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登録販売者試験 合格のための 重要事項短文集暗記BOOK

上野和夫

ペネトレイト



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目次

本書について
試験ガイダンス
医薬品に共通する特性と基本的な知識
人体の働きと医薬品
主な医薬品とその作用1
主な医薬品とその作用2
主な医薬品とその作用3
薬事関係法規・制度
医薬品の適正使用・安全対策

登録販売者試験 合格のための重要事項短文集 暗記BOOK
ー試験合格には「短文で正しい知識」を身につけることが大切!ー


本書について


本書は、登録販売者試験の筆記試験によく出題される事項を集めています。


毎年出題される問題の半数以上は過去に出されている内容と同じです。登録販売者試験の合格ラインは6割以上の正解です。過去の問題をしっかり理解していると、7割以上の点数を取ることができます。ただ、注意しないといけないのは、同じ文章で問いかけているとはかぎらないです。そこで大切なのは、短い文章で正しい内容をしっかりと覚えることが大切です。


短い文章ですので、毎日50の文章を覚えると1月ですべて暗記できます。
読むことにあわせて、耳を使っての短文記憶の努力をされると、さらに短い日数でしっかり暗記することができます。


付属教材として音声テキストを準備していますのでご利用ください。


あとは過去問題集を手に入れて解いてみましょう。問題はスラスラ解けるような感じがします。出題者のワナにはまることがなくなるまで繰り返し過去問題を解いてください。


当社のホームページ(http://penetrateblog.com/)に問題を集めた本棚を準備しています。無料で利用できますので、ぜひトライしてください。すべての問題で合格(7割以上正解で合格)できたら試験に合格できると思います。



登録販売者試験ガイダンス
登録販売者
登録販売者とは、薬機法の改正で誕生したニーズの高い注目の資格です。
登録販売者とは、2009年6月の薬機改正によって誕生した、一般用医薬品の販売を行うための専門資格です。
ドラッグストアや薬局などでは、登録販売者がいることで一般用医薬品の大多数を占める第二類・第三類医薬品の販売が可能になり、薬剤師不足をおぎなう戦力としておおきな注目を集めています。
また、近年ではコンビニエンスストアなどのさまざまな小売店舗でも一般用医薬品の販売ができるようになり、今後さらにニーズが高まる資格といえます。
登録販売者の仕事内容について
登録販売者の仕事でまず頭に浮かぶのは、薬を買いに来たお客様への接客。「薬剤師に次ぐ医薬品販売のプロ」として、いろいろなニーズを持つお客様に的確なアドバイスをするのは登録販売者の大切な仕事です。また、「在庫の管理」「品出し」「売り場作り」などお客様に満足度の高いお買い物をしてもらうためのさまざまな準備に時間を費やすことが多いかもしれません。
さらに、正社員から店長、エリアマネージャーというようにキャリアアップすることで、スタッフの配置や売り上げの管理、売れ筋商品の分析などより責任のあるお仕事を任せられるようになります。
これらのことから、登録販売者には「健康的な生活に関心が高い」「相手の話を誠実に聞くことができる」「日々の勉強を継続することができる」「相手を思いやった提案ができる」といった資質を持った人が向いているといえます。
登録販売者になるには
都道府県が実施する試験に合格する必要があります。
登録販売者になるには、都道府県が実施する試験に合格する必要があります。この試験は国家試験ではないため、あらかじめ厚生労働省が発表している「試験問題作成に関する手引き」にそって、各都道府県が独自に問題を作成し、それぞれの日程で試験を実施しています。ですから、複数のエリアに願書を提出し受験することも可能です。
次に、有資格者としてお仕事を始める際には、勤務地のある都道府県知事の登録をうけることが必要です。登録後は、登録をうけた都道府県に関わらず、全国のドラッグストアや薬局で活躍することができ、あなたのキャリアを支える一生の資格となります。
登録販売者と薬剤師が扱える医薬品の違い
ドラッグストアや薬局で医薬品を購入するときに、副作用などのリスクに応じて、「専門家から適切な情報提供をうけることができる」ようつくられたのが登録販売者の資格制度です。薬剤師以外の専門家として位置づけられている登録販売者ですが、薬剤師と登録販売者ではあつかえる医薬品の範囲がことなります。
登録販売者が扱える薬は医薬品全体の約9割一般用医薬品は、リスクに応じてわけられています
登録販売者があつかえる医薬品は第2類・第3類に限られるものの、全体の約9割にあたります。医薬品業界は薬剤師不足で、お客様への情報提供が十分にできていないことが問題になっていました。これを解決する登録販売者は、企業にとってのおおきな戦力として期待をあつめています。
登録販売者資格はこんな方におすすめ
ドラッグストアや薬局に勤務している方
まかされる仕事の幅が広がってやりがいアップ
資格手当や時給アップで収入増に期待
店長などへキャリアアップ
登録販売者は、薬剤師につぐ薬のアドバイザーです。お客様の症状や悩みをうかがいながら、一人ひとりに合った医薬品を自信をもっておすすめできるようになり、まかされる仕事の幅がぐっとひろがります。また、登録販売者に資格手当をもうけていたり、時給をたかく設定しているところも少なくありません。待遇面でも今より良い条件ではたらける可能性があります。さらに、実務経験を積むことで、店長などへキャリアアップをめざすこともできます。
転・就職に有利な資格を取りたい方
全国どこでも就職先がある資格を取得し登録すれば、一生モノの資格に
年齢をきにせず働ける
登録販売者は、試験に合格し登録すれば、一生涯の資格になります。ドラッグストアや薬局なら、ご自宅の近くでも職場をさがしやすく、家事や育児と両立してはたらきたいという主婦の皆さんからも人気の資格です。また、お客様からの信頼をえられるよう薬のアドバイザーとして経験を重ねれば、年齢をきにせずにやりがいをもって仕事を続けることができます。
合格率と難易度
登録販売者試験の全国平均合格率は、平成21年度以降40%台を推移しています。ただし、都道府県によって問題がことなるため、同じ年の試験でも合格率が30%程度と低めのエリアがあるいっぽう、60%と高めの合格率になるエリアがあるなど、都道府県によってばらつきがあります。 また、同じエリアでも試験年度によって合格率がことなり、東京都を例にとると、平成25年は27.9%、平成26年は47.9%というように、前年度と比較して極端に上下するケースもみられます。このため、受験生の中には、複数の都道府県に願書を提出する方が少なくありません。
試験問題
試験問題はすべて択一式で記述問題はありません。計240分間で第1章から第5章までの全120問に解答します。 決められた時間の中ですべての問題に解答するためには、身につけた知識をフル活用する解答力が必要です。このため、問題を繰り返し解き解答力を養えるよう、余裕を持った学習期間を設けることが合格につながります。
出題範囲
登録販売者には、お客様からの相談に適切に答え、積極的に情報を提供するなどの重要な役割があります。そのため、厚生労働省は「試験問題作成に関する手引き」の中で、以下のような専門的知識が問われる試験問題を作成するよう定めています。
合格基準
合格基準は、各章で35%~40%以上(都道府県によって異なる)、全体で70%以上の正答率が目安となります。そのため、苦手項目を作らないように学習することが合格の鍵になります。
受験申し込みから合格まで
登録販売者試験をうけるためには、受験申請書入手からはじまるいくつかの手続きが必要です。「気づいたときには締切だった」ということがないよう、余裕をもって準備しておきましょう。
受験申請書の入手
受験を希望する都道府県から受験申込書を入手します。 願書配布時期は都道府県によってことなりますので、全国試験情報ページで確認してください。
受験申請書を提出
願書に必要事項を記入し、添付する書類とあわせて各都道府県の指定する窓口に提出します。
受験申請に必要な書類
受験申請書 ・写真 ・その他都道府県が必要と認める書類
受験票をうけとる
願書提出後に受験票が送られてきます。
試験日
いよいよ本番! 試験会場へのアクセス等は必ず事前に確認しましょう。
合格発表
合格者には都道府県知事から合格書が送られてきます。 合格者の受験番号がホームページで公告される場合もあります。
登録証の交付
登録販売者試験に合格しても、すぐに「登録販売者」になれるわけではありません。 合格後、都道府県に販売従事登録申請をおこない、販売従事登録証の交付をうけます。
勉強方法① 科目別攻略法
科目ごとの攻略法を知れば、間違いなく合格に近づく
試験を構成する5科目は、難易度だけでなく学習内容も全く異なります。そうなれば当然「有効な学習方法」も違ってきます。ここでは科目ごとの攻略法を知って受験でも実務でも役立つ知識を身につけていきましょう。
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
第1章では、「医薬品の基本的知識」が問われるため、大部分の問題が一般的な知識で答えられる範囲と言ってよいでしょう。「副作用」「セルフメディケーション」などの基本的なキーワードが多く登場し、医薬品について基礎から学習を始める方にも適した内容で、受験勉強のウォーミングアップとして最適です。ただし、出題範囲の後半にある「薬害の歴史」では少しだけ難易度が上るのでここは注意が必要です。
第2章 人体の働きと医薬品
第2章では、「人体の構造」、「薬が働く仕組み」、「医薬品を使用した事で起こる主な副作用」について問われます。
「人体の構造」では、人の体の中にある臓器が普段どのように働き、私達の日常生活に関わっているのかを理解していきます。ここでは、各臓器をイメージしながら学ぶことが一番のポイント!文章だけではなく、テキストやワークブックにある臓器の図を使いながら学習することをお勧めしています。
また、「薬が働く仕組み」、「医薬品を使用した事で起こる主な副作用」では、専門的で難しい用語も多く出てきますが、頻出ポイントをしっかりと押さえれば確実に得点できる項目でもあります。
第3章 主な医薬品とその作用
第3章では、市販薬に使われている「有効成分やその副作用」について、問われます。
薬の専門家である登録販売者にとって、日々の業務に最も関わる内容で、出題数も登録販売者試験の全120問中40問を占める重要な分野です。
「カタカナの成分名」や「漢字の読み方が難しい漢方薬」など、暗記すべき内容が多くなりますから、試験日から逆算して習得のための学習時間をしっかり確保しておきましょう。
また、一言に医薬品の成分といってもその範囲は膨大ですから、まずは良く出る成分を確実に覚えて得点源にすることが合格への近道になります。
時間的な余裕があれば、ドラッグストアなどに陳列されている商品を手に取り、その有効成分について確認することも記憶の定着に繋がる良い勉強方法になります。
一方、漢方薬については、効能効果をそのまま覚えるのではなく、キーワードを絞り効率良く学習するのがお勧めです。
例えば「麦門冬湯」は「体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされますが、水様痰の多い人には不向きとされる」という内容を「咽頭の乾燥感、咳」のように覚えます。
「漢方は棄て問だ!」というご意見を聞くことがありますが、ここ数年で「漢方薬と生薬が絡む出題が急増しています。「棄て問」として切り捨てるのは危険!三幸医療カレッジの練習問題集には「漢方薬」がわかり、まとめるワークがついています。漢方を捨て問題にしないための勉強時間を確保しておきましょう。
第4章 薬事関係法規・制度
第4章では、「医薬品に関連する法律」について問われます。
法律の文章を理解していくため、単調な学習になりがちで苦手意識を持つ方も多い分野です。このストレスを解消するためには、問題を解きながら引っかけポイントを把握しまとめるといった勉強方法がお勧めです。
例えば、「製造販売業者」と「製造業者」や「都道府県知事」と「厚生労働大臣」などの似通った言葉を入れ替えた正誤問題が多く出題されます。このような引っかけポイントは問題を通じて学び、間違った所をテキストで繰り返し復習するといった学習方法が、合格への近道になるでしょう。
第5章 医薬品の適正使用・安全対策
第5章では、「医薬品の添付文書の読み方」、「副作用情報」、「医薬品副作用被害救済制度」について問われます。
登録販売者に関連する各制度について学んでいきますが、比較的取り組みやすい分野です。また、他の分野との関連が多いのも第5章の特徴ですから、各科目の仕上げとして取り組むのがお勧めです。例えば、添付文書に「使用上の注意」と記載がある成分に関する問題では、第3章で学んだ成分名や副作用の知識が活かされます。全体的には、毎年似通った問題が出題されているため、十分高得点を狙えるでしょう。







第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識


医薬品概論

1.▢医薬品が人体に及ぼす作用は、複雑かつ多岐にわたり、そのすべては解明されていない。


2.▢人体に対して直接使用されない検査薬は、検査結果について正しい解釈や判断がなされなければ、適切な治療を受ける機会を失うなど、人の健康に影響を与えるものといえる。


3.▢一般用医薬品は、医療用医薬品と比較すれば、リスクは相対的に低いと考えられるが、一般用医薬品であっても保健衛生上のリスクを伴うものである。


4.▢添付文書や製品表示に記載されている情報について、一般の生活者においては誤解や認識不足を生じることもある。効能・効果や副作用などについて誤解や認識不足を生じることもあるため、その販売に専門家の関与が必要である。


5.▢医薬品の適正使用情報は、有効性、安全性などに関する情報が集積されており、必要に応じて随時、新たな情報が付加される。


6.▢健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、医薬品に異物の混入・変質があってはならない。


7.▢用量-反応関係は、薬物曝露時間と曝露量との積で表現される。これに基づいて、医薬品の効果とリスクが評価される。


8.▢薬物用量の増加に伴い、最小有効量を経て治療量に至る。効果の発現が検出されない無作用量から最小有効量を経て治療量に至る。

9.▢医薬品の少量の投与により臓器の機能不全を生じることはがある。少量の医薬品の投与でも発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合もある。

10.▢50%致死量(LD50)は、動物実験により求められ、薬物の毒性の指標として用いられている。「臨床試験」ではない。


11.▢GLPは、「医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準(Good Laboratory Practice)」である。

12.▢GCPに準拠した手順により、安全な治療量などが求められる。ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準には、国際的にGood Clinical Practice(GCP)が制定されている。


13.▢GPSPは、「医薬品の製造販売後の調査および試験の実施基準(Good Post-marketing Study Practice)」である。

14.▢GVPは、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令」(平成16年厚生労働省令第135号)を指す。


15.▢世界保健機構(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」こととされている。

16.▢機能性表示食品は、疾病に罹患していない者の健康の維持および増進に役立つ旨または適する旨(疾病リスクの低減にかかるものを除く)を表示するものであり、特定の保健機能を表示するものではない。




医薬品の効き目や安全性に影害を与える要因

17.▢WHOによれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」をいう。
ただし、人に通常用いられる量を超えて医薬品を使用して有害かつ意図しない反応が現れた場合であっても、副作用とはいわない。


18.▢一般的に、あらゆる物質によってアレルギーが起こる可能性がある。アレルギーは、医薬品の薬理作用とは関係なく起こり得る。

19.▢内服薬だけでなく、外用薬でもアレルギーを引き起こすことがある。


20.▢基本的に薬理作用がない添加物であっても、アレルゲンとなり得る。代表例としては、黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩などが知られている。


21.▢病気などに対する抵抗力が低下している状態の場合は、思わぬアレルギーを生じることがある。体質的・遺伝的な要素もある。


22.▢口渇は、よくみられる副作用である。眠気や口渇などの比較的多くみられる副作用である。


23.▢一般用医薬品の場合、副作用の兆候が現れたときには基本的に使用を中止する。

24.▢一般用医薬品の使用を判断する主体は、一般の生活者である。一般用医薬品の適正な使用を図っていくうえでは、販売時における専門家の関与が特に重要といえる。

25.▢「多く飲めば早く効く」と考えて、定められた用量を超える量を服用するような場合は、不適切な使用事例といえる。「子どもだから大人用のものを半分にして飲ませればよい」として服用させるような場合も、不適切な使用事例といえる。


26.▢一般用医薬品にも、習慣性・依存性がある成分を含むもの(例:プロモバレリル尿素)がある。これらの医薬品は、しばしば乱用されることが知られている。


27.登録販売者は、必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる不審な購入者に対し、まずは、交番への届け出よりも、積極的に事情を尋ねる、状況によっては販売を差し控えるなどの対応が図られることが望ましい。

28.▢緩和を図りたい症状が明確である場合には、その症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。例えば、かぜに伴う熱を下げる目的であれば、かぜ薬よりも解熱鎮痛薬を選択することが望ましい。副作用や相互作用のリスクを減らす観点からも重要である。

29.▢医療機関で治療を受けている場合には、通常一般用医薬品による対処よりも、その治療が優先されることが望ましい。

30.▢酒類をよく摂取する者では、体内からアセトアミノフェンなどが速く消失して、十分な薬効が得られなくなることがある。これは、肝臓の代謝機能が高まっていることが多いためである。


31.▢医薬品と食品の関係では、カフェインを含む医薬品とコーヒーを一緒に服用すると、過剰摂取となる場合がある。ほかに、ビタミンAを含む医薬品とこれを多く含む食品(例:レバー)についても、過剰摂取に注意する必要がある。

32.▢医薬品の「使用上の注意」において、小児という場合には、15歳未満をいう。また乳児とは1歳未満、幼児とは7歳未満をいう。

33.▢小児は身体の大きさに対して比較的腸が長いため、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い。


34.▢小児は血液脳関門が未発達であるため、大人に比べて医薬品成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。

35.▢小児は大人に比べて肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品成分の代謝・排泄に時間がかかる。

36.▢5歳未満の幼児に使用される錠剤では、服用時に喉につかえやすいので、注意するよう添付文書に記載されている。医薬品が喉につかえ苦しむ体験をすると、服用に対する拒否意識を乳幼児に生じさせることがあるためである。

37.▢乳児においては、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめることが望ましい。

38.▢医薬品の「使用上の注意」において、高齢者という場合には、おおよその目安として65歳以上を指す。

39.▢一般に、高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下している場合には、副作用を生じるリスクが高まる。

40.▢高齢者の場合、基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは難しい。

41.▢妊婦が使用する医薬品については、その成分の胎児 への移行性が未解明のことが多い。血液-胎盤関門によって、どの程度、医薬品成分の胎児への移行が防御されるかは未解明のことも多い。


42.▢一般用医薬品において、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。これは多くの場合、妊婦が医薬品を使用した場合における安全性に関する評価が困難であるためである。

43.▢ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の使用により胎児に先天異常を起こすおそれがある。妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えてビタミンAを摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。

44.▢便秘薬の配合成分やその用量によっては、妊婦に流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。

45.▢プラセボ効果とは、医薬品を使用したとき、結果的または偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをいう。

46.▢医薬品の配合成分には、高温や多湿、光(紫外線)によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い。

47.▢医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。

48.▢使用期限は、未開封状態で保管された場合に、品質が保持される期限である。液剤などでは、いったん開封されると、記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。




適切な医薬品選択と受診勧奨

49.▢一般用医薬品は、その効能および効果において人体に対する作用が著しくない医薬品である。


50.▢一般用医薬品は、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされている。


51.▢一般用医薬品の役割として、軽度な疾病に伴う症状の改善、症状発現の予防である。生活習慣病などの疾病に伴う「症状の改善」ではない。

52.▢セルフメディケーションの主役は、一般の生活者である。登録販売者においては、常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。

53.▢セルフメディケーションを適切に支援するため、情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるものではなく、受診勧奨したり、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合がある。


54.▢一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものである。例えば乳幼児や妊婦などでは、通常の成人の場合に比べ、一般用医薬品で対処可能な範囲は限られる。

55.▢登録販売者は、医薬品を販売する際には、何のためにその医薬品を購入しようとしているかについて、購入者から確認すべきである。これは、一般用医薬品を適正に使用するためである。

56.▢医薬品の販売などに従事する専門家においては、その医薬品がすぐに使用される状況にあるか、把握に努めることが望ましい。すぐに医薬品を使用する状況にない場合には、実際に使用する際に、販売時になされた情報提供の内容を思い起こしながら、改めて添付文書などに目を通すよう促すことが重要である。




薬害の歴史

57.▢サリドマイド訴訟とは、サリドマイドが配合された催眠鎮痛剤などを妊婦が使用したことにより、出生児に先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。


58.▢サリドマイド訴訟では、国および製薬企業が被告として提訴され、和解が成立した。


59.▢サリドマイド製剤については、一般用医薬品として販売されていた製品もあった。スモン訴訟におけるキノホルム製剤についても、同様である。

60.▢サリドマイドのR体は催眠鎮痛作用、S体は血管新生を妨げる作用を示す。


61.▢R体のサリドマイドを分離して製剤化しても、催奇形性は避けられない。サリドマイドのR体とS体は体内で相互に転換するため、催奇形性は避けられない。

62.▢サリドマイドによる薬害事件は、日本のみでなく世界的にも問題となったため、WHO加盟各国における副作用情報の収集体制の整備の契機となった。

63.▢スモン訴訟とは、整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(スモン)である。

64、▢スモンの症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じる。初期症状ののち、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難などが現れる。麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。

65.▢サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済制度が創設された。これは、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るためである。

66.▢HIV訴訟では国および製薬企業が被告として提訴され、和解が成立した。

67.▢HIV訴訟とは、HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤により、血友病患者が、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

68.▢CJD訴訟とは、脳外科手術などに用いられていたヒト乾燥硬膜を介してにCJD罹患したことに対する損害賠償訴訟である。

69.▢CJDは、タンパク質の一種であるプリオンが原因とされる。

70.▢CJDは、胃痛、胸やけなどが現れ、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。

71.▢HIVやのCJD感染被害が多発したことにかんがみ、生物由来製品による感染等被害救済制度である。

72.登録販売者は、薬害事件の歴史を理解しておくことが望ましい。登録販売者は、医薬品の副作用などによる健康被害の拡大防止に関して、医薬品の情報提供、副作用報告などを通じ、その責務の一端を担っている。



第2章 人体の働きと医薬品


人体の構造と働き  


消化器系

1.▢関連する働きをもつ細胞が集まって組織をつくり、複数の組織が組み合わさって、特定の働きをする器官が形成される。

2.▢歯槽骨の中に埋没する部分を、歯根という。また、歯頚部を境に口腔に露出する部分を歯冠という。

3.▢歯冠の表面はエナメル質で覆われ、その下には象牙質と呼ばれる組織がある。

4.▢歯のう蝕が象牙質に達すると、歯がしみたりするようになる。

5.▢唾液によって、口腔内のpHはほぼ中性に保たれている。

6.▢喉頭蓋は、反射的に閉じる。これにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。

7.▢32嚥下された飲食物は、「重力によって胃に送られる」のではなく、食道の運動によって胃に送られる。

8.▢胃は、中身が空の状態では扁平に縮んでいる。扁平に縮んでいる胃に内容物が送られると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がる(胃適応性弛緩)。

9.▢胃は、胃酸のほかペプシノーゲンなどを分泌する。ペプシノーゲンは胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなる。

10.▢胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしている。

11.▢胃内容物の滞留時間は、脂質分の多い食品の場合には比較的長く、炭水化物主体の食品の場合には比較的短い。

12.▢小腸のうち十二指腸に続く部分の、おおむね上部40%が空腸、残り約60%が回腸である。



13.▢小腸(十二指腸の上部を除く)の内壁には、絨毛(柔突起)に覆われている輪状のひだがある。その絨毛を構成する細胞の表面には、微絨毛が密生している。

14.▢リポタンパク質の一種である乳状脂粒は、カイロミクロンである。

15.▢Q15 脂質の消化管吸収の際、脂溶性ビタミンが一緒に取り込まれる。

16.▢膵液は、弱アルカリ性である。膵液は、胃で酸性となった内容物を中和するのに重要である。

17.▢膵臓は、タンパク質、炭水化物、脂質を消化するすべての酵素の供給を担っている。タンパク質分解酵素(トリプシン)の前駆体であるトリプシノーゲンのほか、デンプンを分解するアミラーゼ、脂質を分解するリパーゼなどを含んでいる。

18.▢膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリンおよびグルカゴン)などを血液中に分泌する内分泌腺でもある。


