───────────────────────
───────────────────────
本書について
要介護認定および要支援認定
財政構造と保険料
介護保険制度におけるケアマネジメント
サービス提供事業者・施設
保険者および被保険者等
地域支援事業等
介護予防ケアマネジメント
審査請求および雑則
介護保険制度導入の背景等
介護保険制度の目的等
保険給付の種類・内容等
利用者負担
介護保険事業計画等
高齢化の進展と高齢者を取り巻く状況
介護保険施設にかかる運営基準(施設)の共通事項
他の法令等による給付調整等その他の規定
介護支援専門員
居宅のケアマネジメント
施設のケアマネジメント
国民健康保険団体連合会の業務
高齢者に多い疾患
医学的診断・予後予想・医療との連携
バイタルサインと検査
急変時の対応
介護技術の展開
ターミナルケア
認知症高齢者の介護
介護医療院
訪問看護
看護小規模多機能型居宅介護
栄養・食生活からの支援と介護
介護老人保健施設
精神に障害のある場合の介護
高齢者の心身機能の特徴
居宅療養管理指導
通所リハビリテーション
薬の知識
短期入所療養介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
ケアにおけるリハビリテーション
介護予防通所リハビリテーション
ソーシャルワークとケアマネジメント
社会資源の活用および関連諸制度
訪問介護
訪問入浴介護
通所介護
短期入所生活介護
介護老人福祉施設
福祉用具
夜間対応型訪問介護
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
認知症対応型共同生活介護
住宅改修
介護支援専門員試験 合格のための重要事項短文集 暗記BOOK
ー試験合格には「短文で正しい知識」を身につけることが大切!ー
本書について
本書は、介護支援専門員試験の筆記試験によく出題される事項を集めています。
毎年出題される問題の半数以上は過去に出されている内容と同じです。介護支援専門員試験の合格ラインは7割以上の正解です。過去の問題をしっかり理解していると、7割以上の点数を取ることができます。ただ、注意しないといけないのは、同じ文章で問いかけているとはかぎらないです。そこで大切なのは、短い文章で正しい内容をしっかりと覚えることが大切です。
短い文章ですので、毎日50の文章を覚えると1月ですべて暗記できます。
読むことにあわせて、耳を使っての短文記憶の努力をされると、さらに短い日数でしっかり暗記することができます。
付属教材として音声テキストを準備していますのでご利用ください。
あとは過去問題集を手に入れて解いてみましょう。問題はスラスラ解けるような感じがします。出題者のワナにはまることがなくなるまで繰り返し過去問題を解いてください。
当社のホームページ(http://penetrateblog.com/)に問題を集めた本棚を準備しています。無料で利用できますので、ぜひトライしてください。すべての問題で合格(7割以上正解で合格)できたら試験に合格できると思います。
介護支援専門員 Ⅰ 介護支援分野
1. 要介護認定および要支援認定
☐ 1.「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排泄、食事等の日常生活における基本的な動作について、6月にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、6月前から継続している必要はない。
☐ 2.要支援状態とは、身体上もしくは精神上の障害があるために入浴、排泄、食事等の日常生活における基本的な動作について、6月にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減もしくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれる状態であって、6月前から継続している必要はない。
☐ 3.第1号被保険者については、要介護状態の原因は間わないとされている。
☐ 4.要介護者のうち第2号被保険者については、要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(特定疾病)によって生じたものに限られる。
☐ 5.要支援者のうち第2号被保険者については、要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものに限られる。
☐ 6.「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」は、介護保険における特定疾病である。
☐ 7.「黄色靭帯骨化症」は、介護保険における特定疾病ではない。
☐ 8.「心筋梗塞」は、介護保険における特定疾病ではない。
☐ 9.「脊柱管狭窄症」は、介護保険における特定疾病である。
☐ 10.「閉塞性動脈硬化症」は、介護保険における特定疾病である。
☐ 11.要介護認定を受けようとする被保険者は、申請書に被保険者証を添えて市町村に申請を行う。市町村は、当該申請にかかる被保険者の主治の医師に対し、当該被保険者の身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等につき意見を求めるものとする。
☐ 12.要介護認定について申請代行を行うことができるのは、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設のうち厚生労働省令で定めるもの(事業の人員、設備、運営に関する基準で定めている、要介護認定申請にかかる援助義務に違反したことのないもの)である。このほか、被保険者の家族・親族等による代理申請や、成年後見人、地域包括支援センター、民生委員、社会保険労務士等による申請代行も認められている。「指定地域密着型特定施設入居者生活介護事業者」は、要介護認定について申請代行を行うことができない。
☐ 13.「指定居宅介護支援事業者」は、要介護認定について申請代行を行うことができる。
☐ 14.「指定認知症対応型共同生活介護事業者」は、要介護認定について申請代行を行うことができない。
☐ 15.「地域包括支援センター」は、要介護認定について申請代行を行うことができる。
☐ 16.「地域密着型介護老人福祉施設」は、要介護認定について申請代行を行うことができる。
☐ 17.新規の認定調査については、地域包括支援センターではなく、その適正を期するため市町村が実施することとされており、市町村は指定市町村事務受託法人に委託することができる。
☐ 18.遠隔地に居住する被保険者からの申請にかかる調査については、その被保険者の居住市町村に調査を嘱託できるが、居住市町村が調査を実施しなければならないとは規定されていない。
☐ 19.認定調査は、原則として市町村が行う。介護認定審査会は、認定調査票の基本調査・特記事項・主治医意見書に記載された主治医意見に基づき、国が定めた認定基準に照らして二次判定を行う、市町村に設置された独立した機関であり、認定調査は実施しない。
☐ 20.更新認定の調査は、市町村、指定市町村事務受託法人が行うことができる。このほか、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設(事業の人員、設備、運営に関する基準で定めている、利益の収受・供与の禁止に違反したことのないもの)、地域包括支援センター、介護支援専門員(公正かつ誠実な業務遂行その他の介護支援専門員の義務に違反したことのないもの)に委託できる。
☐ 21.指定市町村事務受託法人は、新規認定と更新認定のどちらの認定調査も実施できる。
☐ 22.認定調査票の基本調査項目のなかで、「6. 特別な医療に関連する項目」に、「点滴の管理」が含まれる。
☐ 23.認定調査票の基本調査項目のなかで、「3. 認知機能に関連する項目」に、「徘徊」が含まれる。
☐ 24.認定調査票の基本調査項目のなかで、「5. 社会生活への適応に関連する項目」に、「買い物」が含まれる。
☐ 25.認定調査票の基本調査項目のなかで、「2. 生活機能に関連する項目」に、「外出頻度」が含まれる。
☐ 26.認定調査票の基本調査項目に、「身体障害者障害程度等級」は含まれない。「7. 日常生活自立度に関連する項目」に障害高齢者の日常生活自立度を判定する項目がある。
☐ 27.認定調査票の基本調査項目のなかで、「2. 生活機能に関連する項目」に、「口腔清潔」が含まれる。
☐ 28.認定調査票の基本調査項目には、「主たる介護者に関する項目」は含まれない。必要があれば、特記事項に記入する。
☐ 29.認定調査票の基本調査項目のなかで、「5. 社会生活への適応に関連する項目」に、「集団への不適応」が含まれる。
☐ 30.被保険者が、正当な理由がないにもかかわらず、必要な調査に応じない場合、又は、市町村の指定する医師等の診断を受けないときは、市町村は認定の申請を却下することができる。
☐ 31.要介護認定・要支援認定にかかる一次判定及び二次判定は、厚生労働大臣が定める省令により、全国共通の客観的な基準に基づき行われる。
☐ 32.被保険者に主治の医師がいない場合には、市町村の指定する医師又はその市町村の職員である医師の診断を受けなければならないと定められている。
☐ 33.主治医意見書の「3. 心身の状態に関する意見」に、「(2)認知症の中核症状」が含まれる。
☐ 34.主治医意見書の「4. 生活機能とサービスに関する意見」に、「(4)サービス利用による生活機能の維持・改善の見通し」が含まれる。
☐ 35.主治医意見書の項目には、社会生活への適応は含まれない。認定調査票の基本調査項目には、「5. 社会生活への適応に関連する項目」が含まれる。
☐ 36.要介護認定等基準時間は、① 入浴、排泄、食事等の介護、② 洗濯、掃除等の家事援助等、③ 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等、④ 歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練、⑤ 輸液の管理、褥瘡の処置等の診療の補助等の、5分野の行為に要する1日当たりの時間として推計される。
☐ 37.要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、認定調査票の特記事項の内容は含まれない。
☐ 38.要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、認定調査票の基本調査項目の「6. 特別な医療に関連する項目」として、「疼痛の看護」が含まれる。
☐ 39.市町村は、認定調査の結果(一次判定結果)や主治医の意見等を介護認定審査会に通知し、審査及び判定(二次判定)を求めることとなる。
☐ 40.市町村は、認定調査の結果(一次判定結果)や主治医の意見等を介護認定審査会に通知し、審査及び判定(二次判定)を求めることとなる。
☐ 41.要介護認定を行ったときは、市町村は、その旨を申請を行った被保険者に通知するとともに、該当する要介護状態区分(要介護度)及び介護認定審査会の意見を被保険者証に記載し、被保険者に返還するとされている。主治の医師に通知しなければならないとは定められていない。
☐ 42.介護認定審査会は、市町村の求めに応じて、審査・判定を行い、その結果を市町村に通知する。
☐ 43.介護認定審査会は、要介護者等の保健・医療・福祉に関する学識経験者によって構成される専門機関で、市町村の附属機関として設置され、委員は市町村長が任命する。
☐ 44.介護認定審査会は、審査・判定にあたり必要があると認めるときは、被保険者、その家族、主治の医師等の関係者の意見を聴くことができる。
☐ 45介護認定審査会の委員には、職務上知り得た秘密についての守秘義務が課せられている。
☐ 46.介護認定審査会における審査判定の公平性を確保するために、原則として保険者である市町村の職員を委員として委嘱することができない。ただし、委員確保が困難な場合は、保健・医療・福祉の学識経験者であって認定調査等の介護保険事務に直接従事していない市町村の職員を委員に委嘱することができる。
☐ 47.介護認定審査会の委員は、市町村長が任命する。
☐ 48.介護認定審査会は、審査・判定にあたり必要があると認めるときは、被保険者、その家族、主治の医師等の関係者の意見を聞くことができる。
☐ 49.介護サービスの種類の指定を行うことができるのは、市町村である。介護認定審査会は、市町村に審査・判定結果を通知する際、要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養に関する事項や、被保険者が留意すべき事項について意見を述べることができる。
☐ 50.介護認定審査会の行った審査及び判定の結果は、市町村に通知される。介護支援専門員に通知しなければならないとは定められていない。
☐ 51.介護認定審査会では、要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養に関する事項(特にリハビリテーションの必要性が高い場合や医学的管理の必要性が高い場合など)について、意見を付すことができる。
☐ 52.介護サービスの種類の指定を行うことができるのは、市町村である。なお、市町村によるサービスの種類の指定が行われたときは、それ以外のサービスについては保険給付が行われないため、慎重な運用が必要とされている。
☐ 53.要介護認定の有効期間は原則新規申請が6か月間、更新申請が12か月間であるが、介護認定審査会の意見に基づき特に必要と認める場合にあっては、月を単位として市町村が定める期間となる。
☐ 54.介護認定審査会の委員の定数は、被保険者数に応じて、政令で定める基準に従い、市町村が条例で定める。
☐ 55.新規認定の効力は、その申請のあった日にさかのぼって生ずる。したがって、認定申請時点からサービスの利用がなされていた場合についても保険給付の対象となり得る。
☐ 56.認定申請に対する処分は、申請のあった日から原則として30日以内に行わなければならないが、申請した被保険者の心身の状況の調査に日時を要する等の特別な理由がある場合、市町村は、申請のあった日から30日以内に、処理見込期間と理由を被保険者に通知したうえで、処分を延期できる。
☐ 57.新規認定の場合は、認定有効期間は原則6月間である。ただし、市町村が介護認定審査会の意見に基づき、特に必要と認める場合にあっては、3月間から12月間までの範囲内で月を単位として、市町村が定めることができる。
☐ 58.認定の有効期間は、新規の場合で原則6か月、更新の場合で原則12か月であるが、市町村が介護認定審査会の意見に基づき、特に必要と認める場合にあっては、月単位でそれぞれの定められた範囲のなかで、市町村が定めることができる。
☐ 59.要介護認定を受けた被保険者は、有効期間満了後も要介護状態が続くと見込まれるときは、原則として有効期間満了日の60日前から満了の日までの間に、市町村に対し、要介護更新認定の申請ができる。
☐ 60.市町村は、要介護認定を受けた被保険者が、要介護者に該当しなくなったと認めるときには、有効期間満了前であっても、要介護認定を取り消すことができる。
☐ 61.正当な理由なしに、職権による要介護状態区分の変更認定又は認定の取消を行うための市町村による調査に応じないときは、認定を取り消すことができる。市町村は、その被保険者に対し被保険者証の提出を求め、認定にかかる記載を消除したうえで返還する。
☐ 62.正当な理由なしに、介護給付等対象サービスの利用に関する指示に従わないこと等により、要介護状態の程度を増進させたと認められるときは、遅滞なく意見を付してその旨を市町村に通知しなければならない。この場合、要介護認定を取り消すことはできない。
☐ 63.介護給付等を受ける者が、正当な理由なしに、介護保険法の規定に基づく文書の提出を拒んだ場合には、市町村は、介護給付等の全部又は一部を行わないことができるが、要介護認定を取り消すことはできない。
☐ 64.市町村は、第1号被保険者である要介護被保険者等が介護保険料を滞納している場合には、① 保険給付の支払い方法の変更、② 保険給付の支払いの一時差し止め、③ 滞納している保険料額の保険給付額からの控除の措置を、段階的に行う。
☐ 65.介護認定審査会は、原則市町村に設置されることとなっているが、おのおのの市町村だけでは介護認定審査会の委員が確保できないなどの場合、複数の市町村で共同設置することができる。
2.財政構造と保険料
☐ 66.国の負担は、すべての市町村(保険者)に一律に交付される20%(施設等給付については15%)の定率負担と、市町村の財政力の強弱に応じて傾斜的に交付される調整交付金(総額で保険給付費の5%)で構成されている。
☐ 67.介護給付及び予防給付に要する費用(介護給付費)の総額は、公費と保険料によりそれぞれ50%ずつ賄われる。
☐ 68.市町村特別給付に要する費用は、原則その市町村の第1号被保険者の保険料により賄われる。
☐ 69.介護保険の調整交付金は、介護保険の財政の調整を行うため、国が市町村に対して交付する。
☐ 70.介護保険の調整交付金は、市町村の財政力の強弱に応じて傾斜的に交付される。これに対し、都道府県と市町村の負担は、すべての市町村に対して一律の定率負担となっている。
☐ 71.調整交付金の総額は、介護給付費及び予防給付費の総額の5%に相当する額とされている。
☐ 72.介護保険の法定給付に要する費用(介護給付費)は、公費と保険料により、それぞれ50%ずつ賄われている。公費負担50%の内訳は、施設等給付(介護保険施設、(介護予防)特定施設入居者生活介護にかかる給付)は、国20%(調整交付金5%を含む)、都道府県17.5%、市町村12.5%で、それ以外の給付は、国25%(調整交付金5%を含む)、都道府県12.5%、市町村12.5%である。
☐ 73.介護給付に要する費用に係る公費負担のうち国の負担は、定率(施設等給付15%、それ以外20%)の負担と、調整交付金5%で構成されている。
☐ 74.介護給付に要する費用に係る公費負担のうち都道府県の負担は、一律の定率負担(施設等給付17.5%、それ以外12.5%)であり、市町村の財政状況に応じて異なるものではない。
☐ 75.介護給付及び予防給付に要する費用のうち保険料の負担は、第1号被保険者と第2号被保険者の一人当たりの平均的な保険料が同じ水準になるよう、それぞれの総人数比で按分して負担する考え方がとられている。具体的な按分割合は、全市町村の被保険者見込総数に占める第2号被保険者の見込総数の割合の2分の1の率を基準として、政令で3年ごとに定められる。
☐ 76.保護保険の険料の負担は、第1号被保険者と第2号被保険者の一人当たりの平均的な保険料が同じ水準になるよう、それぞれの総人数比で按分して負担する考え方がとられている。
☐ 77.介護保険財政で調整交付金は、介護保険の財政の調整を行うため、第1号被保険者の所得や年齢階級別の分布状況等を考慮して、市町村に交付される。なお、調整交付金により、75歳以上の後期高齢者の加入割合や、災害時の保険料減免等の特殊事情といった保険者の責によらない事由等による財政格差の調整を行っている。
☐ 78.介護保険の調整交付金は、第1号被保険者の所得や年齢階級別の分布状況等を考慮して、市町村に交付される。
☐ 79.介護保険の調整交付金は、第1号被保険者の所得の分布状況等を考慮して交付される。
☐ 80.介護給付に要する費用に係る公費負担のうち調整交付金は、第1号被保険者の所得の分布状況等を考慮して交付される。
☐ 81.介護給付及び予防給付に要する費用のうち市町村は、一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の12.5%を負担する。
☐ 82.介護給付に要する費用に係る公費負担のうち市町村は、一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の12.5%を負担する。
☐ 83.介護保険財政のうち介護保険事業にかかる事務費は、金額が各市町村の一般財源で賄われる。
☐ 84.第介護保険財政のうち1号被保険者の保険料率は、介護保険の適正な中期的財政運営の観点から、各市町村の給付水準(サービス供給見込量)等を踏まえ、3年に1度設定されている。
☐ 85.介護保険における第1号被保険者の保険料の保険料率は、各市町村の給付水準(サービス供給見込量)等を踏まえて、3年に1度設定されている。
☐ 86.介護保険料の第2号被保険者負担率(第2号被保険者の費用負担割合)の設定は国の事務である。すべての市町村にかかる被保険者の見込数の総数に対するすべての市町村にかかる第2号被保険者の見込数の総数の割合に2分の1を乗じて得た率を基準として、3年ごとに、当該割合の推移を勘案して定められる。
☐ 87.介護保険料のうち第1号被保険者の保険料は、原則9段階の所得段階別の定額保険料となっている。
☐ 88.介護保険料で所得区分が原則9段階の所得段階別定額保険料は、市町村の条例で所得段階をさらに細分化することや、各段階の保険料率を変更することが認められている。
☐ 89.介護保険の保険料のうち第1号被保険者に係る保険料率は、市町村の条例により、所得段階の細分化や各段階の保険料率の変更も認められている。
☐ 90.介護保険料のうち第1号被保険者の保険料に係る特別徴収は、年金保険者が行う。第1号被保険者が年額18万円以上の公的な老齢年金(又は退職年金)、遺族年金、障害年金を受給している場合には、特別徴収の対象となり、年金保険者が年金を支給する際に年金から天引きする形で保険料を徴収し、市町村に納入する。
☐ 91.介護保険における第1号被保険者の保険料では、年額18万円以上の遺族厚生年金受給者は、特別徴収の対象となる。
☐ 92.第1号被保険者の保険料の徴収の方法は、特別徴収による場合を除くほか、普通徴収によらなければならないとされている。
☐ 93.「第1号被保険者の保険料の特別徴収事務」は、年金保険者が行う業務である。
☐ 94.生活保護の実施機関(福祉事務所等)は、保護の目的を達成するために必要があるときは、保護の方法の特例として、被保護者に代わって直接市町村に介護保険料を支払うことができる。
☐ 95.第1号被保険者の保険料の普通徴収について、保険料の賦課期日は、介護保険法第130条において、当該年度の初日(4月1日)とされている。
☐ 96.介護保険料の普通徴収の場合、生計の同一性等に着目し、第1号被保険者の配偶者及び世帯主は、保険料を連帯して納付する義務を負う。
☐ 97.介護保険における第1号被保険者の保険料は、年金を受給していない者、年額18万円に満たない老齢年金等の受給者は、普通徴収によって徴収される。普通徴収とは、市町村が納入通知書を送付し、納付を求め徴収することをいう。
☐ 98.介護保険における第1号被保険者の保険料は、普通徴収の場合、生計の同一性等に着目し、第1号被保険者の配偶者及び世帯主は、保険料を連帯して納付する義務を負う。
☐ 99.第1号被保険者の保険料の普通徴収の場合、生計の同一性等に着目し、第1号被保険者の配偶者及び世帯主は、保険料を連帯して納付する義務を負う。
☐ 100.介護保険には、保険料滞納者に対する措置として保険給付の減額を行うことがある。第1号被保険者が要介護認定等を受ける前に保険料を滞納した場合、時効により消滅した保険料徴収債権の期間とその者の所得に応じて、給付率を9割(又は8割)から7割、あるいは7割から6割に下げられる。
☐ 101.市町村は、第1号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納している場合には、① 保険給付の支払方法の変更、② 保険給付の支払の一時差し止め、③ 滞納している保険料額の保険給付額からの控除の措置を段階的に行うことができる。被保険者の資格は喪失しない。
☐ 102.第1号被保険者の保険料の普通徴収の保険料の納期は、市町村の条例で定める。
☐ 103.第1号被保険者の保険料の普通徴収による保険料の収納の事務については、私人に委託することができるとされ、公共料金などと同様に、市町村と委託契約を結んだコンビニエンスストア等での支払いができる。
☐ 104.介護保険における第1号被保険者の保険料は、特別な理由がある者に対する保険料の減免や徴収猶予については、市町村の条例によって定められる。なお、次のような方法で、低所得の第1号被保険者の保険料を減免することは適当でないとされている。① 保険料の全額免除、② 収入のみに着目した一律の減免、③ 一般財源繰入による保険料減免分の補填。
☐ 105.介護保険の第2号被保険者の保険料は、医療保険の各保険者が、医療保険料の一部として被保険者から徴収して社会保険診療報酬支払基金に納付し、社会保険診療報酬支払基金が所要額を各市町村に交付する。
