に緑色になった部分に含まれている有毒物質である。


45.ムスカリンやアマニタトキシン、 ソラニンは、毒きのこに含まれている有毒物質である。


46.毒きのこによる食中毒は、30分~3時間後に症状が現れるのが一般的である。


47.アミグダリンは、青梅の仁に含まれている有毒物質で青酸化合物である。仁とは、種の殻の中身のことである。


48.ドクゼリに含まれている有毒物質は、チクトキシンである。


49.チョウセンアサガオの種は、ごまと似ているため誤食されることがある。チョウセンアサガオの種には、スコポラミン、ヒヨスチアミンという有毒物質が含まれている。


50.ふぐの卵巣や肝臓には、テトロドトキシンという有毒物質が多く含まれている。ふぐの内臓に含まれているテトロドトキシンは、熱に強く、加熱しても死滅しない。発症した場合には、死亡することもある。


51.あさりやかき、はまぐりなどにはベネルピンという有毒物質が含まれていることがあり、食中毒の原因となる。ベネルピンによる食中毒では、悪寒、おう吐、皮下出血、黄疸などが現れ、死亡する場合もある。


52.アレルギー様食中毒は、化学性食中毒に分類される。アレルギー様食中毒とは、魚(さんま、いわし、さばなど赤身のもの)や肉などが腐敗する際につくられるヒスタミンが原因物質となって起こる食中毒である。化学性食中毒に分類される。


53.食品添加物として使用される着色料の多くはタール色素製剤であるが、使用禁止とされているものもある。使用を禁止されている着色料には、オーラミン、 ローダミン、パターイエロー、 メチレンブルー、マラカイトグリーン、 メチルバイオレットなどがある。


54.保存料のうち、ホルムアルデヒド、ホウ酸、β-ナフトール、フッ素化合物などは使用が禁止されている。


55.ホーローや陶器のうわぐすりに含まれている鉛は、酸などが作用すると溶け出す。微量のため急性中毒が起きる心配はないが、慢性中毒となるおそれがあるので、取扱いに注意が必要である。


56.亜鉛やスズでメッキされた容器に(梅干など)酸性の食品を入れておくと、中毒の原因になることがある。


57.カドミウムは、人体内のカルシウムと結びついて排泄されるため、骨軟化症を引き起こす。カドミウムの慢性中毒になると、腎臓障害などを起こし、死亡することもある。カドミウムを含む工場排水によって引き起こされた公害病に、 イタイイタイ病がある。


58.回虫は野菜類から感染する寄生虫で、経口感染する。人間の体内に入ると小腸の上部や中部に寄生する。腹痛や下痢、悪心、頭痛、めまい、肺炎、虫垂炎、腹膜炎などの症状が現れる。


59.鉤虫は、小腸に寄生する。小腸から血液を吸うため、貧血症状が現れるのが特徴である。


60.ぎょう虫は、結腸付近に寄生し、宿主(人間)が眠ると夜中に肛門から出て肛門付近に卵を産みつける習性がある。


61.野菜に付着している回虫の卵は、中性洗剤溶液で振り洗いしてから水道水で振り洗いすると、95%を落とすことができる。回虫の卵は、水道水だけで振り洗いした場合には70%を落とすことができる。


62.アニサキスは海水魚を二次的な中間宿主とする寄生虫である。経口感染したあと胃腸壁に寄生するが、人体内で成虫になることはない。感染しても2~3週間で死ぬ。


63.魚介類から感染する寄生虫の幼虫は、加熱すると死減する。幼虫は加熱によって、また、アニサキスや日本海裂頭条虫は-20℃以下で冷凍保存することで感染を予防する。


64.ほとんどの寄生虫は、70℃で1分程度の加熱で死減する。鉤虫の幼虫は70℃で1秒の加熱で死減する。また、旋毛虫は-18℃~-38℃、トキツプラズマは-10℃以下で冷凍保存することで感染を予防する。


65.食品添加物とは、食品の製造・加工・保存の過程で用いる調味料や保存料、着色料などで、天然の植物などから抽出された天然添加物と、化学的に合成された化学的合成品(合成添加物)の2種類がある。食品添加物はすべて「食品衛生法」の規制の対象となっている。