19.▢胆嚢は、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官である。ほかに、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して、腸管内に胆汁を送り込む。


20.▢胆汁に含まれる胆汁酸塩は、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。また、脂質の消化を容易にする。

21.▢腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される(腸肝循環)。


22.▢胆汁には、古くなった赤血球や過剰なコレステロールを排出する役割がある。


23.▢胆汁に含まれるビリルビンは、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物である。老廃物であるビリルビンは、腸管内に排出される。腸内細菌によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。


24.▢小腸で吸収されたブドウ糖は、肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。蓄えられたグリコーゲンは、血糖値が下がったときなど、必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出される。

25.▢肝臓は脂溶性ビタミンであるビタミンA、Dなどのほか、水溶性ビタミンであるビタミンB6、B12などの貯蔵臓器でもある。


26.▢アルコールは肝臓に運ばれて一度アセトアルデヒドに代謝されたのち、さらに代謝されて酢酸となる。


27.▢アンモニアは毒性が強いため、肝臓で弱毒性の尿素に代謝される。

28.▢ビリルビンが循環血液中に滞留すると、黄疸を生じる。肝機能障害や胆管閉塞などを起こすと、ビリルビンが循環血液中に滞留する。


29.▢肝臓では、必須アミノ酸以外のアミノ酸を生合成することができる。


30.▢腸内細菌は、血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンKを産生している。

31.▢通常、糞便の成分の大半は水分で、食物の残滓は約5%にすぎない。


32.▢糞便がS状結腸に溜まった糞便が直腸へ送られてくると、その刺激に反応して便意が起こる。


人体の構造と働き 呼吸器系

33.▢鼻汁にはリゾチームが含まれている。かぜやアレルギーのときなどには、防御反応として大量に鼻汁が分泌されるようになる。


34.▢咽頭の後壁に扁桃がある。


35.▢扁桃には、リンパ組織が集まっている。リンパ組織とは、白血球の一種であるリンパ球が密集する組織をいう。


36.▢喉頭は、発声器としての役割もある。声は、呼気で喉頭上部にある声帯を振動させて発せられる。


37.▢喉頭の大部分と気管から気管支までの粘膜は、線毛上皮で覆われている。異物は、気道粘膜から分泌される粘液にからめ取られ、線毛上皮の線毛運動によって気道内部から咽頭へ向けて排出される。

38.▢肺自体には、肺を動かす筋組織がない。肺は、自力で膨らんだり縮んだりしない。横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮することで、呼吸運動が行われている。

39.▢肺胞の壁は非常に薄くできていて、周囲を毛細血管が網のように取り囲んでいる。肺胞は肺内部の気管支の末端であり、ブドウの房のようになっている。

40.▢肺胞の壁を介して、二酸化炭素と酸素のガス交換が行われる。肺胞気中の二酸化炭素は、呼気に混じって排出される。



循環器系

41.▢心臓の内部は、上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれている。


42.▢心室には弁があり、拍動と協調して交互に開閉する。血液が確実に一方向に流れるよう、心室には血液を取り込む側と送り出す側にそれぞれ弁があり、拍動と協調して動く。


43.▢心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出される。

44.▢血管壁が収縮すると、血管は細くなる。血管壁の収縮、弛緩は、自律神経系によって制御される。

45.▢動脈は弾力性があり、圧力がかかっても耐えられる。血管壁にかかる圧力(血圧)は、通常、上腕部の動脈で測定される。


46.▢心臓が収縮したときの血圧を最大血圧、心臓が弛緩したときの血圧を最小血圧という。

47.▢静脈の血管壁は、動脈よりも薄い。静脈にかかる圧力は比較的低いため、血管壁は薄くなっている。

48.▢静脈には、静脈弁が発達している。四肢を通る静脈では、血流が重力の影響を受けやすいため、静脈弁が発達して血液の逆流を防いでいる。

49.▢消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈に集まって肝臓に入る。

50.▢血漿は、90%以上が水分からなる。アルブミン、グロブリンなどのタンパク質のほか、微量の脂質、糖質、電解質を含む。


51.▢アルブミンには、血漿成分が血管から組織中に漏れ出るのを防ぐ働きがある。アルブミンには、血液の浸透圧を保持する働きがある。また、ホルモンや医薬品の成分などと複合体を形成して代謝や排泄を受けにくくする。

52.▢抗体としての役割を担うグロブリンは、免疫グロブリンとも呼ばれる。グロブリンの多くは、免疫反応において、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を特異的に認識する抗体としての役割を担う。


53.▢血液の粘稠性は血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。


54.▢ヘモグロビンは、鉄分と結合したタンパク質である。ヘモグロビンは、肺胞で酸素分子と結合し、末梢組織で酸素分子を放出する性質をもつ。

55.▢赤血球は、骨髄で産生される。赤血球の数が少なすぎたり、赤血球中のヘモグロビン量が欠乏したりすると、貧血症状が現れる。

56.▢鉄欠乏性貧血とは、血液損失などのためヘモグロビンの生合成に必要な鉄分が不足することによる貧血をいう。




人体の構造と働き 循環器系


57.▢好中球は最も数が多く、白血球の約60%を占めている。好中球は、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルスなどを食作用によって取り込んで分解する。

58.▢T細胞リンパ球は、細菌、ウイルスなどの異物を認識する。また、B細胞リンパ球は、細菌、ウイルスなどの異物に対する抗体(免疫グロブリン)を産生する。

59.▢血小板から放出される酵素によって、血液を凝固させる一連の反応が起こる。血小板から放出される酵素の反応によってフィブリノゲンが傷口で重合して、線維状のフィブリンとなる。これに赤血球や血小板などが絡まり合い、血の凝固物となって傷口をふさぎ、止血がなされる。


60.▢採血した血液が凝固して血餅が沈殿したときの上澄みを、血清という。血清とは、血漿からフィブリノーゲンが除かれたものである。

61.▢リンパ液の流れは、主に骨格筋の収縮によるものである。また、リンパ液の流速は血流に比べて緩やかである。


62.▢リンパ液は、血漿とほとんど同じ成分からなるが、電解質が少なく、リンパ球を含む。リンパ液は、血漿の一部が毛細血管から組織の中へ滲み出て組織液となったもので、タンパク質が少なく、リンパ球を含む。

63.▢リンパ液は、一定の方向に流れている。また、リンパ管には逆流防止のための弁がある。

64.▢リンパ液で運ばれてきた細菌やウイルスなどは、リンパ節で免疫反応によって排除される。




泌尿器系


65.▢糸球体の外側を、袋状のボウマン嚢が包み込んでいる。これを腎小体という。

66.▢腎小体と尿細管とで、ネフロンを構成する。

67.▢尿細管では、原尿中の有用成分が再吸収される。その結果、老廃物が濃縮され、余分な水分、電解質とともに最終的に尿となる。

68.▢腎臓には、心臓から拍出される血液の5分の1から4分の1が流れている。

69.▢腎臓は、水分および電解質(特にナトリウム)の排出調節も行い、血液の量と組成を維持して血圧を一定範囲内に保つ働きを担っている。


70.▢腎臓は、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。腎臓には、内分泌腺としての機能もある。


71.▢ビタミンDは、腎臓で活性型ビタミンDに転換されて、骨の形成や維持の作用を発揮する。

72.▢副腎は、皮質と髄質の2層構造からなる。副腎は、左右の腎臓の上部にそれぞれ付属する。

73.▢アルドステロンは体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。

74.▢副腎髄質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。

75.▢腎臓から膀胱を経て尿道に至る尿の通り道を、尿路という。左右の腎臓と膀胱は、尿管でつながっている。

76.▢健康な状態であれば、尿中に微生物は存在しない。尿のほとんどは水分で、尿素、尿酸などの老廃物、その他微量の電解質、ホルモンなどを含む。

77.▢膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。尿が膀胱に溜まってくると、刺激が脳に伝わって尿意が生じる。

78.▢男性は尿道が短いため、膀胱まで細菌感染を生じやすい。 。A78 ×
女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。

79.▢高齢者では、膀胱や尿道の括約筋の働きによって排尿を制御する機能が低下し、また、膀胱の容量が小さくなるため、尿失禁を起こしやすくなる。


80.▢男性には、膀胱の真下に尿道を取り囲むように前立腺がある。男性では、加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難などを生じることがある。





81.▢眼球の正面前方付近(黒目の部分)は、透明な角膜が覆っている。黒目以外の部分は、強膜という乳白色の比較的丈夫な結合組織が覆っている。


82.▢角膜と水晶体の間は、組織液(房水)で満たされている。房水は、角膜に一定の圧(眼圧)を生じさせている。


83.▢角膜や水晶体には、血管が通っていない。角膜や水晶体には、房水によって栄養分や酸素が供給される。

84.▢虹彩は、眼球内に入る光の量を調節している。

85.▢水晶体は、毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。

86.▢網膜には、視細胞が密集している。個々の視細胞は神経線維につながり、それが束になって眼球の後方で視細胞となる。


87.▢視細胞には、色を識別する細胞と、わずかな光でも敏感に反応する細胞の2種類がある。

88.▢ビタミンAが不足すると、夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。

89.▢睫毛(まつげ)には、触毛としての機能がある。睫毛には、異物をはじいて目に入らないようにするとともに、物が触れると反射的に目を閉じる触毛としての機能がある。

90.▢眼瞼は、素早くまばたき運動ができるよう皮下組織が少なく薄くできているため、内出血や裂傷を生じやすい。

91.▢結膜の充血では眼瞼の裏側は赤くなる。

92.▢涙腺は、血漿から涙液を産生する。涙腺は、上眼瞼の裏側にある分泌腺である。

93.▢涙液は、目頭の内側にある涙点から涙道に流れ込んでいる。

94.▢涙液は、起きている間は絶えず分泌されている。睡眠中は、涙液分泌がほとんどない。

95.▢6本の眼筋が、眼球側面の強膜につながっている。眼球を上下左右斜めの各方向に向ける。

96.▢目を使う作業を続けた場合に生じる、目のかすみや充血、痛みなどの症状(疲れ目)のような生理的な目の疲れは、眼精疲労ではない。眼鏡が合っていなかったり、神経性の疲労、睡眠不足などが要因となって、慢性的な目の疲れや肩こり、頭痛などの全身症状を伴う場合を、眼精疲労という。





97.▢食品からの嗅覚情報は、舌が受容した味覚情報と脳において統合され、風味として認識される。


98.▢鼻腔上部の粘膜にある特殊な神経細胞を、におい分子が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。鼻腔上部の粘膜にある特殊な神経細胞は、嗅細胞と呼ばれる。


99.▢においに対する感覚は非常に鋭敏であるが、順応を起こしやすい。

100.▢鼻腔は、薄い板状の軟骨と骨でできた鼻中隔によって、左右に仕切られている。

101.▢鼻腔の粘膜に炎症を起こすと、鼻汁過多や鼻閉などの症状を生じる。鼻腔の粘膜に炎症を起こして腫れた状態を、鼻炎という。


102.▢鼻中隔の前部は、傷つきやすく鼻出血を起こしやすいそれは、毛細血管が豊富に分布していることに加えて、粘膜が薄いためである。


103.▢副鼻腔と鼻腔は、細い管でつながっている。鼻の周囲の骨内には副鼻腔と総称される空洞があり、細い管でつながっている。

104.▢副鼻腔は鼻腔と同様に線毛を有し、粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われている。副鼻腔に入った埃などの粒子は、粘液に捕らえられて、線毛の働きによって鼻腔内へ排出される。





105.▢耳介は、軟骨組織が皮膚で覆われたものである。外耳は、耳介と外耳道からなる。

106.▢外耳道の軟骨部には耳毛が生えていて、空気中の埃などが入り込むのを防いでいる。

107.▢鼓室の内部では、微細な3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅し、内耳へ伝導する。

108.鼓室は、耳管で、鼻腔や咽頭と通じている。

109.▢小さな子どもでは、耳管が太く短くて、走行が水平に近い。このため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。


110.▢内耳は、聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭からなる。


111.▢水平・垂直方向の加速度を感知する部分(耳石器官)と、体の回転や傾きを感知する部分(半規管)に分けられるのは、前庭である。

112.▢前庭の内部は、リンパ液で満たされている。前庭のリンパ液の動きが、平衡感覚として感知される。



外皮系

113.▢皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。
表皮:角質層と表皮細胞、
真皮:線維芽細胞と線維性タンパク質
皮下組織:皮下脂肪層


114.▢表皮の最も外側にある角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成される。

115.▢メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生される。これは、紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。

116.▢真皮には、毛細血管や知覚神経の末端が通っている。

117.▢毛母細胞の間にはメラノサイトが分布し、産生されたメラニン色素が毛母細胞に渡される。メ ラニン色素の量によって、毛の色が決まる。


118.▢皮脂の分泌が低下すると皮膚が乾燥し、皮膚炎や湿疹を起こすことがある。皮脂には、皮膚を潤いのある柔軟な状態に保つとともに、外部からの異物に対する保護膜としての働きがある。


119.▢汗腺には、腋窩などの毛根部に分布するアポクリン腺(体臭腺)と、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布するエクリン腺がある。


120.▢精神的緊張による発汗は、手のひらや足底、脇の下の皮膚に限って起こる。体温調節のための発汗は全身の皮膚に生じる。



骨格系

121.▢骨の基本構造は、骨質、骨膜、骨髄、関節軟骨の4組織からなる。

122.▢骨髄の造血幹細胞から、赤血球、白血球、血小板が分化する。骨には造血のほかに、身体各部の支持、臓器保護、運動、無機質の貯蔵の機能がある。

123.▢主として胸骨、肋骨、脊椎、骨盤、大腿骨など骨髄が造血機能を担う。

124.▢骨は、カルシウムやリンなどの無機質を蓄える機能をもつ。カルシウムは生体の生理機能に関与する重要な物質であり、微量で筋組織の収縮、神経の伝達調節などに働いている。

125.▢骨の成長が停止した後は、骨は生きた組織であり、一生を通じて骨吸収と骨形成が行われる。

126.▢無機質は骨に硬さを与え、有機質(タンパク質および多糖体)は骨の強靱さを保つ。

127.▢骨の関節面は、弾力性に富む柔らかな軟骨層(関節軟骨)に覆われている。

128.▢関節周囲を包む膜の外側には、靱帯がある。関節周囲を包む膜は関節膜で、靱帯は骨を連結し、関節部を補強している。



筋組織

129.▢筋組織はその機能や形態によって、骨格筋、平滑筋、心筋に分類される。

130.▢筋組織は、筋細胞と結合組織からできている。一方、腱は結合組織のみでできているため、伸縮性はあまりない。


131.▢骨格筋は収縮力が強いが、疲労しやすく、長時間の動作は難しい。横紋筋とも呼ばれる。


132.▢骨格筋の疲労は、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、グリコーゲンの代謝に伴って生成する乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象である。

133.▢随意筋は、意識的にコントロールできる筋組織である。意識的にコントロールできない筋組織を、不随意筋という。

134.▢不随意筋は、自律神経系により支配される。不随意筋(平滑筋、心筋)は、自律神経系に支配される。それに対し随意筋(骨格筋)は、体性神経系(運動神経)に支配される。

135.▢平滑筋は、比較的弱い力で持続的に収縮する。平滑筋の筋線維には骨格筋のような横縞模様がなく、消化管壁、血管壁、膀胱などに分布している。


136.▢心筋は不随意筋であるが、筋線維には骨格筋のような横縞模様がある。



中枢神経系・末梢神経系

137.▢脳において、ブドウ糖の消費量は全身の約25%と多い。なお、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%である。


138.▢脳の血管は、末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く(血液脳関門)、タンパク質やイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。


139.▢脳の毛細血管が、中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を、血液脳関門という。小児では血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。


140.▢脳と脊髄は、脳と脊髄は、延髄(後頭部と頸部の境目あたりに位置する)でつながっている。

141.▢延髄には、心臓中枢と呼吸中枢がある。延髄に、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢などがある。


142.▢末梢からの刺激の一部に対し、脊髄が脳を介さずに刺激を返す場合があり、これは脊髄反射と呼ばれる。脊髄は、脊椎の中にある。

143.▢末梢神経系は、体性神経系と自律神経系に分類される。体性神経系は随意運動や知覚などを担い、自律神経系は生命や身体機能の維持のため、無意識に働いている。


144.▢副交感神経系は、体が食事や休憩などの安息状態となるように働く。交感神経系は体が緊張状態に対応した態勢をとるように働く。



中枢神経系・末梢神経系

145.▢交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質は、ノルアドレナリンである。副交感神経の場合は、アセチルコリンである。

146.▢例外的に、汗腺を支配する交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質は、アセチルコリンである。

147.▢交感神経系が活発になると、瞳孔が散大する。一方、副交感神経系が活発になると、瞳孔が収縮する。

148.▢交感神経系が活発になると心拍数が増加し、副交感神経系が活発になると心拍数が減少する。

149.▢交感神経系が活発になると、血圧が上昇する。一方、副交感神経が活発になると、血圧が低下する。

150.▢交感神経系が活発になると気管支が拡張し、副交感神経系が活発になると気管支が収縮する。


151.▢副交感神経系が活発になると、胃液分泌が亢進する。交感神経系が活発になると、胃の血管が収縮する。

152.▢副交感神経系が活発になると、排尿筋が収縮する。一方、交感神経が活発になると、排尿筋が弛緩する。



薬が働くしくみ

153.▢内服薬の有効成分は、主に小腸で吸収される。

154.▢一般に、消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品成分を取り込むのではなく、濃度の高いほうから低い方へ受動的に拡散していく現象である。

155.▢坐剤は、直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させる剤型である。直腸の粘膜下に静脈が豊富に分布して通っているため、坐剤の有効成分は容易に循環血液中に入る。そのため、全身作用が速やかに現れる。

156.▢坐剤の有効成分は、はじめに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する。坐剤の有効成分は、直腸の粘膜下を通っている静脈血中に入るため、肝臓を経由せずに心臓に至る。

157.▢抗狭心症薬のニトログリセリンは、舌下錠、スプレーである。有効成分が口腔粘膜から吸収されて、全身作用を示す。

158.▢一般用医薬品には、全身作用を目的とした点鼻薬はない。一般用医薬品の点鼻薬は、鼻腔粘膜への局所作用を目的として用いられるもののみである。

159.▢点鼻薬の成分は、はじめに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する。


160.▢点眼薬では、アレルギー性副作用を生じることがある。アレルギー反応は微量の抗原でも生じるため、点眼薬でもショック(アナフィラキシー)などのアレルギー性副作用が起こることがある。




薬が働くしくみ

161.▢皮膚に適用する医薬品では、加齢などにより皮膚のみずみずしさが低下すると、有効成分が浸潤・拡散しにくくなる。

162.▢肝初回通過効果により、全身循環に移行する有効成分の量は、消化管で吸収された量よりも少なくなる。肝機能が低下した人では、医薬品を代謝する能力が低いため、効き目が過剰に現れたり、副作用が生じやすくなったりする。

163.▢有効成分と血漿タンパク質との結合は、速やかかつ可逆的である。多くの有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成している。

164.▢血漿タンパク質と複合体を形成している有効成分の分子は、薬物代謝酵素の作用で代謝されない。また、トランスポーターによって輸送されることもない。

165.▢血漿タンパク質と複合体を形成している有効成分の分子は、腎臓で濾過されない。血漿タンパク質との複合体は、腎臓で濾過されない。そのため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。

166.▢医薬品が摂取された後、成分が吸収されるにつれてその血中濃度は上昇し、ある最小有効濃度(閾値)を超えたときに薬効が現れる。

167.▢使用量および使用間隔については、年齢や体格などによる個人差も考慮されている。

168.▢口腔内崩壊錠は、水なしで服用できる。口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされている。

169.▢チュアブル錠は、口の中で砥めたり噛み砕いたりして服用する。


170.▢ドロップでは、薬効を期待する部位が口の中や喉であるものが多い。トローチやドロップは、薬効を期待する部位が口の中や喉であるものが多い。そのため、飲み込まずに口の中で舐めて、徐々に溶かして使用する。


171.▢顆粒剤は噛み砕かず、水などで食道に流し込む必要がある。顆粒剤には粒の表面がコーティングされているものもあるため、噛み砕かない。


172. ▢経口液剤では、有効成分の血中濃度が上昇しやすい。そのため、習慣性や依存性がある成分が配合されている場合、本来の目的と異なる不適正な使用がなされることがある。

173.▢シロップ剤では、容器に残った分を水ですすいで、すすぎ液も飲むなどの工夫が必要である。経口液剤では苦味やにおいが強く感じられることがあるので、小児に用いる医薬品の場合、白糖などの糖類を混ぜたシロップ剤とすることが多い。

174.▢カプセルの原材料として用いられているゼラチンは、ブタなどのタンパク質を主成分としている。そのため、ゼラチンに対してアレルギーをもつ人は使用を避けるなどの注意が必要である。


175.▢カプセル剤を水なしで服用すると、ゼラチンが喉や食道に貼りつくことがある。カプセル剤は喉や食道に貼りつくことがあるため、必ず適切な量の水(またはぬるま湯)とともに服用する。

176.▢適用部位を水から遮断したい場合には、軟膏剤を用いる。患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合などにはクリーム剤を用いることが多い。




症状からみた主な副作用

177.▢ショック(アナフィラキシー)は、発症後の進行が非常に速やか(通常2時間以内に急変する)なことが特徴である。

178.▢ショック(アナフィラキシー)は、以前にその医薬品によってアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種である。

179.▢ショック(アナフィラキシー)は、いったん発症すると病態は急速に悪化することが多い。適切な対応が遅れるとチアノーゼや呼吸困難などを生じ、致命的な転帰をたどることがある。


180.▢皮膚粘膜眼症候群(SJS)の発生頻度は、人口100万人あたり、年間1~ 6人と報告されている。

181.▢皮膚粘膜眼症候群(SJS)の発症機序の詳細は、不明である。皮膚粘膜眼症候群の発症の予測は、極めて困難である。これは、発症の可能性がある医薬品の種類も多いためである。


182.▢中毒性表皮壊死融解症(TEN)は、その症例の多くが皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられる。中毒性表皮壊死融解症では、38℃以上の高熱を伴って広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱などが認められる。

183.▢SJSとTENについて、両眼に現れる急性結膜炎は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期または半日~1日程度先行して生じる。

184.▢偽アルドステロン症は、体内にナトリウムと水が貯留し、カリウムが失われることによって生じる。偽アルドステロン症は、副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらず、生じる病態である。

185.▢偽アルドステロン症は、小柄な人や高齢者で生じやすく、原因薬品の長期服用後に初めて発症する場合もある。


186.▢偽アルドステロン症の症状として、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛などがある。病態が進行すると、筋力の低下、起立不能、歩行困難などを生じる。


187.▢白血球の減少は、ステロイド性抗炎症薬や抗がん薬が原因となり得る。医薬品の使用が原因で、血液中の白血球(好中球)が減少することがある。その結果、細菌やウイルスの感染に対する抵抗力が弱くなることがある。


188.▢精神神経症状は、通常の用法・用量でも発症する。医薬品の不適正な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・用量でも発生することがある。


189.▢無菌性骨髄炎は、医薬品の副作用が原因の場合、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチなどの基礎疾患がある人で発症リスクが高い。髄膜炎のうち、髄液に細菌・真菌が検出されないものを無菌性髄膜炎という。


190.▢無菌性髄膜炎の発症は急性で、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱などの症状が現れる。過去に軽度の症状を経験した人の場合、再度、同じ医薬品を使用することにより再発し、急激に症状が進行する場合がある。


191.▢消化性潰瘍では、消化管出血に伴って糞便が黒くなる。そのほか、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐き気、胃痛などの症状が現れる。

192.▢イレウス様症状では、激しい腹痛やおならの停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘の症状が現れる。