☐ 106.介護給付及び予防給付に要する費用のうち第2号被保険者の保険料は、医療保険の各保険者が、医療保険料の一部として被保険者から徴収して社会保険診療報酬支払基金に納付し、社会保険診療報酬支払基金が所要額を各市町村に交付する。
☐ 107.社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務について市町村に対し介護給付費交付金を交付する。
☐ 108.社会保険診療報酬支払基金は介護保険関係業務として、医療保険者から介護給付費・地域支援事業支援納付金を徴収する。
☐ 109.介護保険財政の収入不足が生じた場合、財政安定化基金事業により、交付又は貸付が行われる。
☐ 110.社会保険診療報酬支払基金は、介護保険関係業務の一部を医療保険者が加入している団体で厚生労働大臣が定めるものに委託することができる。
☐ 111.介護保険制度においては、国民健康保険団体連合会により苦情処理業務が行われている。介護保険サービス等に対し、利用者等から苦情を受け付け、事実関係の調査を行い、必要があれば事業者・施設に指導及び助言を行う。
☐ 112.介護保険の第2号被保険者の保険料については、医療保険のうち、健康保険等には事業主負担があるが、国民健康保険には事業主負担はない。
☐ 113.財政安定化基金の財源は、国、都道府県、市町村がそれぞれ3分の1ずつ負担する。
☐ 114.財政安定化基金について、基金事業交付金の交付は、市町村介護保険事業計画の計画期間の最終年度において行うものとされている(介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令(平成10年政令第413号)第6条)。
☐ 115.財政安定化基金について、基金事業交付金の額は、保険料の未納により生じた額の2分の1に相当する額である。
☐ 116.財政安定化基金について、基金事業貸付金の償還期限は、市町村介護保険事業計画の計画期間の次の計画期間の最終年度の末日とされている(介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令(平成10年政令第413号)第7条)。
☐ 117.財政安定化基金について、基金事業貸付金は、償還期限までの間は無利子とされている(介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令(平成10年政令第413号)第7条)。
☐ 118.介護保険財政について、市町村は見込みを上回る給付費の増大等のため介護保険財政に不足が生じた場合に、財政安定化基金から必要な資金の貸付を受けることができる。ただし、当該市町村及びその他の市町村における保険料の収納状況を勘案して算定した額の範囲内の額とされている。
3.介護保険制度におけるケアマネジメント
☐ 119.基本方針では、「障害者総合支援法に規定する指定特定相談支援事業者等との連携に努めなければならない」と規定されている。
☐ 120.基本方針では、「利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮して行われるものでなければならない」と規定されており、施設入所について配慮することは規定されていない。
☐ 121.基本方針では、「利用者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、利用者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われるものでなければならない」と規定されている。
☐ 122.基本方針では、「利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮して行われるものでなければならない」と規定されているが、最低限度の生活の維持は、日本国憲法第25条の理念である。
☐ 123.基本方針では、「利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の指定居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行われなければならない」と規定されている。
☐ 124.指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員を、指定居宅介護支援事業所ごとに1人以上常勤で置かなければならない。また、利用者の数が35人又はその端数を増すごとに1人を基準とする。ただし、増員する介護支援専門員については、非常勤でもよいとされている。
☐ 125.指定居宅介護支援事業者の管理者は、原則として主任介護支援専門員であることが義務づけられているが(2027(令和9)年3月31日まで経過措置あり)、管理者研修の受講は義務づけられていない。
☐ 126.指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し、複数の指定居宅サービス事業者を必ず紹介しなければならないのではない。居宅サービス計画の作成にあたって利用者から介護支援専門員に対して複数の指定居宅サービス事業者等の紹介を求めることや、居宅サービス計画原案に位置づけた指定居宅サービス事業者等の選定理由の説明を求めることが可能であること等について、十分な説明を行わなければならない。
☐ 127.指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し、利用者が病院又は診療所に入院する必要が生じたときは、介護支援専門員の氏名と連絡先を入院先の病院又は診療所に伝えるよう、あらかじめ利用者や家族に求めなければならない。
☐ 128.指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し、あらかじめ、利用者は複数の指定居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができること等につき十分説明を行い、理解を得なければならない。
☐ 129.指定居宅介護支援事業者は、正当な理由なく指定居宅介護支援の提供を拒んではならないが、当該事業所の通常の事業の実施地域等を勘案し、利用申込者に対し自ら適切な指定居宅介護支援を提供することが困難であると認めた場合は、他の指定居宅介護支援事業者の紹介その他の必要な措置を講じなければならない。
☐ 130.指定居宅介護支援事業者は、当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合、正当な理由としてサービスの提供を拒むことができる。
☐ 131.指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し、要介護認定申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意思を踏まえて、速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。
☐ 132.要介護認定の申請がなされていれば、要介護認定の効力が申請時にさかのぼることにより、指定居宅介護支援の利用にかかる費用が保険給付の対象となり得るため、認定結果を配慮し提供することができる。
☐ 133.指定居宅介護支援事業者は、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅を訪問して指定居宅介護支援を行うときは、それに要した交通費の支払を利用者から受けることができる。
☐ 134.指定居宅介護支援事業者は、通常の事業の実施地域以外では、利用者から交通費を受け取ることができる。ただし、交通費を受け取るにあたっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対してその額等に関して説明し、利用者の同意を得なければならない。
☐ 135.指定居宅介護支援等の事業は、住民による自発的な活動によるサービス等の利用も居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
☐ 136.指定居宅介護支援の業務について、地域で不足していると認められるサービスがあった場合には、それが地域で提供されるよう関係機関に働きかけることが望ましい。
☐ 137.指定居宅介護支援等の事業は、アセスメントに当たっては、利用者が入院中であることなど物理的な理由がある場合を除き必ず利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。
☐ 138.指定居宅介護支援の業務において、アセスメントは、利用者の身体機能だけでなく、生活全般についてその状態を十分把握することが重要である。
☐ 139.指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議は、利用者やその家族、居宅サービス計画原案に位置づけた指定居宅サービス等の担当者を召集して開催するが、利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではない。
☐ 140.やむを得ない理由がある場合については、サービス担当者に対する照会等により意見を求めることができる。やむを得ない理由とは、利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)の心身の状況等により、主治の医師又は歯科医師の意見を勘案して必要と認める場合のほか、開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、サービス担当者会議への参加が得られなかった場合、居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化がみられない等における軽微な変更の場合等が想定される。
☐ 141.サービス担当者会議の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めることとされている。ただし、利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)の心身の状況等により、主治の医師等の意見を勘案して必要と認める場合その他やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができる。
☐ 142.サービス担当者会議で、末期の悪性腫瘍の利用者については、主治の医師等が日常生活上の障害が1か月以内に出現すると判断した時点以降において、主治の医師等の助言を得た上で、介護支援専門員がサービス担当者に対する照会等により意見を求めることが必要と判断した場合に、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
☐ 143.居宅サービス計画の作成で、サービス担当者会議の要点又は当該担当者への照会内容について記録するとともに、2年間保存しなければならないとされているが、利用者に交付することは規定されていない。
☐ 144.居宅サービス計画の作成で居宅サービス計画の原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければならない。
☐ 145.居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。
☐ 146.居宅サービス計画を保険者に提出することは規定されていない。
☐ 147.居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス事業者等に対して、訪問介護計画等の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準において位置付けられている計画の提出を求めるものと規定されている。
☐ 148.介護支援専門員は、居宅サービス計画に位置づけた指定居宅サービス事業者等に対して、個別サービス計画の提出を求め、居宅サービス計画と個別サービス計画の連動性や整合性について確認することとされているが、モニタリング(居宅サービス計画の実施状況の把握)の際に点検することは規定されていない。
☐ 149.介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宣の提供を行うものとすると規定されている。
☐ 150.介護支援専門員は、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であり、居宅サービス計画の作成後、モニタリングを行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更等を行うものとするとされている。
☐ 151.「サービス事業者の第三者評価の内容の確認」は、モニタリングで確認するものではない。
☐ 152.モニタリングでは、居宅サービス計画に位置づけたサービスが、長期目標・短期目標の達成のために機能しているかどうか確認する。
☐ 153.利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行い、① 少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること、② 少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録することと規定されている。
☐ 154.サービス担当者会議は、① 要介護認定を受けている利用者が要介護更新認定を受けた場合、② 要介護認定を受けている利用者が要介護状態区分の変更の認定を受けた場合に開催する。要介護更新認定の結果、要介護状態区分に変更がなかった場合においても、サービス担当者会議を開催する必要がある。
☐ 155.居宅サービス計画に厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該居宅サービス計画に訪問介護が必要な理由を記載するとともに、市町村に届け出なければならない。
☐ 156.利用者が通所リハビリテーション等の医療サービスを希望している場合には、あらかじめ、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めるとともに、主治の医師等とのより円滑な連携に資するよう、意見を求めた主治の医師等に居宅サービス計画を交付しなければならない。
☐ 157.利用者が訪問看護、通所リハビリテーション等の医療サービスの利用を希望している場合その他必要な場合には、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
☐ 158.利用者が訪問看護、通所リハビリテーション等の医療サービスの利用を希望している場合その他必要な場合には、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
☐ 159.継続して福祉用具貸与を受ける必要性について検証したうえで、継続して福祉用具貸与を受ける必要がある場合にはその理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。
☐ 160.被保険者証に認定審査会意見の記載があるときは、利用者にその趣旨について説明し、理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成する必要がある。
☐ 161.被保険者証に介護認定審査会意見の記載があるときは、被保険者本人が当該意見の記載に留意してサービス提供を受けることが求められるほか、サービス提供を行う事業者・施設についても、当該意見に配慮してサービス提供を行うよう努めなければならない。
☐ 162.要介護認定を受けている利用者が要支援認定を受けた場合には、指定介護予防支援事業者が当該利用者の介護予防サービス計画を作成することになるため、速やかに適切な介護予防サービス計画の作成に着手できるよう、当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図ることと規定されている。
☐ 163. 指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供に関する記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。記録には、指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録、個々の利用者ごとに記載した居宅介護支援台帳(居宅サービス計画・アセスメントの結果の記録・サービス担当者会議等の記録・モニタリングの結果の記録)などがある。なお、保存期間に関しては、保険者の条例で2年以上が義務づけられている場合もあるので注意する。
☐ 164.利用者が認知症のため自分の意向をうまく伝えられない場合には、その意向を推し測り、利用者の尊厳が保持されるように努める。
☐ 165.介護支援専門員は、いかなる場合も、決定権のある利用者・家族が適切な選択ができるように情報を提供し、助言をする立場にある。
☐ 166.常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の指定居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行われなけねばならない。
☐ 167.利用者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、利用者の選択に基づき、総合的かつ効率的にサービスが提供されるように配慮しなければならないと定められていることから、心身機能の一時的な低下があったとしても、利用者の状態にかかわらず、介護保険サービスを区分支給限度基準額まで活用するよう勧めることは適切ではない。
☐ 168.利用者主体のもと、自立を目指すサービスが利用者自身で選択され、それを介護支援専門員は尊重しなければならないため、家族の意向を優先することは望ましくない。
4.サービス提供事業者・施設
☐ 169.指定居宅サービス事業者の指定は、居宅サービスの種類ごと、かつ居宅サービス事業を行う事業所ごとに行う。
☐ 170.申請者が都道府県の条例で定める者でないときは、指定をしてはならない。なお、都道府県の条例は「厚生労働省令で定める基準」に従い定めるものとされ、具体的には申請者が法人であること(病院や診療所が、居宅療養管理指導、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、短期入所療養介護を行う場合や、薬局が居宅療養管理指導を行う場合は非法人でも可能である)とされている。
☐ 171.介護予防・日常生活支援総合事業における通所型サービスは、市町村の保健・医療専門職による運動器の機能向上(通所型サービス C)に限定されない。通所型サービス Aではミニデイサービスや運動・レクリエーション等、通所型サービス Bでは地域住民による自主的なボランティア活動による体操や運動等が行われている。2014(平成26)年の法改正前の介護予防通所介護に相当する通所介護もある。
☐ 172.都道府県介護保険事業支援計画の見込量に達しているときや、申請にかかる指定によってこれを超えることになると認めるときなどは、指定をしないことができる。
☐ 173.共生型居宅サービス事業者の指定は、都道府県知事が行う。
☐ 174.都道府県知事による指定居宅サービス事業者の指定は、6年ごとにその更新を受けなければ6年の期間が経過すると、その効力を失う。指定の更新がされたときは、新たな指定の有効期限は従前の指定の有効期限の満了日の翌日から起算される。
☐ 175.障害福祉サービスのうち、居宅介護、重度訪問介護などにかかる指定障害福祉サービス事業者の指定を受けている事業所は、介護保険法に基づく居宅サービス(訪問介護、通所介護、短期入所生活介護)にかかる指定を受けることができる。これを、共生型居宅サービス事業者の特例という。
☐ 176.障害児通所支援事業者(児童発達支援、放課後等デイサービス)は、共生型居宅サービス事業者の特例の対象である。
☐ 177.短期入所生活介護は、訪問介護、通所介護とともに、共生型居宅サービス事業者の特例の対象である。
☐ 178.共生型居宅サービス事業者の指定を受けるためには、事業所の従業者の人員は、都道府県の条例で定める員数を満たさなければならない。なお、都道府県が条例を定めるにあたっては、厚生労働省令で定める基準に基づき定められる。
☐ 179.共生型居宅サービス事業者の指定を受けるためには、都道府県の条例で定める事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な居宅サービス事業の運営をすることができると認められなければならない。
☐ 180.指定介護予防通所リハビリテーションでは、医師等の従業者は、介護予防通所リハビリテーション計画に記載したサービスの提供を行う期間が終了するまでに、少なくとも1回は、当該介護予防通所リハビリテーション計画の実施状況の把握を行わなければならない。
☐ 181.指定地域密着型通所介護は、施設等において、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うと定義されている。
☐ 182.共用型指定認知症対応型通所介護は、指定(介護予防)認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)の居間や食堂、指定地域密着型特定施設もしくは指定地域密着型介護老人福祉施設の食堂や共同生活室を活用して行われる認知症対応型通所介護をいう。1ユニット1日3人の利用が認められている。
☐ 183.指定療養通所介護は、難病等を有する重度要介護者又はがん末期の者のうち常時看護師による観察が必要なものを対象者とし、療養通所介護計画に基づき、入浴・排泄・食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うものと定義されている。
☐ 184.看護小規模多機能型居宅介護のほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護が、市町村長が行う公募指定の対象である。
☐ 185.指定療養通所介護事業所の利用定員は、18人以下である。
☐ 186.指定小規模多機能型居宅介護では、登録定員、通いサービス及び宿泊サービスの利用定員を超えてサービスを提供してはならないが、利用者の様態や希望等により特に必要と認められる場合は、一時的にその利用定員を超えることはやむを得ないものとされている。また、災害などの場合についても利用定員を超えてサービスの提供を行うことができるとされている。
☐ 187.指定認知症対応型共同生活介護事業所の居間と食堂は、同一の場所とすることができる。なお、居間、食堂のそれぞれの機能が独立していることが望ましいとされているほか、その広さについても原則として利用者及び介護従業者が一堂に会するのに充分な広さを確保するものとされている。
☐ 188.夜間・深夜などの時間帯を問わず、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所は、同一敷地内に指定介護老人福祉施設等がある場合に、その施設等の入所者等の処遇に支障がない場合は、施設等の職員をオペレーターとして充てることができる。
☐ 189.指定介護老人福祉施設の入所定員は、30人以上でなければならない。なお、入所定員が29人以下のものは、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の指定を市町村長から受けることになる。
☐ 190.指定介護老人福祉施設は、都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人が設置することができる。
☐ 191.指定介護老人福祉施設は、施設サービス計画に基づいて、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話(介護福祉施設サービス)を行うことを目的とする施設である。
☐ 192.指定介護老人福祉施設の人員基準として、医師(非常勤でも可)は配置基準となっているが、管理者は医師でなくともよい。管理者は、常勤の者を配置とし、管理上支障がなければ、同一敷地内の他の事業所、施設等の職務との兼務も可能である。管理者が原則医師でなければならないのは、介護老人保健施設である。
☐ 193.指定介護老人福祉施設は、都道府県の条例で定める員数の介護支援専門員を有しなければならない。なお、介護支援専門員は入所者100人に対して常勤で1人以上が必要であり、他の職務との兼務が可能である。