66.食品添加物の約2/3で使用基準が定められている。


67.食品添加物として使用される化学的合成品については、製造年月日などのほか、食品添加物であるという旨の表示、使用基準についても表示しなければならない。


68.食品添加物を甘味料として使用する場合、物質名だけでなく用途名も表示しなければならない。物質名と用途名を併記しなければならないのは、食品添加物を甘味料、着色料、保存料、酸化防止剤、防ばい剤、または防かび剤、発色剤、漂白剤、糊料という8つの用途で使用する場合である。


69.食品添加物のうちタール色素製剤については、政令によって製品検査が義務づけられている。政令で定められた添加物は、厚生労働大臣もしくは都道府県知事または厚生労働大臣の指定した登録検査機関の製品検査を受け、製品の容器包装に合格証紙を貼ったものでなければ販売使用ができないとされている。


70.食品添加物のうち、加工助剤として添加されるものについては表示が免除されている。表示が免除されているものは、加工助剤のほか、キャリーオーバー、栄養強化目的で添加されるものがある。


71.サッカリンは砂糖の約500倍の甘さをもつ甘味料で、チューインガムにかぎり使用が認められている。甘味料として認められている食品添加物には、ほかにサッカリンナトリウム、 グリチルリチン酸ニナトリウム、D―ソルビトール、 アスパルテーム、キシリトールなどがある。


72.保存料は、食品の腐敗や変敗を防ぎ、保存性を高める目的で、微生物の発育を抑制するために使われる。


73.次亜塩素酸ナトリウムは殺菌料の一種で、 ごまには使用が禁止されている。使用基準が定められている。


74.主な殺菌料の中で使用基準が定められてぃないのは、高度サラシ粉である。


75.防ばい剤(防かび剤)は、かびの発生を抑制するために用いられるもので、主にみかんなどのかんきつ類への使用が認められている。チアベンダゾールとイマザリルについては、バナナヘの使用も認められている。


76.亜硝酸ナトリウムは、食肉製品、鯨肉ベーコン、魚肉ハム・ソーセージ、いくら、すじこ、たらこにかぎって使用が認められている発色剤である。


77.ポジティブリスト制によって、約800種の農薬等に残留基準値が定められている。それ以外の物質については一律基準(原則として0.01 ppm以下)が適用される。


78.良好な状態の乾燥させた豆類は、つやがあり、 よく乾燥して硬い。乾燥させた豆類は、粒がそろっている、つやがある、よく乾燥して硬い、水に漬けると沈むなどが良好な状態のものである。


79.よく乾燥して良好な状態の小麦粉、 ダマがなく、 さらさらとしている。不良な状態の小麦粉は、湿気をおびているためダマがあったり、べとついている。また、水に溶かしてからしばらく置くと浮遊物がある場合は、 コナダニという害虫が発生している可能性がある。


80.不良な状態の豆腐は、表面にぬめりが生じて、臭いや味に異常が現れる。


81.鮮度のよい魚は、 えらが鮮紅色で、 えらのヒダが硬い。えらの部分が開きやすく暗赤色になっているものは鮮度が落ちているもので、粘りけがあって生臭い。


82.不良な状態の鶏肉は、脂肪の部分が濃い黄色をしている。良好な状態の鶏肉は、脂肪が淡い黄色をしている。また、肉の部分はつやのある淡い赤色で、皮の毛穴が盛り上がっている。



83.不良な状態の卵は、殻の表面がつるつるしている(磨いたものを除く)。ザラザラしているものは、良好な状態の卵である。


84.変敗とは、食品に含まれている炭水化物や脂質が微生物によって分解され、時間の経過とともに不快な味、臭いとなったり、色が変化して食用に適さなくなることをいう。腐敗は、食品に含まれているたんぱく質が微生物に分解されて起きる。


85.発酵とは、糖質やたんぱく質が微生物や酵母の作用によって分解されるが、有害物質は生成されず、食品に特有の風味が出ることをいう。


86.一般的に、食品が食用に適さなくなることを腐敗という。変質は、食品を空気中に放置してくと時間の経過とともに見た目や性質が変化することをいう。


87.55~60℃を至適温度とする微生物は、高温菌とよばれる。高温菌は、缶詰などの内部で増殖することが多い。増殖するときにガスを出すものと出さないものがあるが、出すものの場合には缶が膨張する。