193.▢間質性肺炎は、肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたものである。


194.▢間質性肺炎の症状は、かぜや気管支炎の症状と区別が難しい。症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症に移行することがある。

195.▢間質性肺炎は、一般的に、医薬品の使用開始から1~2週間程度で起きることが多い。

196.▢喘息は内服薬のほか、坐薬や外用薬でも誘発されることがある。喘息では、原因となる医薬品の使用後、短時間(1時間以内)のうちに鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴および呼吸困難を生じる。

197.▢喘息の副作用について、これまでに医薬品(内服薬に限らない)で喘息発作を起こしたことがある人は、重症化しやすい。そのため、同種の医薬品の使用を避ける必要がある。


198.▢喘息の副作用について、重症例は24時間以上持続し、窒息による意識消失から死に至る危険もある。

199.▢不整脈の種類によっては、失神(意識消失)することもある。不整脈とは、心筋の自動性や興奮伝導の異常が原因で心臓の拍動リズムが乱れる病態である。

200.▢排尿困難、尿閉の副作用は、前立腺肥大の基礎疾患がない人でも現れる。また、排尿困難や尿閉の副作用は、男性に限らず女性においても報告されている。

201.▢医薬品により生じる眼圧上昇は、特に緑内障がある人では、厳重な注意が必要である。

202.▢眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して視覚障害を生じることがある。高眼圧を長時間放置すると、視野欠損や失明に至るおそれがある。

203.▢光線過敏症は、医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。一方、接触皮膚炎は、医薬品が触れた皮膚の部分にのみ生じ、正常な皮膚との境界がはっきりしている。

204.▢貼付剤の場合、剥がした後では光線過敏症を発症することがある。光線過敏症が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止して、十分に患部を洗浄し、遮光して、速やかに医師の診療を受ける必要がある。


205.▢薬疹は、あらゆる医薬品で起きる可能性がある。

206.▢医薬品を使用した後に発疹・発赤などが現れた場合は、薬疹の可能性を考慮すべきである。特に、発熱を伴って眼や口腔粘膜に異常が現れた場合は、急速に皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症などの重篤な病態へ進行することがある。

207.▢薬疹による痒みなどの症状には、一般の生活者が自己判断で対症療法を行うことは、原因の特定を困難にするおそれがあるため、避ける必要がある。

208.▢以前、薬疹を経験したことがある人が再度同種の医薬品を使用すると、重篤なアレルギー反応を生じるおそれがある。再度の使用により、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症などを生じるおそれがある。




第3章の1 主な医薬品とその作用

かぜ薬


1.▢かぜは、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。かぜの症状は、くしゃみ、鼻汁・鼻閉、咽喉頭痛、咳、痰などの呼吸器症状と、発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が組み合わさって現れる。


2.▢かぜの原因の約8割はウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス)の感染であるが、細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。


3.▢かぜは通常、数日~1週間程度で自然寛解する。症状が4日以上続くとき、急激な発熱を伴うときは、かぜではない可能性を考慮する。


4.▢発熱や頭痛を伴って悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状が冬場に現れたときは、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎であることが多い。


5.▢インフルエンザは、かぜとは区別して扱われる。かぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものであるが、感染力が強く重症化しやすい。


6.▢かぜ薬は、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図る対症療法薬である。


7.▢発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合にはかぜ薬(総合感冒薬)ではなく、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬など症状に合った薬を選択することが望ましい。


8.▢15歳未満の小児で水痘にかかっているときは、サリチルアミド、エテンザミドの使用を避ける必要がある。他にアスピリン、サザピリン、イブプロフェンについても、一般用医薬品では、小児に対してはいかなる場合も使用してはならない

9.▢15歳未満の小児でインフルエンザにかかっているときは、サリチルアミド、エテンザミドの使用を避ける必要がある。インフルエンザの流行期には、解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンや生薬成分のみからなる製品を提案するなどの対応を図ることが重要である。

10.▢マオウは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分である。

11.▢ナンテンジツは、鎮咳作用を目的として、かぜ薬に配合されている場合がある。ナンテンジツ(南天実)は、メギ科のシロミナンテン(シロナンテン)またはナンテンの果実を基原とする生薬で、知覚神経・末梢運動神経に作用して咳止めに効果が期待される。

12.▢セミアルカリプロティナーゼは、タンパク質分解酵素で、体内で産生される炎症物質(起炎性ポリペプチド)を分解する作用がある。セミアルカリプロティナーゼには、抗炎症作用のほか、痰粘液の粘り気を弱めて痰を切れやすくする働きもある。

13.▢ブロメラインは、毛細血管やリンパ管の沈着物質(フィブリン類似の物質)を分解して浸出物の排出を促し、炎症による腫れを和らげる。

14.▢セミアルカリプロティナーゼは、血液凝固異常のある人では出血傾向を悪化させるおそれがある。フィブリノゲンやフィブリンを分解する作用があるためである。

15.▢トラネキサム酸は、血栓のある人などでは使用する前に医師などに相談する。これは、凝固した血液を溶解されにくくする働きがあるためである。

16.▢グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。グリチルリチン酸の化学構造が、ステロイド性抗炎症成分に類似しているためである。

17.▢むくみ、心臓病、腎臓病または高血圧のある人や高齢者に対して使用する場合、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は、使用する前に医師などに相談する必要がある。

18.▢グリチルリチン酸の食品への使用は、認められている。グリチルリチン酸は甘味料として、一般食品や医薬部外品などにも広く用いられている。

19.▢グリチルリチン酸を含む生薬成分として、カンゾウがある。


20.▢葛根湯は構成生薬として、カンゾウ、マオウを含む。葛根湯では、まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じる。

21.▢小柴胡湯は、かぜの後期の諸症状などに適すとされる。

22.▢小柴胡湯は、インターフェロン製剤で治療を受けている人では使用を避ける必要がある。小柴胡湯は、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるためである。

23.▢肝臓病の診断を受けた人では、小柴胡湯を使用する前に医師などに相談する必要がある。

24.▢柴胡桂枝湯は、まれに重篤な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害を生じることがある。柴胡桂枝湯は、体力中等度またはやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされる。

25.▢小青竜湯は、体力中等度またはやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされる。

26.▢かぜ薬に制酸成分が配合されていても、胃腸症状に対する薬効を標榜することは認められていない。

27.▢かぜ薬のカフェインは、解熱鎮痛成分の鎮痛作用を補助する目的でかぜ薬に配合される。

28.▢かぜ薬の重篤な副作用は、解熱鎮痛成分(生薬成分を除く)によるものであることが多い。

29.▢まれにショック(アナフィラキシー)が起きることが、かぜ薬(漢方処方成分、生薬成分のみからなる場合を除く)の使用上の注意の共通の記載となっている。ショック(アナフィラキシー)のほか、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息、間質性肺炎についても使用上の注意の共通の記載となっている。

30.▢小児のかぜでは、急性中耳炎を併発しやすい。

31.▢2歳未満の乳幼児がかぜをひいた場合、医師の診断を受けることを優先する。2歳未満の乳幼児では、一般用医薬品の使用はやむを得ない場合のみとする。


32.▢サリチルアミドは、解熱鎮痛成分である。かぜ薬、解熱鎮痛薬に配合される。

33.▢カルビノキサミンマレイン酸塩は、抗ヒスタミン成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬、内服アレルギー用薬に配合される。

34.▢メキタジンは、抗ヒスタミン成分である。かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。

35.▢ヨウ化イソプロパミドは、抗コリン成分である。鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として、かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。

36. ▢チペピジンヒベンズ酸塩は、中枢性の非麻薬性鎮咳成分である。延髄の咳嗽中枢の興奮を鎮めて咳を抑える。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。

37.▢クロペラスチン塩酸塩は、鎮咳成分である。中枢性の非麻薬性鎮咳成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。

38.▢ブロムヘキシン塩酸塩は、去痰成分である。分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用を示す。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。


39.▢セミアルカリブロティナーゼは、抗炎症成分である。鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として、かぜ薬に配合される。


40.▢メチルエフェドリンサッカリン塩は、アドレナリン作動成分である。①鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる目的でかぜ薬に、②咳や喘息の症状を鎮めることを目的として鎮咳去痰薬に配合される。


解熱鎮痛薬

41.▢痛みは、病気や外傷などに対する警告信号として引き起こされる。また発熱は、細菌やウイルスなどの感染などに対する生体防御機能の一つとして引き起こされる。


42.▢プロスタグランジンは、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。

43.▢解熱鎮痛薬は、病気や外傷が原因で生じている発熱や痛みを緩和するために使用される医薬品(内服薬)の総称である。

44.▢多くの解熱鎮痛薬には、体内におけるプロスタグランジンの産生を抑える成分が配合されている。

45.▢月経痛(生理痛)は、月経そのものが起こる過程にプロスタグランジンが関わっていることから、月経痛は解熱鎮痛薬の効能・効果に含まれている。

46.▢痙攣性の内臓痛は、一部の漢方処方製剤を除き、解熱鎮痛薬の効果は期待できない。腹痛を含む痙攣性の内臓痛は、通常の痛みと発生のしくみが異なっているため、効果は期待できない。

47.▢プロスタグランジンには、胃酸分泌調節作用や胃腸粘膜保護作用がある。プロスタグランジンの作用が解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が増加するとともに胃壁の血流量が低下して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。

48.▢解熱鎮痛薬の服用期間中は、飲酒を避ける必要がある。アルコールは、解熱鎮痛成分の吸収や代謝に影響を与え、肝機能障害などの副作用を起こしやすくするおそれがあるためである。

49.▢アスピリン喘息は、アスピリン特有の副作用ではない。他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性がある。

50.▢アスピリンは、他の解熱鎮痛成分に比較して胃腸障害を起こしやすい。アスピリンアルミニウムなどとして、胃腸粘膜への悪影響の軽減を図っている製品がある。

51.▢アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)には、血液を凝固しにくくさせる作用がある。

52.▢出産予定日12週間以内におけるアスピリンの使用を避ける。これは、妊娠期間の延長、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれがあるためである。

53.▢アスピリンは、まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることがある。また、アスピリンアルミニウムについても、肝機能障害を生じるおそれがある。

54.▢エテンザミドは、他の解熱鎮痛成分に比べて、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強い。

55.▢アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドの組合せは、それぞれの頭文字から「ACE処方」と呼ばれる。

56.▢ライ症候群の発生が示唆されているため、アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)およびサザピリンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。

57.▢アセトアミノフェンは、末梢における抗炎症作用は期待できない。アセトアミノフェンは主として、中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすためである。

58.▢アセトアミノフェンには、空腹時に服用できる製品もある。これは、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害が少ないためである。

59.▢内服薬のほか、もっぱら小児の解熱に用いる製品としてアセトアミノフェンが配合された坐薬もある。

60.▢イブプロフェンは、アスピリンなどに比べて胃腸への悪影響が少なく、抗炎症作用も示す。このことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛などに使用されることが多い。


61.▢胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン氏病の既往歴がある人がイブプロフェンを使用した場合、それら疾患の再発を招くおそれがある。イブプロフェンがプロスタグランジンの産生を抑制することにより、消化管粘膜の防御機能を低下させるためである。

62.▢一般用医薬品においては、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合もイブプロフェンを使用してはならない。

63.▢イソプロピルアンチピリンの解熱作用および鎮痛作用は比較的強く、抗炎症作用は弱い。イソプロピルアンチピリンは、抗炎症作用が弱い。このため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合される。

64.▢アスピリンやサザピリンは、成分名が「~ピリン」であっても、非ピリン系の解熱鎮痛成分である。

65.▢イソプロピルアンチピリン以外の解熱鎮痛成分でも、薬疹などのアレルギー症状が生じることがある。一般の生活者では、「非ピリン系解熱鎮痛成分では薬疹のおそれがない」などと誤って認識している場合がある。


66.▢生薬成分は、アスピリンなどの解熱鎮痛成分の使用を避けなければならない場合にも使用できる。生薬成分がもたらす解熱・鎮痛のしくみは、アスピリンなどに含まれるプロスタグランジンの産生抑制とは異なるものと考えられている。

67.▢ジリュウは、古くから熱さましとして用いられてきたジリュウ(地竜)は、フトミミズ科のPheretima aspergillum Perrierまたは、その近縁動物の内部を除いたものを基原とする生薬である。


68.▢ボウイ(防己)は、ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓性の茎および根茎を、通例、横切したものを基原とする生薬である。鎮痛、利尿などの作用が期待される。

69.▢ケイ酸アルミニウムは、解熱鎮痛成分による胃腸障害を軽減する目的で配合される。ただし、解熱鎮痛薬にケイ酸アルミニウムが配合されていても、胃腸症状に対する薬効を標榜することは認められていない。

70.▢メトカルバモールは、いわゆる「筋肉のこり」を和らげる。骨格筋の緊張をもたらす脊髄反射を抑制する作用があるためである。

71.▢芍薬甘草湯は、心臓病の診断を受けた人では使用を避ける。これは、まれに重篤な副作用として、肝臓障害のほか、間質性肺炎、うっ血性心不全や心室頻拍を生じることが知られているためである。

72.▢ヨクイニン湯は、構成生薬としてカンゾウ、マオウを含む。

73.▢痛み止めの薬と熱冷ましの薬は、同一成分や同種成分の重複により、効果や副作用に影響する。一般生活者の誤った認識には、注意が必要である。

74.▢アルコールにより、アセトアミノフェンによる肝機能障害が起こりやすくなる。また、アルコールの作用による胃粘膜の荒れが、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなどによる胃腸障害を増強することがある。

75.▢解熱鎮痛薬の使用は、発熱や痛みを一時的に抑える対症療法でり、疾病の原因を根本的に解消するものではない。

76.▢通常、体温が38℃以下であれば、平熱になるまで解熱鎮痛薬を用いる必要は無い。ひきつけや著しい体力消耗などのおそれが少ないためである。

77.▢頭痛が頻繁に出現して24時間以上続く場合は、自己治療で対処できる範囲を超えている。手足の痺れや意識障害などを伴う頭痛が現れたときなどには、くも膜下出血などの生命に関わる重大な病気である可能性が疑われる。

78.▢解熱鎮痛薬は、頭痛の症状が軽いうちに解熱鎮痛薬を服用すると効果的であるが、症状が現れないうちに予防的に使用することは適切でない。

79.▢解熱鎮痛薬を使用しても、しばらくすると頭痛が再発し、常時手放せないような場合には、薬物依存が形成されている可能性も考えられる。


眠気を促す薬

80.▢脳内におけるヒスタミン刺激が低下すると、眠気が促される。ヒスタミンは、脳の下部で覚醒の維持や調節を行う働きを担っている。

81.▢抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものである。また、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。

82.▢妊婦または妊娠していると思われる女性は、睡眠改善薬の使用を避ける必要がある。妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化などが原因であるため、睡眠改善薬の適用対象ではない。

83.▢15歳未満の小児は、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用を避ける必要がある。小児および若年者では、抗ヒスタミン成分により、眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがあるためである。

84.▢ジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分の中でも特に眠気を促す作用が強い。

85.▢ブロモバレリル尿素は脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。ブロモバレリル尿素は、少量でも眠気を催しやすい。このため、服用した後は、乗物などの運転操作を避ける必要がある。

86.▢妊婦は、ブロモバレリル尿素の使用を避ける必要がある。ブロモバレリル尿素は、胎児に障害を引き起こす可能性がある。このため、妊婦は使用を避ける必要がある。

87.▢ブロモバレリル尿素の大量摂取による自殺が社会問題となった。

88.▢生薬成分のみからなる鎮静薬であっても、長期連用や、複数の鎮静薬の併用は避けるべきである。

89.▢抑肝散は、心不全を引き起こす可能性がある。抑肝散の使用後、動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた場合は、直ちに医師の診療を受けるべきである。

90.▢抑肝散加陳皮半夏は、体力中等度を目安として、やや消化器が弱いものに幅広く用いることができる。抑肝散加陳皮半夏は、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症、更年期障害、血の道症、歯ぎしりに適すとされる。


91.▢柴胡加竜骨牡蛎湯は、構成生薬としてダイオウを含む。精神不安があり、動悸、不眠、便秘などを伴う高血圧随伴症状、神経症、更年期障害などに適す。

92.▢医療機関で不眠症、不安症、神経症の治療(薬物治療以外の治療を除く)を受けている患者は、催眠鎮静薬の使用を避ける必要がある。不眠症、不安症、神経症に関し、薬物治療以外の治療を受けている患者についても催眠鎮静薬の使用を避ける必要がある。

93.▢生薬成分のみからなる鎮静薬の場合であれば、アルコールが睡眠の質を低下させ、鎮静薬の効果を妨げることがあるため、飲酒は避けるほうがよい。

94.▢寝ようとして床に入ってもなかなか寝つけないなどの症状が慢性的に続いている場合は、医療機関を受診するなどの対応が必要である。うつ病などの精神神経疾患、何らかの身体疾患に起因する不眠、催眠鎮静薬の使いすぎによる不眠などの可能性も考えられるためである。

95.▢ブロモバレリル尿素の大量摂取により昏睡が起きている場合は、救命救急が可能な医療機関に連れて行くなどの対応が直ちに取れるよう、十分に説明する。

 
眠気を防ぐ薬

96.▢カフェインには、一時的に眠気や倦怠感を抑える効果がある。カフェインには、脳に軽い興奮状態を引き起こす作用があるためである。

97.カフェインには、腎臓におけるナトリウムイオン(同時に水分)の再吸収を抑制する働きがある。これにより、尿量の増加(利尿)をもたらす。

98.▢カフェインの副作用として、胃腸障害(食欲不振、悪心・嘔吐)が現れることがある。カフェインには胃液分泌亢進作用があるため、胃腸障害が現れることがある。

99.▢カフェインには、心筋を興奮させる作用がある。また、副作用として動悸が現れることがある。

100.▢眠気防止薬において、カフェインの1回摂取量は、カフェインとして200mgが上限とされている。眠気防止薬におけるカフェインの1日摂取量については、カフェインとして500mgが上限とされている。

101.▢カフェインには作用は弱いながら、反復摂取により依存を形成する性質がある。このため、「短期間の服用にとどめ連用しないこと」という注意喚起がなされている。

102.▢授乳婦がカフェインを大量摂取または連用した場合には、乳児に頻脈や不眠などを引き起こす可能性がある。

103.▢小児用の眠気防止薬はない。成長期の小児の発育には、睡眠が重要であるためである。


鎮量薬(乗物酔い防止薬)

104.▢乗物酔い防止薬を、つわりに伴う吐きけへの対処として使用することは適当でない。乗物酔い防止薬は、乗物酔い(動揺病)によるめまい、吐きけ、頭痛を防止し、緩和することを目的とする医薬品である。

105.▢ジフェニドール塩酸塩は、前庭神経の調節作用のほか、内耳への血流を改善する。

106.▢ジフェニドール塩酸塩は、抗ヒスタミン成分と共通する類似の薬理作用を示す。日本ではもっぱら、抗めまい成分として用いられている。

107.▢排尿困難の症状がある人では、ジフェニドール塩酸塩を使用する前に医師などに相談することが望ましい。排尿困難や緑内障の症状を悪化させるおそれがあるため、使用する前に医師などに相談することが望ましい。

108.▢抗ヒスタミン成分は、延髄における嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。

109.▢Q109 ジメンヒドリナートは、もっぱら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分である。ジメンヒドリナートは、ジフェンヒドラミンテオクル酸塩の一般名である。

110.▢メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用の発現が遅く、持続時間が長い。もっぱら、乗物酔い防止薬に配合されている。

111.▢15歳未満の小児では、プロメタジンを含む成分の使用を避ける必要がある。海外において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような、致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるためである。

112.▢スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、消化管からよく吸収されるため、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすい。

113.▢スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗ヒスタミン成分などと比べて作用の持続時間は短い。スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、肝臓で速やかに代謝されてしまうためである。

114.▢ジプロフィリンは、脳に軽い興奮を起こさせて、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させる。ジプロフィリンは、キサンチン系と呼ばれる成分である。

115.▢カフェインは、脳に軽い興奮を起こさせて、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させる目的で配合される。

116.▢アミノ安息香酸エチルは、6歳未満の小児への使用は避ける必要がある。これは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるためである。

117.▢乗り物酔い防止薬に、3歳未満の乳幼児向けの製品はない。3歳未満では自律神経系が未発達で、乗物酔いが起こることはほとんどないとされているためである。

118.▢乗物酔いに伴う一時的な症状としてではなく、日常においてめまいがたびたび生じる場合には、基本的に医療機関を受診するなどの対応が必要である。

119.▢高齢者は、平衡機能の衰えによってめまいを起こしやすい。高齢者のめまいは、聴覚障害(難聴、耳鳴りなど)に伴って現れることも多い。


小児鎮静薬

120.▢小児鎮静薬は小児の疳の症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質、消化不良などの改善を目的とする医薬品(生薬製剤・漢方処方製剤)である。小児鎮静薬は症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1か月くらい)継続して服用されることがある。

121▢小児鎮静薬は、比較的長期間(1か月くらい)継続して服用されることがある。

122▢小児鎮静薬は、夜泣き、ひきつけ、疳の虫などの症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質、消化不良などの改善を目的としている。

123.▢小児鎮静薬は、作用が穏やかで小さな子どもに使えるが、副作用はある。一般の生活者においては、「作用が穏やかで小さな子どもに使っても副作用がない」と誤って認識している場合がある。

124.▢小児鎮静薬には、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。なお、小児の疳は、乾という意味もあるともいわれ、痩せて血が少ないことから生じると考えられている。

125.▢レイヨウカク(羚羊角)は、ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)などの角を基原とする生薬である。

126.▢小建中湯は、構成生薬としてカンゾウを含む。小建中湯は比較的長期間(1ヶ月くらい)服用することがあるため、グリチルリチン酸の摂取量に特に留意する必要がある。

127.▢小児の吐瀉物が緑色をしているような場合は、早めに医師の診療を受ける必要がある。他にも吐瀉物に血が混じっているような場合、吐き出すときに咳き込んだり息を詰まらせたりするような場合も、早めに医師の診療を受けさせる必要がある。

128.▢咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢系に伝わり、延髄にある咳漱中枢の働きによって引き起こされる反応である。咳はむやみに抑え込むべきではないが、長く続く場合は体力の消耗や睡眠不足を招くなどの悪影響もある。

129.▢ジヒドロコデインリン酸塩の作用本体であるジヒドロコデインは、モルヒネと同じ基本構造をもつ。

130.▢コデインリン酸塩の一部は、血液胎盤関門を通過して胎児へ移行する。コデインリン酸塩については、動物実験(マウス)で催奇形性作用が報告されている。

131.▢コデイン類を含む医薬品については、12歳未満に使用しないよう注意喚起が行われるとともに、コデイン類を含まない代替製品や、12歳未満の小児を適応外とする製品への切替えが行われている。

132.▢ジヒドロコデインリン酸塩の副作用として、便秘が現れることがある。これは、胃腸の運動を低下させる作用のためである。

133.メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウについては依存性がある。これらは、中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強い。

134.▢ジプロフィリンは、自律神経系を介さずに、気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させる。気管支を拡張させる成分として、ジプロフィリンなどのキサンチン系成分がある。

135.▢てんかんの診断を受けた人では、ジプロフィリンを使用する前に医師などに相談する必要がある。中枢神経系を興奮させる作用を示し、てんかんの症状の悪化を招くおそれがあるためである。

136.▢グアイフェネシンは去痰成分で、気道粘膜からの粘液の分泌を促進する作用を示す。

137.▢メチルシステイン塩酸塩は去痰成分で、たんの中の粘性タンパク質を溶解・低分子化し粘性を減少させる。

138.▢ブロムヘキシン塩酸塩は、分泌促進、溶解低分子化、線毛運動促進の作用を示す。ブロムヘキシン塩酸塩は、去痰成分である。

139.▢カンゾウには、抗炎症作用のほか、気道粘膜からの分泌を促す作用も期待される。カンゾウを大量に摂取するとグリチルリチン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれがある。