☐ 194.介護老人保健施設は、介護保険サービスを行う施設として都道府県知事に申請を行い、許可を得た施設である。介護保険法に基づく一つの許可に、施設自体の開設許可と、介護保険法に基づくサービスの提供機関としての指定の二つの意味が含まれている。一方、老人福祉施設は、老人福祉法で定められた施設であり、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターがある。
☐ 195.介護医療院の開設の許可は、都道府県知事が行う。
☐ 196.介護医療院だけでなく、介護保険施設において理美容代は、保険給付の対象とはならず、利用者が全額負担する。そのため、理美容代の支払いを受けることができる。
☐ 197.介護医療院を開設できる者として、医療法人だけでなく、地方公共団体、社会福祉法人その他厚生労働大臣が定める者(国、日本赤十字社、健康保険組合、共済組合など)がある。
☐ 198.介護医療院の開設者は、都道府県知事の承認を受けた医師に当該介護医療院を管理させなければならないとされているが、この規定にかかわらず、都道府県知事の承認を受け、医師以外の者に当該介護医療院を管理させることができる。
☐ 199.介護医療院の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならないとされており、入所者の情報を提供する際には、あらかじめ文書により入所者の同意を得ておかなければならない。
☐ 200.介護サービスを行う事業者・施設(指定地域密着型サービス事業者を含む)は、介護サービス情報を都道府県知事に報告しなければならない。
☐ 201.指定地域密着型サービス事業者は、介護サービス情報を都道府県知事に報告しなければならない。
☐ 202.介護サービスを行う事業者・施設は、介護サービス情報を① 介護サービスの提供を開始しようとするとき、② 都道府県知事が毎年定める計画で定めるときに都道府県知事に報告しなければならない。都道府県知事は毎年報告計画を定め、公表することとされているため、事業者・施設による年1回程度の報告が想定されている。
☐ 203.介護サービスを行う事業者・施設は、介護サービス情報を① 介護サービスの提供を開始しようとするとき、② 都道府県知事が毎年定める計画で定めるときに都道府県知事に報告しなければならない。
☐ 204.都道府県知事は、介護サービス事業者から報告を受けた後、その内容を公表しなければならない。その内容には、「相談・苦情等の対応のために講じている措置」が含まれる。
☐ 205.都道府県知事が介護サービス事業者から報告を受けた後に公表しなければならない内容には、「介護サービスの質の確保のために総合的に講じている措置」が含まれる。
☐ 206.都道府県知事が介護サービス事業者から報告を受けた後に公表しなければならない内容には、利用者の権利擁護等のために講じている措置」が含まれる。
☐ 207.介護サービス事業者が報告する介護サービス情報には、介護サービスの内容に関する事項として、第三者による評価の実施状況が含まれる。
☐ 208.介護サービス情報については、必要があると認めるときに調査を行うことができるのは、都道府県知事である。
☐ 209.介護サービス情報の公表制度において、介護サービスの提供開始時には「事業所等の運営に関する方針」を都道府県知事に報告すると規定されている。
☐ 210.介護サービス情報の公表制度において、「情報の管理・個人情報保護等のために講じる措置」は、介護サービスの提供開始時ではなく、都道府県知事が毎年定める報告計画策定時に報告すると規定されている。
☐ 211.介護サービス情報の公表制度において、「介護サービスの質の確保、透明性の確保等のために講じる措置」は、介護サービスの提供開始時ではなく、都道府県知事が毎年定める報告計画策定時に報告すると規定されている。
☐ 212.介護サービス情報の公表制度において、介護サービスの提供開始時には「介護サービスに従事する従業者に関する事項」を都道府県知事に報告すると規定されている。
☐ 213.介護サービス情報の公表制度において、介護サービスの提供開始時には「苦情に対応する窓口等の状況」を都道府県知事に報告すると規定されている。
☐ 214.報告された内容が事実かどうかを調査するのは、都道府県知事もしくは都道府県知事が指定した指定調査機関である。
☐ 215.介護サービス事業者が介護サービス情報を報告しなかった場合や虚偽の報告を行った場合などに、都道府県知事が期間を定めて調査を受けること等を命じたうえで、命令に従わないときは、その指定又は許可が取り消されることがある。
5.保険者および被保険者等
☐ 216.介護保険の保険者は、市町村及び特別区である。
☐ 217.第2号被保険者の場合は、医療保険に加入していることが資格要件の一つであるが、第1号被保険者の場合は、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者であれば、第1号被保険者となる。
☐ 218.刑事施設に拘禁されている者は、その期間にかかる介護給付等は行われない。保険給付の制限は受けるが、被保険者資格がなくなるわけではない。
☐ 219.生活保護受給者が医療保険に加入している場合、第2号被保険者となる。
☐ 220.第2号被保険者は医療保険加入者であるので、生活保護を受けていて医療保険に加入していない者(国民健康保険では、被保護者を適用除外としている)は、40歳以上65歳未満であっても第2号被保険者 とはならない。
☐ 221.日本国籍をもつ人が海外に長期滞在しており、日本に住民票がない場合には、介護保険の被保険者とはならない。
☐ 222.「老人福祉法に規定する軽費老人ホームの入所者」は、介護保険の被保険者である。
☐ 223.「生活保護法に規定する救護施設の入所者」は、介護保険の被保険者とならない。
☐ 224.「生活保護法に規定する更生施設の入所者」は、介護保険の被保険者である。
☐ 225.「障害者総合支援法の自立訓練及び施設入所支援の支給決定を受けて、指定障害者支援施設に入所している知的障害者」は、介護保険の被保険者である。「知的障害者福祉法に基づく措置により障害者総合支援法上の障害者支援施設に入所している知的障害者」は、介護保険の被保険者とならない。
☐ 226.「障害者総合支援法の生活介護及び施設入所支援の支給決定を受けて、指定障害者支援施設に入所している精神障害者」は、介護保険の被保険者とならない。
☐ 227.当該市町村の区域内に住所を有していれば、医療保険の加入の有無にかかわらず、65歳の誕生日の前日に第1号被保険者となる。
☐ 228.転出先の市町村での被保険者資格の取得は、当該市町村に住所を有するに至ったときとされている。
☐ 229.介護保険の被保険者が死亡した場合は、死亡した翌日に被保険者資格を喪失する。
☐ 230.介護保険の第2号被保険者が医療保険加入者でなくなった場合は、その日から被保険者資格を喪失する。
☐ 231.介護保険の第2号被保険者は、加入している医療保険者による把握が可能なため、被保険者資格の取得の届出を行う必要はない。
☐ 232.住所地特例とは、住所地特例対象施設(① 介護保険施設、② 特定施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム)、③ 老人福祉法に規定する養護老人ホーム)に入所(入居)するために住所を移転した場合に、移転前の市町村の被保険者となるしくみをいう。「養護老人ホーム」は特定施設であるため、介護保険制度における住所地特例の適用がある。
☐ 233.「介護医療院」は介護保険施設であるため、介護保険制度における住所地特例の適用がある。
☐ 234.「認知症対応型共同生活介護」は、介護保険制度における住所地特例の適用がない。
☐ 235.「地域密着型介護老人福祉施設」は、介護保険制度における住所地特例の適用がない。
☐ 236.「有料老人ホーム」は、特定施設であるため、介護保険制度における住所地特例の適用がある。
☐ 237.障害者総合支援法による指定障害者支援施設を退所した者が介護保険施設に入所した場合は、当該障害者支援施設入所前の住所地の市町村の被保険者となる。
☐ 238.居宅要介護被保険者は、指定居宅サービスを受けるにあたっては、その都度、指定居宅サービス事業者に対して被保険者証を提示しなければならない。
☐ 239.「第2号被保険者負担率の設定」は、国の事務である。
☐ 240.介護報酬の算定基準の定めは国の事務として実施する。
☐ 241.第2号被保険者負担率は、すべての市町村にかかる被保険者の見込数の総数に対するすべての市町村にかかる第2号被保険者の見込数の総数の割合に2分の1を乗じて得た率を基準として設定するものとし、3年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。
☐ 242.国及び地方公共団体は、地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならないとされている。
☐ 243.「財政安定化基金の設置」は、都道府県の事務である。
☐ 244.市町村に対する「地域支援事業支援交付金の交付」は、社会保険診療報酬支払基金が行う業務である。
☐ 245.「介護保険審査会の設置」は、介護保険制度における都道府県の事務である。
☐ 246.「介護給付費等審査委員会の設置」は、国民健康保険団体連合会の業務である。
☐ 247.都道府県は、介護保険の財政の安定化に資する事業に必要な費用に充てるため、財政安定化基金を設けるとされている。
☐ 248.「財政安定化基金の設置・運営」は、都道府県の事務である。
☐ 249.居宅介護支援事業者の指定は、市町村の事務である。
☐ 250.医療保険者が、特定疾病の基準を定めるための助言を行うことはない。
☐ 251.医療保険者の責務として、介護保険法第6条に「医療保険者は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない」と規定されている。
☐ 252.医療保険者は、社会保険診療報酬支払基金に介護給付費・地域支援事業支援納付金を納付する。
☐ 253.年金保険者は、第1号被保険者のうち年額18万円以上の年金受給者について介護保険料の特別徴収を行う。
☐ 254.年金保険者が、介護保険事業に要する費用の一部を補助することはない。介護保険事業に要する費用の一部を補助することができるのは、国及び都道府県である。
6.地域支援事業等
☐ 255.地域支援事業のうち任意事業は、① 介護給付等費用適正化事業、② 家族介護支援事業、③ その他の事業である。
☐ 256.「在宅医療・介護連携推進事業」は、地域支援事業のうち包括的支援事業である。
☐ 257.「地域ケア会議推進事業」は、地域支援事業のうち包括的支援事業である。
☐ 258.「介護給付等費用適正化事業」は、地域支援事業のうち任意事業である。
☐ 259.「生活支援体制整備事業」は、包括的支援事業に含まれる。
☐ 260.「介護予防把握事業」は、地域支援事業のうち介護予防・日常生活支援総合事業における一般介護予防事業に含まれる。
☐ 261.「介護給付等費用適正化事業」は、地域支援事業のうち任意事業である。
☐ 262.「地域リハビリテーション活動支援事業」は、地域支援事業のうち介護予防・日常生活支援総合事業における一般介護予防事業に含まれる。
☐ 263.「地域リハビリテーション活動支援事業は、地域支援事業のうち介護予防・日常生活支援総合事業における一般介護予防事業に含まれる。
☐ 264.地域支援事業のうち包括的支援事業は、① 第1号介護予防支援事業、② 総合相談支援業務、③ 権利擁護業務、④ 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務、⑤ 在宅医療・介護連携推進事業、⑥ 生活支援体制整備事業、⑦ 認知症総合支援事業、⑧ 地域ケア会議推進事業である。なお「生活支援体制整備事業」は、高齢者の社会及び生活支援の充実を推進するため、生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置や協議体の設置を行い、また、2020(令和2)年5月の改正にて就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)の配置を行うことができることとなった。
☐ 265.「認知症総合支援事業」は、地域支援事業のうち包括的支援事業である。認知症総合支援事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる地域の構築を推進する。
☐ 266.「在宅医療・介護連携推進事業」は、地域支援事業のうち包括的支援事業である。在宅医療・介護連携推進事業は、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者に、関係機関が連携して在宅医療と介護を一体的に提供するための取り組みを行う。
☐ 267.介護予防・日常生活支援総合事業は、介護給付・予防給付と同様に第2号被保険者の保険料が含まれる。包括的支援事業と任意事業は、税と第1号被保険者の保険料のみを財源としている。
☐ 268.要支援1・要支援2と判定された者のうち、介護予防・生活支援サービス事業を希望する場合は、介護予防・日常生活支援総合事業による介護予防マネジメント(第1号介護予防支援事業)の対象となる。
☐ 269.介護予防ケアマネジメントの類型には、ケアマネジメント A (介護予防支援と同様のケアマネジメント)、ケアマネジメント B (サービス担当者会議やモニタリングを省略したケアマネジメント)、ケアマネジメント C (基本的にサービス利用開始時のみ行うケアマネジメント)がある。ケアマネジメント B ではサービス担当者会議を省略でき、ケアマネジメント C ではサービス担当者会議を行う必要がない。
☐ 270.ケアマネジメント C では、サービス担当者会議、モニタリングを行う必要がない。
☐ 271.包括的支援事業は、適切、公正、中立かつ効率的に実施することができると認められる法人であって、社会福祉法人、特定非営利活動法人等、その他市町村が適当と認める法人に委託することができる。
☐ 272.介護予防・日常生活支援総合事業の一般介護予防事業にある地域介護予防活動支援事業には、介護予防に関するボランティア等の人材を育成する研修が含まれる。
☐ 273.「地域リハビリテーション活動支援体制の構築」は、地域支援事業のうち包括的支援事業の在宅医療・介護連携推進事業には含まれない。地域リハビリテーション活動支援事業は、介護予防・日常生活支援総合事業における一般介護予防事業に含まれており、市町村が実施することとされている。
☐ 274.「地域の医療・介護の資源の把握」は、在宅医療・介護連携推進事業として市町村が実施することとされている。地域の医療機関、介護事業所等のリスト又はマップを作成し、地域の医療・介護関係者間の連携等に活用する。
☐ 275.「地域住民への普及啓発」は、在宅医療・介護連携推進事業として市町村が実施することとされている。講演の開催、パンフレットの作成・配布等により、地域住民の在宅医療・介護連携の理解を促進する。
☐ 276.「医療・介護関係者の研修」は、在宅医療・介護連携推進事業として市町村が実施することとされている。地域の医療・介護関係者の連携を実施するために、多職種でのグループワーク等の研修が行われる。また、必要に応じて、介護関係者に医療に関する研修などが行われる。
☐ 277.地域在宅医療推進員という職種は存在しない。なお、生活支援体制整備事業では生活支援コーディネ―ター(地域支え合い推進員)や就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)、認知症総合支援事業では認知症地域支援推進員が配置される。
☐ 278.第1号介護予防支援事業の実施については、地域包括支援センターが設置されている市町村に利用者が居住していることが原則である。なお、利用者が住所地特例対象施設居住者で、居宅介護予防サービスを利用している場合、施設所在地の地域包括支援センターが担当となる。
☐ 279.地域包括支援センターは、第1号介護予防支援事業の一部を、市町村長に届出を行ったうえで、指定居宅介護支援事業所に委託することができる。
7.介護予防ケアマネジメント
☐ 280.指定介護予防支援事業者が運営等の基準に違反する場合の勧告に従わないときは、市町村長は、その旨を公表することができる。
☐ 281.指定介護予防支援事業者は、保健師その他の介護予防支援に関する知識を有する職員(担当職員)を置かなければならない。担当職員の要件を満たす者は、保健師、介護支援専門員、社会福祉士、経験ある看護師、高齢者保健福祉に関する相談業務等に3年以上従事した社会福祉主事である。
☐ 282.指定介護予防支援事業所の管理者は、常勤専従で置かなければならないが、指定介護予防支援事業所の管理に支障がない場合は、当該指定介護予防支援事業所の他の職務、又は当該指定介護予防支援事業者である地域包括支援センターの職務に従事することができる。
☐ 283.指定介護予防支援事業所の管理者は、専ら職務に従事する者でなければならないが、指定介護予防支援事業所の管理に支障がない場合は、当該指定介護予防支援事業所の他の職務や、当該指定介護予防支援事業者である地域包括支援センターの職務に従事することができる。
☐ 284.指定介護予防支援事業者が、指定介護予防支援の一部を委託するにあたっては、中立性及び公正性の確保を図るため地域包括支援センター運営協議会の議を経なければならない。
☐ 285.介護予防サービス計画の作成にあたっては、利用者の日常生活全般を支援する観点から、予防給付の対象となるサービス以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて介護予防サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
☐ 286.指定介護予防支援事業所の管理者は、担当職員に介護予防サービス計画の作成に関する業務を担当させる。自ら作成しなければならないという規定はない。
☐ 287.指定介護予防支援事業者は、介護予防の効果を最大限に発揮し、利用者が生活機能の改善を実現するための適切なサービスを選択できるよう、目標指向型の介護予防サービス計画原案を作成しなければならない。
☐ 指定介護予防支援事業者は、苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
☐ 289.指定介護予防支援事業者の担当職員は、解決すべき課題の把握(アセスメント)にあたっては、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。
☐ 290.指定介護予防支援事業者の担当職員は、解決すべき課題の把握(アセスメント)に当たっては、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。
☐ 291.指定介護予防支援事業者の担当職員は、指定介護予防サービス事業者等から、サービスの提供状況や利用者の状態等に関する報告を少なくとも一月に1回、聴取しなければならない。
☐ 292.指定介護予防支援事業者の担当職員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果、利用者が目標とする生活、専門的観点からの目標と具体策、利用者及びその家族の意向、それらを踏まえた具体的な目標等を記載した介護予防サービス計画の原案を作成しなければならない。毎日どのような生活を送りたいか、1年後にどのようになりたいか、具体的なイメージを利用者自身に考えてもらい記入する。
☐ 293.指定介護予防支援事業者の担当職員は、専門的観点からの目標と具体策を記載した介護予防サービス計画の原案を作成しなければならない。介護予防サービス・支援計画書の「課題に対する目標と具体策の提案」は、専門職(保健師、介護支援専門員、社会福祉士等)の観点からの記載であり、自立に向けた支援として重要である。
☐ 294.指定介護予防支援事業者の担当職員は、介護予防サービス計画の作成にあたっては、運動及び移動、家庭生活を含む日常生活、社会参加並びに対人関係及びコミュニケーション、健康管理の各領域ごとに利用者の日常生活の状況を把握しなければならない。介護予防サービス・支援計画書の「アセスメント領域と現在の状況」の中の項目に「運動・移動について」が含まれている。
☐ 295.指定介護予防支援事業者の担当職員は、介護予防サービス計画の作成にあたっては、家庭生活を含む日常生活の状況を把握しなければならない。介護予防サービス・支援計画書の「アセスメント領域と現在の状況」の中の項目に「日常生活(家庭生活)について」が含まれている。
☐ 296.指定介護予防支援事業者の担当職員は、介護予防サービス計画を作成した際には、利用者及び介護予防サービス計画の原案に位置づけた指定介護予防サービス等の担当者に交付しなければならない。主治の医師に必ず交付する必要はない。ただし、利用者が介護予防訪問看護、介護予防通所リハビリテーション等の医療サービスの利用を希望している場合には、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めるとともに、作成した介護予防サービス計画を主治の医師等に交付しなければならない。
☐ 297.地域ケア会議から個別のケアマネジメントの事例の提供、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力の求めがあった場合には、これに協力するよう努めなければならない。
☐ 298.指定介護予防支援事業者の担当職員は、介護予防サービス計画に位置付けた期間が終了するときは、当該計画の目標の達成状況について評価しなければならない。
☐ 299.指定介護予防支援事業者の担当職員は、介護予防サービス計画に介護予防短期入所生活介護又は介護予防短期入所療養介護を位置付ける場合には、特に必要と認められる場合を除き、その利用日数が要支援認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。
☐ 300.「目標とする生活」には、介護予防サービス・支援計画書に示された目標と関連して、毎日どのような生活を送りたいか、1年後にどのようになりたいか、具体的なイメージを利用者自身に考えてもらい、記入する。利用者の生きがいや楽しみ、自己実現につながる目標を設定するのが望ましい。
☐ 301.介護予防サービス・支援計画書の「課題に対する目標と具体策の提案」欄に記載する目標は、利用者や家族に対して専門的観点から示す提案であるため、本人や家族の意向は入っていない。「具体策についての意向 本人・家族」欄には、計画作成者が提案した「課題に対する目標と具体策」について、利用者や家族の意向を確認して記載する。
☐ 302.介護予防サービス・支援計画書の「【本来行うべき支援ができない場合】妥当な支援の実施に向けた方針」欄は、計画作成者と利用者・家族の考え方の違いが大きい場合や必要な社会資源が地域にない場合等に、支援の方向性や方策を記載する。できる限り具体的な内容等を示していく必要がある。
☐ 303.介護予防サービス・支援計画書の「期間」については、必ず、利用者の要支援認定の有効期間と同じ期間にするものではない。期間を設定するにあたっては、利用者の要支援認定の有効期間も鑑みながらそのサービス内容で目標を達成できるかを考慮する。
☐ 304.介護予防サービス・支援計画書の「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス」欄には、本人が行うセルフケアだけでなく、家族が支援すること、地域のボランティアや近隣住民の協力なども記載する。
8.審査請求および雑則
☐ 305.要介護認定に関する処分について不服がある場合は、審査請求が認められる。介護保険審査会への審査請求が認められる事項は、① 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求に関する処分及び要介護認定又は要支援認定に関する処分を含む)、② 保険料その他介護保険法の規定による徴収金に関する処分の二つである。
☐ 306.「介護報酬の審査・支払について不服がある介護サービス事業者」は、審査請求が認められない。
☐ 307.「保険料の滞納処分について不服がある被保険者」は、介護保険審査会への審査請求が認められる。
☐ 308.保険料その他介護保険法の規定による徴収金に関する処分は、審査請求が認められるが、財政安定化基金拠出金、介護給付費・地域支援事業支援納付金及びその納付金を医療保険者が滞納した場合の延滞金に関する処分は除くとされている。
☐ 309.居宅介護支援事業者から支払われる給与について不服がある場合は、審査請求が認められない。給与についての不服は、労働契約を確認のうえ所属している事業所に相談する。場合によっては、所管の労働基準監督署も相談の窓口となる。