88.20~30℃を至適温度とする微生物は、低温菌とよばれる。低温菌はとくに魚に多い。このため、冷蔵庫に保存しておいても肉より魚のほうが腐敗しやすい。


89.病原性のあるものも含めて、ほとんどの細菌が中温菌に含まれる。中温菌とは、至適温度が30~40℃の細菌をいう。ほとんどの細菌が中温菌に含まれる。


90.冷蔵法とは、食品を0~10度で保存する方法をいい、微生物の増殖を抑えることが出来るが、死滅させることは出来ない。冷蔵法は、一般的には冷蔵庫を使用する。10度で保存するが、望ましいのは5度以下である。


91.冷気が庫内を対流するようにするため、冷蔵法では食品と食品の間をあけて、食品の量を庫内容積の70%以下にとどめるようにする。


92.乾燥法では、食品から水分を奪って微生物の増殖を抑える方法をいい、一般的に食品に含まれている水分量を15%以下にする。乾燥法には自然乾燥、加熱乾燥、真空凍結乾燥(フリーズドライ)などがある。


93.果実や野菜を缶詰や瓶詰めにする場合、容器に食品をいれたあと、内部の空気を抜いて110~120度で30~90分加熱殺菌する。直接火にかけることはないが、加熱処理によってビタミンCが損失してしまう。


94.空気遮断法は、食品に油脂やパラフィンなどを塗って被膜をつくり、空気を遮断することによって酸化作用や微生物の増殖を抑える方法をいう。


95.放射線照射法は、放射線(γ線)を照射して殺菌する方法で、放射線は表面だけでなく内部まで透過して殺菌する。プラスチック容器などに利用され、食品への利用は原則として禁止されているが、 じゃがいもの発芽防止目的にかぎって認められている。


96.中性洗剤は、石鹸より洗浄力が強い、硬水を使用しても洗浄力が落ちない、野菜や果実に付着している寄生卵や農薬を洗い落とすことができるなどの特徴がある。


97.調理場で中性洗剤を使用する場合、濃度は0.1%以下と「食品衛生法」によって規定されている。中性洗剤の使用濃度は0.1%以下、石鹸は0.5%以下とされている。どちらの場合にも、すすぐ際には、流水であれば野菜や果物などは30秒以上、器具や食器などは5秒以上、ため水では2回以上水を替えるとされている。


98.消毒とは、病原微生物を死減させ、人間に感染しないようにすることをいう。一般的には、細菌などを殺したり除去することを消毒といい、広い意味で消毒というときは、殺菌や滅菌の意味で使われる場合がある。


99.殺菌とは、腐敗、変敗の原因となる微生物など目的とする微生物をすべて殺すことをいう。


100.滅菌とは、完全に無菌状態にすることをいう。


101.手指の消毒にアルコールを使用する場合には、70-80%程度に薄めたものを使用する。100%のアルコールを使用すると、皮膚のごく表面のたんぱく質が固まり消毒の効果が落ちるため、70~80%程度に薄めたものを使用する。


102.逆性石けんと普通の石けんを同時に使用すると、殺菌力がなくなってしまう。逆性石けんは、手指や冷蔵庫、食器・器具などに使用される石けんで、普通の石けんに比べて洗浄力はないが殺菌力が強いのが特徴である。


103.消毒に殺菌料などの食品添加物を用いる方法は、化学的消毒法に含まれる。たとえば野菜の殺菌には次亜塩素酸ナトリウムなどが用いられる。


104.高圧蒸気減菌法とは、120℃の水蒸気で15分加熱しながら加圧する方法をいう。高圧蒸気滅菌法は、食品の味や風味が変化してしまうため、食品には不向きな方法である。


105.焼却法は、微生物などに汚染されたものを焼却する方法で、感染症などが発生したときなどには確実に微生物を処理することができる。二度と利用できなくなるので再度使用しないものにかぎって用いられる方法である。