140.▢むくみ、心臓病、腎臓病または高血圧のある人や高齢者では、偽アルドステロン症を生じるリスクが高い。どのような人が対象であっても、 1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上となる製品は、長期連用を避ける。

141.▢甘草湯は短期間の服用にとどめ、連用しないこととされている。

142.▢キョウニン(杏仁)は、バラ科のホンアンズ、アンズなどの種子を基原とする生薬である。

143.▢セネガの摂取により、糖尿病の検査値に影響を生じることがある。糖尿病が改善したと誤認されるおそれがあるため、1日最大配合量がセネガ原生薬として1.2 g以上を含有する製品では、 使用上の注意の「成分および分量」に関連する注意として記載されている。


鎮咳去痰薬

144.▢セキサンのエキスは、白色濃厚セキサノールとも呼ばれる。セキサンは、ヒガンバナ科の彼岸花鱗茎を基原とする生薬で去痰作用が期待される。

145.▢半夏厚朴湯は、構成生薬としてカンゾウは含まれない。

146.▢麦門冬湯は、体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、または咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされるが、水様痰の多い人には不向きとされる。

147.▢鎮咳去痰薬に、発熱を鎮める効果は期待できない。鎮咳去痰薬には、解熱成分は配合されていない。

148.▢痰を伴わない乾いた咳が続く場合には、間質性肺炎などの初期症状である可能性がある。また、その原因が医薬品の副作用によるものであることもある。

149.▢COPDにおける咳や痰、息切れなどの症状は、喫煙に伴う症状のため、鎮咳去痰薬を漫然と長期間にわたって使用することは適当でない。喫煙は咳や痰などの呼吸器症状を遷延化・慢性化させ、慢性気管支炎や肺気腫などの COPD のリスク要因の一つとして指摘されているためである。

150.▢喘息は、一般用医薬品の使用によって対処を図るのでなく、早期に医療機関での診療を受けるなどの対応が必要である。喘息発作が重積すると、生命に関わる呼吸困難につながることもある。

151.▢ジヒドロコデインリン酸塩によって依存を生じている場合は、自己努力のみで依存からの離脱を図ることは困難である。薬物依存は、医療機関での診療が必要な病気である。

152.▢デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、中枢性の非麻薬性鎮咳成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。

153.▢コデインリン酸塩は、中枢性の麻薬性鎮咳成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。

154.▢トリメトキノール塩酸塩は、気管支拡張成分・アドレナリン作動成分である。鎮咳去痰薬に配合される。

155.▢カルボシステインは、去痰成分である。カルボシステインは、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させ、また、粘液成分の含量比を調整し痰の切れを良くする。鎮咳去痰薬に配合される。

156.▢クレゾールスルホン酸カリウムは、去痰成分である。気道粘膜からの分泌を促進する作用を示す。鎮咳去痰薬に配合される。

157.▢トラネキサム酸は、抗炎症成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬・含嗽薬、内服アレルギー用薬に配合される。

158.▢セチルピリジニウム塩化物は、殺菌消毒成分である。陽性界面活性成分で、細菌や真菌類に有効であるが、結核菌やウイルスには効果がない。


口腔咽喉薬、含嗽薬

159.▢口腔咽喉薬に鎮咳成分、気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない。口腔咽頭薬は、口腔内または咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れなどの症状の緩和を主たる目的としている。

160.▢含嗽薬は、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。水で用時希釈、または溶解して使用するものが多い。

161.▢含嗽薬の使用後すぐに食事を摂ると、殺菌消毒効果が薄れやすい。

162.▢含嗽薬は、全身的な影響を生じることがある。これは、成分の一部が粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすいためである。

163.▢一般用医薬品の口腔咽喉薬や含嗽薬には、咽頭部の炎症を和らげる成分、殺菌消毒成分などを組み合わせて配合されている。有効成分が生薬成分、グリチルリチン酸ニカリウム、セチルピリジエウム塩化物などのみからなる製品である。効能・効果が一定の範囲に限られるものは、医薬部外品として扱われている。


164.▢リゾチーム塩酸塩は、口腔咽喉薬や含嗽薬として使用された場合でも、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症のような重篤な副作用を生じることがある。

165.▢ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。口腔内に使用されると、結果的にヨウ素の摂取につながるためである。

166.▢妊娠中に、ヨウ素系殺菌消毒成分が長期間にわたって大量に使用された場合には、胎児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を生じるおそれがある。妊娠中に摂取された要素の一部は、血液-胎盤関門を通過して胎児に移行するためである。

167.▢ポビドンヨードが配合された含嗽薬では、その使用によって銀を含有する歯科材料(義歯など)が変色することがある。

168.▢クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬は、口腔内に傷やひどいただれのある人では、使用を避ける必要がある。強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。

169.▢グリセリンは、グリセリンは、局所保護成分である。口腔咽喉薬・含嗽薬のほか、浣腸成分として浣腸薬に、保湿成分として外皮用薬に配合される。

170.▢クロルフェニラミンマレイン酸塩は、咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感などの症状を鎮める。クロルフェニラミンマレイン酸塩は、抗ヒスタミン成分である。かぜ薬、鎮暈薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬・含嗽薬、外用痔疾用薬、内服アレルギー用薬、鼻炎用点鼻薬、眼科用薬、外皮用薬に配合される。

171.▢白虎加人参湯は、咳や痰に対する効果を標榜しない。主として喉の痛みなどを鎮めることを目的とする。同様の漢方処方製剤として、桔梗湯、駆風解毒散・駆風解毒湯、響声破笛丸などがある。

172.▢ヨウ素は、食品中のビタミンCなどの成分と反応すると脱色を生じて、殺菌作用が失われる。


173.▢チモールは、殺菌消毒成分である。細菌や真菌類に有効である。

174.▢クロルヘキシジングルコン酸塩は、殺菌消毒成分である。クロルヘキシジングルコン酸塩は、細菌類、真菌類に有効であるが、結核菌やウイルスには効果がない。


胃の薬

175.▢胃腸の症状がはっきりしている場合には、総合胃腸薬ではなく、その症状に見合った成分のみが配合された薬を選択することが望ましい。さまざまな胃腸の症状に幅広く対応できるよう、制酸、胃粘膜保護、健胃、消化、整腸、鎮痛鎮痙、消泡などの成分を組み合わせたものを総合胃腸薬という。


176.▢合成ヒドロタルサイトは、アルミニウムとマグネシウムを含む制酸成分である。中和反応によって胃酸の働きを弱めることを目的として、胃の薬に配合される。


177.▢メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、胃酸の中和作用のほか、胃粘膜にゼラチン状の皮膜を形成して保護する作用もあるとされる。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、制酸成分である。

178.▢制酸成分を主体とする胃腸薬は、炭酸飲料などでの服用は適当でない。これは、酸度の高い食品と一緒に使用すると、胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるためである。

179.▢アルミニウム成分は、透析療法を受けている人では、使用を避ける必要がある。透析療法を受けている人が長期間服用した場合に、アルミニウム脳症およびアルミニウム骨症を引き起こしたとの報告があるためである。

180.▢腎臓病の診断を受けた人では、制酸成分を主体とする胃腸薬を使用する前にその適否につき、医師などに相談がなされるべきである。ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの無機塩類の排泄が遅れたり、体内に貯留しやすくなるためである。

181.▢カルシウムを含む制酸成分では、便秘の症状に注意する必要がある。カルシウム、アルミニウムを含む成分は、止瀉薬に配合される成分でもある。

182.▢マグネシウム。マグネシウムを含む成分は、瀉下剤に配合される成分でもある。下痢などの症状に注意する必要がある。

183.▢健胃薬(散剤)は、生薬成分が配合された健胃薬をオブラートで包むなど、味や香りを遮蔽する服用の仕方は、効果が期待できず適当でない。

184.▢オウバク(黄柏)は、抗菌、抗炎症などの作用が期待される。苦味による健胃作用のほか、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜を引き締める。

185.▢ゲンチアナは、リンドウ科のゲンチアナの根および根茎を基原とする生薬である。苦味による健胃作用が期待される。

186.▢利胆成分は、肝臓病の診断を受けた人では、使用する前に医師などに相談する必要がある。利胆成分には肝臓の働きを高める作用もあるとされるが、肝臓病の診断を受けた人ではかえって症状を悪化させるおそれがあるためである。

187.▢アルジオキサ(アラントインと水酸化アルミニウムの複合体)は、アルミニウムを含む成分である。

188.▢スクラルファートは、透析治療を受けていない人でも、長期連用は避ける必要がある。長期連用により、アルミニウム脳症およびアルミニウム骨症を生じるおそれがあるためである。

189.▢ソファルコンは、肝臓病の診断を受けた人では、使用する前に医師などに相談がなされるべきである。

190.▢セトラキサート塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じる。このため、血栓のある人などでは、使用する前に医師などに相談がなされるべきである。

191.▢ジメチルポリシロキサンは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促す。また、ジメチルポリシロキサンはジメチコンとも呼ばれる。


192.▢ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えず、胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。ピレンゼピン塩酸塩は、消化管以外では一般的な抗コリン作用のため、排尿困難、動悸、目のかすみの副作用を生じることがある。

193.▢ピレンゼピン塩酸塩は、まれに重篤な副作用としてアナフィラキシーを生じることがある。

194.▢安中散は、構成生薬としてカンゾウを含む。

195.▢制酸薬は、暴飲暴食による胸やけ、吐きけ(二日酔い・悪酔いのむかつき、嘔気)、嘔吐などの症状を予防するものではない。制酸薬は、起きてしまった諸症状を緩和する目的で使用するものであり、予防薬ではない。

196.▢デヒドロコール酸は、利胆成分である。胆汁の分泌を促す作用があるとされ、消化を助ける効果が期待される。

197.▢セトラキサート塩酸塩は、胃粘膜保護・修復成分である。セトラキサート塩酸塩は、胃粘膜の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促すなどの作用が期待される。

198.▢銅クロロフィリンナトリウムは、胃粘膜保護・修復成分である。胃の薬、歯槽膿漏薬(内服)に配合される。



腸の薬

199.▢水分の吸収は、大半が小腸で行われる。大腸では腸内容物が糞便となる過程で、適切な水分量に調整がなされる。

200.▢下痢、便秘の繰り返しにおける整腸は、医薬品にのみ認められている。薬部外品では、人体に対する作用が緩和なものとして、配合できる成分やその上限量が定められ、また、効能・効果の範囲も限定されている。

201.▢アセンヤクは、アセンヤク(阿仙薬)は、アカネ科のガンビールの葉および若枝から得た水製乾燥エキスを基原とする生薬である。

202.▢トリメブチンマレイン酸塩は、胃、腸の平滑筋に直接作用する。トリメブチンマレイン酸塩は、消化管運動が低下しているときは亢進的に、消化管運動が亢進しているときは抑制的に働くとされる。

203.▢トリメブチンマレイン酸塩は、まれに肝機能障害を生じることがある。このため、肝臓病の診断を受けた人では、使用する前に医師などに相談がなされるべきである。


204.▢ビスマスを含む成分には、収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用があるとされる。

205.▢収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。

206.▢ビスマスを含む成分は、1週間以上継続して使用しないこととされている。これは、長期連用した場合に、精神神経症状が現れたとの報告が海外においてあるためである。

207.▢ビスマスを含む成分の服用時は、飲酒を避ける必要がある。アルコールと一緒に摂取されると、循環血液中への移行が高まって、精神神経症状を生じるおそれがあるためである。

208.▢ビスマスを含む成分は、胃・十二指腸潰瘍の診断を受けた人では、使用する前に医師などに相談する必要がある。損傷した粘膜から、ビスマスの吸収が高まるおそれがあるためである。

209.▢タンニン酸アルブミンのアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分である。このため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。

210.▢ロペラミド塩酸塩は、食べすぎ・飲みすぎ、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としている。食あたりや水あたりによる下痢については、適用対象でない。

211.▢ロペラミド塩酸塩を含む一般用医薬品では、15歳未満の小児への使用を避ける必要がある。乳幼児が過量摂取した場合に、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告が海外であるためである。

212.▢ロペラミド塩酸塩の使用は、短期間にとどめる2~3日使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

213.▢ロペラミド塩酸塩は、胃腸鎮痛鎮痙薬としての併用を避ける必要がある。胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は、腸管の運動を低下させる作用を示すためである。

214.▢ロペラミド塩酸塩は、まれに重篤な副作用として、ショック(アナフィラキシー)皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症を生じることがある。ロペラミド塩酸塩には、他に中枢神経を抑制する作用もある。副作用として、めまい眠気が現れることがある。

215.▢ロペラミド塩酸塩は、吸収された成分の一部が、乳汁中に移行することが知られている。母乳を与える女性では使用を避けるか、または使用期間中の授乳を避けるべきである。

216.▢腸内殺菌成分(止瀉薬)が、通常の腸管内に生息する腸内細菌に対しても、抗菌作用を示す。ただし、ブドウ球菌や大腸菌などに対する抗菌作用のほうが優位である。

217.▢ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンに含まれるベルベリンは、オウバクに含まれる物質である。

218.▢ベルベリンは抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされる。

219.▢木クレオソートは殺菌作用のほか、局所麻酔作用もあるとされる。また、過剰な腸管の(蠕動)運動を正常化し、併せて水分や電解質の分泌を抑える止瀉作用もある。

220.▢日本薬局方収載のヒマシ油および加香ヒマシ油は、腸内容物の急速な排除を目的として用いられる。

221.▢ヒマシ油は、3歳未満の乳幼児では使用を避ける必要がある。急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示すため、3歳未満の乳幼児では使用を避ける。

222.▢防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には、ヒマシ油の使用を避ける必要がある。

223.▢瀉下を目的としない医薬品にダイオウが配合されるときは、瀉下作用が副作用となる。ダイオウを含む漢方処方製剤では、瀉下作用の増強を生じて、腹痛、激しい腹痛を伴う下痢などの副作用があらわれやすくなる。そのため瀉下薬との併用に注意する。

224.▢刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は、一般に、流産・早産を誘発するおそれがある。特に、センナ及びセンノシドが配合された瀉下薬については、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、使用を避けるべきである。

225.▢ビサコジルは、大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。ビサコジルには、結腸や直腸での水分の吸収を抑えて、糞便のかさを増大させる働きもあるとされる。

226.▢硫酸ナトリウムは、心臓病の診断を受けた人では、使用する前に医師などに相談する必要がある。血液中の電解質のバランスが損なわれ、心臓の負担が増加し、心臓病を悪化させるおそれがあるためである。

227.▢膨潤性瀉下成分が配合された瀉下薬については、その効果を高めるため、使用と併せて十分な水分摂取がなされることが重要である。

228.▢マルツエキスは、主に乳幼児の便秘に用いられる。マルツエキスは、瀉下薬としては比較的作用が穏やかなためである。

229.▢マルツエキスは、水分不足に起因する便秘に適さない。

230.▢大黄甘草湯は、構成生薬としてカンゾウ、ダイオウを含む。大黄甘草湯は体力に関わらず広く応用され、便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などの症状の緩和に適すとされる。

231.▢麻子仁丸を使用している間は、他の瀉下薬の使用を避ける必要がある。麻子仁丸は体力中等度以下で、ときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔の緩和に適すとされる。

232.▢下痢は腸管内の有害な物質を排出するために起こる防御反応である。止瀉薬によって下痢止めることで、かえって症状の悪化を招くことがある。

233.▢瀉下薬の使用は、一時的なものにとどめることが望ましい。便秘については、便秘になりやすい食生活などの生活習慣の改善が図られることが重要である。

234.▢便秘に伴う腹痛が著しい場合、急性腹症の可能性がある。便秘に伴って腹痛が著しい場合や、吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症(腸管の狭窄、閉塞、腹腔内器官の炎症など)の可能性がある。

235.▢タンニン酸アルブミンは、止瀉成分である。タンニン酸アルブミンは、止瀉成分(収斂成分)である。腸粘膜を保護することを目的としている。

236.▢ベルベリン塩化物は、止瀉成分(腸内殺菌成分)である。細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的としている。

237.▢センノシドは、大腸刺激性瀉下成分である。センナから抽出され、大腸を刺激して排便を促す。

238.▢ヒマシ油は、小腸刺激性瀉下成分である。日本薬局方収載のヒマシ油および加香ヒマシ油は、腸内容物の急速な排除を目的として用いられる。

第3章の2 主な医薬品とその作用


胃腸鎮痛鎮痙薬

239.▢抗コリン成分は、消化管の運動を抑え胃液分泌を抑制する。抗コリン成分は、胃痛、腹痛、さしこみを鎮めること(鎮痛鎮痙)のほか、胃酸過多や胸焼けに対する効果も期待して用いられる 。

240.▢胃腸鎮痛鎮痙薬において、抗コリン成分の作用は消化管に限定されない。目のかすみや異常なまぶしさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難などの副作用があらわれることがある。

241.▢ロートエキスは、母乳を与える女性では使用を避けるか、または使用期間中の授乳を避ける必要がある 。吸収された成分の一部が母乳中に移行して、乳児の脈がはやくなる(頻脈)おそれがあるためである。

242.▢パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとされる 。抗コリン成分と異なり、パパベリン塩酸塩には胃液分泌を抑える作用は見出されない。

243.▢パパベリン塩酸塩は、眼圧を上昇させる作用を示すことが知られている。こsれは自律神経系を介した作用ではない。

244.▢オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか胃酸分泌を抑える作用もあるとされる。胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。

245.▢オキセサゼインは、妊婦又は妊娠していると思われる女性、15歳未満の小児では、使用を避ける必要がある。オキセサゼインは、妊娠中や小児における安全性は確立されていない。

246.▢下痢に伴う腹痛については、基本的に下痢への対処が優先される。胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる症状ではない。


その他の消化器官用薬

247.▢浣腸薬は、繰り返し使用すると直腸の感受性の低下が生じる。効果が弱くなり医薬品の使用に頼りがちになるため、連用しないこととされている。

248.▢浣腸薬は一般に、妊婦では使用を避ける必要がある。直腸の急激な働きに刺激されて、流産・早産を誘発するおそれがある。

249.▢浣腸薬(注入剤)に半量を使用する用法がある場合、使用後は廃棄する。残量を再利用すると、感染の恐れがある。

250.▢グリセリン浣腸薬は、高齢者または心臓病の診断を受けた人では、使用する前に医師などに相談する必要がある。排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現れるとの報告がある。そうした症状は、体力の衰えている高齢者や心臓に基礎疾患がある人で特に現れやすい。

251.▢グリセリン浣腸薬は、痔出血の症状がある人では、使用する前に医師などに相談する必要がある。肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こす。また、腎不全を引き起こすおそれがある。


252.▢炭酸水素ナトリウムは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生する。これにより、直腸を刺激する作用を期待して用いられる。

253.▢炭酸水素ナトリウムを主薬とする坐剤では、まれに重篤な副作用としてショックを生じることがある。

254.▢一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫である。条虫の駆除を目的とする一般用医薬品はない。

255.▢駆虫薬は腸管内に生息する虫体にのみ作用する。虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には、駆虫作用が及ばない。

256.▢複数の駆虫薬を併用しても、駆虫効果が高まることはない。かえって副作用があらわれやすくなる。また、組合せによっては駆虫作用が減弱することがある。

257.▢駆虫薬は、空腹時に使用することとされている駆虫薬が多い。食後に服用すると、消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まるためである。

258.▢駆虫薬とヒマシ油との併用は、避ける必要がある。腸管内で駆虫成分が吸収されやすくなり、副作用を生じる危険性が高まるためである。

259.▢サントニンの服用後、一時的に物が黄色く見えたりする事がある。また、耳鳴り、口渇があらわれることがある。

260.▢カイニン酸を含む生薬成分として、マクリがある。フジマツモ科のマクリの全藻を基原とする生薬で、カイニン酸を含む。

261.▢パモ酸ピルビニウムの駆虫対象は、蟯虫である。パモ酸ピルビニウムは、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。

262.▢パモ酸ビルビニウムは、尿や糞便が赤く着色することがある。パモ酸ピルビニウムは赤~赤褐色の成分である。


強心薬

263.▢動悸とは、心臓の拍動が強く、速くなり、または脈拍が乱れ、それが不快に感じられる状態をいう。体の不調による動悸は、日常生活の身体活動や平静にしているときに起こる。

264.▢センソは、ヒキガエル科のシナヒキガエルなどの毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬である。


265.▢センソは、皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示す。

266.▢1日用量中センソ5 mgを超えて含有する医薬品は、劇薬に指定されている。一般用医薬品では、 1日用量が5 mg以下となるよう用法・用量が定められている。

267.▢センソが配合された丸薬、錠剤などの内服固形製剤は、噛まずに服用することとされている。これは口内で噛み砕くと舌などが麻痺することがあるためである。

268.▢ジャコウは、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせるなどの作用があるとされる。ジャコウは、シカ科ジャコウジカのオスの麝香腺分泌物を基原とする生薬である。

269.▢ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬である。ゴオウは、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮めるなどの作用があるとされる。


270.▢苓桂朮甘湯には、強心作用が期待される生薬が含まれていない。主に尿増加(利尿)作用により水毒の排出を促すことを主眼とする。


高コレステロール改善薬

271.▢低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶ。

271.▢HDLコレステロールは、善玉コレステロールとも呼ばれる。LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれることがある。

273.▢医療機関で測定する検査値がLDLが140mg/dl以上、HDLが40mg/dl 未満、中性脂肪が150mg/dl以上のいずれかである状態を脂質異常症という。

274.▢大豆油不鹸化物(ソイステロール)には、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。

275.▢ポリエンホスファチジルコリンは、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。ポリエンホスファチジルコリンは、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされる。

276.▢パンテチンは、LDLなどの異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高め、HDLの産生を高める作用があるとされる。

277.▢リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用などの異常ではない。

278.▢トコフェロール酢酸エステルは、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害の緩和などを目的とする。ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)は、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされる。



貧血用薬(鉄製剤)

279.▢鉄分の摂取不足を生じても、初期には貯蔵鉄や血清鉄が減少するのみでヘモグロビン量自体は変化しない。このため、直ちに貧血の症状は現れない。


280.▢フマル酸第一鉄などの鉄製剤を服用すると、便が黒くなることがある。

281.▢鉄製剤の服用前から便が黒いときは、消化管内で出血していることも考えられる。貧血の原因として消化管内で出血していることもある

282.▢硫酸コバルトは、骨髄での造血機能を高める目的で貧血用薬に配合される。

283.▢鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するために、食後に服用することが望ましい。

284.▢服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿など)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがある。


285.▢貧血のうち鉄製剤で改善できるのは、鉄欠乏性貧血のみである。

286.▢貧血の症状がみられる以前から、予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することは適当でない。


その他の循環器用薬

287.▢ユビデカレノンは、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、ビタミンBとともに働く。

288.▢ユビデカレノンは、軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し越えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられる。

289.▢ユビデカレノンは、15歳未満の小児向けの製品はない。小児において心疾患による動悸、息切れ、むくみの症状があるような場合には、医師の診療を受けることが優先されるべきであるためである。

290.▢ヘプロニカートは、ニコチン酸が遊離する。ニコチン酸の働きによって、末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。

291.▢ルチンは、高血圧などにおける毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。ルチンは、ビタミン様物質の一種である。