☐ 310.介護保険法の審査請求について:保険給付に関する処分又は保険料その他介護保険法の規定による徴収金に関する処分は、審査請求の対象となる。
☐ 311.居宅介護支援の契約解除は、介護保険法の審査請求の対象とならない。
☐ 312.「被保険者証の交付の請求に関する処分」は、介護保険審査会への審査請求が認められる。
☐ 313.「国民健康保険団体連合会が行う介護報酬の請求に関する審査」は、審査請求が認められない。
☐ 314.「介護給付費・地域支援事業支援納付金に関する処分」は、審査請求が認められない。
☐ 315.「特定入所者介護サービス費の支給に関する処分」は、保険給付に特定入所者介護サービス費が含まれるため、介護保険審査会への審査請求が認められる。
☐ 316.「市町村特別給付に関する処分」は、審査請求が認められる。介護保険審査会は、保険給付に関する処分(その都道府県の区域内に所在する市町村の行った処分)に対する審査請求の事件を管轄する。
☐ 317.介護保険法の審査請求について:介護保険審査会が指名する委員で構成する合議体で審査会を行う。
☐ 318.介護保険審査会の委員は、都道府県知事が任命をするが、中立性・公平性に基づき自らの判断と責任において執行するため、裁決においては都道府県知事の指揮監督は受けない。
☐ 319.専門調査員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから任命される。
☐ 320.医療保険者に対し、介護給付費・地域支援事業支援納付金の算定に関して必要があると認める場合に、その業務に関する報告を徴収し、又は職員に実地検査をさせることができるのは、厚生労働大臣及び都道府県知事である。
☐ 321.介護保険の保険料その他介護保険法の規定に基づく徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされている。
☐ 322.介護保険の保険料を徴収する権利の消滅時効は、2年である。保険料、介護給付費・地域支援事業支援納付金その他介護保険法の規定による徴収金を徴収する権利は、これらを行使することができるときから2年を経過したときは、時効によって消滅すると定めている。
☐ 323.保険給付を受ける権利の消滅時効は、2年である。
☐ 324.介護保険の保険料の督促は、時効中断の効力を生ずる。なお、2017(平成29)年の民法の改正により、介護保険法も改正され、保険料等の督促は、「時効中断」から、「時効の更新」と整理された。
☐ 325.市町村は、被保険者の保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者、被保険者の属する世帯の世帯主や世帯員の資産・収入の状況について調査することができる。
☐ 326.市町村は、被保険者の保険給付、地域支援事業、保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況について、官公署又は年金保険者に対し文書の閲覧や資料の提供を求めること、あるいは、銀行・信託会社等の関係機関や被保険者の雇用主等の関係者に報告を求めることができる。
☐ 327.市町村は、被保険者の資格、保険給付、地域支援事業及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者、被保険者の属する世帯の世帯主や世帯員等に対し、文書その他の物件の提出を命じることができる。
9.介護保険制度導入の背景等
☐ 328.介護保険は、保険料と公費を組み合わせた社会保険方式が採用されている。公費負担はある。
☐ 329.介護保険は、保険給付の支給要件や支給額も原則として加入期間とは無関係である。
☐ 330.40歳以上65歳未満は第2号被保険者である。第2号被保険者については、要介護状態等の原因が特定疾病によって生じたものであるものに限るが、重いうつ病は特定疾病には該当しないため、介護保険制度における保険事故とならない。
☐ 331.50歳の人が、業務上の事故により、常時臥床の状態になった。業務上の事故のため、介護保険制度ではなく、労働者災害補償保険(労災保険)の保険事故となる。
☐ 332.60歳の人が、末期のがんと診断され、食事や排泄に介護を要する状態になった。末期のがんは介護保険の特定疾病に該当するため、介護保険制度における保険事故となる。
☐ 333.65歳の人が、交通事故で両下肢麻痺となり、移動に介護を要する状態になった。65歳以上は、第1号被保険者であるため、要介護状態等の原因を問わず介護保険制度における 保険事故となる。
☐ 334.70歳の人が、転倒により腰椎を骨折して、入浴などに介護を要する状態になった。65歳以上は、第1号被保険者であるため、要介護状態等の原因を問わず介護保険制度における保険事故となる。
☐ 335.「若年性認知症施策の強化」は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の7つの柱として正しい。
認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指し、厚生労働省が2015(平成27)年1月に公表した。7つの柱として、① 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、② 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供、③ 若年性認知症施策の強化、④ 認知症の人の介護者ヘの支援、⑤ 認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進、⑥ 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進、⑦ 認知症の人やその家族の視点の重視がある。なお、2019(令和元)年6月には、「共生」と「予防」を車の両輸として施策を推進していくことを示した「認知症施策推進大綱」が策定された。
☐ 336.「認知症の人の介護者への支援」は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の7つの柱の一つである。
☐337.「認知症の発症割合の低減」は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の7つの柱にはない。柱の一つとして「認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」がある。
☐ 338.「高度認知症の人への集中的支援」は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の7つの柱にはない。柱の一つとして「認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進」がある。
☐ 339.「認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進」は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の7つの柱の一つである。
☐ 340.2017(平成29)年の介護保険制度改正で、自立支援、介護予防・重度化防止等の適正化に関して市町村が取り組むべき施策とその目標に関する事項が、市町村介護保険事業計画に記載されることとなった。
☐ 341.2017(平成29)年の介護保険制度改正の趣旨は、地域包括ケアシステムの強化である。
☐ 342.看護小規模多機能型居宅介護は、2011(平成23)年の介護保険制度改正で複合型サービスとして位置づけられた。
☐ 343.「介護予防訪問介護及び介護予防通所介護の介護予防・日常生活支援総合事業への移行」は、2014(平成26)年の介護保険制度改正で「地域支援事業の見直し」として実施された。
☐ 344.共生型サービスは、地域共生社会の実現に向けた取り組みの推進等として、2017(平成29)年の介護保険制度改正で創設された。児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者や障害者総合支援法に基づく指定障害福祉サービス事業者から、介護保険法の訪問介護、通所介護等の居宅サービス事業等にかかる指定の申請があった場合に、一定の人員、設備、運営基準を満たしているときは、介護保険法の事業者の指定が受けやすくなる特例を設けた。このなかに共生型居宅介護支援の創設は含まれていない。
☐ 345.共生型サービスは、2017(平成29)年の介護保険制度改正により創設された。
☐ 346.介護医療院は、医療と介護の連携の推進等として、2017(平成29)年の介護保険制度改正により介護保険施設の一つとして創設された。主として長期にわたり療養が必要である要介護者に対し、療養上の管理、看護、医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練等の医療や日常生活上の世話を行うことを目的とする新たな施設類型として創設された。
☐ 347.介護医療院は、2017(平成29)年の介護保険制度改正により創設された。
☐ 348.2017(平成29)年の介護保険制度改正で、介護保険制度の持続可能性の確保のため、220万円以上の所得(年金収入では単身者で344万円以上の収入)がある第1号被保険者(65歳以上の被保険者)が、介護保険のサービスを利用した場合の利用者負担の割合を、2018(平成30)年8月以降2割から3割に引き上げた。
☐ 349.2017(平成29)年の介護保険制度改正について:第2号被保険者の保険料に総報酬割を導入した。医療保険の各保険者が納付する介護納付金(介護給付費・地域支援事業支援納付金)に総報酬割が導入された。
10.介護保険制度の目的等
☐ 350.「国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る」は、介護保険法第1条(目的)に規定されている文言である。
☐ 351.「有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる」は、介護保険法第1条(目的)に規定されている文言である。
☐ 352.「高齢者の権利利益の擁護に資する」ことは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)」第1条(目的)に規定されている。
☐ 353.「高齢者の心身の健康の保持及び生活の安定を図る」ことは、老人福祉法第1条(目的)に規定されている内容である。介護保険法第1条では、「国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする」と規定されている。
☐ 354.「高齢者の居住の安定の確保を図る」ことは、サービス付き高齢者向け住宅などを規定した、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)第1条(目的)に規定されている。
☐ 355.「自立した日常生活」は、介護保険法第1条(目的)又は第2条(介護保険)に規定されている文言である。介護保険法第1条では、要介護状態になってもその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス、福祉サービスの給付を行うこと等を介護保険制度の目的としている。また、同法第2条第4項にも規定されている。
☐ 356.「国民の共同連帯」は、介護保険法第1条(目的)又は第2条(介護保険)に規定されている文言である。
☐ 357.「利用者主体」は、介護保険法には規定されていない。しかし、利用者主体は居宅介護支援、居宅サービス・施設サービス等において必要な倫理であり、介護保険制度の基本的理念である。
☐ 358.「医療との連携」は、介護保険法第1条(目的)又は第2条(介護保険)に規定されている文言である。保険給付の基本的理念として、介護保険のサービスを提供するにあたっては、医療との連携に十分配慮することが、介護保険法第2条第2項に示されている。
☐ 359.「介護の社会化」は、介護保険法には規定されていない。介護保険制度創設のねらいとして、 高齢者介護を社会全体で支えるしくみを構築することとされている。
☐ 360.「医療との連携への十分な配慮」は、介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方である。保険給付の基本的理念として、介護保険のサービスを提供するにあたっては、医療との連携に十分配慮することが、介護保険法第2条第2項に示されている。
☐ 361.介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われる。
☐ 362.介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として、保険給付は、被保険者自身がサービスを選択することを基本としている。
☐ 363.介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として、保険給付は、被保険者の心身の状況、置かれている環境等に応じて、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、総合的かつ効率的提供されるよう配慮して行わなければならない。
☐ 364.介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として、保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
☐ 365.介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的考え方として、被保険者の要介護状態等に関し、必要な保険給付を行う。
☐ 366.「介護支援専門員の選択に基づくサービスの提供」は、介護保険法第2条に介護支援専門員がサービスを選択するのではなく、利用者自身がサービスを選択することを基本に、専門家が連携して身近な地域で高齢者とその家族を支援するしくみである居宅介護支援・介護予防支援のサービスが提供される。
☐ 367.介護保険法第2条に示されている保険給付の基本的理念として「要介護状態・要支援状態の軽減・悪化防止」「医療との連携への十分な配慮」「被保険者の選択に基づく適切なサービスの総合的・効率的な提供」「多様な事業者・施設によるサービスの提供」「居宅における自立した日常生活の重視」がある。
☐ 368.介護保険法第2条第3項より、保険給付の基本的理念として、多様なサービス事業者から保険・医療・福祉にわたる多様なサービスが十分に提供されること、サービスに関する正確な情報が利用者に適切に提供されることが重要である。
☐ 369.介護保険法第2条第4項では、保険給付の基本的理念として、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、被保険者の居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようなサービスの内容や水準を目指すことが必要であることが示されている。
11.保険給付の種類・内容等
☐ 370.「認知症対応型共同生活介護」は、要支援者が利用できるサービスである。ただし、要支援2に限る。
☐ 371.「認知症対応型通所介護」は、要支援者が利用できるサービスである。
☐ 372.「看護小規模多機能型居宅介護」(複合型サービス)は、介護給付を行うサービスのため、要支援者は利用できない。
☐ 373.「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」は、介護給付を行うサービスのため、要支援者は利用できない。
☐ 374.「小規模多機能型居宅介護」は、要支援者が利用できるサービスである。
☐ 375.「施設介護サービス費の支給」は、介護保険法において現物給付化されている保険給付である。施設介護サービス費は、要介護被保険者が都道府県から指定又は許可を受けた介護保険施設から施設サービスを受けたときに、当該要介護被保険者に現物給付で支給される。
☐ 376.高額介護(予防)サービス費は、要介護(要支援)被保険者がサービスを利用した結果、定率1割(又は2割、3割)の利用者負担が著しく高額となる場合に、当該要介護(要支援)被保険者に償還払いで支給される。
☐ 377.「特定入所者介護サービス費の支給」は、介護保険法において現物給付化されている保険給付である。
低所得の要介護(要支援)被保険者の食費・居住費(滞在費)の負担は、所得と資産(現金、預貯金等)の状況(段階)に応じた負担限度額が設けられており、これを超える費用は、特定入所者介護(予防)サービス費として現物給付で支給される。
☐ 378.居宅介護福祉用具購入費は、居宅要介護被保険者が特定福祉用具(入浴又は排泄の用に供するものなど厚生労働大臣が定める福祉用具)を購入したときに市町村が認める場合に、当該居宅要介護被保険者に償還払いで支給される。
☐ 379.居宅介護住宅改修費は、居宅要介護被保険者が、手すりの取り付けその他の厚生労働大臣が定める種類の住宅改修を行ったときは、市町村が必要と認める場合に、当該居宅要介護被保険者に償還払いで支給される。
☐ 380.福祉用具貸与には、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用される。
☐ 381.支給限度基準額について:居宅療養管理指導には、区分支給限度基準額は適用されない。
居宅療養管理指導、特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものを除く)、認知症対応型共同生活介護(利用期間を定めて行うものを除く)、地域密着型特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものを除く)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護には、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されない。
☐ 382.福祉用具購入費には、区分支給限度基準額は適用されない。
福祉用具購入費には、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されない。福祉用具購入費の支給にあたっては、居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額が設定されており、その額は1年間(4月1日からの12か月間)において10万円である。
☐ 383.地域密着型サービスには、居宅介護サービス費等種類支給限度基準額が適用される。居宅介護サービス費等種類支給限度基準額は、市町村の条例で定める。
☐ 384.転居した場合には、改めて支給限度基準額まで居宅介護住宅改修費の支給を受けることができる。
転居した場合には、転居前の住宅に対する住宅改修費の支給状況にかかわらず、転居後の住宅について、支給限度基準額まで居宅介護住宅改修費の支給の申請をすることができる。また、要介護状態が著しく重くなった場合の例外も、転居後の住宅における住宅改修着工日の要介護等状態区分が基準となる。ただし、転居前の住宅に再び戻った場合、転居前の住宅に対する支給状況が復活し、転居による例外はなかったものとして取り扱われる。
☐ 385.法定代理受領方式で現物給付化される保険給付がある。
居宅介護サービス費、地域密着型介護サービス費、居宅介護サービス計画費、施設介護サービス費、特定入所者介護サービス費は、法定代理受領方式で現物給付化される。
12.利用者負担
☐ 386.高額介護(予防)サービス費は、負担上限額を超えた場合、その超えた部分について償還払いの形で支払われる。そのため、負担上限額を超えた利用料は、利用者は事業者に支払わなければならない。
☐ 387.定率の利用者負担の減免とは、災害により負担能力の減退が認められる等、特別の理由があり利用者負担の支払が一時的に困難と認められる場合、1割(2割又は3割)の定率負担を減額・免除することができるものであるが、要介護度が著しく悪化した場合は対象とならない。
☐ 388.定率の利用者負担の減免は、単に低所得者であるという理由のみで行われる措置ではない。
☐ 389.震災・風水害・火災等で住宅等の財産が著しく損害を受けた場合は、定率の利用者負担の減免の対象となる。
☐ 390.定率の利用者負担の減免の対象となるのは、世帯の生計を主として維持する者の死亡、心身の重大な障害や長期入院で収入が著しく減少した場合、又は事業の体廃止や著しい損失、失業等で収入が著しく減少した場合などである。同居する家族が心身に重大な障害を受けた場合は対象とならない。
☐ 391.干ばつ、冷害等による農作物の不作や不漁等で収入が著しく減少した場合は、定率の利用者負担の減免の対象となる。
☐ 392.高額介護(予防)サービス費は、被保険者の家計に与える影響を考慮して、所得区分ごとに負担上限額が段階的に設定されている。同一の世帯に属する要介護(要支援)被保険者が同一の月に受けた居宅サービス等に係る利用者負担が一定額を超えた場合に、当該月に居宅サービス等を受けた要介護(要支援)被保険者に償還払いで支給される。
☐ 393.介護サービスに係る利用者負担が高額となった場合、高額介護サービス費は、世帯単位で算定される。
☐ 394.高額介護(予防)サービス費の対象となるのは、居宅サービス(特定福祉用具販売を除く)・地域密着型サービス・施設サービスに係る定率の利用者負担である。なお、福祉用具購入費や住宅改修費に係る利用者負担は対象とならない。
☐ 395.高額医療合算介護(予防)サービス費は、介護保険における利用者負担と医療保険の患者負担が一定額を超えるとき、その超えた額を医療保険と介護保険それぞれの自己負担額の比率に応じて、各保険の保険者から支給される。
☐ 396.福祉用具購入費、住宅改修費は、高額医療合算介護サービス費の利用者負担額の算定対象に含まれない。
☐ 397.低所得の要介護高齢者等の食費と居住費(滞在費)は、所得と資産(現金、預貯金等)の状況(段階)に応じた負担限度額が設けられており、これを超える費用は、特定入所者介護(予防)サービス費として現物給付で支給される。
☐ 398.特定入所者介護(予防)サービス費は、所得と資産(現金、預貯金等)の状況(段階)に応じた負担限度額が設けられている。
☐ 399.生活保護受給者は、特定入所者介護(予防)サービス費の支給の対象となる。
☐ 400.特定入所者介護(予防)サービス費の支給の対象となるサービスは、指定介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービス、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、(介護予防)短期入所生活介護、(介護予防)短期入所療養介護である。
☐ 401.特定施設入居者生活介護は、特定入所者介護サービス費の支給の対象とならない。
13.介護保険事業計画等
☐ 402.介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(基本指針)では、地域支援事業の実施に関する基本的事項のほか、介護給付等対象サービス提供体制の確保に関する基本的事項、市町村介護保険事業計画及び都道府県介護保険事業支援計画の作成に関する事項等を定める。
☐ 403.介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針について厚生労働大臣が定める。
☐ 404.介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針について策定・変更は、あらかじめ、総務大臣その他関係行政機関の長と協議しなければならない。
☐ 405.介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保法)に規定する、地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)に即して定める。
☐ 406.介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針について、介護給付等対象サービスを提供する体制の確保に関する基本的事項を定める。
☐ 407.市町村介護保険事業計画は、厚生労働大臣が定める基本指針(介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針)に基づき作成されなければならない。なお、市町村は基本指針に即して、3年を1期とする市町村介護保険事業計画を策定する。