106.パスツリゼーションとは、低温殺菌法のことである。牛乳など、高温で殺菌すると風味や味、栄養成分が変化してしまう食品に用いられる方法である。62~65℃で30分保持する。


107.細菌の芽胞を殺す目的で用いられるのは、間欠滅菌法である。間欠滅菌法は、100度で30分-60分の加熱を1日1回、3日以上続ける方法である。これによって芽胞は死滅する。


108.煮沸法によって、100℃で5分加熱すると、微生物は死滅するが芽胞は死滅しない。


109.調理場の構造は、下ごしらえをする処理室と調理室を明確に区分する。二次汚染を防ぐため、処理室と調理室とは明確に区分することが必要である。出入り口についても、材料搬入口と、調理済み食品搬出口とを区別する。


110.調理場で火気を使用する場所には、専用の換気フードを使用することが必要である。調理場には、換気窓や換気扇を設置して十分な換気を確保するとともに、 レンジ周りなど火気を使用する場所には、専用の換気フードを使用する。


111.食品取扱者の健康管理として健康診断は最低年1回、検便は最低月1回実施することが必要である。


112.食品取扱者の服装は、汚れが目立つように白いものを着用することが望ましい。汚れが目立つことで、常に清潔なものに取り替えることができる。


113.HACCP(ハサップ)とは、食品の製造工程で発生しうる危害を分析し、その結果に基づいて各工程における重要管理点を監視し、食品の安全性を確保する衛生管理手法のことである。


114.HACCRの基本的な考え方は1960年代にアメリカのNASAによる宇宙食開発の中から生まれた。HACCPシステムを導入するには、HACCPプランという衛生管理用のマニュアルを作成する必要があり、 7原則を盛り込まなければならない。またHACCP実施の際は、 7原則の前に5段階の手順が必要とされている。


115.大量調理施設衛生管理マニュアルでは、原材料の納入の際には、調理従事者等が必ず立ち合って点検を行い、その結果を記録することと規定されている。


116.大量調理施設衛生管理マニュアルとは、厚生労働省が集団給食施設などにおける食中毒などを予防するため、HACCPの概念に基づき、調理過程における重要管理事項をまとめたものである。





7.食文化概論


1.食文化とは、その地域や風土において育まれた固有の調理法、食に対する価値観、食事作法、食物禁忌などの慣習や伝統をいう。


2.食文化を象徴する3つの事柄として、火の利用、道具の利用、食べ物の味付けの3つの事柄がある。


3.イスラム教、ユダヤ教などでは豚肉を食べてはならない。


4.ヒンズー教では牛肉を食べることが禁止されている。


5.キリスト教では自分の健康については個人の問題であるとし、食物禁忌はほとんどない。


6.全世界の食事のとり方は、ナイフ・フォークは約30%、手食は約40%、箸食は約30%である。


7.箸食文化は、中国大陸の華北平原一帯で生まれ、稲作・米飯文化と結びついて東アジア全域に広まったといわれている。


8.縄文時代の調理法は焼く、あぶる、煮るという調理法があった。


9.弥生時代には甕(かめ)や壺、高坏(つき)などの食器が使用されるようになった。
甕(かめ)は煮炊き用、壺は貯蔵用、高坏(つき)は食べ物を盛るために使用され、支配階級の一部で使用されていた。


10.甘味料が広く用いられるようになったのは、奈良時代のことである。
奈良時代には、大麦から麦芽飴、蜂蜜、樹液から作った甘葛煎など甘味料が広く用いられた。砂糖は薬としてわずかに用いられた。


11.平安時代には、箸だけを使用して食べる形式に変化した。箸とさじは大陸から伝えられていたが、平安時代になって汁椀を手で持ち上げて食べるようになると、さじは使用されなくなった。