292.▢三黄瀉心湯を鼻血に用いる場合は、漫然と長期の使用は避ける。 三黄瀉心湯を痔出血、便秘に用いる場合も、漫然と長期の使用は避ける。

293.▢七物降下湯は、15歳未満の小児への使用は避ける必要がある。

294.▢コエンザイムQ10は、作用が増強されて心臓に負担を生じたり、副作用が現れやすくなるおそれがある。このことから、強心薬などの併用は避ける必要がある。



痔の薬

295.▢痔は、肛門部に過度の負担をかけることやストレスなどにより生じる生活習慣病である。長時間座るのを避け、軽い運動によって血行を良くすることが痔の予防につながる。

296.▢痔核は、一般にいぼ痔と呼ばれる。肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じたものである。

297.▢内痔核は自覚症状が少なく、排便時に痔核がはみ出る脱肛、出血などの症状が現れる。歯状線より上部の、直腸粘膜にできた痔核は、内痔核と呼ばれる。

298.▢裂肛は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態である。裂肛は、切れ痔または裂け痔と呼ばれる。

299.▢痔痩は、肛門腺窩と呼ばれる小さなくぼみに糞便の滓が溜まって炎症、化膿を生じた状態である。痔瘻は、体力低下などにより抵抗力が弱まっているときに起こりやすい。

300.▢外用痔疾用薬は、痔核または裂肛による痛み、痒み、腫れ、出血などの緩和、患部の消毒を目的とする坐剤、軟膏剤(注入軟膏を含む)または外用液剤である。

301.▢内用痔疾用薬は、外用痔疾用薬と併せて用いると効果的である。

302.▢ジブカイン塩酸塩は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。ジブカイン塩酸塩は局所麻酔成分で、外用痔疾用薬、外皮用薬、歯痛薬(外用)に配合される。

303.▢ステロイド性抗炎症成分が配合された坐剤および注入軟膏では、その含有量によらず長期連用を避ける必要がある。

304.▢アラントインは、組織修復成分である。外用痔疾用薬、眼科用薬、外皮用薬、歯槽膿漏薬(外用)に配合される。


305.▢メチルエフェドリン塩酸塩は、高齢者では、使用する前に医師などに相談する必要がある。高齢者では心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、また、一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいためである。


306.▢セイヨウトチノミ(セイヨウトチノキ種子)は、トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を基原とする生薬で、血行促進、抗炎症等の作用を期待して用いられる。

307.▢カイカクは、主に止血効果を期待して用いられる。カイカクは、マメ科のエンジュの成熟果実を基原とする生薬である。

308.▢カルバゾクロムは、毛細血管を補強・強化して出血を抑える働きがあるとされる。

309.▢乙字湯は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている 。乙字湯を切れ痔、便秘に用いる場合、5~6日間服用して症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談するなどの対応が必要である。

310.▢芎帰膠艾湯は、体力中等度以下で冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常・不正出血、皮下出血に適すとされる。

311.▢ジブカイン塩酸塩は、局所麻酔成分である。外用痔疾用薬、外皮用薬、歯痛薬(外用)に配合される 。

312.▢プロカイン塩酸塩は、局所麻酔成分である。痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として、外用痔疾用薬に配合される。

313.▢ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン成分である。ジフェンヒドラミンは、痔に伴う痒みを和らげることを目的として外用痔疾用薬に用いられるほか、外皮用薬に配合される。

314.▢プレドニゾロン酢酸エステルは、ステロイドホルモンと同様の抗炎症作用を示し、外用痔疾用薬、外皮用薬に配合される。

315.▢アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート(アルクロキサ)は、組織修復成分である。外用疾用薬に配合される。


316.▢ナファゾリン塩酸塩は、アドレナリン作動成分である。外用痔疾用薬、鼻炎用点鼻薬、眼科用薬、外皮用薬に配合される。


317.▢酸化亜鉛は、収斂、皮膚保護成分である。酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

318.▢イソプロピルメチルフェノールは、殺菌消毒成分である。イソプロピルメチルフェノールは、細菌や真菌類に有効な殺菌消毒成分である。外用痔疾薬、外皮用薬、歯槽膿漏薬(外用)に配合される。


その他の泌尿器用薬


319.▢ウワウルシは利尿作用のほかに、尿路の殺菌消毒効果を期待して用いられる。経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示す。


320.▢カゴソウは、シソ科のウツボグサの花穂を基原とする。日本薬局方収載の夏枯草は、煎薬として残尿感や排尿時の不快感のあるものに用いる。

321.▢ブクリョウ(茯苓)は、サルノコシカケ科のマツホドの菌核で、通例、外層をほとんど除いたものを基原とする生薬である。


322.▢牛車腎気丸は、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、不向きとされる。牛車腎気丸は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。

323.▢八味地黄丸は、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要がある。八味地黄丸は、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ動悸などの副作用が現れやすくやすいなど、不向きとされる。

324.▢六味丸は、体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少または多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒み、夜尿症、しびれに適すとされる。六味丸は、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢などの副作用が現れやすいなど、不向きとされる。

325.▢猪苓湯は、体力にかかわらず、排尿異常があり、時に口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感。頻尿、むくみに適するとされる。

326.▢竜胆瀉肝湯は、体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされる。竜胆瀉肝湯は、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、下痢などの副作用が現れやすいなど、不向きとされる。構成生薬として、甘草を含む。


婦人薬

327.▢女性の月経は、子宮の内壁を覆っている膜(子宮内膜)が剥がれ落ち、血液(経血)とともに排出される生理現象である。月経は一生のうち妊娠可能な期間に、妊娠期間中などを除き、ほぼ毎月周期的に起こる。

328.▢血の道症は、月経、妊娠などの生理現象や、流産などの異常生理によって起こるとされ、範囲が更年期障害よりも広く、年齢的に必ずしも更年期に限らない。

329.▢婦人薬は、血の道症、更年期障害、月経異常およびそれらに随伴する冷え症、月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、肩こり、めまい、動悸、息切れ、手足のしびれ、こしけ(おりもの)、血色不良、便秘、むくみなどに用いられる。婦人薬は、月経および月経周期に伴って起こる症状を中心として、女性に現れる特有な諸症状(血行不順、自律神経系の働きの乱れと、生理機能障害などの全身的な不快症状)の緩和、保健を主たる目的とする医薬品である。


330.▢閉経の前後には、更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある。

331.▢エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種である。

332.▢エストラジオールは、適用部位である膣粘膜または外陰部から吸収されて、循環血液中に移行する。

333.▢エチニルエストラジオールは、妊婦では使用を避ける必要がある。妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって、胎児の先天性異常の発生が報告されているためである。


334.▢エストラジオールの長期連用により、血栓を生じる恐れがある。エストラジオールの長期連用により、他にも乳がんや脳卒中などの発生確率が高まる可能性がある。

335.▢サフランは、鎮静、鎮痛のほか、女性の滞っている月経を促す作用が期待される。サフランは、アヤメ科のサフランの柱頭を基原とする生薬である。

336.▢トウキは、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛などの作用が期待される。トウキ(当帰)は、セリ科のトウキまたはホッカイトウキの根を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬である。

337.▢温経湯は、体力中等度以下で、手足がほてり、唇が乾くものの月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれに適すとされる。温経湯は、胃腸の弱い人では不向きとされる。

338.▢加味逍遥散は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、腸間膜静脈硬化症を生じることが知られている。

339.▢五積散は、体力中等度またはやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされる。五積散は、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では不向きとされる。

340.▢桃核承気湯は、構成生薬としてカンゾウ、ダイオウを含む。

341.▢内服で用いられる婦人薬は、比較的作用が穏やかで、ある程度長期間使用することによって効果が得られるとされる。


342.▢月経痛について、年月の経過に伴って次第に増悪していくような場合や大量の出血を伴う場合には、子宮内膜症などの病気の可能性がある。おりものの量が急に増えたり、膿のようなおりもの、血液が混じったおりものが生じたような場合は、腟や子宮に炎症や感染症を起こしている可能性がある。


内服アレルギー用薬

343.▢アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、これを特異的に認識した抗体によって肥満細胞が刺激され、ヒスタミンなどの物質が遊離する。

344.▢肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する受容体と反応することにより、血管拡張、血管透過性亢進などの作用を示す。

345.▢蕁麻疹については、アレルゲンとの接触以外に、皮膚への物理的な刺激などによるもの(寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、心因性蕁麻疹など)も知られている。サバが傷むとヒスタミン様物質が生成することがあり、これを摂取した場合も蕁麻疹を生じる。

346.▢内服アレルギー用薬は、抗ヒスタミン成分を主体としている。内服アレルギー用薬は、蕁麻疹や湿疹、かぶれおよびそれらに伴う皮膚の痒みまたは鼻炎に用いられる内服薬の総称である。

347.▢抗ヒスタミン成分に、アドレナリン作動成分や抗コリン成分などを組み合わせて配合されたものを、鼻炎用内服薬という。

348.▢アゼラスチンは、ヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える。アゼラスチンは抗ヒスタミン成分で、アレルギー症状を抑えることを目的として内服アレルギー用薬に配合される。

349.▢メキタジンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。メキタジンは抗ヒスタミン成分で、かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。

350.▢ヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒に大きく関与する部位において、覚醒の維持・調節を行う働きを担っている。

351.▢授乳婦では、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して、乳児に昏睡を生じるおそれがある。

352.▢抗ヒスタミン成分は、抗コリン作用も示す。そのため、排尿困難や口渇、便秘などの副作用が現れることがある。


353.▢プソイドエフェドリン塩酸塩は、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強い。副作用として、不眠や神経過敏が現れることがある。

354.▢プソイドエフェドリン塩酸塩は、心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人では、使用を避ける必要がある。交感神経系に対する刺激作用によって、心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝などへの影響も生じやすく、症状を悪化させるおそれがあるためである。


355.▢モノアミン酸化酵素阻害剤で治療を受けている人では、プソイドエフェドリン塩酸塩を使用する前に医師などに相談する必要がある。体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて、副作用が現れやすくなるためである。

356.▢プソイドエフェドリン塩酸塩は、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある。

357.▢シンイ(辛夷)は、モクレン科のタムシバ、コブシ、ボウシュンカ、マグノリア・スプレンゲリまたはハクモクレンなどの蕾を基原とする生薬である。


358.▢サイシンは、鎮痛、鎮咳、利尿などの作用を有するとされ、鼻閉への効果を期待して用いられる。サイシン(細辛)は、ウマノスズクサ科のウスバサイシンまたはケイリンサイシンの根および根茎を基原とする生薬である。

359.▢インチンコウ湯は、皮膚の症状である。皮膚の症状を主とする人に適すとされる漢方処方製剤として、インチンコウ湯、十味敗毒湯、消風散、当帰飲子などがある。

360.▢十味敗毒湯は、急性湿疹に用いる場合、 1週間くらい使用して症状の改善がみられないときは専門家に相談する必要がある。十味敗毒湯は、体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、水虫に適すとされる。


361.▢葛根湯加川きゅう辛夷は、「皮膚」ではなく、鼻の症状である。鼻の症状を主とする人に適すとされる漢方処方製剤として、葛根湯加センキュウ辛夷、小青竜湯、荊芥連翅湯、辛夷清肺湯などがある。

362.▢荊芥連翅湯は、構成生薬としてカンゾウを含む。

363.▢辛夷清肺湯は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症を生じることがある。辛夷清肺湯は、体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症に適すとされる。

364.▢一般用医薬品のアレルギー用薬は、一時的な症状の緩和に用いられるものである。一般用医薬品のアレルギー用薬を5~6日間使用しても症状の改善が見られない場合は、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

365.▢減感作療法は、医師の指導の下に行われるべきものである。一般の生活者が自己判断によりアレルゲンを含む食品を摂取して減感作療法を行うと、症状の悪化や重篤なアレルギー症状を引き起こすおそれがある。

366.▢アレルギー症状に対する医薬品の予防的使用は、医師の診断や指導の下で行われる必要がある。

367.▢一般用医薬品に、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹などの治療に用いるものはない。アトピー性皮膚炎が疑われる場合やその診断が確定している場合は、医師の受診が重要である。

368.▢アレルギー用薬によって、一時的に痒みなどの緩和を図ることは適当でない。皮膚感染症そのものに対する対処を優先する必要がある。

369.▢一般の生活者において、アレルギー用薬の使用目的となる症状と副作用の症状を見分けることは難しい。医薬品が原因となって、アレルギー症状を生じることもある。症状が悪化・拡大した場合には、医薬品の副作用である可能性を考慮する必要がある。


370.▢ケトチフェンは、抗ヒスタミン成分である。内服アレルギー用薬、鼻炎用点鼻薬、眼科用薬に配合される。

371.▢トリプロリジン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分である。アレルギー症状を抑えることを目的として、内服アレルギー用薬に配合される。


372.▢ブロメラインは、抗炎症成分である。かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。

373.▢フェニレフリン塩酸塩は、アドレナリン作動成分である。内服アレルギー用薬、鼻炎用点鼻薬に配合される。

374.▢ベラドンナ総アルカロイドは、抗コリン成分である。かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。


鼻に用いる薬

375.▢アレルギー性鼻炎は、アレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症である。スギなどの花粉がアレルゲンとなって生じるアレルギー性鼻炎は、一般に花粉症と呼ばれる。

376.▢鼻炎用点鼻薬は、鼻腔内に適用される外用液剤である。

377.▢スプレー式鼻炎用点鼻薬に関する一般的な注意事項として、汚染を防ぐために容器はなるべく直接鼻に触れないようにする必要がある。

378.▢アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。


379.▢クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示す。

380.▢クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効である。

381.▢ベンザルコニウム塩化物は、結核菌やウイルスには効果がない。ベンザルコニウム塩化物は殺菌消毒成分で、鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的としている。


382.▢一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性またはアレルギー性の鼻炎およびそれに伴う副鼻腔炎である。蓄膿症などの慢性のものは、対象となっていない。

383.▢鼻炎用点鼻薬の長期連用は、避けることとされている。3日くらい使用しても症状の改善がみられない場合は、医療機関(耳鼻科など)を受診するなどの対応が必要である。

384.▢鼻茸は、医療機関における治療が必要となる。鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合、一般用医薬品により対処を図ることは適当ではない。

385.▢高血圧の診断を受けた人は、鼻炎用点鼻薬を使用する前に医師などに相談する必要がある。交感神経興奮作用により血圧を上昇させ、高血圧を悪化させるおそれがあるためである。

386.▢緑内障の診断を受けた人は、鼻炎用点鼻薬を使用する前に医師などに相談する必要がある。抗コリン作用によって房水流出路(房水通路)が狭くなり、眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるためである。

387.▢テトラヒドロゾリン塩酸塩は、アドレナリン作動成分である。外用痔疾用薬、鼻炎用点鼻薬、眼科用薬に配合される。

388.▢クロモグリク酸ナトリウムは、抗アレルギー成分である。通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて鼻炎用点鼻薬、眼科用薬に配合される。

389.▢リドカインは局所麻酔成分である。リドカインは、鼻粘膜の過敏性や痛み、痒みを抑えることを目的として鼻炎用点鼻薬に用いられるほか、外用痔疾用薬、外皮用薬に配合される。

390.▢ベンゼトニウム塩化物は、殺菌消毒成分(陽性界面活性成分)である。細菌や真菌類に有効であるが、結核菌やウイルスには効果がない。


眼科用薬

391.▢コンタクトレンズ装着液について、あらかじめ定められた範囲内の成分のみを含むなどの基準に該当する製品は、医薬部外品として認められている。


392.▢アレルギー用点眼薬には、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合される。アレルギー用点眼薬は、花粉、ハウスダストなどのアレルゲンによる目のアレルギー症状(流涙、目の痒み、結膜充血など)の緩和を目的とする。

393.▢点眼薬は通常、無菌的に製造されている。これは、結膜嚢に適用する外用薬である。


394.▢1滴の薬液の量は約50μlであるのに対して、結膜嚢の容積は30μl程度とされている。一度に何滴も点眼しても、効果が増すわけではない。

395.▢点眼後は、数秒間眼瞼を閉じて目頭をおさえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。


396.▢点鼻薬は、別の人との共用は避ける必要がある。別の人が使用している点眼薬は、容器の先端が睫毛(まつげ)などに触れるなどして中身が汚染されている可能性があるためである。

397.▢コンタクトレンズを装着したままでの点眼は、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでない。防腐剤などがレンズに吸着されて、角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い。

398.▢一般用医薬品の点眼薬に、緑内障の症状を改善できるものはない。目のかすみが緑内障による症状であった場合、一般用医薬品の点眼薬の配合成分によっては、緑内障の悪化につながるおそれがある場合がある。



第3章の3 主な医薬品とその作用


眼科用薬

399.▢コリンエステラーゼは、アセチルコリンを分解する酵素である。

400.▢ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える働きをする。ネオスチグミンメチル硫酸塩は、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助ける。目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。


401.▢プラノプロフェンは、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示す。プラノプロフェンは、非ステロイド性抗炎症成分である。目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。

402.▢サルファ剤は、ウイルスや真菌の感染に対する効果はない。また、すべての細菌に対して効果があるというわけではない。

403.▢イプシロン-アミノカプロン酸は、抗炎症成分である。イプシロン-アミノカプロン酸は、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果が期待される。

404.▢アズレンスルホン酸ナトリウムは、組織修復成分・胃粘膜保護修復成分である。口腔咽喉薬・含嗽薬、胃の薬、眼科用薬、口内炎用薬に配合される。

405.▢スルファメトキサゾールは、抗菌成分(サルファ剤)である。細菌のDNA合成を阻害することにより、抗菌作用を示す。

406.▢トコフェロール酢酸エステルは、結膜充血、疲れ目などの症状を改善する効果を期待して用いられる。ビタミンE(トコフェロール酢酸エステルなど)は、末梢の微小循環を促進させる作用を示す。


皮膚に用いる薬

407.▢スプレー剤を連続して噴霧する時間は、3秒以内とすることが望ましい。同じ部位に連続して噴霧すると、凍傷を起こすことがあるためである。

408.▢アクリノールは、黄色の色素である。一般細菌類の一部に対して殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。

409.▢アクリノールは比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい。

410.▢オキシドール(過酸化水素水)は、作用の持続性が乏しい。これは、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、および発生する酸素の泡立ちによる物理的な洗浄効果であることによる。

411.▢目の周りへのオキシドールの使用は、避ける必要がある。目の周りへのオキシドールの使用は、刺激性があるため避ける必要がある。

412.▢ヨウ素は酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。

413.▢ヨウ素の殺菌力は、アルカリ性になると低下する。そのため、石けんなどと併用する場合には、石けん分をよく洗い落としてから使用するべきである。

414.▢ヨードチンキは、皮膚刺激性が強い。粘膜(口唇など)や目の周りへの使用は、避ける必要がある。


皮膚に用いる薬

415.▢ ヨ―ドチンキは、マーキュロクロム液と同時に使用 しないこととされている。マーキュロクロム液と混ざると、不溶性沈殿を生じて殺菌作用が低下するためである。

416.▢セチルピリジニウム塩化物は、石けんとの混合によって、殺菌消毒効果が低下する。このため、使用する場合には石けんを十分に洗い流す必要がある。


417.▢クロルヘキシジングルコン酸塩は、一般細菌類や真菌類に対しては比較的広い殺菌消毒作用はあるが、結核菌やウイルスに対してはない。

418.▢マーキュロクロムは有機水銀の一種であるが、皮膚浸透性が低い。このため、通常の使用において水銀中毒を生じることはない。

419.▢消毒用エタノールは手指・皮膚の消毒、器具類の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられる。

420.▢創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、かえって治癒しにくくなることがある。殺菌消毒成分により皮膚常在菌が殺菌され、また、組織修復が妨げられるためである。

421.▢ステロイド性抗炎症成分は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と共通する化学構造をもつ化合物を人工的に合成したものである。

422.▢ステロイド性抗炎症成分は、末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示す。皮膚感染や、持続的な刺激感の副作用が現れることがある。

423.▢外皮用薬で用いられるステロイド性抗炎症成分は、広範囲に生じた皮膚症状や慢性の皮膚炎を対象とするものではない。外皮用薬で用いられるステロイド性抗炎症成分は、体の一部分に生じた一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒みなど)の緩和を目的としている。


424.▢ブフェキサマクでは、まれに重篤な副作用として接触皮膚炎を生じることがある。その他の副作用として、腫れ、刺激感、光線過敏症、しみ、皮膚乾燥が現れることがある。

425.▢ウフェナマートは、湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせもなどによる皮膚症状の緩和を目的として用いられる。ウフェナマートの副作用として、刺激感(ヒリヒリ感)、熱感、乾燥感が現れることがある。

426.▢外用鎮痛薬の長期連用は、避ける必要がある。

427.▢外用鎮痛薬は、比較的長期間にわたって使用するものである。チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラートでアレルギー感作された人は、化学構造が似ているケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きい。

428.▢ケトプロフェンは、まれに重篤な副作用として光線過敏症を生じることがある。ほかにアナフィラキシー、接触皮膚炎を生じることがある。

429.▢ピロキシカムは、光線過敏症の副作用を生じることがある。そのため、野外活動が多い人では、他の抗炎症成分が配合された製品を選択することが望ましい。

430.▢イブプロフェンピコノールは、吹き出物の拡張を抑える作用があるとされる。イブプロフェンの誘導体であるイブプロフェンピコノールは、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。

431.▢アンモニアは、粘膜(口唇など)や目の周りへの使用を避ける必要がある。アンモニアは皮膚刺激性が強いため、粘膜や目の周りへの使用を避ける。

432.▢ヘパリン類似物質は、出血性血液疾患の診断を受けた人では、使用を避ける必要がある。ヘパリン類似物質は血液凝固を抑える働きがあるため、出血性血液疾患の診断を受けた人では使用を避ける。


433.▢紫雲膏は湿潤、ただれ、火傷または外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向きとされる。


434.▢アトピー性皮膚炎は、医師による専門的な治療を要する疾患である。一般用医薬品の使用によって対処できる範囲を超えている。

435.▢原因がはっきりしない痛みについて、安易に一般用医薬品による症状の緩和を図ることは適当でない。異常を生じている部位と、皮膚に痛みや痒みが現れる部位とは、必ずしも近接していないことがあるためである。

436.▢うおのめは、圧迫されると痛みを感じる。これは、角質の芯が真皮に食い込んでいるためである。


437.▢ウイルス性のいぼは、 1~2年で自然寛解することが多い。

438.▢角質軟化薬のうち、配合成分やその濃度などがあらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品(うおのめ・たこ用剤)として製造販売されている。いぼに用いる製品については、医薬品としてのみ製造販売が認められている。

439.▢黄色ブドウ球菌などの化膿菌が毛穴から侵入し、皮脂腺、汗腺で増殖して生じた吹き出物は毛嚢炎(疔)である。

440.▢とびひは、小児に発症することが多い。とびひ(伝染性膿痂疹)は、毛穴を介さずに、虫さされやあせも、掻き傷などから化膿菌が侵入したものである。

441.▢バシトラシンは、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

442.▢みずむしは、皮膚糸状菌という真菌類の一種が、皮膚に寄生することによって起こる疾患(表在性真菌感染症)である。


443.▢湿疹とみずむしなどの初期症状は、類似していることが多い。湿疹に抗真菌作用を有する成分を使用すると、かえって湿疹の悪化を招くことがある。

444.▢シクロピロクスオラミンは、皮膚糸状菌の細胞膜に作用する。その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げることにより、その増殖を抑える。

445.▢モクキンピは、アオイ科のムクゲの幹皮を基原とする生薬である。モクキンピ(木槿皮)は、皮膚糸状菌の増殖を抑える作用が期待される。

446.▢みずむし・たむし用薬は、陰のう、外陰部への使用を避ける必要がある。強い刺激を生じたり、症状が悪化する可能性があるためである。

447.▢みずむし・たむし用薬を使用して症状が改善しない場合は、他のみずむし・たむし用薬に切り替えるようなことはしない。使用を中止して、医療機関を受診する必要がある。