☐ 408.市町村介護保険事業計画は、市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。
☐ 409.市町村介護保険事業計画は、市町村地域福祉計画と調和が保たれたものでなければならない。併せて、市町村高齢者居住安定確保計画その他の要介護者等の保健・医療・福祉・居住に関する計画とも調和が保たれたものでなければならない。
☐ 410.市町村介護保険事業計画を変更したときは、遅滞なく、都道府県知事に提出しなければならない。市町村介護保険事業計画を策定・変更しようとするときは、市町村はあらかじめ、① 被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、② 地域密着型サービスや地域支援事業の量の見込み等に関して都道府県の意見を聴かなければならない。
☐ 411.「各年度における地域支援事業の量の見込み」は、市町村介護保険事業計画において定めるべき事項とされている。
☐ 412.「認知症対応型共同生活介護の必要利用定員総数の見込み」は、市町村介護保険事業計画において定めるべき事項とされている。
☐ 413.介護サービス情報の公表に関する事項は、都道府県介護保険事業支援計画において定めるよう努める事項とされている。
☐ 414.介護サービス情報の公表に関する事項は、都道府県介護保険事業支援計画において定めるよう努める事項とされている。
☐ 415.「介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数の見込み」は、都道府県介護保険事業支援計画で定めるべき事項とされている。
☐ 416.「介護専用型特定施設入居者生活介護の必要利用定員総数の見込み」は、都道府県介護保険事業支援計画で定めるべき事項とされている。
介護支援専門員 Ⅰ 介護支援分野
14.高齢化の進展と高齢者を取り巻く状況
☐ 417.「老老介護」は増加している。「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、2019(令和元)年には、要介護者等と同居する65歳以上の高齢者同士は、過去最高の59.7%に上る。
☐ 418.80代の親と50代の子が、ひきこもりなどの困難を抱えつつ社会的に孤立している「8050問題」が顕在化している。
☐ 419.一人の人や一つの世帯が同時期に介護と育児の両方に直面するという「ダブルケア」が問題となっている。ダブルケアの約8割が30歳代と40歳代に集中している。
☐ 420.「介護離職」とは、家族の介護を抱えた労働者が介護をするために仕事を辞めてしまうことである。
☐ 421.「限界集落」とは、過疎化等で人口の50%以上が65歳以上の高齢者になった地域のことをいう。
☐ 422.「2017(平成29)年度介護保険事業状況報告」によると、要介護(要支援)認定者数は641万3000人、第2号被保険者は13万人となっており、現状は2%程度で1割にも満たない。
☐ 423.「平成29年度介護保険事業状況報告」によると、女性の要介護(要支援)認定者数は440万7000人となっており、男性の認定者数200万6000人の約2倍である。
☐ 424.「平成29年度介護保険事業状況報告」によると、前年度末に比べ、第1号被保険者数は9万6000人増加しているが、第2号被保険者数は3000人減少している。
☐ 425.「平成29年度介護保険事業状況報告」によると、要介護(要支援)状態区分別でみると、認定者数が最も多いのは、要介護1で129万4000人となっている。
☐ 426.「平成29年度介護保険事業状況報告」によると、第1号被保険者数3487万9000人に対し、要介護(要支援)認定者数は628万2000人となっており、第1号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合は、18%となっている。
15.介護保険施設にかかる運営基準(施設)の共通事項
☐ 427.指定介護老人福祉施設は、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を三月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図らなければならない。
☐ 428.指定介護老人福祉施設において身体的拘束等を行う場合に、医師の指示によらなければならないという規定はない。
☐ 429.指定介護老人福祉施設は、介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施しなければならない。
☐ 430.指定介護老人福祉施設は、身体的拘束等の適正化のための指針を整備しなければならない。
☐ 431.指定介護老人福祉施設において身体的拘束等を行う場合に、介護支援専門員が入所者の家族と面談しなければならないという規定はない。ただし、指定介護老人福祉施設の従業者は、施設サービスの提供にあたり、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
☐ 432.施設サービス計画の作成にあたっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置づけるよう努めなければならない。
☐ 433.解決すべき課題の把握(アセスメント)にあたっては、必ず入所者及びその家族に面接して行う必要がある。
☐ 434.施設サービス計画の原案の内容については、入所者に対して説明し、同意を得ることを義務づけている。必要に応じて入所者の家族に対しても説明を行い同意を得ることが望ましい。
☐ 435.指定介護老人福祉施設における施設サービス計画の作成のモニタリングについては、定期的に入所者と面接して行う必要がある。また、モニタリングの結果についても定期的に記録しなければならない。
☐ 436.施設サービス計画を作成した際には、遅滞なく入所者に交付しなければならない。なお、交付した施設サービス計画は、2年間保存しなければならない。
16.他の法令等による給付調整等その他の規定
☐ 437.労働者災害補償保険法によって、介護保険の給付・予防給付に相当する給付を受けられるときは、労働者災害補償保険法の給付が介護保険給付に優先し、一定限度で介護保険の給付が行われない。介護保険に優先する給付には、労働災害や公務災害に対する補償の給付・国家補償的な給付がある。
☐ 438.介護保険法と障害者総合支援法との関係では、介護保険法に基づく保険給付が優先される。ただし、介護保険サービスには相当するものがない同行援護、行動援護、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援等は、障害者総合支援法によるサービスを受けることができる。
☐ 439.第三者から損害賠償を受けた場合は、市町村は、その賠償額の限度で保険給付を行う責任を免れるが、当該第三者への損害賠償請求は保険給付の要件にはなっていない。
☐ 440.居宅サービスに従事する医師が診断書に虚偽の記載をすることにより、不正受給が生じた場合は、市町村は当該医師にも徴収金の納付を命じることができる。
☐ 441.市町村は、保険給付が適正に行われることを確保するために、保険給付に関して必要があると認めるときは、受給者、事業者・施設のサービス担当者、住宅改修を行う者に対し、文書等の提出要求、職員による質問等を行うことができる。
☐ 442.居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費については、市町村長が帳簿書類等の提示を命じることができる。厚生労働大臣、都道府県知事は、居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給を除く介護給付等に関して必要があると認めるときは、居宅サービス等を行った者やその使用者に対し、帳簿書類等の提示を命じることができる。
17.介護支援専門員
☐ 443.介護保険法第69条の37において、秘密保持義務について規定されており、介護支援専門員でなくなった後も、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
☐ 444.介護保険法第69条の34第1項において、介護支援専門員は特定の種類のサービス又は特定の事業者・施設に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実に業務を行わなければならないことが規定されている。
☐ 445.介護保険法第69条の35において、介護支援専門員証の不正使用の禁止、名義貸しの禁止について規定されている。ほかにも、介護保険法において、介護支援専門員の義務として、基準遵守義務、資質向上努力義務、信用失墜行為の禁止が明記されている。
☐ 446.「認知症に関する施策の総合的な推進等」は、介護保険法第5条の2において、国及び地方公共団体が行うよう努めなければならないことが規定されている。
☐ 447.介護保険事業の円滑な運営に関しては、介護保険法第5条において、「国及び地方公共団体の責務」として規定されている。
18.居宅のケアマネジメント
☐ 448.「資産の状況」は、課題分析標準項目にはない。ただし、課題分析(アセスメント)において、経済状況の把握は重要である。
☐ 449.「コミュニケーション能力」は、課題分析標準項目の課題分析(アセスメント)に関する項目にある。
☐ 450.「課題分析(アセスメント)理由」は、介護サービス計画作成のための課題分析標準項目の基本情報に関する項目にある。
☐ 451.「口腔衛生」は、介護サービス計画作成のための課題分析標準項目の課題分析(アセスメント)に関する項目にある。
☐ 452.「改善 / 維持の可能性」は、課題分析標準項目ではなく、課題整理総括表の項目である。
19.施設のケアマネジメント
☐ 453.施設のアセスメントの様式(課題分析表)は、特に定めがないため、課題分析標準項目を満たしていれば、施設ごとに独自の様式を用いることが可能である。
☐ 454.施設の課題分析標準項目には、介護力に関する項目が含まれる。介護者の有無、介護者の介護意思、介護負担、主な介護者に関する情報等が、利用者の介護力に関する項目である。
☐ 455.施設の課題分析標準項目には、認知に関する項目が含まれる。日常の意思決定を行うための認知能力の程度に関する項目がある。
☐ 456.施設の課題分析標準項目には、認定情報に関する項目が含まれる。利用者の認定結果(要介護状態区分、審査会の意見、支給限度額等)について記載する項目がある。
☐ 457.施設の課題分析は、利用者・家族と介護支援専門員が協働して行うもので、利用者・家族の意向、介護支援専門員の判断が必要となる。
20.国民健康保険団体連合会の業務
☐ 458.居宅介護サービス計画費等の介護給付費(介護報酬)の請求に関する審査及び支払は、保険者である市町村から委託を受けて国民健康保険団体会が行う業務である。
☐ 459.「第三者行為求償事務」(市町村が第三者行為により保険給付を行ったときに第三者に対して取得する損害賠償請求権にかかる損害賠償金の徴収・収納の事務)は、市町村から委託を受けて国民健康保険団体連合会が行う業務である。
☐460.「介護サービスの提供事業や介護保険施設の運営」は、国民健康保険団体連合会が行う業務である。
介護支援専門員 Ⅱ. 保健医療サービスの知識等
1.高齢者に多い疾病
☐ 1.健康日本21(第二次)の基本的な方向及び目標に、① 健康寿命の延伸、② 健康格差の縮小が示されている。
☐ 2.高齢者の疾患の特徴として、加齢に伴い、個人差が大きくなる。
☐ 3.高齢者の疾患の特徴として、多臓器に及ぶ疾患・障害がある。
高齢者は加齢に伴い多くの臓器の機能が低下していくため、一人で多くの疾患をもっていることが多くなる。診療・ケアに際しては臓器の疾患だけに注目するのではなく、心身機能及び生活機能を含む生活全般の状態をよく診るという全人的・包括的な診療・ケアが必要になる。
☐ 4.高齢者の疾患の特徴として、症状が非定型的となり、診断の基準となる症状や徴候がはっきりしないことが多くなってくる。特に75歳以上の後期高齢者に多くみられる。
☐ 5.高齢者の疾患の特徴として、慢性の疾患が多い。急性期の病気、例えば脳卒中で同じ程度の病変であっても、若い人より麻痺の回復が遅く、後遺症として残りやすい。
☐ 6.高齢者では、薬剤に対する反応が青年~壮年と違い、薬の有害作用(副作用)が出やすい。薬剤の数が多くなればなるほど、副作用の発現する頻度が高くなる。
☐ 7.高齢者の疾患の特徴として、予後やQOLが医療のみならず社会的要因により大きく影響される。したがって、家族の状況、住環境の状態、経済的状態などについて、きめ細かく配慮する必要がある。
☐ 8.福祉避難所は、市町村が必要に応じて保健センターや社会福祉施設などに開設する二次的な避難所である。高齢者や障害者、妊産婦や乳幼児、病弱な人など、一般の避難所生活が困難な人とその家族が対象となる。
☐ 9.災害時の課題である生活不活発病は、動かない(生活が不活発な)状態が続くことにより、心身の機能が低下して動けなくなることをいう。要介護者に限らず高齢者は、環境の変化により動きにくくなり、動かないことでますます生活不活発病を進行させてしまうため、早期に対応することが大切である。
☐ 10.深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)は、血液が凝固し、下肢の静脈に血栓ができる状態である。原因には、長時間同じ姿勢でいることなどがあり、定期的に体を動かし、十分に水分を摂るようにする。
☐ 11.深部静脈血栓症や肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)は、長時間同じ姿勢のまま足を動かさないことで発生しやすいため、こまめに足を動かして予防に努める。
☐ 12.福祉避難所は、市町村が必要に応じて保健センターや社会福祉施設などに開設する二次的な避難所である。高齢者や障害者、妊産婦や乳幼児、病弱な人など、一般の避難所生活が困難な人とその家族が対象となる。
☐ 13.避難所で生活している場合も、必要な介護保険サービスの提供は受けられる。なお、その際は人員基準や介護報酬等の取り扱いについて、柔軟な対応が可能となっている。
☐ 14.避難所では、体を動かす機会が減り、筋力が低下することによって、生活不活発病となることがある。
☐ 15.人工呼吸器等電源を必要とする医療機器を使用している場合には、日頃から緊急時の対応について主治の医師等と話し合い、急変時の手段など対応できるようにしておく。
☐ 16.市町村長は避難行動要支援者名簿を作成し、専門職のみならず、地域住民等の避難支援等関係者と個人情報を共有することとされている。平時から名簿情報を広く支援関係者に提供することを説明し、意思確認を行うことも必要である。
☐ 17.脳卒中の発症の原因となる主な危険因子として、加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、喫煙、飲酒があげられる。したがって多量の飲酒習慣は脳卒中のリスクを高める。
☐ 18.高次脳機能障害における失語の主な症状として、話そうとするが言葉が出てこない、思ったことと違う言葉を言ってしまうなどが含まれる。
失語症は言語中枢の障害によって起こり、主に言葉の表出が障害される運動失語、理解が障害される感覚失語、物の名前を呼ぶことが困難となる(喚語困難)失名詞失語、復唱が障害される伝導失語、言語機能全般が障害される全失語に分けられる。
☐ 19.高次脳機能障害の主な症状として、失語、失行、失認、半側空間無視、注意障害、記憶障害、発動性の低下、抑制障害(社会的行動障害)がある。
☐ 20.筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、原因が不明で、徐々に全身の骨格筋が萎縮して、四肢の筋力低下による運動や歩行などの生活機能低下、嚥下障害、言語障害などを生じる疾患である。
☐ 21.パーキンソン病では、認知障害がみられる。50~60歳代に発症して、徐々に進行し、起立性低血圧、排尿障害などの自律神経症状、認知症及び治療薬の副作用としての幻覚、妄想などが現れる。
☐ 22.パーキンソン病の重症度は、Hoehn&Yahr(ホーエン&ヤール)の臨床的重症度分類によって行う。
☐ 23.日本てんかん学会の「高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン」によると、若年者に比較して高齢者では初回発作後の再発率が高いことから、初回発作後に治療を開始することが多い。
☐ 24.高齢者のてんかんの発作の間は、誤嚥を予防するための対応をする。発作やそれに伴う意識障害が長引き、脳に障害を与えるため、誤嚥や、発作中に転倒し、骨折などを起こす危険性もあるため注意が必要となる。
☐ 25.高齢者のてんかんでは、意識障害、しびれ、発汗、けいれんなど多様な症状を呈し、このような発作の後に意識がもうろうとした状態が数時間~数日続くことがある。
☐ 26.日本てんかん学会の「高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン」によると、高齢者のてんかんの原因は若年者と異なり、脳血管障害が一番多く、次いで頭部外傷、アルツハイマー病(神経変性疾患)、脳腫瘍などがあげられるが、原因は不明のことも多い。
☐ 27.治療は抗てんかん薬による薬物療法となる。日本てんかん学会の「高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン」によると、高齢者では、副作用の少ない、特に薬剤相互作用が少ない抗てんかん薬を選択して、少量から漸増使用する。
☐ 28.高齢者にみられる疾病で、変形性関節症は最も多い関節疾患であり、65歳以上の高齢者の大多数に発症する。変形性関節症のなかでも、最も頻度の高い関節が膝である。
☐ 29.高齢者にみられる疾病で骨粗鬆症は、骨折の大きな危険因子である。骨粗鬆症は、低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である。
☐ 30.高齢者に多い骨折は、大腿骨頸部骨折、胸腰椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折、肋骨骨折である。
☐ 31.骨粗鬆症の発症の原因となる主な危険因子として、女性ホルモンの低下、カルシウム摂取不足、偏食、運動不足、日光浴不足などがあげられる。運動によりふだんから骨に負荷をかけることで骨を強く保てるため、運動は骨粗鬆症の予防に効果がある。
☐ 32.大腿骨頸部骨折の予防として、骨粗鬆症の早期発見、転倒リスクの軽減、転倒しても骨折しづらい環境設定などがあげられる。ヒップ・プロテクターの使用は、転倒しても骨折しづらい環境をつくる一つの予防策である。
☐ 33.心筋梗塞は、冠動脈の動脈硬化病変の粥腫(アテローム)が破綻することにより血管を閉塞して、その結果心筋が壊死し、心臓のポンプ機能が低下する病態である。
☐ 34.狭心症の発作に対しては、労作性、異型のいずれもニトログリセリン製剤の舌下投与が効果的である。
☐ 35.喫煙は、心疾患のリスクを高める。心疾患の一つである心臓発作の改善可能な三大危険因子は、高血圧、喫煙、脂質異常症とされており、喫煙は心疾患のリスクを高める。
☐ 36.喫煙は、脂質異常症、高血圧症とともに虚血性心疾患のリスクファクターである。虚血性心疾患の一つである心臓発作の改善可能な三大危険因子は、高血圧、喫煙、脂質異常症とされており、喫煙は心疾患のリスクを高める。
☐ 37.心房細動は、加齢とともに頻度が高くなる不整脈である。高齢者の心房細動では心内血栓が形成されやすく、血栓がはがれて脳血管をふさぐこと(心原性脳塞栓)により、脳梗塞をきたすことが多い。
☐ 38.高齢者に多い肝不全の症状として、食欲不振、全身倦怠感、黄疸がみられることが多い。脳梗塞が進行すると、肝不全となり、食欲不振、全身倦怠感、黄疸などの症状が出現する。
☐ 39.高齢者に多い慢性腎不全では、全身倦怠感、動悸、頭痛、浮腫などの症状がみられることがある。慢性腎不全では、腎機能の低下に伴って、全身倦怠感、動悸、頭痛、浮腫などの症状が現れる。病状が進行すると、吐き気、だるさ、呼吸困難といった症状も現れることがある。
☐ 40.がんの発症頻度は、年齢とともに高くなる傾向にある。若年者と比較して質的に差はないとされているが、発症頻度は増加し、多発がんの頻度も上昇する。なお、近年は肺がん、大腸がんが増加傾向にある。
☐ 41.基本的には若年者と治療法は変わらないが、高齢者は身体機能の個人差が大きいため、侵襲性の高い治療を行う場合は慎重に選択する必要がある。
☐ 42.糖尿病は、膵臓で作られるインスリンの不足によるものである。
インスリンは、膵臓で作られる。ブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして利用するために必要不可欠なホルモンであり、糖尿病では、このインスリンのはたらきが不足するため、血液中に糖があふれ、慢性の高血糖状態となる。
☐ 43.インスリンの分泌は加齢とともに減少する。インスリンのはたらきが不足するため、血液中に糖があふれ、慢性の高血糖状態となり、糖尿病を発症する。
☐ 44.慢性閉塞性肺疾患(COPD)により呼吸機能が低下している場合でも、インフルエンザワクチンの接種は推奨される。
☐ 45.疥癬は、人から人へ感染するため、高齢者の施設などで集団感染する危険性がある。
☐ 46.薬疹は、体内に投与された薬剤へのアレルギーによる発疹で、異物に対する生体からの反応であり、長期間服用していた薬剤でも薬疹は生じる。
☐ 47.褥瘡の好発部位は、仙骨部、尾骨部、大転子部、踵部である。骨が突出しており、体圧がかかる部位にできやすい。
☐ 48.寝たきりで関節拘縮のある場合には、特定の部位に圧力が集中して褥瘡が生じやすいので、体圧分散寝具を使用するのがよい。
褥瘡の予防には、褥瘡の原因である外力を低下させることが最も有効であり、体圧分散寝具やクッションを使用して、栄養状態の改善や関節可動域を適正に保つことで多くの褥瘡が予防できる。
☐ 49.白癬は家族内でしばしば感染するため、爪白癬の人の爪を切った爪切りや、素足で履くスリッパ、風呂場の足拭きマットは共用しないことが必要である。
☐ 50.皮脂欠乏症では、皮脂を取り除きすぎないことが重要である。石けんは泡をつけたタオルや手で軽くこするようにし、ナイロンタオルやたわしなどは使用しないようにする。
☐ 51.脂漏性湿疹では、患部を清潔に保ち、生活リズムを整えることが悪化予防に必要である。治療としては、抗真菌薬外用、保湿剤外用、ビタミン薬の内服を行う。
☐ 52.急性緑内障発作は、原発閉塞隅角緑内障で引き起こされることがある。眼圧の急激な上昇により、症状として頭痛、悪心・嘔吐、眼痛、視力低下などを引き起こす。
2.医学的診断・予後予測・医療との連携
☐ 53.患者が医師から説明をきちんと受けた上で同意することをインフォームド・コンセントという。
インフォームド・コンセントは、患者が医師から説明をきちんと受けた上で、同意することをいう。診断後の治療においても、患者は自分の病気の内容を知り、それに対してどのような治療を受けるか、受けないかを自己決定する権利を有している。
☐ 54.インフォームド・コンセントは、患者が、医師の診断プロセスにおける検査や診断後の治療について説明を受け、生じる利益と不利益をしっかり理解したうえで、検査や治療を受けるか否かを決定する権利のことである。
☐ 55.ナラティブ・ベースド・メディスン(NBM)は、エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)の欠点を補完するために、個々の人間の感じ方や考え方に耳を傾けて自己決定を促す医療である。特に、治療法が確立されていない領域などにおいてNBMが重要な位置を占める。
☐ 56.エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)は、医師個人の経験だけに頼るのではない科学的な診断や治療を行うための、根拠(エビデンス)に基づいた医療をいう。
☐ 57.認知機能や理解力が低下している高齢者には、治療がどのようなものであるか、どのような努力や我慢が必要なのかなど、具体的に説明を補足して理解を助けることが望まれる。
☐ 58.予後とは、疾患が今後たどり得る経過のことをいう。
予後とは、疾患が今後たどり得る経過のことをいう。診断された疾患に基づき判断されるが、高齢者では一つの疾患のみではなく、同時に併せもつ疾患(併存症)の種類や重症度によっても変わる。