12.鎌倉時代に武家社会が誕生し、武家の間で戦陣での労働が重なるにつれ1日2回食から1日3回食に移行していった。


13.精進料理は、鎌倉時代に仏教の影響でもてはやされるようになったが、貴族や武士の料理であった。その後、庶民間にも広まった。


14.精進料理は、室町時代にかけ、みそや油を多用し、調理技術の面でも発達した。


15.茶道に取り入れられた「わび・さび」は禅の精神に基づくもので、わが国独自の茶道の精神である。


16.茶道は、安土桃山時代に千利休によって確立された。わび茶の理念は、素朴と静寂を重んじるものである。


17.江戸時代には裕福な町人や一部の武士の間では白米食が普及したが、農民は収穫した米のほとんどを年貢米として納めていたため、雑穀を混ぜた飯やかゆ、味噌汁に漬物といった食事が日常食であった。


18.江戸時代に流行した「江戸煩い」とは、白米食の普及が原因である。
江戸時代に白米食が定着したことにより、ビタミンB1不足が原因で「江戸煩い」とよばれる脚気が流行した。


19.肉食が解禁されたのは明治時代初期のことである。牛鍋屋が数多く開店し、牛肉を食べない人は文明人でないといわれるほど、牛肉食が文明開化の象徴となった。


20.明治時代に三大洋食とよばれたものは、カツレツ、コロッケ、カレーライスである。


21.個食とは、家族がそれぞれ自分が食べたいものを好きに食べることをいう。
個食の問題は、食べたいものを食べるので、料理数が減って野菜や豆類の摂取が減少、また3食をきちんと食べないなどのである。


22.素材の味を生かしたシンプルな調理法が日本料理の特徴である。
四季の変化、自然に恵まれ新鮮で多彩な食材が手に入りやすいので、素材の味を生かしたシンプルな調理法が培われてきた。


23.食材の一番おいしいときを旬といい、日本料理ではこれを重視する。
日本料理では旬を重視し、盛り付けも季節感を出す。料理に四季を表現し、目で見ても楽しめる食文化は日本固有のものといえる。


24.精進料理は、仏教の殺生禁断の思想と料理が結びついたものである。
精進料理は殺生禁断の思想と結びついたため、肉や魚など生ぐさ物といわれる材料を一切使用せず、豆腐や野菜などの植物性食品だけで調理する。


25。普茶料理(ふちゃりょうり)は、植物油と葛を使うのを特徴とし、油で炒めたものやあんかけに中国料理のなごりをとどめている。


26.卓袱料理(卓袱料理)は、中国から伝来した料理であるが、日本風に変化し、長崎県の郷土料理となっている。


27.茶道において、もっとも正式な客をもてなす茶事の席で出される料理を懐石料理という。


28.会席料理は、江戸時代に町人の間で盛んになった酒宴向きの饗応料理である。


29.懐石料理でいわれる三位一体とは、作り手・食べ手・運び手が一体となることをいう。


30.懐石料理では、作り手・食べ手・運び手が三位一体になり客に温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べてもらうことを大切なもてなしとしている。


31.毎年、一定の時期に恒例として行われる行事の日に食べる食事を行事食という。


32.節供とは、五節句を中心として節日に食べる料理をいう。


33.行事食は、時代とともに少しずつ姿を変えながら現在に受け継がれている。
代表的な行事食は、雑煮、七草粥、桃の節句料理、端午の節句料理、そうめん、年越しそばなどがある。


34.きりたんぽは秋田県、ずんだもちは宮城県などで、ともに東北地方の郷土料理である。九州地方では、長崎県のちゃんぽん、宮崎県の冷汁、大分県のやせうまなどがある。
ルイベは北海道の郷土料理である。沖縄県の郷土料理には、ラフテー、ゴーヤチャンプルなどがある。


35.郷土料理には、共通の材料や調理法が地域によって独特の形で発達し、現在も残っているものがある。北海道の三平汁、関西の粕汁などが該当する。


36.どれを食ようとか、箸を持ったまま迷うことを迷い箸といい、箸使いのタブーとされている。
箸遣いのタブーには、迷い箸、探り箸、涙箸、移り箸、刺し箸、なめ箸、せせり箸、渡し箸など様々なものがある。


37.中国の三大珍味は、つばめの巣、乾なまこ、フカヒレである。


38.世界三大珍味は、キャビア、フォアグラ、トリュフである。


39.中国には、医食同源や薬食一如という食に対する思想がある。
中国にはすべての食物は薬としての効能を持っているという思想がある。現在では、漢方料理や薬膳料理として人気がある。