448.▢毛髪用薬について、「円形脱毛症」「壮年性脱毛症」「粃糠性脱毛症」「び慢性脱毛症」などの疾患名を掲げた効能・効果は、医薬品においてのみ認められている。

449.▢カルプロニウム塩化物は、コリン作用を示す。頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。

450.▢エストラジオール安息香酸エステルは、女性ホルモン成分の一種である。

451.▢妊婦では、エストラジオール安息香酸エステルの使用を避けるべきである。頭皮から吸収されて、循環血流中に入る可能性が考慮されるためである。

452.▢カシュウ(何首烏)は、頭皮における脂質代謝を高めて余分な皮脂を取り除く作用のほか、強壮作用が期待される。

453.▢デキサメタゾンは、ステロイド性抗炎症成分である。デキサメタゾンは、患部局所における炎症を抑え、特に、痒みや発赤などの皮膚症状を抑えることを目的として外皮用薬に配合される。


454.▢ジクロフェナクナトリウムは、非ステロイド性抗炎症成分である。筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫などによる鎮痛などを目的として、外皮用薬に配合される。


455.▢グリチルリチン酸モノアンモニウムは、抗炎症成分である。胃の薬、内服アレルギー用薬、外皮用薬に配合される。

456.▢テシットデシチンは、局所麻酔成分である。テシットデシチンは、切り傷、擦り傷などの創傷面の痛みや、湿疹、皮膚炎などによる皮膚の痒みを和らげることを目的として、外皮用薬に配合される。

457.▢イソチペンジル塩酸塩は、抗ヒスタミン成分である。湿疹、皮膚炎などによる一時的かつ部分的な皮膚症状の緩和を目的として、外皮用薬に配合される。

458.▢クロタミトンは、温感刺激成分である。外皮用薬、外用痔疾用薬に配合される。

459.▢ピロキシリンは、収斂・皮膚保護成分である。ピロキシリンは、ニトロセルロースとも呼ばれる。創傷面に薄い皮膜を形成して保護することを目的として、外皮用薬に配合される。

460.▢ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、血行促進成分である。患部局所の血行を促すことを目的として、外皮用薬に配合される。

461.▢スルファジアジンは、抗菌成分である。スルファジアジンは、サルファ剤の一つである。細菌のDNA合成を阻害することにより、抗菌作用を示す。

362.▢ミコナゾール硝酸塩は、イミダゾール系の抗真菌成分である。


歯痛・歯槽膿漏薬

463.▢歯痛薬は、歯の痛みを応急的に鎮めることを目的としている。歯のう蝕が修復されることはない。

464.▢アミノ安息香酸エチルは、う蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的とする。

465.▢ユーカリ油は、冷感刺激成分である。ユーカリ油は、冷感刺激を与えて知覚神経を麻痺させることによる鎮痛・鎮痒の効果が期待される。

466.▢セチルピリジニウム塩化物は粘膜刺激を生じることがあるため、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないように注意が必要である。


467.▢サンシシは、抗炎症、血行促進などの作用が期待される。サンシシ(山し子)は、アカネ科のクチナシの果実を基原とする生薬である。

468.▢歯槽膿漏薬の内服薬は、その外用薬と併用すると効果的である。

469.▢クロルヘキシジングルコン酸塩が口腔内に適用される場合、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。

470.▢ラタニアは、咽頭粘膜を引き締める(収斂)作用により、炎症の寛解を促す効果が期待される。

471.▢ビタミンK1(フィトナジオン)は、歯槽膿漏薬(内服)に配合される。炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用があるとされる。

472.▢歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)は、状態が軽いうちは自己治療が可能とされる。歯槽膿漏薬の使用により症状を抑えられても、しばらくすると症状が繰り返し現れるような場合には、医療機関を受診するなどの対応が必要である。

473.▢カンフルは、冷感刺激成分である。外用痔疾用薬、外皮用薬、歯痛薬(外用)に配合される。

474.▢テーカインは、局所麻酔成分である。歯の痛みを鎮めることを目的として、歯痛薬(外用)に配合される。

475.▢フェノールは、殺菌消毒成分である。フェノールは、う蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として歯痛薬(外用)に用いられるほか、外皮用薬に配合される。

476.▢オイゲノールは、殺菌消毒成分である。う蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として、歯痛薬(外用)に配合される。

477.▢グリチルレチン酸は、抗炎症成分である。外用痔疾用薬、外皮用薬、歯槽膿漏薬(外用)、口内炎用薬に配合される。

478.▢カルバゾクロムは、止血成分である。カルバゾクロムは、毛細血管を補強、強化して出血を抑える働きがあるとされる。内用痔疾用薬、歯槽膿漏薬(外用・内服)に配合される。


口内炎用薬

479.▢口内炎用薬は、口内炎、舌炎の緩和を目的として口腔内局所に適用される外用薬である。口内炎や舌炎は、栄養摂取の偏り、ストレスや睡眠不足、唾液分泌の低下、口腔内の不衛生などが要因となって生じることが多いとされる。

480.▢口内炎用薬にステロイド性抗炎症成分が配合されている場合には、その含有量によらず長期連用を避ける必要がある。

481.▢シコン(紫根)は、ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬である。組織修復促進、新陳代謝促進、抗菌、抗炎症などの作用が期待される。

482.▢インチンコウ湯は、構成生薬としてダイオウを含む。インチンコウ湯は、体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの蕁麻疹、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚の痒みに適するとされる。

483.▢口内炎用薬は、口腔内を清浄にしてから使用することが重要である。口内炎用薬を用いた後、口腔咽喉薬、含嗽薬などを使用する場合には十分な間隔を置くべきである。

484.▢口内炎や舌炎は、通常であれば1~2週間で自然寛解する。

485.▢クロルヘキシジン塩酸塩は、細菌類、真菌類に対して有効な殺菌消毒成分である。口腔咽喉薬・含嗽薬、外用痔疾用薬、外皮用薬、口内炎用薬に配合される。

486.▢アクリノールは、一般細菌類の一部に有効な殺菌消毒成分である。外皮用薬、口内炎用薬に用いられたり、腸内殺菌成分として止瀉薬に配合されたりする。



禁煙補助剤

487.▢ニコチン離脱症状は、習慣的な喫煙により血中ニコチン濃度が低下すると、ニコチン離脱症状(禁断症状)が現れ、喫煙習慣からの離脱(禁煙)が困難になる。


488.▢禁煙補助剤(咀嚼剤)は、ゆっくりと断続的に噛む必要がある。菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまうため、口腔粘膜からの吸収が十分なされない。また、吐き気や腹痛などの副作用も現れやすくなる。

489.▢禁煙補助剤は、脳梗塞・脳出血などの急性期脳血管障害がある人では、使用を避ける必要がある。循環器系に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるためである。

490.▢禁煙補助剤は、うつ病と診断されたことのある人では、使用を避ける必要がある。禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあるためである。


491.▢禁煙補助剤により摂取されたニコチンが、妊婦などでは、摂取されたニコチンにより胎児に影響が生じるおそれがある。このため、使用を避ける必要がある。

492.▢口腔内が酸性になると、ニコチンの吸収が低下する。このため、コーヒーや炭酸飲料などを摂取した後しばらくは使用を避けることとされている。

493.▢ニコチンは、交感神経系を興奮させる作用を示す。アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を増強させるおそれがある。

494.▢禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえで使用することとされている。


滋養強壮保彎薬

495.▢医薬部外品の保健薬の配合成分や分量は、人体に対する作用が緩和なものに限られる。カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ジオウ、ロクジョウなどの生薬成分について、医薬品においてのみ認められている。

496.▢ビタミンを多く摂取したからといって症状の改善が早まるものではなく
むしろ脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により過剰症を生じるおそれがある。

497.▢ビタミン主薬製剤とは、1種類以上のビタミンを主薬とし、そのビタミンの有効性が期待される症状およびその補給に用いられることを目的とするものをいう。

498.▢ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素である。神経の正常な働きを維持する作用、また、腸管運動を促進する働きがある。

499.▢ビタミンB2は、脂質の代謝に関与する。皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。


500.▢ビタミンB2の摂取により、尿が黄色くなることがある。

501.▢ビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与する。皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である。

502.▢ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける。また、神経機能を正常に保つために重要な栄養素である。

503.▢ビタミンCは、体内の脂質を酸化から守る作用を示す。ビタミンCは、体内の脂質を酸化から守る作用(抗酸化作用)を示す。皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。

504.▢ビタミンCには、メラニンの産生を抑える働きもあるとされる。

505.▢ビタミンAは、夜間視力を維持するために重要な栄養素である。皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。

506.▢一般用医薬品におけるビタミンAの1日分量は、4000国際単位が上限となっている。妊娠3か月前から妊娠3か月までの間に、ビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児では、先天異常の割合が上昇したとの報告がある。

507.▢ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収および尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。


508.▢ビタミンD主薬製剤はくる病の予防のほか、骨歯の発育不良、妊娠・授乳期、発育期、老年期のビタミンDの補給に用いられる。

509.▢ビタミンEは体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素である。血流を改善させる作用はあるが、血糖値を改善させる作用はない。

510.▢カルシウムは、筋肉の収縮、血液凝固、神経機能に関与する。カルシウムは、他に骨や歯の形成に必要な栄養素でもある。

511.▢システインは、皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す働きがあるとされる。

512.▢アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、細胞の機能が正常に働くために重要な物質である。肝臓機能を改善する働きがあるとされる。

513.▢アスパラギン酸は、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促すなどの働きを期待して用いられる。


514.▢ヘスペリジンはビタミン様物質の一つで、ビタミンCの吸収を助けるなどの作用があるとされる。


515.▢ガンマ-オリザノールは、抗酸化作用を示す成分である。ビタミンEなどと組み合わせて配合されている場合がある。


516.▢ハンピ(反鼻)は、内臓を取り除いたマムシを基原とする生薬である。


517.▢ヨクイニン(よくい仁)は、肌荒れやいぼに用いられる。

518.▢補中益気湯は、体力虚弱で元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、寝汗、感冒に適すとされる。補中益気湯は、まれに重篤な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。

519.▢薬用酒は、手術や出産の直後の人では、使用を避ける必要がある。薬用酒は、血行を促進させる作用があるため、出血しやすい人では使用を避ける必要がある。

520.▢トコフェロ一ル酢酸エステルは、ビタミンEである。ビタミンE(トコフェロール酢酸エステルなど)は、ビタミン主薬製剤のほか、高コレステロール改善薬、外用痔疾用薬、内用痔疾用薬、眼科用薬、外皮用薬、歯槽膿漏薬(内服)に配合される。

521.▢リボフラビン酪酸エステルは、ビタミンB2である。ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステルなど)は、ビタミン主薬製剤のほか、かぜ薬、解熱鎮痛薬、婦人薬、内服アレルギー用薬、眠気防止薬、鎮ウン薬、高コレステロール改善薬、眼科用薬に配合される。


522.▢レチノールパルミチン酸エステルは、ビタミンAである。ビタミンA(レチノールパルミチン酸エステルなど)は、ビタミン主薬製剤のほか、外用痔疾用薬、眼科用薬、外皮用薬品に配合される。


523.▢ヒドロキソコバラミン塩酸塩は、ビタミンB12である。ビタミンB12(ヒドロキソコバラミン塩酸塩など)は、ビタミン主薬製剤のほか、眠気防止薬、貧血用薬、婦人薬、眼科用薬に配合される。


524.▢エルゴカルシフェロールは、ビタミンDである。エルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロールがある。


525.▢アスコルビン酸カルシウムは、ビタミンCである。ビタミンC(アスコルビン酸カルシウムなど)は、ビタミン主薬製剤のほか、かぜ薬、解熱鎮痛薬、婦人薬、内服アレルギー用薬、貧血用薬、歯槽膿漏薬(内服)に配合される。



漢方処方製剤


526.▢漢方処方は、処方全体としての適用性など、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものである。

527.▢一般用医薬品の漢方処方製剤においては、「証」という専門用語を使用することを避け、「しばり」として記載が行われている。漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性および安全性を確保するために重要である。


528.▢「体力が充実して」というしばり表現は、「実」である。実の病態が適応となるものには、「体力が充実して」と表現される。

529.▢「のぼせぎみで顔色が赤く」というしばり表現は、陽の病態を表す。陰陽の概念で、陽の病態を適応とするものは、「のぼせぎみで顔色が赤く」などの熱症状として表現される。


530.▢漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合でも、生後3か月未満の乳児には使用しないこととされている。

531.▢黄連解毒湯は、まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症を生じることが知られている。


532.▢防風通聖散は、構成生薬としてカンゾウ、マオウ、ダイオウを含む。防風通聖散は、まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症が起こることが知られている。


533.▢大柴胡湯は、構成生薬としてダイオウを含む。



その他の生薬製剤


534.▢ 漢方医学の考え方に基づかない、生薬を使用した日本の伝統薬は、漢方処方製剤と合わせて生薬製剤と呼ばれる。生薬製剤(漢方処方製剤を除く)は、西洋医学的な基調のうえに立つもので、定まった処方というものはない。


535.▢生薬は薬用部位とその他の部位、または類似した基原植物を取り違えると、期待する効果が得られないばかりでなく、人体に有害な作用を引き起こすことがある。日本薬局方に準拠して製造された生薬であれば問題ないが、個人輸入などによって入手された生薬または生薬製剤では、健康被害が発生した事例が知られている。


536.▢ブシ(附子)は、キンポウゲ科のハナトリカブトなどの塊根を減毒加工したものを基原とする生薬である。


537.▢ブシ(附子)は利尿作用のほか、鎮痛作用を示す。しかし、プロスタグランジンを抑えないことから、胃腸障害などの副作用はない。


538.▢カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬である。カッコン(葛根)は、解熱、鎮痙などの作用が期待される。


539.▢ショウマ(升麻)は、キンポウゲ科のサラシナショウマ、フブキショウマ、コライショウマまたはオオミツバショウマの根茎を基原とする生薬である。発汗、解熱、解毒、消炎などの作用が期待される。


540.▢サンザシは、健胃、消化促進などの作用を期待して用いられる。サンザシ(山査子)は、バラ科のサンザシまたはオオミサンザシの偽果を、縦または横切したものを基原とする生薬である。


541.▢ボウフウ(防風)は、セリ科のボウフウの根および根茎を基原とする生薬である。



消毒薬

542.▢殺菌・消毒は、物質中に生存する微生物の数を減らすために行われる処置である。


543.▢消毒薬によっては、殺菌消毒効果が十分得られない微生物が存在する。生息条件が整えば、消毒薬の溶液中で生存、増殖する微生物もいる。


544.▢手指・皮膚に用いられる消毒薬のうち、器具などの殺菌・消毒を併せて目的とする製品は、医薬品にのみ認められている。なお、手指または皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬のうち、配合成分やその濃度などが一定の範囲内である製品は、医薬部外品として認められている。


545.▢クレゾール石けん液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はない。


546.▢イソプロパノールは、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。


547.▢イソプロパノールでは、ウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも低い。


548.▢エタノールは、揮発性で引火しやすい。エタノールを広範囲に長時間使用する場合は、蒸気の吸引にも留意する必要がある。


549.▢クロルヘキシジングルコン酸塩は、手指・皮膚の消毒のほか、器具などの殺菌・消毒にも用いられる。

550.▢次亜塩素酸ナトリウムは、一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す。


551.▢次亜塩素酸ナトリウムは皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。


552.▢次亜塩素酸ナトリウムは、金属腐食性がある。次亜塩素酸ナトリウムは、プラスチックやゴム製品も劣化させる。


553.▢サラシ粉は、酸性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生する。このため、混ざらないように注意する必要がある。


554.▢サラシ粉は、有機物の影響を受けやすい。サラシ粉は、吐シャ物や血液などが床などにこぼれたときの殺菌消毒にも適しているが、殺菌消毒の対象物を洗浄した後に使用したほうが効果的である。


555.▢ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられている。


556.▢消毒薬を誤って飲み込んだ場合、多量の牛乳を飲ませるが、手元に牛乳などがないときはまず水を飲ませる。


557.▢酸やアルカリが目に入った場合は、早期に十分な水洗がされることが重要である。酸やアルカリで中和するといった処置は、熱を発生してかえって刺激を強め、状態が悪化するおそれがあるため適切ではない。



殺虫剤・忌避剤

558.▢ハエ、ダニ、蚊などの衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤・忌避剤は医薬品または医薬部外品として、医薬品医療機器等法による規制の対象とされている。


559.▢忌避剤には、虫さされによる痒みや腫れの症状を和らげる効果はない。忌避剤は、蚊、ツツガムシ、 トコジラミ、ノミなどが人体に取り付いて吸血したり、病原細菌などを媒介するのを防止するものである。


560.▢ウジの防除法として、通常、有機リン系殺虫成分が配合された殺虫剤が用いられる。ウジの防除は、ハエの防除につながる。


561.▢蚊は、日本脳炎やデング熱を媒介する。蚊は吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱などの重篤な病気を媒介する。


562.▢ボウフラの防除では、水系に殺虫剤を投入することになる。ボウフラは、成虫にならなければ保健衛生上の有害性はないため、羽化するまでに防除を行えばよい。


563.▢ゴキブリは、アメーバ赤痢などの中間宿主になっている。


564.▢燻蒸処理を行っても、ゴキブリの卵には殺虫効果を示さない。ゴキブリの場合、燻蒸処理を行った3週間くらい後に、もう一度燻蒸処理を行い、孵化した幼虫を駆除する必要がある。


565.▢シラミは、宿主を厳密に選択する。シラミの種類ごとに寄生対象となる動物が決まっているため、動物に寄生するシラミがヒトに寄生して直接的な害を及ぼすことはない。



殺虫剤・忌避剤

566.▢医薬品によるシラミの防除には、殺虫成分としてフェノトリンが配合されたシャンプーやてんか粉が用いられる。


567.▢トコジラミに刺されると、激しい痒痛を生じる。トコジラミに刺されると、アレルギー反応による全身の発熱、睡眠不足、神経性の消化不良を起こすことがある。


568.▢ノミによる保健衛生上の害としては、主に吸血された時のかゆみである。しかし元来ペストなどの病原細菌を媒介する衛生害虫である。


569.▢ノミは、種類ごとに寄生対象となる動物が決まっていない。ノミはシラミと異なり、宿主を厳密に選択しない。


570.▢ノミの幼虫は、埃の中で育つ。このため、電気掃除機による吸引や殺虫剤の散布などによる駆除を行うことも重要である。


571.▢ツツガムシは、人の生活環境でなく野外に生息し、目視での確認が困難である。このため、もっぱら忌避剤による対応が図られる。


572.▢ケナガコナダニの糞や死骸は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などを引き起こすことがある。ケナガコナダニやヒョウヒダニ類については、ヒトを刺すことはない。


573.▢有機リン系殺虫成分の殺虫作用は、アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合して、その働きを阻害することによるものである。



殺虫剤・忌避剤


574.▢ピレスロイド系殺虫成分は、比較的速やかに自然分解して残効性が低いため、家庭用殺虫剤に広く用いられている。また、ピレスロイド系殺虫成分の殺虫作用は、神経細胞に直接作用し神経伝達を阻害することによるものである。


575.▢フェノトリンは、殺虫成分で唯一人体に直接適用されるものである(シラミの駆除を目的とする製品の場合)。


576.▢カーバメイト系殺虫成分は、アセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的である。


577.▢オキサジアゾール系殺虫成分は、有機リン系殺虫成分に比べて一般に毒性は低い。オキサジアゾール系殺虫成分は、ピレスロイド系殺虫成分に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられる。


578.▢昆虫成長阻害成分は、殺虫成分に対して抵抗性を示す場合にも効果がある。昆虫成長阻害成分は、昆虫の脱皮や変態を阻害する作用を有する成分である。


579.▢メトプレンは、幼若ホルモンに類似した作用を有し、幼虫がさなぎになるのを妨げる。メトプレンは、さなぎにならずに成虫になる不完全変態の昆虫やダニには無効である。


580.▢スプレー剤は、医薬品を空間中に噴霧する剤形である。


581.▢殺虫剤使用にあたっては、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。これは、殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるためである。

582.▢ディートを含有する忌避剤は、生後6か月未満の乳児への使用を避けることとされている。これは、外国において動物実験で神経毒性が示唆されているためである。


583.▢フェニトロチオンは、有機リン系殺虫成分である。


584.▢メトキサジアゾンは、オキサジアゾール系殺虫成分である。


585.▢プロポクスルは、カーバメイト系殺虫成分である。


586.▢チオシアノ酢酸イソボルニルは、殺虫補助成分である。


587.▢オルトジクロロベンゼンは、有機塩素系殺虫成分である。有機塩素系殺虫成分は、現在ではオルトジクロロベンゼンのみとなっている。


588.▢プロペタンホスは、有機リン系殺虫成分である。


589.▢フタルスリンは、ピレスロイド系殺虫成分である。



ー般用検査薬

590.▢もっぱら疾病の診断に使用されることが目的とされる医薬品のうち、人体に直接使用されることのないものを体外診断用医薬品という。体外診断用医薬品のうち一般用検査薬については、薬局または医薬品の販売業において取り扱うことが認められている。


591.▢一般用検査薬は、一般の生活者が正しく用いて自身の健康状態を把握し、速やかな受診につなげることで疾病などを早期発見するためのものである。


592.▢一般用検査薬に用いる検体は、尿、糞便、鼻汁、唾液、涙液など採取に際して侵襲(採血や穿刺など)のないものである。


593.▢遺伝性疾患の診断に関係するものは、一般用検査薬の対象外である。悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは、一般用検査薬の対象外である。


594.▢検体中の対象物質の濃度が極めて低い場合には、検出反応が起こらず、検査薬では陰性の結果が出る。検出反応が起こるための最低限の濃度を、検出感度(または検出限界)という。


595.▢一般用検査薬は、専門的診断に置き換わるものではない。


596.▢検体中に存在しているにもかかわらず、検査結果が陰性となった場合を、擬陰性という。


597.▢いかなる検査薬においても、擬陰性・擬陽性を完全に排除することは困難である。生体から採取された採取された検体には、予期しない阻害物質や化学構造がよく似た物質が混在することがあるためである 。



尿糖・尿タンパク検査薬


598.▢尿糖値に異常を生じる要因として、高血糖を伴わない場合もある。尿糖値に異常を生じる要因は、一般に高血糖と結びつけて捉えられることが多いが、腎性糖尿などのように高血糖を伴わない場合もある。


599.▢尿糖検査の場合、食後1~2時間など、検査薬の使用方法に従って採尿を行う。


600.▢尿糖・尿タンパク同時検査の場合、早朝尿を検体とする。検査の結果、尿糖が検出された場合には、食後の尿について改めて検査する。


601.▢採尿の仕方として、中間尿を採取して検査することが望ましい。これは、尿道や外陰部などに付着した細菌や分泌物が混入することがあるためである。


602.▢通常、尿は弱酸性である。食事その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある。


603.▢医薬品の中にも、検査結果に影響を与える成分を含むものがある。例えば、セネガやオンジの摂取により糖尿病の検査値に影響を生じることがある。医師などから処方された薬剤や一般用医薬品を使用している場合には、医師などに相談する必要がある。


604.▢尿糖・尿タンパク検査薬は、尿中の糖やタンパク質の有無を調べるものであり、その結果をもって直ちに疾患の有無や種類を判断することはできない。


605.▢尿糖または尿タンパクが陽性の場合には、疾患の確定診断や適切な治療につなげるため、早期に医師の診断を受ける必要がある。尿糖または尿タンパクが陰性であっても、何らかの症状がある場合は、再検査するかまたは医師に相談する必要がある。



妊娠検査薬


606.▢妊娠の初期は、母体が摂取した物質などの影響を受けやすい時期でもある。妊娠の初期(妊娠12週まで)は、胎児の脳や内臓などの諸器官が形づくられる重要な時期である。