☐ 59.基本的に疾患の予後に関する情報は本人に説明されるべきものであるが、認知機能や理解力の低下、心理状態などを考慮し、家族の立ち合いを求めることも必要となる。
☐ 60.指定居宅介護支援事業者は、あらかじめ、利用者又はその家族に対し、入院する場合には、担当の介護支援専門員の氏名及び連絡先を入院先に伝えるよう求めなければならない。
指定居宅介護支援事業者は、入院時における医療機関との連携を促進する観点から、居宅介護支援の提供の開始にあたり、あらかじめ、利用者又はその家族に対して、入院時に担当の介護支援専門員の氏名及び連絡先を入院先の医療機関に伝えるよう求めなければならない。
☐ 61.入院時情報連携加算は、指定居宅介護支援事業所が、その利用者が入院した医療機関に対し、ファックス等で情報提供した場合でも算定することができる。
入院時情報連携加算(Ⅰ)は利用者が入院後3日以内、入院時情報連携加算(Ⅱ)は利用者が入院後4日以上7日以内に、病院又は診療所の職員に対して利用者の情報を提供することに対して算定できる。情報提供の方法は問わない。
☐ 62.認知症高齢者では、生活や療養の場所が変わることが心身の状況に悪影響を及ぼすおそれがある。認知症高齢者の場合、環境が変わることによって認知機能が悪化したり、廃用症候群や意欲低下などが進んだりする可能性を考慮しなければならない。
☐ 63.インスリンの自己注射の効果は、体調不良時(シックデイ)には、強く出ることもある。
☐ 64.インスリンの自己注射の効果は、利用者の体調不良時には注射剤の効果が強く出るといった、ふだんとは違う状況が考えられる。
☐ 65.悪性腫瘍の疼痛管理のための麻薬の投与経路には、経口(飲み薬、舌下錠・バッカル錠)、経皮(貼り薬)、経腸(座薬)、注射(多くは自動注入ポンプ)がある。
☐ 66.在宅での医療管理について:疼痛に対して麻薬を使用する際は、副作用の便秘に注意する必要がある。
麻薬の主な副作用としては、吐き気、嘔吐、眠気、便秘があり、まれにせん妄もある。麻薬の飲み間違いによって、副作用が出やすくなったり、痛みが出たりするので、正確に内服し、副作用が出ても早めの対応ができる体制をつくることが必要である。
☐ 67.シャントと呼ばれる、静脈と動脈を自己血管もしくは人工血管でつなぎ合わせた部位は、ぶつけたり、傷つけたりしないように扱う。シャントの圧迫を避けるため、シャント側の腕で血圧を計らないようにする。
☐ 68.自己腹膜灌流法(CAPD)による人工透析は、血液透析に比べて、通院回数が少なくて済む。また利用者の都合のよい時間に行うことができ、食事内容の制限が血液透析に比べて緩い。
☐ 69.腹膜透析のメリットとしては、利用者の都合のよい時間に行えること、食事内容の制限が血液透析に比べて緩いことなどがあげられる。
☐ 70.腹膜透析を実施している場合は、感染に注意が必要である。
腹膜透析の場合、カテーテルによる感染は、腹膜炎、出口部感染などがあり、難治化すると腹膜透析の中止を余儀なくされるため、腹膜透析治療の継続を左右する重大な合併症であるとともに、重篤な状態となることがある。
☐71.人工透析を受けている者は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い。
人工透析を受けている者は、水分や電解質バランスが崩れて体調を悪くしたり、心筋梗塞や脳卒中などにかかるリスクが高いので、透析を受けていない者に比べて注意を要する。
☐ 72.腹膜透析の管理は、医療的な作業を利用者や家族が行う。そのため、手技を習得しているか確認する。感染対策、カテーテル挿入部の処置の方法、緊急時の対応などの確認も重要である。
☐ 73.在宅中心静脈栄養法は、医療処置として栄養を補う方法である。
在宅中心静脈栄養法は、医療処置として栄養を補う方法の一つである。脳梗塞により飲み込む機能が障害され、飲み込むこと自体ができなくなったり、誤嚥のために安全に食事ができなくなったりした場合などに行われる。
☐ 74.在宅中心静脈栄養法では、長期にカテーテル(異物)が体内にあるため、細菌感染を引き起こすことがある。
☐ 75.在宅中心静脈栄養法を実施している利用者が入浴する場合は、特別な配慮が必要である。在宅中心静脈栄養法を行っていても入浴は可能であるが、特別な配慮が必要なので、医師、看護師、薬剤師と連携し、具体的な方法を確認しておく。
☐ 76.在宅中心静脈栄養法を行っていても、特別な配慮が必要であるが、入浴が可能である。
☐ 77.胃ろうがある場合でも入浴は可能である。その際、カテーテルをビ二一ルなどで保護する必要もない。入浴時には石けんできれいに洗い、入浴後は十分乾燥させる。
☐ 78.在宅経管栄養法で栄養剤を注入する際の体位は、座位又は半座位が望ましい。在宅経管栄養法で栄養剤を注入する際の体位は、胃から食道への逆流やそれに伴い起きる誤嚥を予防するため、座位又は半座位(上半身を30度以上起こす)が望ましい。
☐ 79.在宅経管栄養法のカテーテルは、経鼻胃管は1か月、バルーン型胃ろうでは1か月、バンパー型胃ろうでは6か月をめどに交換を行う必要がある。
☐ 80.気管切開をしている場合でも、スピーチカニューレの使用により発声は可能である。呼吸状態の改善が得られ、口腔内分泌物等の垂れ込み等の誤嚥の危険が下がれば、スピーチカニューレの使用により発声は可能である。
☐ 81.人工呼吸療法には2種類がある。気管の中に管を入れる侵襲的陽圧換気法と、マスクなどを装着する非侵襲的陽圧換気法がある。
☐ 82.気管切開を伴った人工呼吸療法では、気管切開部の管理が必要である。気管切開部は、気管切開部創の感染、膿瘍、気管壁壊死や潰瘍からの出血などの合併症、気管力ニューレ自然抜去を引き起こすことがあるため、定期的な管理が必要である。
☐ 83.人工呼吸器を使用する場合には、緊急時の対応方法や連絡先を確認しておく。人工呼吸器を使用する場合、確認しておく情報として、緊急時の対応方法や連絡先等がある。
☐ 84.在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。携帯用酸素ボンベは、外出時や災害時(停電時)に使用する。医師の指示により、酸素供給時間を延長する目的で呼吸同調器を使用することがある。
☐ 85.在宅酸素療法では、人気による引火事故を防ぐための注意事項として、厚生労働省通知などで火気を機器の周囲2m以内に近づけないで使用するよう注意喚起されている。
☐ 86.在宅酸素療法は、病状が明確であれば、必ずしも入院しなくても導入できる。在宅酸素療法導入時には、病状の再評価を行い、酸素吸入量を決定することが望ましい。
☐ 87.在宅酸素療法の利用者が呼吸苦を訴えた場合、医師の指示を超えて酸素流量を増やすことは、呼吸中枢を抑制して意識障害を引き起こす危険があるため、医師の指示を仰ぐ必要がある。
☐ 88.在宅酸素療法を受けている利用者が息苦しさを訴えた場合、医師の指示を超えて酸素流量を増やすことは、呼吸中枢を抑制して意識障害を引き起こす危険があるため、医師の指示を仰ぐ必要がある。
☐ 89.在宅酸素療法で酸素濃縮器等を使用している場合は、停電に備えて定期的にバッテリーの充電状態を確認する。
☐ 90.酸素マスクによる在宅酸素療法は、鼻力ニューレで効果が不十分な場合に使用する。食事や会話がしやすいのは鼻力ニューレである。
☐ 91.ストーマとは、消化管や尿路の障害によって、肛門や膀胱を通じた通常の排泄ができなくなったときに、排泄のルートを人工的に造設した便や尿の排泄口のことをいう。
☐ 92.ストーマには、消化管ストーマと尿路ストーマがある。
消化管ストーマは、大腸がんなどの腫瘍により腸管が閉塞し肛門を通じた排泄ができない場合や、潰瘍性大腸炎やがんなどの治療のために、肛門近くの大腸を切除した場合などに造られる。尿路ストーマは、膀胱がんや前立腺がんなどの腫瘍性疾患で尿路の変更が必要になった場合や、脊髄損傷などによる神経因性膀胱機能不全などの場合に造設される。
☐ 93.吸引器は、医療機器に該当し、介護保険の対象とならないため、自費でレンタル又は購入する必要がある。身体障害者手帳の交付などを受けていると、吸引器の購入の際に市町村の日常生活用具給付等事業により給付が受けられることがあるが、市町村に確認が必要である。
☐ 94.以前は膀胱洗浄は尿路感染予防を目的として行われていたが、膀胱洗浄が細菌を減少させるというエビデンスがないとされることから、現在は尿路感染予防を目的とした膀胱洗浄は推奨されていない。
☐ 95.ネブライザーで吸入薬を用いる際に悪心・頭痛・呼吸困難が生じたときは、すぐ吸入を中止する。超音波ネブライザーでは多量のエアロゾルを吸入することによる呼吸困難に注意する。使用している薬剤の副作用と思われる症状がみられる場合は、吸入を中止して医療者に報告する。
☐ 96.在宅自己導尿は、膀胱内にカテーテルを留置する(バルーンカテーテル)よりも感染リスクは低く、蓄尿バッグを必要としないというメリットがある。
☐ 97.人工呼吸器を装着している場合には、パルスオキシメーターによって酸素飽和度を測定する。気管切開をしている場合や人工呼吸器を装着している場合には、呼吸の苦しさを訴えることができないため、パルスオキシメーターによって酸素飽和度を測定する。
3.バイタルサインと検査
☐ 98.著しくやせた高齢者では、腋窩部で体温計を密着させることが困難で、体温が正確に測れないことがある。
☐ 99.バイタルサインは、生命の維持にかかわる最も基本的な情報であり、医療では一般的に体温、脈拍、血圧、意識レベル、呼吸の状態を判断材料としている。
☐ 100.意識レベルはバイタルサインの一つであり、日本の医療現場ではジャパン・コーマ・スケール(JCS)が使われている。
☐ 101.高齢者では体温調節が適切にはたらかず、感染症にかかっても発熱しない場合がある。発熱の程度と疾患の重症度は必ずしも関連しない。また、高齢者は基礎代謝が低下し、体温も一般成人よりも低くなり、日内変動や個人差が大きいので注意が必要である。
☐ 102.間欠熱では、急激な発熱と解熱を繰り返す。 解熱せずに持続する発熱を稽留熱という。
☐ 103.脱水では、頻脈がみられる。
徐脈は脳出血による頭蓋内圧亢進に伴う迷走神経刺激、ジギタリス剤などの副作用、甲状腺機能低下症、洞不全症候群、房室ブロックなど心臓の刺激伝達系の異常でみられる。
☐ 104.大動脈疾患や進行した動脈硬化の場合は、左右の上肢で血圧に差がみられることがある。大動脈疾患、片麻痺や進行した動脈硬化の場合は、血圧に左右差がみられることがあり、左右での血圧測定が必要である。
☐ 105.脈の結滞(拍動が欠けること)は、健常高齢者でもよくみられる。
不整脈は、脈拍の結滞(拍動が欠けること)やリズムの乱れとして知ることができる。健常高齢者でもよくみられるが、頻度が高くなければ問題にならない。
☐ 106.大動脈疾患の患者の血圧測定は、左右両方の腕で行う。
大動脈疾患、片麻痺や進行した動脈硬化の場合は、血圧に左右差がみられることがあり、左右での血圧測定が必要である。
☐ 107.心房細動では、心房の正常な収縮と拡張ができなくなる。
心房細動は高齢者に多くみられる不整脈で、心房全体が小刻みにふるえ、心房の正しい収縮と拡張ができなくなる。
☐ 108.ジャパン・コーマ・スケール(JCS)では、数値が大きいほど意識レベルが低い。
ジャパン・コーマ・スケール(JCS)は、覚醒の程度によって意識レベルを3段階に分類したもので、分類の仕方から3-3-9度方式とも呼ばれる。数値が大きくなるほど意識障害が重いこと(意識レベルが低いこと)を示している。
☐ 109.飲酒は、起立性低血圧の原因となる。
起立性低血圧は、臥位や座位から急に立ち上がったときに起こる血圧の低下であり、パーキンソン病などでみられるが、降圧薬や利尿薬、抗うつ薬、血管拡張薬などの薬剤や飲酒なども原因となる。
☐ 110.バイタルサインについて:降圧剤によって起立性低血圧を起こすことがある。起立性低血圧は、降圧剤や利尿薬、抗うつ薬、血管拡張薬などの薬剤や飲酒なども原因となる。
☐ 111.1回換気量は、平時の呼吸における1回の換気量であり、高齢者も一般成人と比べ変わりはない。高齢者では肺から空気を吐き出したときに肺に残っている空気の量である残気量が増えるため肺活量は低下する。
☐ 112.頻呼吸は、発熱や心不全でもみられる。
頻呼吸とは、呼吸が1分間に25回以上行われる状況をいう。頻呼吸の原因として、発熱、心不全、呼吸器疾患、緊張、興奮、痛み刺激などがある。
☐ 113.呼吸数は、聴診器がなくても、胸郭の動きを観察することにより測定できる。呼吸数は正常の高齢者で1分間に15~20回である。
☐ 114.パルスオキシメータは、手足の指先に光センサーを装着し、血液中にどの程度酸素が含まれているか(酸素飽和度:spO2)を測定する。指先から血液を針で採取するのは血糖値の測定である。
☐ 115.起座呼吸とは、呼吸困難が臥位で増強し、起座位又は半座位となると軽減するという呼吸状態を指す。左心不全の主要徴候といわれており、心疾患のみならず、気管支喘息や肺炎、気管支炎などの呼吸器疾患でもみられる。
☐ 116.口すぼめ呼吸で息を吐くと、気管支内の圧力が高くなり、気管支の閉塞を防ぐ。
すぼめ呼吸は、慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者でよくみられる呼吸で、口をすぼめて息を吐くと気管支内の圧力が高くなって、気管支の閉塞を防ぐことができ、呼吸が楽になる。
☐ 117.下顎呼吸は、努力呼吸(安静時の呼吸では使用されない呼吸筋も用いて行う呼吸)の一つで、呼吸のたびに顎であえぐような呼吸である。ターミナル期によくみられる。
☐ 118.チェーンストークス呼吸では、小さい呼吸から徐々に大きい呼吸となり、その後徐々に小さい呼吸となって、一時的な呼吸停止を伴う呼吸状態を繰り返す。
チェーンストークス呼吸とは、小さい呼吸から徐々に大きな呼吸となった後、しだいに呼吸が小さくなリ一時的に呼吸停止となるような呼吸を30秒から2分くらいの周期で繰り返す呼吸である。脳血管障害などで中枢神経系が障害された場合や、重篤な心不全など重症の疾患時にみられる。
☐ 119.高齢になると脊椎圧迫骨折などによる脊椎の変形(円背)や膝などの関節が十分に伸びなくなり、その結果、身長の測定値は見かけ上、低下する。このため、BMI(Body Mass lndex)は本来の値より大きくなる。
☐ 120.脊椎の圧迫骨折で身長が低くなると、BMI (Body Mass lndex)は、骨折前と比較して高くなる。
☐ 121.日本肥満学会が定めるBMI(Body Mass lndex)の基準値では、高齢者も一般成人と同様に18.5未満が低体重、25以上が肥満とされる。
☐ 122.血中尿素窒素(BUN)は、腎機能の程度を示すものである。悪くなると高値になる。
☐ 123.腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合は、メタボリックシンドロームの診断において腹部型の肥満とされる。
☐ 124.腹囲は、メタボリックシンドロームの診断に使われる。腹囲は、メタボリックシンドロームの診断に使われ、男性で85cm以上、女性で90cm以上が腹部型の肥満とされる。
☐ 125.血清グロブリンは、肝機能の状態をみる。
☐ 126.血清アルブミン値は、高齢者の長期にわたる栄養状態をみるための指標として最も有用なものである。
☐ 127.血中尿素窒素(BUN)は、腎機能の指標となる。血中尿素窒素(BUN)は、腎機能が悪くなると高値になる。さらに、BUNとクレアチニン比率(BUN / Cr比)は、脱水の診断の指標としても重要である。
☐ 128.肝・胆道疾患の指標となるAST(GOT)は、肝臓以外に心臓、筋肉などの疾患や溶血性疾患で上昇することがある。
☐ 129.ヘモグロビンA1cは、糖がヘモグロビンと結合している割合を示し、過去1~2か月の平均的な血糖レベルを反映している。
☐ 130.白血球数は、細菌感染や炎症で高値になる。
☐ 131.24時間心電図(ホルター心電図)検査は、いつもと同じ日常生活における心電図を記録するため、特に入院する必要はない。
☐ 132.24時間心電図(ホルター心電図)検査は、いつもと同じ日常生活における心電図を記録するため、特に安静にする必要はない。
☐ 133.24時間心電図(ホルター心電図)検査は、不整脈がある場合や狭心症が疑われる場合に行われる。
24時間心電図(ホルター心電図)検査は、不整脈や狭心症が疑われる場合、いつもと同じ日常生活における心電図を記録する。おおむね24時間の記録を行い、動悸、息切れ、胸の痛みなどの症状があるときの心電図の状態を確認したりすることを目的に行う。
☐ 134.CRP(C反応性たんぱく質)は、感染症などの炎症性疾患における炎症の程度を判定する検査で、発症12時間後以降にCRPの上昇がみられる。
☐ 135.CRP(C反応性たんぱく質)は、感染症などの炎症性疾患における炎症の程度を判定する検査で、感染症だと高値になる。感染症以外に悪性腫瘍、膠原病、梗塞、組織崩壊などでも高値になる。
☐ 136.ノロウイルス感染症では、下痢等の症状がなくなっても、通常では1週間~1か月程度、ウイルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後も、便の処理には十分注意することが必要である。
4.急変時の対応
☐ 137.一次救命処置とは、急に異常を起こして倒れたりした人に対して、その場に居合わせた人が、救急隊や医師に引き継ぐまでの間に行う応急手当のことである。
☐ 138.喀痰吸引は医行為に該当するが、2011(平成23)年に社会福祉士及び介護福祉士法が一部改正され、2012(平成24)年度から一定の研修を受けた介護職員等が、一定の条件のもとで行えるようになった。
☐ 139.高齢者によくみられる疾患には、日常の生活機能に障害を引き起こすものが多くある。例えば、骨粗鬆症による骨折や変形性膝関節症は歩行機能に障害を与えたり、脳卒中による構音障害はコミュニケーション機能に障害を与えたりする。
☐ 140.高齢者は、加齢による生体機能の低下や、多くの種類の薬剤を服用していることなどから、薬剤の副作用が出やすい。高齢者の日常生活に影響する疾患や薬剤について、ふだんから把握しておくことが重要である。
☐ 141.自治体によっては、救急車を呼ぶべきかどうかの相談に対応する窓口がある。
救急受診すべきかどうか迷うようなときには、一般救急相談センター、救急安心センター、救急医療情報センターなどと呼ばれる自治体が設置しているセンターに電話で相談することができる。
☐ 142.高齢者は夜間の排尿行動や不穏状態、内服している薬剤等により転倒する危険が高い。
☐ 143.転倒を防ぐために総合的なアセスメントが必要となる。転倒予防として、骨折の原因となる骨粗鬆症の早期発見と早期治療、転倒リスクの軽減、転倒しても骨折しづらい環境設定などが重要である。
☐ 144.高齢者の転倒について:高齢の女性は、骨粗鬆症が多いので、転倒により骨折を起こしやすい。
骨粗鬆症は高齢の女性に多く、転倒による骨折の危険因子である。骨粗鬆症の要因として、女性は閉経後の女性ホルモンの低下、カルシウム摂取不足、偏食、運動不足、日光浴不足などがあげられる。
☐ 145.転倒により頭部を強く打った場合には、数日経過観察する。
☐ 146.高齢者の転倒について、転倒を繰り返す介護施設入所者について、向精神薬などの薬物を用いて動けないように行動を制限することは、身体的虐待となる。
☐ 147.激しく出血している場合や清潔な布がない場合は、出血部位よりも心臓に近い側を圧迫し止血する。
☐ 148.出血量が多い場合や清潔な布がない場合には、出血部位よりも心臓に近い側を圧迫し、出血部位を心臓より高くする。
☐ 149.高齢者が、両手足に力が入らない、しびれがある、首の後ろに触れると痛がる場合には頸椎損傷の可能性がある。動かすと損傷が悪化するので、極力動かさないようにする。
☐ 150.誤嚥による呼吸困難では、誤嚥による呼吸困難では、「喉に手を当てる」「手足をバタバタさせる」などの窒息のサインや、酸欠のためチアノーゼで唇が紫色になっているなどの症状が出現する。
☐ 151.高齢者が、食物で窒息したときは、腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行うこともある。背部叩打法を数回繰り返しても排出できない場合や、流動物による誤嚥腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行う。
☐ 152.洗剤や漂白剤は、酸性やアルカリ性が強い場合もあり危険である。水を飲ませたり吐かせたりすると、飲み込んだ刺激性の洗剤や漂白剤漂が気管に入って、窒息や誤嚥性肺炎を起こす可能性があるため、無理に吐かせることはせず、ただちに医療機関を受診する。
☐ 153.衣服の下をやけどしている場合には、皮膚が衣服に貼りついていることがあるため、脱がさず衣服の上から流水を当てて冷やす。
☐ 154.高齢者が、衣服の下をやけどしている場合には、皮膚が衣服に張りついていることがあるので、脱がさず衣服の上から流水を当てて冷やす。
☐ 155.心肺蘇生時の胸骨圧迫は、仰臥位で行う。呼吸が停止しているときは、仰臥位(仰向け)で胸骨圧迫を行う。胸が5cmくらい沈み込むように垂直に強く圧迫を行い、1分間に100~120回繰り返す。
☐ 156.ジャパン・コーマ・スケール(JCS)では、数字が大きいほど意識障害が重度である。覚醒度により3段階に分けられ、それぞれ3段階あることから3-3-9度方式とも呼ばれる。
☐ 157.高齢者では肺炎などの感染症が急激に進行し、全身状態が悪化するため、発熱などがみられた場合には、早めに医療機関にかかる必要がある。解熱剤には血圧低下や出血、腎障害、消化性潰瘍などの副作用があるため、医師の指示のもとで使用する。
☐ 158.心筋梗塞による痛みは、胸痛だけでなく、腹痛のこともある。心筋梗塞による痛みは、胸痛だけでなく腕や肩、背中、みぞおち、腹部に放散することもある。高齢者では胸痛がない場合もあり、冷や汗や吐き気、呼吸困難が主症状になることもある。
☐ 159.寝たきりの高齢者の場合、吐物が気管や肺に入り込み、誤嚥性肺炎や窒息になる可能性がある。吐き気があるときは身体を横向きし、吐物の誤嚥を防ぐ。
☐ 160.寝たきりの高齢者が嘔吐した場合には、側臥位をとらせた方が吐物で窒息するのを防ぎやすい。
寝たきりの高齢者の場合、吐物が気管や肺に入り込み、誤嚥性肺炎や窒息になる可能性がある。吐き気があるときは身体を横向きにし、吐物の誤嚥を防ぐ。また、固形物がつまった場合には、異物がより奥に入らないように側臥位にし、口を大きく開け異物を確認して、指を入れて取り出す。
☐ 161.心不全による呼吸困難は、座位をとらせることで軽減することがある。
心不全による呼吸困難は仰臥位ではなく、身体を起こして座った状態(起座位)にすることで、自覚症状や血行動態の改善が得られる。搬送時も仰臥位とせず、起座位が望ましい。
☐ 162.標準予防策(スタンダード・プリコーション)とは、感染症の有無にかかわらず、すべての人に実施する感染予防対策である。
☐ 163.感染症を予防するためには、感染源の排除、感染経路の遮断、宿主の抵抗力の向上が重要である。
感染成立の連鎖は病原体(細菌、ウイルス、寄生虫)、病原巣(感染している人、病原体で汚染された環境や機材、食品等)、排出門戸(病原体が排出される部位)、感染経路(病原体が宿主へ侵入する経路)、侵入門戸(病原体が感受性宿主に侵入する部位)、感受性宿主(感染を起こす可能性のある人:抵抗力が影響する)の連鎖がある。よって感染源の排除、感染経路の遮断、宿主の抵抗力の向上が重要である。
☐ 164.標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、すべての人の体液や排泄物等に感染性があると考えて取り扱うことである。
☐ 165.適切な手指衛生は感染対策の基本と考え、手袋を使用していても、流水と石けんによる手洗いと速乾性擦式手指消毒薬(アルコール製剤等)による手指消毒が重要である。
☐ 166.インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染である。飛沫感染は、咳、くしゃみ、会話などで飛散した飛沫粒子で伝播する。
☐ 167.結核、麻疹、帯状疱疹などの感染経路は、空気感染である。
☐ 168.疥癬、ノロウイルス感染症などの感染経路は、接触感染である。
☐ 169.インフルエンザ、風疹などの感染経路は、飛沫感染である。
☐ 170.腸管出血性大腸菌感染症の感染経路は、接触感染である。
☐ 171.流行性耳下腺炎の感染経路は、飛沫感染である。
☐ 172.ノロウイルス感染者の便や吐物には、大量のノロウイルスが排出される。感染者の便や吐物の処理は使い捨て手袋、マスク、ガウン又は工プロンを着用し、ケアが終了したら速やかに個人防護具を廃棄する。