40.上海料理の特徴は食材が豊富であること、料理に油や砂糖を多用することである。


41.四川料理は、四川省を中心とした地域の料理で、麻婆豆腐や坦々麺など唐辛子や山椒など香辛料を多用した辛味の効いた味付けを特徴する。


42.飲茶(ヤムチャ)とは、中国茶を飲みながら、点心(菓子や麺類、飯類、餃子、シューマイ、包子(パオズ))などを楽しむことを言う。


43.フランス料理の特徴の1つであるソースは、料理の味を高めるために用いられている。肉食文化のヨーロッパでは、肉の匂いを消すためにスパイスが多用されるようになった。


44.フランス料理は、イタリア料理の影響を受けて発達していった。16世紀にイタリアから持ち込まれたナイフ・フォークなどの普及を機に、装飾的で華やかな料理として確立された。


45.中世のフランスの料理人であるタイユバンの著書「食物譜」には、当時の料理の内容、宴会料理のソースと香辛料の重要性などについて詳しく書かれている。


46.フランスのアルザス地方では、保存技術が発達し、塩漬けキャベツが有名である。アルザス地方ではドイツに隣接しているため、ドイツ料理に似たものが多く見られる。に、ドイツではザワークラフトとして親しまれている塩漬けキャベツが有名である。


47.日本料理は盛付けの美しさを大切にするため、包丁技術にもこだわるとされている。


48.フランス料理は煮込み料理が多いため、包丁技術にはあまりこだわらない。


49.ローストビーフやフィッシュ&チップスを代表とするのは、イギリス料理である。
イギリス料理は、家庭料理を基本として発達したため、食材を活かしたシンプルな調理法が特徴である。


50.トルティージャは、スペイン料理の1つである。このほか、スペイン料理にはパエリアやガスパチョなどがある。


51.タイで用いられる魚醤(ぎょしょう)は、ナンプラーと呼ばれている。各国で用いられる魚醤は、タイではナンプラー、インドネシアではタラシ、ベトナムではヌクマム、フィリピンではパヤオ、カンボジアではトック・トレイとよばれている。


52.スローフード運動は、イタリアで始まった活動である。伝統的な食材や料理を守り、食の大切さを見直そうとするものである。


53.食に関する知識を深め、健全な心身を培うことを目指し、食育に関する施策を推進するために「食育基本法」が制定された。
「食育基本法」の前文では、食育を生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけると規定している。


54.わが国の食料自給率(供給熱量自給率)は戦後大きく変化し、現在は約40%にまで落ち込んで、世界の主要国の中では最低となっている。


55.トレーサビリティ(追跡可能性)制度とは、商品の生産履歴を追跡するシステムである。トレーサビリティは、販売されている食品などが「いつ」「どこで」「どのように」生産出荷流通されてきたかと言う履歴を管理し、追跡できるシステムである。


56.地産地消とは、地元で生産された食材を地元で消費、活用するという意味で、近年全国的に推進されている運動である。生産者と消費者の相互理解を深めること、地域の食文化の継承、輸送距離の短縮などによる環境の負担軽減などの効果が期待されている。


57.オーガニック食品とは、農薬や合成化学肥料を一切使わずに栽培された農産物、抗生物質や成長ホルモンを投与せずに飼育された畜産物を言う。





調理師試験 合格のための重要事項短文集 暗記BOOK 

2022年2月6日 発行 初版

著  者:上野和夫
発  行:合同会社ペネトレイト

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上野和夫

「資格試験のペネトレイト」で医療・介護・福祉の仕事に携わる方に必須の資格取得のお手伝いをしています。 私は、薬剤師、社会福祉士、介護支援専門員の免許を持っていますが、現在は薬剤師の仕事に従事しています。 資格試験合格のノウハウは1つ、シンプルな学習が大切、そのための教材を公開しています。 ホームページ「資格試験のペネトレイト」http://penetrateblog.com/に教材の販売コーナーと無料の問題集を集めた棚を提供しています。 私と一緒に資格試験合格を目指しましょう。

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