607.▢妊娠検査薬は、尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の有無を調べるものである。妊娠が成立すると、胎児(受精卵)を取り巻く絨毛細胞からhCGが分泌されはじめ、やがて尿中にhCGが検出されるようになる。


608.▢妊娠検査薬は、通常、実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている。


609.▢一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎておおむね1週目以降の検査が推奨されている。


610.▢妊娠検査薬の検体としては、尿中hCGが検出されやすい早朝尿(起床直後の尿)が向いている。


611.▢尿中hCGの検出反応は、温度の影響を受けることがある。これは、hCGと特異的に反応する抗体や酵素を用いた反応であるためである。


612.▢絨毛細胞が腫瘍化している場合には、妊娠していなくてもhCGが分泌され、検査結果が陽性となることがある。本来はhCGを産生しない組織の細胞でも、腫瘍化するとhCGを産生するようになることがある(胃がん、膵がん、卵巣がんなど)。


613.▢妊娠検査薬の結果をもって、直ちに妊娠しているか否かを断定することはできない。妊娠の確定診断には、尿中のホルモン検査だけでなく、専門医による問診や超音波検査などの結果から総合的に妊娠の成立を見極める必要がある。


第4章 薬事関係法規・制度


医薬品医療機器等法の目的等

1.▢医薬品医療機器等法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器および再生医療等製品を対象として必要な規制を行っている。

2.▢医薬品医療機器等法は、医薬品の品質、有効性および安全性の確保のため必要な規制を行っている。


3.▢医薬品医療機器等法では、指定薬物の規制に関する措置を講じている。医薬品医療機器等法では精神毒性が高く、保健衛生上の危害が発生するおそれがあるものを指定薬物として指定し、必要な薬物規制を行っている。


4.▢医薬品医療機器等法では、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器および再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講じている。

5.▢医薬品医療機器等法は、医薬品の使用による保健衛生上の危害の発生および拡大の防止のために必要な規制を行っている。

6.▢薬局開設者は、医薬品の品質、有効性および安全性の確保に努めなければならない。医薬品の販売業者についても、薬局開設者と同様、医薬品の品質、有効性および安全性の確保に努めなければならない。(法1条の4)

7.▢登録販売者試験に合格した者であって、医薬品の販売又は授与に従事しようとするものは、都道府県知事の登録を受けなければならない。登録販売者試験とは、一般用医薬品の販売又は授与に従事する者がそれに必要な資質を有することを確認するために都道府県知事が行う試験をいう。

8.▢二つ以上の都道府県において販売従事登録の申請をした者は、いずれか一つの都道府県知事の登録のみを受けることができる。




医薬品の分類・取扱い等

9.▢日本薬局方に収められているものは、医薬品である。(法2条1項)


10.▢医薬品には、動物の疾病の治療の目的のために使用されるものが含まれる。人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているものは、医薬品である。(法2条1項)


11.▢医薬品には、人の身体の機能に影響を及ぼす目的のために使用されるものが含まれる。(法2条1項)

12.▢医薬品に、機械器具等は含まれない。(法2条1項)機械器具等は、別途医療機器として規制されている。


13.▢日本薬局方は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めるものである。(法41条1項)


14.▢日本薬局方に収載されている医薬品には、一般用医薬品またはその中に配合されているものが少なくない。

15.▢医薬品は、厚生労働大臣により製造販売業の許可を受けた者でなければ製造販売をしてはならない。(法12条1項)

16.▢医薬品は、品目ごとに、その製造販売について厚生労働大臣の承認を受けたものでなければならない。(法14条)

17.▢病原微生物により汚染されているおそれがある医薬品は、不良医薬品である。単に異物が混入し、または付着している医薬品であっても、不良医薬品とみなされる。(法56条)

18.▢その全部または一部が、変質または変敗した物質からなっている医薬品は、販売してはならない。その全部または一部が、不潔な物質からなっている医薬品も不良医薬品とみなされ、販売してはならない。(法56条)

19.▢医薬品の容器または被包は、その医薬品の使用方法を誤らせやすいものであってはならない。医薬品は、これを保健衛生上危険なものにするおそれがある容器に収められていてはならない。(法57条)


20.▢一般用医薬品は、その効能および効果において人体に対する作用が著しくないものでなければならない。(法4条5項)

21.▢一般用医薬品は、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されるものである。(法4条5項)
 
22.▢要指導医薬品の適正な使用のため、薬剤師の対面による薬学的知見に基づく指導も行われる。(法4条5項)

23.▢毒薬および劇薬は、要指導医薬品の指定の対象となる。(法4条5項)

24.▢医療用医薬品は、医師もしくは歯科医師によって使用されまたはこれらの者の処方箋もしくは指示によって使用されることを目的として供給される。

25.▢一般用医薬品または要指導医薬品では、注射などの侵襲性の高い使用方法は用いられていない。

26.▢検体の採取に身体への直接のリスクを伴うものは、一般用医薬品または要指導医薬品として認められていない。

27.▢一般用医薬品および要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用することによって効果を期待するものである。

28.▢一般用医薬品および要指導医薬品では、「診断疾患名」ではなく一般の生活者が判断できる症状 (例:胃痛、胸やけ) で示されている。

29.▢要指導医薬品の指定は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いたうえで、厚生労働大臣により行われる。また、リスク評価期間を経過し、薬事・食品衛生審議会において適切と認められた要指導医薬品は、一般用医薬品に分類変更される。

30.▢店舗販売業では、一般用医薬品および要指導医薬品以外の医薬品の販売等は認められていない。(法27条)

31.▢配置販売業では、一般用医薬品 (経年変化が起こりにくいことなどの基準に適合するものに限る) 以外の医薬品の販売は認められていない。(法31条)

32.▢薬局では、薬局では、すべての医薬品の販売が可能である。

33.▢毒薬とは、毒性が強いものとして厚生労働大臣が指定する医薬品をいう。なお、劇薬とは、劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいう。(法44条2項)

34.▢一般用医薬品で、毒薬または劇薬に該当するものはない。一般用医薬品で、該当するものはない。なお、要指導医薬品では、毒薬または劇薬に該当するものは一部に限られる。

35.▢毒薬を貯蔵、陳列する場所については施錠が義務づけられている。劇薬については義務づけられていない。(法48条2項)

36.▢毒薬については、それを収める直接の容器または被包に、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名および「毒」の文字が記載されていなければならない。(法44条1項)

37.▢毒薬または劇薬を、14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは、禁止されている。(法47条)

38.▢毒薬または劇薬を一般の生活者に対して販売する際には、当該医薬品を譲り受ける者から譲受人の「品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所および職業」が記入された文書の交付を受けなければならない。(法46条1項)


39.▢毒薬または劇薬を開封販売できる店舗販売業者は、店舗管理者が薬剤師である場合に限られる。(法45条)

40.▢営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者は、毒薬または劇薬を開封して販売することができる。毒薬または劇薬を開封して販売等してはならないのは、店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者、および営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者である(法45条)

41.▢生物由来製品は、人その他の生物(植物を除く)に由来するものを原料または材料として製造される医薬品、医薬部外品、化粧品または医療機器のうちから指定される。(法2条10項)

42.▢生物由来製品は、製品の使用による感染症の発生リスクに着目して指定される。

43.▢現在のところ、生物由来製品として指定された一般用医薬品または要指導医薬品はない。医薬部外品や化粧品もない。

44.▢一般用医薬品のリスク区分の指定は、その配合成分または使用目的などに着目してなされている。

45.▢第一類医薬品には、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、その使用に関し特に注意が必要なものが含まれる。第一類医薬品には、新医薬品であって再審査のための調査期間を経過していないものも含まれる。(法36条の7第1項)


46.▢第二類医薬品は、厚生労働大臣により指定が行われる。(法36条の7第1項)


47.▢第二類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第二類医薬品としている。

48.▢第三類医薬品とは、第一類医薬品および第二類医薬品以外の般一用医薬品をいう。第三類医薬品は、保健衛生上のリスクが比較的低い一般用医薬品といえる。

49.▢一般用医薬品のリスク区分は、適宜見直しが行われる。一般用医薬品のリスク区分の見直しは、安全性に関する新たな知見や副作用の発生状況などを踏まえて行われる。

50.▢第三類医薬品に分類されている医薬品であっても、第一類医薬品または第二類医薬品に分類が変更されることもある。

51.▢医薬品の直接の容器等の法定表示事項であるのは、「製造販売業者の名称および住所」である。(法50条) 「製造業者の名称および住所」の記載は任意となる。

52.▢「一般用医薬品のリスク区分を示す識別表示」は、医薬品の直接の容器等の法定表示事項である。(法50条)

53.▢医薬品の直接の容器等の法定表示事項が、外部の容器等を透かして容易に見ることができないときは、その外部の容器等にも法定表示事項が記載されていなければならない。(法51条)


54.▢医薬品はその添付文書、容器等または外箱等のいずれかに、用法用量その他使用および取扱い上必要な注意等が記載されていなければならない。(法52条)

55.▢医薬品の容器には、「保健衛生上危険がある用法、用量または使用期間」が記載されていてはならない。他にも「虚偽または誤解を招くおそれのある事項」、「承認を受けていない効能、効果または性能」についても、医薬品に添付する文書、その容器等または外箱等に記載されていてはならない。(法54条)

56.▢直接の容器等の法定表示事項は、他の文字、記事、図画、または図案に比較して見やすい場所に記載されていなければならない。法定表示事項(法50条)および添付文書等記載事項(法52条)の記載は、購入者等が読みやすく理解しやすい用語による正確なものでなければならない。(法53条)


57.▢法定表示事項(法50条)および添付文書等記載事項(法52条)の記載は、邦文で記載されていなければ ならない。(規則218条)


58.▢添付文書等記載事項(法52条)が適切になされていない医薬品、記載禁止事項(法54条)がなされている医薬品についても、不正表示医薬品と呼ばれる。

59.▢記載禁止事項がなされている医薬品は、販売してはならない。法定表示事項(法50条)および添付文書等記載事項(法52条)が適切になされていない医薬品についても、販売等してはならない。(法55条1項)


60.▢医薬部外品は、その効能・効果があらかじめ定められた範囲内であって、人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能・効果を表示・標榜することが認められている。

61.▢ 医薬部外品は、医薬品のような販売業の許可は必要なく、一般小売店において販売等することができる。

62.▢化粧品としての使用目的を有する製品に医薬品的な効能・効果を表示・標榜しようとする場合は、医薬部外品として認められている。

63.▢医薬部外品のうち、衛生害虫類の防除のため使用される製品群については、その直接の容器等に、「防除用医薬部外品」の表示をしなければならない。他に、表示が必要な医薬部外品として、かつては医薬品であったが医薬部外品へ移行された製品群である「指定医薬部外品」の表示がある。

64.▢人の疾病の診断、治療または予防に使用されることを目的とするものは、化粧品に含まれない。人の身体の構造または機能に影響を及ぼすことを目的とするものも、化粧品に含まれない。


65.▢化粧品に医薬品的な効能・効果を表示することは一切認められていない。化粧品については、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つ範囲内においてのみ効能・効果の表示・標榜が認められている。

66.▢医薬品について化粧品的な効能・効果を表示・標榜することは、過度の消費や乱用などの不適正な使用を助長するおそれがあるため、適当でないとされている。

67.▢化粧品には、原則として医薬品の成分を配合してはならない。原則として配合してはならない。化粧品に医薬品成分の配合が認められる場合であっても、薬理作用が期待できない量以下に制限されている。

68.▢化粧品は、厚生労働大臣より製造販売業の許可を受けた者でなければ製造販売をしてはならない。なお、化粧品は、医薬品のような販売業の許可は必要ない。よって、一般小売店において販売等することができる。

69.▢化粧品は、品目ごとに、その製造販売について厚生労働大臣にあらかじめ届出をしなければならない。(法14条の9)

70.▢食品とは医薬品、医薬部外品および再生医療等製品以外のすべての飲食物をいう。

71.▢医薬品では品質、有効性および安全性の確保のために必要な規制が行われているが、食品ではもっぱら安全性の確保のために行われる。

72.▢医薬品の製造業の許可を受けずに製造された医薬品も、無承認無許可医薬品と呼ばれる。

73.▢もっぱら医薬品として使用される成分本質を含む食品は、無承認無許可医薬品とみなされる。ただし、もっぱら医薬品として使用される成分であっても、食品添加物と認められている場合であれば、無承認無許可医薬品とみなされることはない。

74.▢アンプル剤のような医薬品的な形状である食品は、無承認無許可医薬品とみなされる。他に、舌下錠、口腔用スプレー剤のような形状の食品についても、無承認無許可医薬品とみなされる。錠剤、カプセル剤、散剤などはこの限りではない。

75.▢錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの形状については、食品である旨が明示されている場合に限り、当該形状のみをもって医薬品への該当性の判断がなされることはない。

76.▢特定保健用食品、栄養機能食品および機能性表示食品を総称して、保健機能食品という。

77.▢特別用途食品は、「特別の用途に適する旨の表示」の許可を受けた食品である。特別用途食品には、消費者庁の許可等のマークが付されている。

78.▢特定保健用食品は、「特定の保健の目的が期待できる旨の表示」をする食品である。特定の保健の用途を表示するには、個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性などに関する審査を受け、許可又は承認を取得することが必要である。

79.▢ 栄養機能食品では、食品表示基準の規定に基づき、栄養成分の機能の表示を行わなければならない。


80.▢栄養成分の機能表示に関しては、「消費者庁長官の個別の審査を受けたものでない旨の表示」が義務づけられている。なお、消費者庁長官の許可は要さない。

81.▢機能性表示食品は、食品表示基準に規定されている食品である。食品表示基準は、食品表示法に基づき定められた基準である。

82.▢機能性表示食品は、販売前に安全性および機能性の根拠に関する情報などを、消費者庁長官に届け出たものである。

83.▢機能性表示食品では、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示できる。

84.▢健康食品と呼ばれるものは、「食品表示基準により規定されたもの」ではなく、一般に用いられているものである。

85.▢健康食品と呼ばれるものによる重篤な健康被害が、発生した事例もある。そのため行政では、因果関係が完全に解明されていなくとも、健康被害の拡大防止を図るため製品名などを公表している。




医薬品の販売業の許可

86.▢医薬品を業として販売するためには、薬局開設者または医薬品の販売業の許可を受ける必要がある。「薬局開設者または医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、または販売・授与の目的で貯蔵し、陳列してはならない。」(法24条1項)


87.▢医薬品の販売業の許可は、店舗販売業の許可、配置販売業の許可または卸売販売業の許可の3種類に分けられる。(法25条)


88.▢卸売販売業の許可では、―般の生活者に対して、業として医薬品を販売することができない。医薬品の販売業の許可のうち、一般の生活者に対して医薬品を販売等することができるのは、店舗販売業および配置販売業の許可を受けた者だけである。

89.▢薬局開設者または店舗販売業者は、店舗による販売または授与以外の方法により、医薬品を販売等してはならない。(法37条1項)


90.▢配置販売業者が店舗による方法により医薬品を販売しようとする場合は、別途、薬局開設の許可または店舗販売業の許可を受けなければならない。

91.▢分割販売する医薬品の容器などには、法第50条に基づく法定表示事項(分割販売を行う者の氏名または名称ならびに分割販売を行う薬局、店舗または営業所の名称および所在地を含む)および法第52条基づく法定記載事項が記載されていなければならない。

92.▢薬局、店舗販売業および卸売販売業は、特定の購入者の求めに応じて医薬品を分割販売することができる。分割販売する場合には直接の容器等の法定表示事項(法50条)、添付文書等記載事項(法52条)が、当該薬局開設者または医薬品の販売業者の責任において、それぞれ表示または記載されなければならない。

93.▢医薬品をあらかじめ小分けし、販売する行為は、医薬品の無許可製造、無許可製造販売に該当するため認められない。

94.▢薬局では、医薬品の調剤と併せて、店舗により医薬品の販売を行うことが認められている。薬局は、薬剤師が販売または授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む)と定義される。(法2条12項)

95.▢薬局では医療用医薬品のほか、要指導医薬品および一般用医薬品を取り扱うことができる。

96.▢薬局は、その所在地の都道府県知事(保健所を設置する市または特別区の区域にある場合においては、市長または区長)の許可を受けなければ、開設してはならない。(法4条1項)

97.▢病院の調剤所については、薬局開設の許可を受けていない場合であっても、薬局の名称を付すことができる。医薬品を取り扱う場所であって、薬局として開設の許可を受けていないものについては、病院または診療所の調剤所を除き、薬局の名称を付してはならない。(法6条、規則10条)

98.▢薬局開設者が薬剤師でない場合、その薬局で薬事に関する実務に従事する薬剤師のうちから管理者を指定して、実地に管理させなければならない。薬局の管理者は、薬剤師でなければならない。(法7条)

99.▢開店時間のうち、当該薬局において調剤に従事する薬剤師が当該薬局以外の場所においてその業務を行うため、やむを得ず、かつ、一時的に当該薬局において薬剤師が不在となる時間を薬剤師不在時間という。

100.▢薬剤師不在時間内であっても、登録販売者が販売できる医薬品は、第二類医薬品または第三類医薬品である。

101.▢店舗販売業の許可は、「都道府県ごと」ではなく店舗ごとに与えられる。

102.▢店舗管理者は、都道府県知事等の許可を受けた場合を除き、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。(法28条3項)

103.▢第一類医薬品を販売する店舗において登録販売者を店舗管理者とする場合、店舗管理者を補佐する薬剤師を置かなければならない。登録販売者の店舗管理者を補佐する者は、薬剤師に限られる。(規則141条)

104.▢店舗管理者は、店舗販売業者に対して必要な意見を述べなければならない。一方、店舗販売業者は、その店舗管理者の意見を尊重しなければならない。(法29条の2第2項)

105.▢配置販売業は、先用後利という販売形態である。購入者の居宅に医薬品をあらかじめ預けておき、購入者がこれを使用した後でなければ代金請求権が生じないといった販売形態を、先用後利という。

106.▢配置しようとする区域が、保健所設置市または特別区にある場合には、配置販売業の許可権者は都道府県知事に限られる。(法30条の1項)

107.▢配置販売業者またはその配置員は、医薬品の配置販売に従事しようとするときは、あらかじめ、配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事に届け出なければならない。(法32条)

108.▢配置販売業者またはその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。(法33条1項)

109.▢配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することは禁止されている。(法37条2項)

110.▢薬局開設者または店舗販売業者は、要指導医薬品につき、薬剤師に販売等させなければならない。(法36条の5)

111.▢店舗販売業者は、要指導医薬品につき、適正な使用のために必要と認められる数量に限り、薬剤師に販売させなければならない。(規則158条の11)

112.▢第一類医薬品の販売は、薬剤師により行われる。薬局開設者、店舗販売業者または配置販売業者は、第一類医薬品につき、薬剤師に販売させなければならない。(法36条の9)


113.▢薬局開設者は、一般の生活者に第一類医薬品を販売したときは、品名、数量、販売日時等を書面に記載し、2年間保存しなければならない。

114.▢店舗販売業者は、一般の生活者に第二類医薬品および第三類医薬品に販売した場合は、書面の記載および保存が努力義務となっている。(規則146条4項)

115.▢配置販売業者は、一般用医薬品を配置したときは、当該医薬品を購入しようとする者の連絡先を書面に記載し、保存するよう努めなければならない。購入者情報に関する書面の記載および保存は、努力義務である。(規則149条の5第5項)

116.▢薬剤師は、要指導医薬品を購入しようとする者に、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項が記載された書面を用いて、情報提供する必要がある。(規則158条の12第1項)

117.▢薬剤師は、当該要指導医薬品を購入した者または使用する者から相談があった場合も、必要な情報を提供し、または必要な指導を行う必要がある。(法36条の6第4項)

118.▢第一類医薬品を購入しようとする者から説明を要しない旨の意思の表明があり、薬剤師が適正に使用されると認められると判断した場合には、情報提供の義務規定は適用されない。(法36条の10第6項)

119.▢薬剤師は、情報の提供を行う前に、あらかじめ、第一類医薬品を購入しようとする者が妊娠しているか否かを確認する必要がある。第一類医薬品を購入しようとする者が妊娠中である場合は、妊娠週数を確認する必要がある。(規則159条の15第4項)

120.▢指定第二類医薬品については、薬剤師または登録販売者による積極的な情報提供の機会がより確保されるよう、陳列方法を工夫するなどの対応が求められる。指定第二類医薬品は、特定の使用者(小児、妊婦など)や相互作用に関して使用を避けるべき注意事項があり、それに該当する使用がなされた場合に重大な副作用を生じる危険性が高まる成分、または依存性・習慣性がある成分が配合されたものであるためである。

121.▢医薬品を他の物と区別して貯蔵・陳列することは、義務である。(法57条の2第1項)

122.▢要指導医薬品は、通常、要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列しなければならない。要指導医薬品および一般用医薬品を、混在しないように陳列しなければならない。(規則218の3)

123.▢第一類医薬品は、第一類医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列しなければならないが、かぎをかけた陳列設備に陳列する場合はこの限りでない。(規則218条の4第1項)

124.▢指定第二類医薬品は、通常、構造設備規則に規定する情報提供を行うための設備から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。(規則218条の4第1項)

125.▢薬局開設者は、要指導医薬品または一般用医薬品を販売しない時間は、要指導医薬品または一般用医薬品を通常陳列し、交付する場所を開鎖しなければならない。(規則14条の3第1項)

126.▢店舗販売業者は、当該店舗を利用するために必要な情報を当該店舗の見やすい位置に掲示板で掲示しなければならない。リスク区分に応じた情報提供または相談対応の実効性を高めるため、見やすい位置に掲示板で掲示しなければならない。

127.▢配置販売業者は、相談時および緊急時の電話番号等を記載した書面を添えて配置する際に当該書面を添えることは、義務である。(規則149条の10)

128.▢特定販売とは、その薬局または店舗におけるその薬局または店舗以外の場所にいる者に対する一般医薬品または薬局製造販売医薬品(毒薬および劇薬であるものを除く)の販売または授与をいう。(規則1条2項)

129.▢店舗販売業が特定販売を行う場合には、当該店舗に貯蔵し、または陳列している医薬品を販売しなければならない。(規則147条の7)

130.▢特定販売を行うことについてホームページ広告をするときは、勤務する薬剤師または規則第15条第2項の登録販売者以外の登録販売者もしくは同項の登録販売者の別などを表示しなければならない。登録販売者については、規則第15条第2項の登録販売者(いわゆる「若葉マーク」の登録販売者)とそうでない登録販売者の別の表示が必要となる。(規則147条の7)

131.▢店舗販売業者は、医薬品を他の店舗販売業者に販売したときは、常時取引関係にある場合を除き、販売先の電話番号その他連絡先を書面に記載しなければならない。

132.▢薬局および店舗販売業の店舗の構造設備にかかわる基準として、医薬品の貯蔵設備を設ける区域が、他の区域から明確に区別されていることが求められている。また、医薬品の貯蔵設備を設ける区域に立ち入ることができる者を特定することも求められている。


133.▢店舗販売業者は、その店舗に勤務する者に名札を付けさせることその他必要な措置を講じなければならない。店舗販の従事者について、薬剤師、登録販売者または一般従事者であることが容易に判別できるようにするためである。(規則147条の2第1項)

134.▢濫用等のおそれのある医薬品の成分として、ブロモバレリル尿素が指定されている。ブロモバレリル尿素のほか、エフェドリン、コデイン(鎮咳去痰薬に限る)、ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る)、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る)が指定されている。

135.▢店舗販売業者は、使用の期限を超過した医薬品を、正当な理由なく、販売し、授与し、販売・授与の目的で貯蔵し、陳列してはならない。使用の期限を超過した医薬品については、正当な理由なく、広告もしてはならない。(規則147条の4)