☐ 173.ウイルス性肝炎は、血液を介して感染する。特にB型肝炎とC型肝炎及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、針刺しなどの鋭利な器具による受傷での感染を防ぐために、器具を安全に取り扱うように注意する。
☐ 174.肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌によって引き起こされる病気を予防するためのワクチンである。肺炎球菌ワクチンの接種で、すべての肺炎を予防できるわけではない。
☐ 175.肺炎球菌ワクチンは、2014(平成26)年10月1日から65歳以上の高齢者の定期接種ワクチンとなり、定期接種の機会は1回のみである。生年月日によって毎年定期接種対象者が異なる。
☐ 176.インフルエンザに罹患した者が職場に復帰する場合、治癒証明書を提出する法的な義務はない。労働安全衛生法等に規定はなく、出勤停止期間は事業所に確認する必要がある。
5.介護技術の展開
☐ 177.褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。圧迫された部位の皮膚が「発赤」「ただれ」「水疱」「傷」などになった状態のことである。
☐ 178.褥瘡は、さまざまな要因による活動性の低下と、病気や加齢による身体組織の耐久性の低下を要因とする。
☐ 179.褥瘡は、半座位や座位では、後頭部、肩甲骨部、肘関節部、仙骨部、殿部、踵骨部など体圧がかかる部分などにできやすい。
☐ 180.長時間、同一部位にかかる圧力を減少させるための体圧分散用具として、特殊ベッドやマットレスなどがあり、また、座位時にはクッション及び姿勢を整えるパッドなどがある。
☐ 181.褥瘡マネジメント加算は、医師、看護師、介護職員、介護支援専門員等が共同して褥瘡ケア計画を作成するなどの基準に適合している指定介護老人福祉施設において、継続的に入所者ごとの褥瘡管理をした場合に、3月に1回を限度として所定の単位数を加算できる。
☐ 182.摂食・嚥下プロセスは、① 先行期(認知期)、② 準備期、③ ロ腔期、④ 咽頭期、⑤ 食道期の五つの場面から成り立ち、先行期では、視覚、触覚、嗅覚の認知により、無条件反射で唾液が分泌される。
☐ 183.摂食・嚥下プロセスの咽頭期では、咽頭に食塊が入ると、気道が閉じられて食道に飲み込まれる。
☐ 184.先行期(認知期)とは、視覚や嗅覚で食べ物の形や量、質感、においなどを認識することにより、食べ方を判断したり、唾液や胃液の分泌を促したりする段階である。食べ物を咀嚼する段階は準備期である。
☐ 185.咽頭期では、食塊が咽頭まで達すると、喉頭蓋が下がり気管口を閉鎖し、気管へ食塊が入らないようにしている。咽頭期の障害では、咽頭に食塊が残りやすくなる。食塊の送り込みが遅れたり、胃から逆流したりしやすくなるのは、食道期の障害である。
☐ 186.食事の介護のアセスメントでは、摂食動作の確認をする。具体的には、箸やスプーンの使用、食器の種類(福祉用具)で、自力で食事が可能か(麻痺、拘縮による可動域制限はないか)、食べ残しはないか、食べることが遅いなどの理由で家族が食べさせたりして「できること」「意欲」を阻害していないかなどの確認をする。
☐ 187.食事は、生活に関連する「行為」ができるかどうかをアセスメントする項目のなかでも、非常に多くの概念を含む。そのため、アセスメントには、医師、看護師、歯科医師、歯科衛生士等、専門職が関わることが多くなる。
☐ 188.食事の介護のアセスメントには、福祉用具専門相談員が関わることもある。
筋力低下、上肢の麻痺、拘縮などがある利用者で食事摂取能力が低下している場合に、身体機能を補うために用いられる食事補助具などにはいろいろな種類がある。そのため福祉用具専門相談員等が関わる必要がある場合がある。
☐ 189.食事は一連の生活行為であるという視点が必要となるため、「献立を考える」ところから、「調理ができる」「食べることができる」「後片づけができる」などの確認が必要となる。
☐ 190.食事の介護のアセスメントでは、食欲がない場合には、疾患、痛み、口腔内の状態、服薬状況、認知症の有無、孤独感など原因を確認する。
☐ 191.食事の介護のアセスメントでは、利用者の普段の活動性や睡眠状況も確認する。食欲がない、食事内容が不適切といった課題では、食事のみならず、生活リズムや生活習慣が影響している場合があるため、確認が必要である。
☐ 192.腹圧性尿失禁は、膀胱を支えている骨盤底筋群の筋肉や、尿道括約筋が弱ってしまうことが原因で起こるため、骨盤底筋訓練が有効である。
☐ 193.便失禁は、蓄便障害、排便障害、環境障害によって起こる。すべて医学的治療を要するものではない。
☐ 194.機能性失禁はトイレが間に合わないことによる失禁で、排泄に関する一連の日常生活動作の問題点や環境の障害を見極めることが重要である。
☐ 195.ポータブルトイレについては、理学療法士等の多職種と連携し、日常生活動作に適合したものを選択する。
☐ 196.排便コントロールには、排便間隔を把握し、食生活や身体活動等を含めた生活リズムを整えることが大切である。
☐ 197.床に就いてもなかなか眠れないことを入眠困難という。
熟眠障害とは、睡眠時間は十分なのに、ぐっすり眠った感じが得られない、眠りが浅い状態のことをいう。睡眠時無呼吸症候群など、睡眠中に症状の現れる病気が関係していることもある。
☐ 198.眠りが浅く、すっきりと目覚められないことを熟眠障害という。早朝覚醒とは、朝早く目覚めてしまい、その後眠りたいのに眠れなくなってしまうことであり、高齢者によくみられる。
☐ 199.痛みやかゆみ、咳、呼吸困難、頻尿、ほてりなどがあると睡眠が障害される。かゆみがあると、入眠過程で末梢血管が拡張する際にかゆみが増悪するため、床についてもなかなか眠れない入眠困難が出現しやすい。
☐ 200.治療のための薬剤のなかには副作用として、昼間に傾眠傾向が生じるものや、夜間に興奮、覚醒作用を生じて不眠をもたらすものがある。
☐ 201.起床時の覚醒水準を高めるケアを行うことで、規則的な排便リズムヘの効果が期待できる。
覚醒水準とは、脳の活動状態を表しており、覚醒水準の高まりにより行動は活発となる。起床時に水分摂取し、洗顔を行うことで覚醒水準が高められ、規則的な排便リズムをつくり出す効果が期待できる。
☐ 202.高齢者では、特に疾患がなくても、気道の閉じるタイミングが遅れることで誤嚥が生じやすくなる。
疾患による口腔の動きの低下や麻痺等で誤嚥のリスクは高くなるが、高齢者では、特に疾患がなくても、気道の閉じるタイミングが遅れることで誤嚥が生じやすくなる。
☐ 203.口腔機能や口腔ケアについて:摂食・嚥下は、中枢神経と末梢神経により制御されている。摂食・嚥下の過程では、食物を摂取すると知覚神経(末梢神経)がその情報を中枢神経に送り出し、運動神経を介して咀嚼・嚥下にかかわる筋肉が動く。
☐ 204.嚥下反射により、食物が気道に入らないよう気管の入り口が閉鎖される。
嚥下反射とは、食物を嚥下したときに食物が気管に入らないよう、喉頭蓋が下がり気管口を閉鎖することである。
☐ 205.歯のかみ合わせは、咀嚼だけでなく、嚥下にも影響する。
正しい歯のかみ合わせは平衡感覚を保つことになり、また歯を食いしばることもできるため、瞬発力の発揮にもつながる。歯のかみ合わせは、咀嚼だけでなく、嚥下にも影響する。
☐ 206.食物残渣は、口臭の原因となる。
食物残渣や脱落した粘膜上皮細胞等が、口腔内の嫌気性細菌により分解される際に発生する揮発性硫黄化合物が口腔臭の原因となる。
☐ 207.歯の喪失は咀嚼能力の低下を招き、運動能力の低下にもつながる。
☐ 208.口の粘膜から脱落した上皮細胞がたまり、そこに細菌が付着し細胞を分解しながら揮発性硫黄化合物を産生することで、口臭の原因となる。
☐ 209.唾液腺を刺激することにより、唾液分泌が促される。
☐ 210.口腔ケアは、基本的に義歯は外して行う。食後は義歯を外して口腔内を清掃し、義歯はブラシを使用し流水で洗う。
☐ 211.摂食・嚥下リハビリテーションは、常に多職種が連携して行うことが基本である。主治医の診断に基づき指示が出され、主となる職種が具体的内容を決定し、それぞれの職種ができることを行う。
6.ターミナルケア
☐ 212.終末期であっても、身体機能の低下に着目したリハビリテーシ∃ンとしての介入、摂食嚥下リハビリテーシ∃ン等、医師・看護師だけでなく、さまざまな医療専門職と連携し、生活上の課題を踏まえたリハビリテーシ∃ンを実施する。
☐ 213.利用者が終末期に近づき不安定な病態にある場合、在宅医療の後方支援機能を担っている病院や緩和ケア病棟をもつ医療機関等に期間限定で入院させてもらったり、そこで看取ることも可能であることを伝えたりするなど、状況に応じた対応方法について説明しておくことは正しい。
☐ 214.終末期においては、嚥下機能、口腔内の自浄作用が低下しており、誤嚥性肺炎の予防のため、口腔内の保清や保湿が必要である。
☐ 215.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、人生の最終段階において自らが望む医療・ケアについて、医療・ケアチーム等と話し合い、共有するための取組をいう。
人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセスがアドバンス・ケア・プランニング(ACP)である。この概念を盛り込み、2018(平成30)年に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が改訂された。
☐ 216.人生の最終段階における医療・ケアにおいては、できる限り早期から肉体的な苦痛等の緩和を行うことが重要であり、緩和が十分行われたうえで、本人の意思を確認する必要がある。
☐ 217.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)では、本人、家族、医療・ケアチームの間で話合いを繰り返し行い、合意形成に努める。このプロセスにおいて、話し合った内容はその都度文書にまとめておく必要がある。
☐ 218.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)では、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされたうえで、合意形成に向けた十分な話合いを踏まえた本人による意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針の決定を行うべきである。医療・ケアチームの方針が優先されてはならない。
☐ 219.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)では、本人の意思は変化し得るものであることや、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、本人や家族等の信頼できる者を含めて話合いが繰り扱し行われることが重要である。
☐ 220.ターミナルケアで、リビングウィルとは、本人の意思が明確なうちに、医療やケアに関する選択を本人が表明しておくことをいう。
日頃は意識が清明で認知機能が正常であったとしても、急病のために意識障害に陥ってしまったとしたら、その時点でもはや意向を確認することができない場合もある。リビングウィルは、急病を生じる前にあらかじめ聴取しておく必要がある。
☐ 221.ターミナルケアでは、人生観や生命観、健康観などの類推に役立つ情報は意思決定支援の場面において貴重な情報となるため、関係者で共有すべきである。利用者が重篤な病態に陥った際などに、介護支援専門員や介護職が利用者の真の意向を代弁する役割が求められる。
☐ 222.ターミナルケアでは、重度の認知機能障害などを有する利用者の場合に、家族に加えて複数の医療・介護専門職が集まって方針を決める方法をコンセンサス・ベースド・アプローチという。
重度の認知機能障害などを有する利用者の場合、家族や第三者が単独で方針を決定することには倫理的葛藤を生じかねないことから、家族に加えてかかわっている複数の医療・介護専門職が集まって話し合いを行い、関係者の総意に基づいて方針をまとめ上げる手順が望まれる。この方法をコンセンサス・ベースド・アプローチと呼ぶ。
☐ 223.ターミナルケアでは、医学的観点だけに基づく診療方針の決定では、本人の意向に反する結果となるおそれがある。
高度に倫理的な判断は、医学的側面だけに基づく検討では不十分である。例えば、本人が施設入所を嫌がっていたという情報があるにもかかわらず、胃ろうを造設した結果、介護の手間が増力したことを理由に、最終的には施設入所を余儀なくされたというような例は、本人の尊厳を重視する立場からは避けるべき展開といえる。
☐ 224.ターミナルケアは、病院や自宅だけではなく、特定施設であるサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、軽費老人ホームなどにおいても提供できる。また認知症対応型共同生活介護、介護保険施設である介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設においても提供できる。
☐ 225.在宅では、臨終に際して家族のみで対応することもあり得るため、家族に対する看取りの準備教育として、身体の変化、緊急時の連絡方法、死亡確認の方法などが必要になる。
☐ 226.呼吸困難や落痛に対しては、投薬のほか、安楽な体位やマッサージなどで苦痛の緩和を図る。
息苦しさが楽になるような姿勢やベッドの角度調整など姿勢の工夫、環境整備やゆっくり背中をさすることで安心感を与えるなどのケアで苦痛の緩和を図る。
☐ 227.臨死期には、死前喘鳴がみられることがあるが、首を横に向ける姿勢の工夫で軽減することもある。
臨死期は唾液をうまく飲み込めなくなるため、死前喘鳴(喉元でゴロゴロと音がする状態)がみられることがある。本人は意識が低下していることから苦しさは感じにくい。首が横に向く姿勢だと、ゴロゴロという音が減ることがある。
☐ 228.臨死期には呼吸の際に胸部や腹部を動かす力が失われ、最終的には下顎呼吸になる。これは呼吸が止まる間際のもので、臨終が近いことを意味する。
☐ 229.診療中の患者が、診察後24時間以内に当該診療に関連した傷病で死亡した場合には、改めて診察をすることなく死亡診断書を交付することができる。
☐ 230.医師法第19条第2項の規定により、医師は死亡診断書を交付する。死亡時刻は、原則として死亡確認時刻ではなく、生物学的な死亡時刻(実際に亡くなった時刻)を記載する。
☐ 231.「医師」は、死亡診断書を交付することができる資格として正しい。
☐ 232.「歯科医師」は、死亡診断書を交付することができる資格として正しい。
☐ 233.死亡診断書を交付することができる資格は、医師及び歯科医師である。
☐ 234.在宅における家族に対する看取りの支援は、医師、看護師、介護支援専門員などが行う。
在宅における家族に対する看取りの支援は、医師、看護師、介護支援専門員などが行う。また、看取りケアにかかわった介護職の心を癒すために、かかわった関係者の間で話し合ったり、医師や看護師も交えて、ともに看取ったチームの一員として振り返りを行ったりする機会を設けるとよい。
7.認知症高齢者の介護
☐ 235.認知症の初期では、服薬管理などのIADLの障害がみられるが、進行すると整容・排泄などのADLの障害を引き起こす.。
☐ 236.自立支援医療は、障害者総合支援法により、対象となる医療費の自己負担額を軽減する公的な制度である。対象となる自立支援医療の種類は① 育成医療、② 更生医療、③ 精神通院医療であり、入院による精神医療は対象とならない。
☐ 237.せん妄は意識障害であり、認知症と区別する必要がある。
せん妄は意識障害であり、認知症と区別する必要がある。かつてはせん妄が認知症の周辺症状の一つとされていたが、認知症の行動・心理症状(BPSD)にはせん妄は含まれない。
☐ 238.うつ状態が続くと、認知症と診断されてしまうことがある。
うつ病を発症すると、気分が沈む、興味や喜びを感じない、趣味や好きなことが楽しめない、食欲が出ない、眠れない、体がだるいなどの症状が続き、記憶力が低下し、判断力が失われるために、認知症と診断されてしまうことがある。
☐ 239.抗精神病薬が過量だと、意欲や自発性などの低下(アパシー)をきたす場合がある。メマンチン(メマリー)や抗精神病薬が過量だとアパシーをきたす場合があり(過鎮静)、薬剤を減量すれば活動性が戻る。
☐ 240.質問式の評価として、医師や臨床心理士が行う検査である長谷川式認知症スケールが汎用されている。30点満点の20点以下で認知症を疑う。
☐ 241.認知症の質問式の評価として、医師や臨床心理士が行う検査であるMini-Mental State Examination(MMSE)が汎用されている。30点満点の23点以下で認知症を疑う。
☐ 242.2017(平成29)年に改訂された「レビー小体型認知症の診断基準」では、中核臨床像4項目として、① 症状の変動、② リアルな幻視、③ パーキンソニズム、④ レム睡眠行動障害が示されている。
☐ 243.レビー小体型認知症では、起立性低血圧(立ちくらみ)、血圧の変動、失神、便秘などの自律神経症状が高率にみられる。
☐ 244.中核症状とは、脳がダメージを受けたことに直接起因する症状である。記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、失行、失認、注意障害などがある。
☐ 245.BPSD(認知症の行動・心理症状)の悪化要因としては、薬剤、身体合併症、家族・介護環境があり、悪化要因で一番多いのは薬剤によるものである。
☐ 246.認知症治療薬には、錠剤以外にも経皮吸収型などがあり、経口内服が困難な高齢者でも使用が可能である。
認知症治療薬には、経皮吸収型(リバスチグミン)などがある。経皮吸収型(パッチ剤)は薬の服用が苦手な人、胃腸の弱い人、多くの薬を処方されている人など、その人の身体の状態や介護の環境に合わせて選ぶことができる。
☐ 247.パーソン・センタード・ケアは、認知症の高齢者を一人の「人」として尊重し、その人の視点や立場に立って理解しながらケアを行うという、認知症ケアにおける考え方の1つである。
☐ 248.認知症施策推進大綱では、認知症の人本人からの発信支援を推進するよう明記されている。「共生」と「予防」を基本的な考え方として五つの柱があり、その一つに普及啓発・本人発信支援がある。
☐ 249.措置入院は、2名以上の精神保健指定医の診察が一致するという厳格な要件が課されている。緊急措置入院の場合も主治の医師でなく精神保健指定医1名の診断が必要である。なお、入院期間は72時間に限ることとされている。
☐ 250.認知症初期集中支援チームは、複数の専門職が、家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行う。
☐ 251.認知症初期集中支援チームは、包括的支援事業(社会保障充実分)の認知症総合支援事業に位置づけられており、市町村が配置する。ただし、市町村は当該業務を認知症疾患医療センター、診療所、地域包括支援センター等に委託できる。
☐ 252.認知症初期集中支援チームの対象者は、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人で、医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者、サービスを受けているが認知症の行動・心理症状(BPSD)が顕著なため、対応に苦慮している者である。
☐ 253.認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者のなかには、認知症の臨床診断を受けていない者等に加え、医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状(BPSD)が顕著なため、対応に苦慮している者も含まれる。
☐ 254.認知症カフェは、主催者や開催頻度・場所、活動内容などがさまざまである。
☐ 255.若年性認知症支援コーディネーターは都道府県に配置されている。その役割には、市町村や関係機関とのネットワークの構築などがある。
8.介護医療院
☐ 256.介護医療院は、「要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者(その治療の必要の程度につき厚生労働省令で定めるものに限る)に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と定義されている。設問は介護老人保健施設の定義である。
☐ 257.介護医療院の入所対象者には、身体合併症を有する認知症高齢者も含まれる。
介護医療院の入所対象者には、病状が比較的安定期にあり、重篤な身体疾患を有する者、身体合併症を有する認知高齢者等であって、介護医療院において、療養上の管理、看護、医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療を要する要介護者が含まれる。
☐ 258.介護医療院は、要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者が利用できる。要支援者はサービスを受けることができない。
☐ 259.介護医療院は、医療法の医療提供施設に該当する。
☐ 260.介護医療院は、要介護1〜5の要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者が利用できる。
☐ 261.介護医療院は、長期にわたり療養が必要である者に対し、療養上の管理、看護、医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設である。
☐ 262.介護医療院は入所者に対して、生活の場の提供、日常的な療養上の管理、看護・介護、リハビリテーション、在宅復帰支援などに加えて、ターミナルケアなどのサービスを提供し、尊厳の保持を旨とする自立支援を行う。
☐ 263.介護医療院には、主として長期にわたり療養が必要である者であって、重篤な身体疾患を有する者、身体合併症を有する認知症高齢者等を入所させるⅠ型療養床と、それ以外の者を入所させるⅡ型療養床がある。
☐ 264.介護医療院には、主として長期にわたり療養が必要である者であって、重篤な身体疾患を有する者、身体合併症を有する認知症後期高齢者を入所させるⅠ型療養床と、それ以外の者を入所させるⅡ型療養床がある。
☐ 265.介護医療院の創設に伴って介護療養型医療施設が廃止されるのは、2024(令和6)年3月31日である。
☐ 266.介護医療院は、介護療養型医療施設が2024(令和6)年3月31日で廃止されることを考慮して、2017(平成29)年6月の介護保険法改正により創設された施設である。
☐ 267.介護医療院の医師の人員配置は、Ⅰ型入所者定員48人に対して常勤換算1人の医師、Ⅱ型入所者定員100人に対して常勤換算1人の医師が必要である。
☐ 268.介護医療院には、介護支援専門員を置かなければならない。介護支援専門員が施設サービス計画の作成に関する業務を担うことが義務づけられている。
☐ 269.介護医療院の施設基準において、入所者1人当たりの療養室の床面積は、8m2以上と定められている。
☐ 270.介護医療院の多床室の場合は、家具、パーテーション、カーテン等の組み合わせにより、室内を区分することで、入所者同士の視線等を遮断し、入所者のプライバシーを確保することとされている。ただし、カーテンのみで仕切られているに過ぎないような場合には、プライバシーの十分な確保とはいえないとされている。
☐ 271.介護医療院の施設基準において、療養室の定員は、4人以下と定められている。ただし、入所者のプライバシーの確保に配慮することが求められている。
☐ 272.介護医療院は、自ら必要な医療の提供が困難な場合は、協力病院その他の病院もしくは診療所への入院のための措置、又は往診や通院により他の医師の対診を求める等適切な措置を講じなければならない。
9.訪問看護
☐ 273.介護保険法による訪問看護は、要介護状態の悪化を予防するとともに、利用者の希望に応じて可能な限り在宅での生活を継続し、在宅療養者や障害者及びその家族の自立した生活と☐OLの向上を目的として提供されるサービスである。
☐ 274.介護保険法による訪問看護は、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によって提供される。
☐ 275.介護保険法による訪問看護は、原則として、健康保険法による訪問看護より優先的に適用される。