136.▢医薬品について広告するときは、当該医薬品の使用が不適正なものとなるおそれのある事項を表示してはならない。医薬品について広告するときは、当該医薬品を使用した者による当該医薬品に関する意見も表示してはならない(口コミの禁止)。(規則147条の6第1項)




医薬品販売に関する法令遵守等

137.▢医薬品医療機器等法による広告規制は、薬局開設者ならびに医薬品の製造販売業者、製造業者および販事売業者を対象とし、広告媒体となるマスメディアも対象となる。医薬品医療機器等法による広告規制は何人、すなわち、すべての者が対象となる。

138.▢医薬品の名称、効能または効果に関して、虚偽または誇大な記事を広告することは禁止されている。何人も、医薬品の名称、製造方法、効能、効果または性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布してはならない。(法66条1項)

139.▢承認前の医薬品については、広告規制の対象となる。承認前の医薬品の名称、製造方法、効能、効果または性能に関する広告規制は禁止されている。

140.▢店舗において販売促進のため用いられるチラシやPOP広告も、広告規制の対象となる。チラシやダイレクトメール(電子メールを含む)、POP広告(ポスター、ステッカー、ディスプレーなどによる店頭・店内広告)なども広告規制の対象となる。

141.▢漢方処方製剤では、効能効果に一定の前提条件(しばり表現)が付されていることが多いが、しばり表現を省いて広告することは原則として認められていない。

142.▢漢方処方製剤の構成生薬の作用を個別に挙げて説明することは、不適当である。漢方処方製剤の効能・効果は、配合されている個々の生薬成分が相互に作用しているためである。

143.▢一般用医薬品と同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能・効果であれば、そのまま標榜することは適当でない。一般用医薬品と同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能・効果をそのまま標榜することは、承認されている内容を正確に反映した広告といえない。

144.▢保証表現がなされた広告は、明示的・暗示的を問わず、虚偽または誇大な広告とみなされる。(法66条1項)

145.▢チラシやパンフレットなどの同一紙面に、医薬品と医薬品でない製品を併せて掲載すること自体は問題ない。

146.▢医薬関係者、医療機関、公的機関が、公認、推薦、選用している旨の広告については、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。

147.▢医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていない。キャラクターグッズなどの景品類を提供して販売することに関しては、不当景品類及び不当表示防止法の限度内であれば認められている。

148.▢組み合わせ販売について、効能・効果が重複する組合せや、相互作用などにより、保健衛生上の危害を生じるおそれのある組合せは不適当である。

149.▢厚生労働大臣、都道府県知事等は、薬事監視員は、厚生労働省、都道府県等の職員のうちから任命される。(法76条の3第1項)

150.▢都道府県知事等は、不良製品による危害を防止するため、薬局開設者または医薬品の販売業者に対して必要な報告をさせ、または薬事監視員に立入検査させ、無承認無許可医薬品、不良医薬品または不正表示医薬品等の疑いのある物品を、試験のため必要な最少分量に限り、収去させることができる。(法69条4項)

151.▢都道府県知事等は、薬局開設者または医薬品の販売業者に対して、その構造設備が基準に適合しない場合には、その構造設備の改善を命じることができる。配置販売業者は、店舗をもたない業態であるため、構造設備の改善を命じられることはない。

152.▢都道府県知事等は、管理者に薬事に関する法令等違反する行為があったとき、またはその者が管理者として不適当であると認めるときは、その者の変更を命ずることができる。(法73条)

153.▢厚生労働大臣、医薬品による保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するため必要があると認めるときは、薬局開設者または医薬品の販売業者に応急措置を採るべきことを命ずることができる。緊急命令の発動権は、厚生労働大臣にのみ認められている。(法69条の3)

154.▢行政庁の薬務主管課、保健所などには、医薬品の販売広告、販売方法に関して、生活者からの苦情や相談が寄せられており、事実関係を確認のうえ必要な指導・処分を行っている。他にも、医薬品の販売関係の業界団体・職能団体においては、一般用医薬品の販売等に関する苦情を受け付ける窓口を設置し、自主的なチェックと自浄的是正を図る取り組みもなされている。

155.▢医薬部外品のいびき防止薬(いびきの一時的な抑制・軽減を目的とする点鼻剤)の効能・効果の範囲は、「いびきの一時的な抑制・軽減」である。

156.▢医薬部外品のパーマネント・ウェーブ用剤(毛髪のウェーブなどを目的とする外用剤)の効能・効果の範囲は、「毛髪にウェーブをもたせ、保つ」などである。

157.▢「くせ毛、ちぢれ毛またはウェーブ毛髪をのばし、保つ」は、医薬部外品のパーマネント・ウェーブ用剤の効能・効果の範囲である。化粧品の効能・効果の範囲ではない。



第5章 医薬品の適正使用・安全対策


医薬品の適正使用情報

1.▢医薬品の添付文書や製品表示に記載されている適正使用情報は、一般の生活者に理解しやすい平易な表現でなされている。


2.▢医薬品の添付文書の内容は、必要に応じて随時改訂がなされている。添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性などにかかる新たな情報に基づき、必要に応じて随時改訂がなされている。

3.▢重要な内容が変更された場合には、添付文書に改訂年月を記載するとともに、改訂された箇所が明示される。以前からその医薬品を使用している人が、添付文書の変更箇所に注意を払うことができるようにするためである。

4.▢添付文書は、開封時に一度目を通されれば十分というものでなく、必要なときにいつでも取り出して読むことができるように保管される必要がある。添付文書の販売名の上部に、「使用にあたって、この説明文書を必ず読むこと。必要なときに読めるよう大切に保存すること」などの文言が記載されている。

5.▢添付文書の「販売名」に薬効名が含まれているような場合は、薬効名の記載は省略されることがある。販売名に薬効名が含まれている場合(例:〇〇胃腸薬)には、薬効名の記載は省略されることがある。

6.▢添付文書の「製品の特徴」は、その製品の概要をわかりやすく説明することを目的としている。「製品の特徴」には、概要を知るために必要な内容が簡潔に記載される。


7.▢「使用上の注意」、「してはいけないこと」、「相談すること」の各項目の見出しには、統一された標識的マークが付されている。

8.▢「次の部位には使用しないこと」には、使用を避けるべき患部の状態、適用部位などに分けて簡潔に記載される。局所に適用する医薬品は、患部の状態によっては症状を悪化させたり、誤った部位に使用すると有害事象を生じたりするおそれがあるためである。

9.▢医療用医薬品との併用については、治療のため処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でないため、「相談すること」として記載される。


10.▢小児では通常当てはまらない内容もあるが、小児に使用される医薬品においても一般的な注意事項として記載される。


11.▢妊婦について、必ずしもヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものではないが、安全性の評価が困難とされている場合は、「相談すること」の項に、「医師(または歯科医師)の治療をうけている人」として記載される。

12.▢添付文書の副作用の記載の順序として、まず、①一般的な副作用について発現部位別に症状が記載され、続けて、②まれに発生する重篤な副作用について副作用名ごとに症状が記載される。

13.▢重篤な副作用とは、入院相当以上の健康被害につながるおそれがあるものである。

14.▢点眼剤に類似した容器に収められた外用液剤では、その容器本体に、赤枠・赤字で「目に入れない」旨の文字が目立つように表示される。剤形・形状に由来する必要な注意事項がある場合には、「用法および用量」の項目に続けて、これと区別して記載される。

15.▢一般用検査薬では、成分および分量は、「キットの内容および成分・分量」と記載される。なお、妊娠検査薬では、専門家による購入者等への情報提供の参考として検出感度も併せて記載される。


16.▢添付文書の「病気の予防・症状の改善につながる事項」は、必須記載ではない。

17.▢シロップ剤の開封後は、冷蔵庫内に保管することが 望ましい。

18.▢錠剤、カプセル剤、散剤では、冷蔵庫内での保管は不適当である。取り出したときに、室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるためである。


19.▢小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合に、誤飲事故が多く報告されている。添付文書には、「保管及び取扱い上の注意」として、「小児の手の届かないところに保管すること」と記載される。


20.▢医薬品を別の容器へ移し替えると、誤用の原因となる。添付文書には、「保管及び取扱い上の注意」として、「他の容器に入れ替えないこと」と記載される。

21.▢製品表示において、 1回服用量中0.1mlを超えるアルコールを含有する内服液剤では、アルコールを含有する旨およびその分量が記載される。例えば「アルコール含有〇〇ml以下」と記載される。

22.▢使用期限について、配置販売される医薬品では「配置期限」と記載される。

23.▢適切な保存条件の下で、製造後3年を超えて性状および品質が安定であることが確認されている医薬品では「使用期限」の表示義務はない。使用期限は、流通管理などの便宜上、外箱などに記載されるのが通常となっている。誤用のおそれや、品質保持ができなくなるためである。

24.▢緊急安全性情報は、医薬品、医療機器または再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限にかかる対策が必要な状況にある場合に発出される。緊急安全性情報は、厚生労働省からの命令、指示、製造販売業者の自主決定などに基づいて作成される。

25.▢緊急安全情報は、1か月以内に情報伝達されるものである。

26.▢緊急安全情報は、イエローレター(A4サイズの黄色地の印刷物)とも呼ばれる。である。

27.▢一般用医薬品にも関係する緊急安全性情報(小柴胡湯による間質性肺炎に関するもの)が、発出されたことがある。

28.▢安全性速報は、A4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターとも呼ばれる。

29.▢厚生労働省は、医薬品および医療機器等の重要な副作用・不具合等に関する情報をとりまとめた「医薬品・医療機器等安全性情報」を広く医薬関係者向けに情報提供を行っている。

30.▢総合機構ホームページには、総合機構ホームページには、一般用医薬品および要指導医薬品の添付文書情報が記載されている。

31,▢医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)は、誰でも利用可能である。

32.▢登録販売者においては、常に最新の知見に基づいた適切な情報提供を行うため、得られる情報を積極的に収集し、資質向上に努めることが求められる。購入者等に科学的な根拠に基づいた正確なアドバイスを与え、セルフメディケーションを適切に支援することが期待されている。




医薬品の安全対策

33.▢サリドマイド薬害事件を契機として、WHO国際医薬品モニタリング制度が確立された。


34.▢登録販売者は、医薬品の副作用等によると疑われる健康被害を知った場合において必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。

35.▢1967(昭和42)年、約3000の医療機関をモニター施設に指定して、厚生省(当時)が直接副作用報告を受ける「医薬品副作用モニター制度」がスタートした。その後、1978(昭和53)年に約3000のモニター薬局で把握した副作用事例などが定期的に報告されるようになり、1997(平成9)年に「医薬品等安全性情報報告制度」として拡充された。


36.▢企業からの副作用等の報告制度は、医薬品の市販後においても常に、その品質、有効性および安全性に関する情報を収集することを目的としている。

37.▢企業からの副作用等の報告制度において、製造販売業者等は、副作用等と疑われる健康被害を知ったときは、その旨を定められた期限までに厚生労働大臣に報告しなければならない。

38.▢企業からの副作用等の報告において、使用上の注意から予測できない死亡例の報告期限は、15日以内に報告する。


39.▢ 血液製剤などの生物由来製品の製造販売業者は、当該企業が製造販売する生物由来製品の安全性について評価し、その成果を定期的に国(厚生労働大臣または総合機構)に報告しなければならない。

40.▢医療用医薬品で使用されていた有効成分を一般用医薬品で初めて配合したものについては、承認条件としておおむね3年、安全性に関する調査および調査結果の報告が求められている。
医療用医薬品で使用されていた有効成分を要指導医薬品で初めて配合した場合についても、同様に調査結果の報告が求められている。


41.▢各制度により集められた副作用情報については、総合機構において、専門委員の意見を聴きながら調査検討が行われる。


42.▢健康食品によると疑われる健康被害については、最寄りの保健所に連絡する必要がある。無承認無許可医薬品についても、同様である。


43.▢医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても、副作用報告の対象となり得る。

44.▢医薬品の過量使用や誤用による健康被害は、安全対策上必要があると認めるときは、副作用報告の対象となる。

45.▢医薬品安全性情報報告書について、報告様式の記入欄すべてに記入がなされる必要はない。把握可能な範囲で報告がなされればよい。

46.▢医薬品安全性情報報告書について、報告期限は特に定められていない。


47.▢医薬品副作用被害救済制度において、給付請求は総合機構に対して行われる。



医薬品の副作用等による健康被害の救済

48.▢医薬品副作用被害救済制度は、副作用被害者の迅速な救済を図るため、製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として1980(昭和55)年より運営が開始された。


49.▢医薬品安全性情報報告書は、郵送、ファクシミリまたは電子メールにより総合機構に送付する。送付を行うと、報告者に対しては安全性情報受領確認書が交付される。

50.▢給付請求を受けたときは、薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定した結果に基づいて、各種給付が行われる。薬事・食品衛生審議会への諮問は、その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうかなどの事項について行われる。

51.▢救済給付業務に必要な事務費については、その2分の1相当額が国庫補助により賄われている。救済給付業務に必要な給付費については、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられる。


52.▢Q52 生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、それを介して生じた感染などによる疾病、障害または死亡は、医薬品副作用被害救済制度ではなく、「生物由来製品感染等被害救済制度」の対象となっている。


53.▢総合機構においては、関係製薬企業または国からの委託を受けて、裁判上の和解が成立したスモン患者に対して、健康管理手当や介護費用の支払業務を行っている。他に(公財)友愛福祉財団からの委託を受けて、血液製剤によるHⅣ 感染者・発症者への健康管理費用の支払業務も行っている。

54.▢障害年金は、医薬品の副作用によリ一定程度の障害の状態にある18歳以上の人の生活補償等を目的として給付されるものである。

55.▢医療手当は、医薬品の副作用による疾病の治療に伴う医療費以外の費用の負担に対して定額で給付されるものである。

56.▢障害児養育年金には、請求期限がない。請求期限がない救済給付は、障害年金と障害児養育年金の2つである。

57.▢遺族一時金は、生計維持者以外の人が医薬品の副作用により死亡した場合に、その遺族に対する見舞等を目的として給付されるものである。


58.▢医薬品の適正な使用による健康被害であれば、医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度の健康被害は、救済対象とならない。


59.▢人体に直接使用する殺菌消毒剤による健康被害は、救済制度の対象となる。要指導医薬品または一般用医薬品では、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを塗く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリンなど)が救済対象とならない。


60.▢いわゆる健康食品による健康被害は、救済制度の対象とならない。その他、個人輸入により入手された医薬品による健康被害も、救済制度の対象とならない。

61.▢一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求にあたっては、医師の診断書、要した医療費を証明する書類、販売証明書などが必要となる。医薬品の販売等に従事する専門家においては、販売証明書の発行につき円滑な対応を図る必要がある。

62.▢医薬品PLセンターでは、医薬品または医薬部外品に関する苦情や相談を受け付けている。

63.▢医薬品PLセンターでは申立ての相談を受け付けるが、裁判によらずに、迅速な解決に導くことを目的としている。また、交渉の仲介や調整・あっせんを行う。




一般用医薬品に関する主な安全対策

64.▢解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用による重篤な副作用(ショック)により、計38名の死亡例が発生した。

65.▢アンプル剤では、通常用量で副作用を生じやすいことが確認された。アンプル剤は、他の剤形(錠剤、散剤など)に比べて血中濃度が急速に高値に達するため、副作用を生じやすい。

66.▢1994(平成6)年、小柴胡湯とインターフェロン製剤の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、その併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。


67.▢1996(平成8)年、慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、緊急安全性情報の配布が指示された。

68.▢2003(平成15)年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の症例は、いずれも回復または軽快している。

69.▢2000(平成12)年、米国において、女性が食欲抑制剤として塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)含有医薬品を使用した場合に、出血性脳卒中の発生リスクとの関連性が高いとの報告がなされた。日本では、PPAは食欲抑制剤として承認されていない。そのため、直ちに販売を中止する必要はないものとして、心臓病の人や脳出血の既往がある人などは使用しないよう注意喚起が行われた。


70.▢2003(平成15)年までに、PPAが配合された一般用医薬品による副作用が複数報告されたため、厚生労働省から関係製薬企業などに対し、塩酸フェニルプロパノールアミンからプソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)などへの速やかな切替えにつき、指示がなされた。




医薬品の適正使用のための啓発活動

71.▢毎年10月17日~23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体などによる広報活動やイベントなどが実施されている。「薬と健康の週間」は、医薬品のもつ特質およびその使用・取扱いなどについて正しい知識を広く生活者に浸透させることにより、保健衛生の維持向上に貢献することを目的としている。


72.▢毎年6月20日~7月19日までの1か月間、国、自治体、関係団体などにより、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は、「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し、薬物乱用防止をいっそう推進することを目的としている。

73,▢薬物乱用や薬物依存は、違法薬物によるものばかりでなく、一般用医薬品によっても生じ得る。一般用医薬品または要指導医薬品の乱用をきっかけとして、違法な薬物の乱用につながることもある。


74.▢薬物の乱用により、乱用者自身の健康が害するだけでなく、社会的な弊害を生じるおそれが大きいため、小中学生のうちからの啓発が重要である。

75.▢喘息を起こしたことがある人は、インドメタシンが配合された外用鎮痛消炎薬を「使用しないこと」とされている。喘息発作を誘発するおそれがある。

76.▢フェノフィブラートを含有する高脂血症治療薬によるアレルギー症状を起こしたことがある人は、ケトプロフェンが配合された外用鎮痛消炎薬を「使用しないこと」とされている。接触皮膚炎、光線過敏症を誘発するおそれがある。


77.▢胃酸過多の症状がある人は、カフェインが胃液の分泌を亢進し、症状を悪化させるおそれがあるため、カフェイン類を主薬とする眠気防止薬を「使用しないこと」とされている。

78.▢前立腺肥大による排尿困難の症状がある人は、プソイドエフェドリン塩酸塩を「使用しないこと」とされている。プソイドエフェドリン塩酸塩の交感神経刺激作用により、尿の貯留・尿閉を生じるおそれがある。




別表「してはいけないこと」「相談すること」

79.▢心臓病の診断を受けた人は、芍薬甘草湯を「使用しないこと」とされている。徐脈または頻脈を引き起こし、心臓病の症状を悪化させるおそれがあるため、「使用しないこと」とされている。

80.▢高血圧の診断を受けた人は、プソイドエフェドリンを「使用しないこと」とされている。交感神経興奮作用により血圧を上昇させ、高血圧を悪化させるおそれがあるためである。

81.▢糖尿病の診断を受けた人は、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された外用薬を「使用しないこと」とされている。肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があり、糖尿病を悪化させるおそれがあるためである。

82.▢日常的に不眠の人、不眠症の診断を受けた人は、抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)を「使用しないこと」とされている。睡眠改善薬は、慢性的な不眠症状に用いる医薬品ではない。また、医療機関において不眠症の治療を受けている場合には、その治療を妨げるおそれがあるためである。

83. ▢透析療法を受けている人は、アルジオキサが配合された胃腸薬を「使用しないこと」とされている。長期間服用した場合に、アルミニウム脳症およびアルミニウム骨症を発症したとの報告があるためである。


84.▢妊婦または妊娠していると思われる人は、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがあるためヒマシ油類を「使用しないこと」とされている。

85.▢出産予定日12週以内の妊婦は、妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれがあるため、イブプロフェンを「使用しないこと」とされている。

86.▢授乳中の人は、乳児に下痢を起こすおそれがあるため、「センノシドが配合された内服薬を服用しないか、これを服用する場合は授乳を避けること」とされている。

87.▢コデインリン酸塩が配合された鎮咳去痰薬(内服液剤)は、「過量服用・長期連用しないこと」とされている。倦怠感や虚脱感などが現れることがあるためである。また、依存性・習慣性がある成分が配合されており、乱用事例が報告されている。


88.▢アリルイソプロピルアセチル尿素が配合された解熱鎮痛薬の服用前後は、鎮静作用の増強が生じるおそれがあるため、「飲酒しないこと」とされている。


89.▢妊婦または妊娠していると思われる人は、妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため、イソプロピルアンチピリンが配合された解熱鎮痛薬を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。


90.▢授乳中の人は、 トリプロリジン塩酸塩水和物が配合されたアレルギー用薬を使用する前に、乳汁中に移行する可能性があるため、「医師などに相談すること」とされている。

91.▢高齢者は、緑内障の悪化、口渇、排尿困難または便秘の副作用が現れやすいため、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、メチルオクタトロピン臭化物、イソプロパミドヨウ化物などの抗コリン成分またはロートエキスが配合された内服薬、外用痔疾用薬を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。

92.▢発熱している小児には、痙攣を誘発するおそれがあるため、テオフィリンを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。


93.▢急性の激しい下痢の症状がある人は、下痢を止めるとかえって症状を悪化させることがあるため、タンニン酸アルブミン、ビスマス類などの収斂成分を主体とすると止瀉薬を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。

94.▢出血傾向の症状がある人は、出血傾向を増悪させるおそれがあるため、ブロメラインを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。フィブリノゲン、フィブリンを分解するタンパク質分解酵素でる。


95.▢排尿困難の症状がある人は、ロートエキスを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。ロートエキスを使用で排尿筋の弛緩と括約筋の収縮が起こり、尿の貯留を来すおそれがあるためである。特に、前立腺肥大症を伴っている場合には、尿閉を引き起こすおそれがある。


96.▢口内にひどいただれの症状がある人は、粘膜刺激を起こすおそれのある成分が配合されている場合があるため、含嗽薬を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。


97.▢胃・十二指腸潰瘍の診断を受けた人は、胃・十二指腸潰瘍を悪化させるおそれがあるため、エテンザミドを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。エテンザミドの他にアスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、サリチルアミドも同様である。

98.▢甲状腺疾患の診断を受けた人は、ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素などのヨウ素系殺菌消毒成分が配合された口腔咽喉薬、含嗽薬を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。

99.▢高血圧の診断を受けた人は、マオウを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。マオウは、交感神経興奮作用により血圧を上昇させ、高血圧を悪化させるおそれがあるためである。

100.▢腎臓病の診断を受けた人は、アセトアミノフェンを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イブプロフェンについても同様である。


101.▢糖尿病の診断を受けた人は、鼻炎用点鼻薬、アドレナリン作動成分またはマオウを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。


102.▢緑内障の診断を受けた人は、パパベリン塩酸塩を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。パパベリン塩酸塩は眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるためである。


103.▢貧血の診断を受けた人は、貧血の症状を悪化させるおそれがあるため、ピベラジンリン酸塩などのピペラジンを含む成分を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。

104.▢全身性エリテマトーデスの診断を受けた人は、無菌性髄膜炎の副作用を起こしやすいため、イブプロフェンを使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。混合性結合組織病の診断を受けた人についても同様に、「医師などに相談すること」とされている。

105.▢瀉下薬を使用している人は、腹痛、激しい腹痛を伴う下痢が現れやすくなるため、響声破笛丸を使用する前に、「医師などに相談すること」とされている。柴胡加竜牡骨蛎湯についても同様に、「医師などに相談すること」とされている。


登録販売者試験 合格のための 重要事項短文集暗記BOOK

2022年2月7日 発行 初版

著  者:上野和夫
発  行:ペネトレイト

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上野和夫

「資格試験のペネトレイト」で医療・介護・福祉の仕事に携わる方に必須の資格取得のお手伝いをしています。 私は、薬剤師、社会福祉士、介護支援専門員の免許を持っていますが、現在は薬剤師の仕事に従事しています。 資格試験合格のノウハウは1つ、シンプルな学習が大切、そのための教材を公開しています。 ホームページ「資格試験のペネトレイト」http://penetrateblog.com/に教材の販売コーナーと無料の問題集を集めた棚を提供しています。 私と一緒に資格試験合格を目指しましょう。

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