訪問看護は、原則として、介護保険が優先される。医療保険の給付は、末期の悪性腫瘍、神経難病など厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合、急性増悪や終末期など、主治医より特別訪問看護指示書が交付された場合、精神障害の場合である。
☐ 276介護保険による訪問看護利用者の疾患別分類では、循環器系の疾患(高血圧性疾患・虚血性心疾患・脳血管疾患等)が多く、次に筋骨格系及び結合組織の疾患となっている。
☐ 277.訪問看護の内容には、① 病状の観察と情報収集、② 療養上の世話、③ 診療の補助、④ 精神的支援、⑤ リハビリテーション、⑥ 家族支援、⑦ 療養指導、⑧ 在宅での看取りの支援がある。
☐ 278.介護保険法による訪問看護の内容は、療養上の世話又は必要な診療の補助である。
☐ 279.介護保険法の訪問看護の開始には、主治の医師が記載した訪問看護指示書が必要である。
☐ 280.真皮を越える褥瘡の患者は、医療保険による訪問看護を週4回以上受けることができる。
真皮を越える褥瘡の状態にある患者は特別訪問看護指示書での訪問を月2回(28日間)まで受けることができる。特別訪問看護指示書があるときは、週4回以上訪問看護を受けることができる。その際、訪問介護は介護保険からはずれ医療保険扱いとなる。
☐ 281.病状が悪化するなど急性増悪のときは、特別訪問看護指示書が訪問看護事業所に対して交付される。特別訪問看護指示書があるときは、14日間に限り毎日、訪問看護を提供することができる。
☐ 282.訪問看護事業を行う事業所には、指定訪問看護ステーションと、病院又は診療所から訪問看護を提供する指定訪問看護事業所の2種類がある。
☐ 283.訪問看護の根拠法は、高齢者の医療の確保に関する法律、健康保険法及び介護保険法である。
☐ 284.訪問看護事業のうち指定訪問看護ステーションについては、運営基準において、看護職員を常勤換算で2.5人以上(1人は常勤)置かなければならないと定められている。
☐ 285.指定訪問看護事業者は、訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない。また、主治の医師に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を提出しなければならない。
☐ 286.利用者が短期入所療養介護を利用している場合には、訪問看護費は算定できない。
訪問看護費が同時に算定できない居宅サービスは、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、看護小規模多機能型居宅介護である。
☐ 287.訪問看護について:利用者又は家族から電話等で看護に関する意見を求められた場合に常時連絡できる体制にあり、かつ、計画にない緊急時の訪問を必要に応じて行う体制にある場合には、緊急時訪問看護加算が算定できる。
緊急時訪問看護加算は、利用者又は家族から電話等で看護に関する意見を求められた場合に常時連絡できる体制にあり、かつ、計画にない緊急時の訪問を必要に応じて行う体制にある場合に、1か月につき所定の単位数を加算できる。
10.看護小規模多機能型居宅介護
☐ 288.看護小規模多機能型居宅介護の開設に当たっては、地域密着型サービスに位置づけられるため、市町村に対して事業所の指定申請を行う。
☐ 289.看護小規模多機能型居宅介護は、居宅要介護者に訪問看護及び小規模多機能型居宅介護を組み合わせて、通い、訪問(介護・看護)、宿泊サービスを一体的に提供するサービスである。
☐ 290.看護小規模多機能型居宅介護は、医療二ーズの高い高齢者の利用が想定されているので、要支援者は利用できない。
看護小規模多機能型居宅介護の対象者は、要介護者である。利用者は、要介護度が高いことに加え医療ニーズも高いことから、介護だけでなく看護など医療に関するサービスの必要性も高い状態にある。
☐ 291.看護小規模多機能型居宅介護の目的には、可能な限り住み慣れた居宅で能力に応じ自立した日常生活を継続することがある。そのために通いサービス、訪問サービス、宿泊サービスを組み合わせてサービスを提供する。
☐ 292.指定看護小規模多機能型居宅介護事業所の管理者は、事業所などで3年以上認知症ケアに従事した経験があり、厚生労働大臣が定める研修修了者又は保健師、看護師で、常勤専従と定められている。
☐ 293.指定看護小規模多機能型居宅介護事業所には、専従(利用者の処遇に支障がない場合は他の職務と兼務可)の介護支援専門員を配置しなければならない。
☐ 294.看護小規模多機能型居宅介護の管理者としての要件は、事業所などで3年以上認知症ケアに従事した経験があり、厚生労働大臣が定める研修修了者又は保健師、看護師であるため、研修修了者に限定されていない。
☐ 295.指定看護小規模多機能型居宅介護の事業所の登録定員は、29人以下である。
指定看護小規模多機能型居宅介護の登録定員は29人以下である。通いサービスの利用定員は登録定員の2分の1から15人までと定められている。ただし一定の要件を満たす場合は18人とすることができる。宿泊サービスの利用定員は通いサービスの利用定員の3分の1から9人までと定められている。
☐ 296.指定看護小規模多機能型居宅介護は、主治の医師の指示に基づいて看護サービスが提供されるよう、必要な管理を行う。複数の医師から指示を受けなければならないという規定はない。
☐ 297.指定看護小規模多機能型居宅介護事業者は、看護サービスの提供の開始に際し、主治の医師の指示を文書で受けなければならない。
☐ 298.看護小規模多機能型居宅介護計画の作成に当たっては、地域の特性や利用者の生活環境に応じたレクリエーション、行事、園芸、農作業など、利用者の趣味又は嗜好に応じた活動が確保されるよう努めなければならない。
☐ 299.指定看護小規模多機能型居宅介護事業者は、主治の医師に看護小規模多機能型居宅介護計画及び看護小規模多機能型居宅介護報告書を提出し、主治の医師との密接な連携を図らなければならない。
☐ 300.指定看護小規模多機能型居宅介護は通いサービス、訪問サービス、宿泊サービスを組み合わせてサービスを提供する。このサービスを受けている間は、訪問リハビリテーション費、居宅療養管理指導費、福祉用具貸与費以外の算定はできない。
☐ 301.看護小規模多機能型居宅介護を受けている間でも、訪問リハビリテーション費、居宅療養管理指導費、福祉用具貸与費は算定できる。ただし、それ以外の指定居宅サービスならびに指定密着型サービスにかかる費用は算定できない。
☐ 302.看護小規模多機能型居宅介護について:登録者の居宅における生活を継続するための指定看護小規模多機能型居宅介護の提供体制を強化した場合は、訪問体制強化加算として所定単位を加算できる。
11.栄養・食生活からの支援と介護
☐ 303.摂食・嚥下機能に合わない食事形態での食事の提供は、誤嚥や窒息を招くことがある。
摂食・嚥下機能に合わない食事形態での食事の提供は、誤嚥や窒息を招く場合があるので注意が必要である。パラパラ、パサパサした食品などはむせやすく、繊維の固い食品や弾力性のある食品は食べにくくなる。
☐ 304.高齢者の低栄養状態を改善するには、水分を多く摂取することが重要である。
高齢者は日常的な食事摂取量が低下して低栄養状態になりやすいため、水分を多く摂取するだけでなく、エネルギーやたんぱく質を十分に摂取することが重要である。エネルギーやたんぱく質の多いアイスクリームや牛乳、チーズ等を、利用者が食べたいときに少しずつ食べられるように配慮する。
☐ 305.高齢者の低栄養状態に関する要因の一つに加齢の関与があり、嗅覚や味覚の障害、食欲低下がある。
☐ 306.栄養素の摂取不足によって、メタボリックシンドロームが引き起こされる。
メタボリックシンドロームは、栄養素の過剰、栄養素の不適切な摂取、あるいは運動・活動量不足によって引き起こされる過栄養の代表である。
☐ 307.認知症の高齢者への食事摂取の促しとしては、声かけ、見守りなども重要である。
食事支援の目的は、主に食事摂取の促しと安全面の配慮であり、声かけや見守り、ボディタッチといった直接的なはたらきかけが重要である。
☐ 308.介護保険の施設サービスにおける栄養マネジメント加算は、管理栄養士が継続的に入所者ごとに栄養管理をした場合に算定できる。
栄養マネジメント加算は、常勤の管理栄養士を1名以上配置し、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員等の専門職が共同して栄養ケア計画を作成するなどして、継続的に入所者ごとに栄養管理をした場合に、1日につき所定の単位数を算定できる。
☐ 309.介護保険施設の施設サービス費における栄養マネジメント加算の算定の要件としては、常勤の管理栄養士を1名以上配置しなければならない。
☐ 310.栄養スクリーニングを踏まえ、入所者ごとの解決すべき課題を把握することを、栄養アセスメントという。
☐ 311.栄養アセスメントを踏まえ、施設長の管理のもと、医師、管理栄養士、歯科医師、看護職員、介護支援専門員等の専門職が共同して栄養ケア計画を作成する。
☐ 312.モニタリングは、栄養ケア計画に基づいて、低栄養状態のリスクが低い者はおおむね3月ごと、低栄養状態のリスクが高い者及び栄養補給方法の必要性がある者の場合には、おおむね2週間ごと等適宜行う。ただし低栄養状態のリスクが低い者も含め、体重は1月ごとに測定する。
☐ 313.介護保険施設の施設サービス費における栄養マネジメント加算では、管理栄養士は、関連職種と共同して食事摂取状況や食事に関するインシデント・アクシデントの事例等の把握を行う。
☐ 314.介護保険施設では、入所者全員について栄養ケア計画の作成は義務付けられていない。ただし、栄養マネジメント加算を算定する場合は、栄養ケア計画を作成することが要件となっている。
☐ 315.栄養マネジメント加算の算定の要件として、栄養に関するスクリーニング、アセスメント、栄養ケア計画の作成、モニタリングを行うことなどがある。
☐ 316.栄養マネジメント加算は施設サービスが対象である。入所者に対し、栄養ケア計画を作成するなどして、継続的に入所者ごとの栄養管理をした場合に算定できる。
☐ 317.経口維持加算は、現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害があり、誤嚥が認められる入所者に対し、医師等の専門職が共同し、入所者の栄養管理をするための食事の観察及び会議等を行い、入所者ごとに経口維持計画を作成して栄養管理を行った場合に算定できる。
12.介護老人保健施設
☐ 318.介護老人保健施設は、「要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者(その治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める者に限る)に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と定義されている。
☐ 319.介護老人保健施設には、100床程度の定員の施設と、それ以外にサテライト型小規模介護老人保健施設、医療機関併設型小規模介護老人保健施設、分館型介護老人保健施設、介護療養型老人保健施設がある。
☐ 320.介護老人保健施設は介護老人福祉施設や介護療養型医療施設に比べ、要介護4、5の利用者が少ないため、平均要介護度が低く、各要介護度の利用者がある程度平均的に分布している。
☐ 321.終末期を介護老人保健施設で過ごす利用者が増えていることが、近年の傾向である。
☐ 322.介護老人保健施設では、入所者の心身の諸機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、リハビリテーションを計画的に行わなければならない。
介護老人保健施設では、体力や基本動作能力の獲得、活動や参加の促進、家庭環境の調整など生活機能向上を目的に、集中的な維持期リハビリテーションを行う。
☐ 323.介護老人保健施設では、人員に関する基準には、医療分野から介護分野まで幅広い職種が含まれている。
介護老人保健施設には、医師、薬剤師、看護職員、介護職員、支援相談員、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士、栄養士、介護支援専門員、調理員、事務員などの幅広い職種が配置されている。近年では歯科衛生士、音楽療法士といった職種を独自に配置する施設もある。
☐ 324.介護保険施設で、施設サービスの提供により事故が発生した場合には、速やかに市町村、家族等に連絡するとともに、必要な措置を講じなければならない。
☐ 325.介護老人保健施設では、感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会のおおむね三月に1回以上の開催、指針の整備、定期的な研修の実施などが義務づけられている。
☐ 326.介護老人保健施設では、感染症又は食中毒の予防のため、その対策を検討する委員会をおおむね三月に1回以上開催しなければならない。
介護老人保健施設では、感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会のおおむね三月に1回以上の開催、指針の整備、定期的な研修の実施などが義務づけられている。
☐ 327.介護老人保健施設は、非常災害に関する具体的計画を立てなければならない。
介護老人保健施設は、非常災害に関する具体的計画を立てなければならない。また、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
☐ 328.介護老人保健施設は、入所者の病状の急変や入院に備えるため、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。さらに、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。
☐ 329.介護老人保健施設は、入所者が正当な理由なしに介護保健施設サービスの利用に関する指示に従わず、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき、不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたときは、市町村に通知しなければならない。
☐ 330.介護老人保健施設では、従来型の多床室の場合、在宅強化型、基本型、その他の3種類の基本報酬が設定されている。
☐ 331.介護老人保健施設における緊急時施設療養費は、入所者の病状が著しく変化した場合に緊急その他やむを得ない事情により行われる医療行為(緊急時治療管理、特定治療)について算定できる。
13.精神に障害のある場合の介護
☐ 332.老年期うつ病では、特に心気的な訴えが多くなり、めまい、しびれ、排尿障害、便秘などの自律神経症状が目立つ。
☐ 333.老年期うつ病では、気分の落ち込みよりも、不安、緊張、焦燥が目立つ。
☐ 334.老年期うつ病では、特に心気的な訴えが多くなり、めまい、しびれ、排尿障害、便秘などの自律神経症状が目立つ。
☐ 335.老年期うつ病は、女性ホルモン・脳内神経伝達物質の異常、脳の血流障害など、脳の器質的疾患も原因となる。
☐ 336.老年期うつ病は、喪失体験、身体疾患、孤独、病前の性格なども発症のきっかけとなる。
☐ 337.老年期うつ病がひどくなると、自分が罪を犯した、警察に捕まるという妄想(罪業妄想)や、お金がなくなり生活ができないという妄想(貧困妄想)、不治の病にかかったという内容の妄想(心気妄想)をもち、自死を図ることがある。
☐ 338.老年期うつ病がひどくなると、自分が罪を犯した、警察に捕まるという妄想(罪業妄想)や、お金がなくなり生活ができないという妄想(貧困妄想)、不治の病にかかったという内容の妄想(心気妄想)をもち、自殺企図の危険性が高くなる。
☐ 339.老年期うつ病は、長引き、治りにくいという特徴があり、一部は、認知症を合併することがある。
☐ 340.老年期の統合失調症の症状の再発は、配偶者や近親者の死、生活環境の変化が要因となることがある。
☐ 341.高齢者にみられる人格と感情反応がよく保たれ、体系化された妄想を遅発パラフレニーと呼ぶ。遅発パラフレニーは老年期の妄想性障害の代表的な疾患とされている。
☐ 342.老年期のアルコール依存症では、① 離脱症状が遷延しやすい、② 糖尿病、高血圧などの身体合併症が高率に出現する、③ 認知症やうつ病を合併する割合が高いという特徴がある。
☐ 343.老年発症型のアルコール依存症では、家族歴や遺伝要因はなく、身体的老化と喪失体験や社会的孤立などの環境変化によって発症する。
☐ 344.老年期のアルコール依存症では、離脱症状が遷延しやすいという特徴がある。
14.高齢者の心身機能の特徴
☐ 345.老年症候群では、高齢期において生活機能の低下がみられる。
老年症候群とは、高齢者に多くみられ、高齢者の生活機能を低下させ、さらにADLを低下させる症状・病態を指す。原因がはっきりしており、その病態が解明されている「疾患」とは異なり、老年症候群の原因は多様で、はっきりしない場合が多くある。
☐ 346.高齢者では、身体的な衰えや機能障害、慢性疾患の罹患、家族との死別などにより抑うつが高頻度にみられる。
☐ 347.高齢者ではエネルギーの消費が少なくなるため、身体がエネルギーを必要とせず、食欲が低下する。また、加齢とともに消化機能が低下する。
☐ 348.高齢者では、若年者に比べて体内水分貯蔵量が少なく、口渇も感じにくいため、脱水のリスクが高い。
☐ 349.高齢者に多い症状・疾患について:高齢者のめまいは、内耳の障害のほか、血圧のコントロール不良、脳腫瘍などが原因となることがある。
めまいは高齢期に多くみられる症状である。自分や周りが回っているように感じる回転性のめまいは、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎など、多くの場合、内耳の障害によって起きる。その他、血圧のコントロール不良、脳腫瘍などが原因となることがある。
☐ 350.加齢黄斑変性では、進行すると視力が失われる恐れがある。
加齢黄斑変性とは、ものを見るときに重要なはたらきをする黄斑という組織が、加齢とともにダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気のことであり、高齢者の失明を引き起こす難治性の眼疾患である。
☐ 351.外耳や中耳に異常があり、内耳に音信号が伝わりにくくなるために生じるのが伝音性難聴であり、内耳から大脳に異常があるために生じるのは感音性難聴である。
☐ 352.高齢者の難聴では、感音性難聴が多い。
高齢者の難聴には、中耳の硬化や感染が原因で起きる伝音性難聴も認められるが、加齢変化により内耳の感覚細胞が機能低下をきたして生じる感音性難聴のほうが多く生じ、特に男性で高頻度にみられる。
☐ 353.フレイルとは、健康な状態と介護を要する状態の中間的な状態である。
心身機能の顕著な低下を一般的に虚弱(FrailLy)と呼んでおり、その虚弱のことを「フレイル」と呼ぶことが日本老年医学会から2014(平成26)年に提唱された。フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間的な状態である。
☐ 354.フレイルとは、高齢になって筋力や活動が低下している状態を指す。
高齢になって筋力や活動が低下している状態をフレイル(虚弱)という。① 体重減少、② 疲れやすい、③ 身体活動レベルの低下、④ 握力低下、⑤ 歩行速度低下のうち、3項目以上あればフレイルとみなされる。
☐ 355.機能性尿失禁とは、膀胱や尿道の機能が正常であるにもかかわらず、認知症や麻痺のため尿器に排泄できない状態をいう。くしゃみ、咳などを契機に起こる失禁は腹圧性尿失禁に分類される。
15.居宅療養管理指導
☐ 356.医師が行う居宅療養管理指導は、要介護状態の悪化の防止に資するよう、計画的に行われなければならない。
☐ 357.保険医療機関の指定を受けている病院は、居宅サービス事業者の指定があったものとみなされる。
介護保険法に基づく指定事業者の指定申請をすることなく、保険医療機関、保険薬局であれば、居宅サービス事業者の指定(都道府県知事の指定)があったものとみなされる。
☐ 358.介護保険法に基づく指定事業者の指定申請をすることなく、保険医療機関、保険薬局であれば、都道府県知事の指定があったものとみなされる。
☐ 359.薬局の薬剤師が行う居宅療養管理指導は、医師又は歯科医師の指示を受けて作成した薬学的管理指導計画に基づき実施する。
☐ 360.居宅療養管理指導とは、在宅療養中で通院が困難な利用者に対して、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士等が居宅を訪問して行う療養上の管理や指導・助言のことをいう。
☐ 361.薬剤師が行う居宅療養管理指導に当たっては、医師、歯科医師の指示に基づき、利用者の心身機能の維持回復を図り、居宅における日常生活の自立に資するように妥当適切に行う。算定には、介護支援専門員への情報提供が必須要件である。
☐ 362.指定居宅療養管理指導事業者は、通常の事業の実施地域であるか否かにかかわらず、交通費(実費)の支払を受けることができる。
☐ 363.医師が行う居宅療養管理指導では、居宅介護支援事業者等への情報提供や利用者・家族への指導・助言が算定の要件であり、原則として、サービス担当者会議に参加する必要があるが、参加が困難な場合は、原則として、文書により情報提供・助言を行わなければならない。
☐ 364.居宅療養管理指導費は、主に医学的管理の必要性から行われるため、区分支給限度基準額の対象とならない。
介護支援専門員 保健医療サービスの知識等
16.通所リハビリテーション
☐ 365.通所リハビリテーションは、主治の医師が必要と認めた居宅要介護者が医療施設などに通所して、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを受けられる介護サービスである。
☐ 366.通所リハビリテーションの目的として、① 身体機能の維持・回復、② 認知症症状の軽減と落ち着きある日常生活の回復、③ ADLやIADLの維持・回復、④ コミュニケーション能力又は社会関係能力の維持・回復などがある。
☐ 367.通所リハビリテーションの目的として、認知症症状の軽減と落ち着きある日常生活の回復がある。また、若年性認知症利用者受入加算もあり、若年性認知症患者は、通所リハビリテーションの対象となる。
☐ 368.病院、介護老人保健施設、介護医療院での通所リハビリテーションの人員基準では、常勤の医師が1人以上勤務していることと定められている。
☐ 369.リハビリテーション会議は、利用者及びその家族の参加が基本とされている。
リハビリテーション会議は、利用者及びその家族の参加が基本とされている。リハビリテーションに関する専門的な見地から、利用者の状況等に関する情報を、会議の構成員(医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護支援専門員、居宅サービス計画の原案に位置づけた指定居宅サービス等の担当者など)と共有するように努める。
☐ 370.通所リハビリテーション計画に位置付けられ、効果的なリハビリテーションのサービスが提供できる場合、事業所の屋外でも指定通所リハビリテーションのサービスを提供することができる。
☐ 371.指定通所リハビリテーション事業所の管理者は、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる看護師のうちから選任した者に、必要な管理の代行をさせることができる。
☐ 372.通所リハビリテーションに係る単位数は、事業所の規模、介護の所要時間、要介護度に応じて単位が決められている。
☐ 373.リハビリテーションマネジメント加算は、SPDCAサイクルの構築を通じて、多職種協働によりリハビリテーションの質の管理を行うことを目的としている。
SPDCAとは、調査(Survey)、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)及び改善(Action)をいう。
17.薬の知識
☐ 374.薬は主に腎臓から尿として排泄される。高齢者では、腎臓の血流量や腎機能が低下していることが多いため、薬の排泄が遅くなり、身体に蓄積され、薬の作用が増強することがある。
☐ 375.糖尿病の内服治療をしている者では、インスリン注射をしていなくても、低血糖の症状に留意する必要がある。
正しい服薬ができていないと副作用等の有害事象が生じるおそれがある。血糖値が高くないときに薬の効果が現れると低血糖になる可能性がある。
☐ 376.パーキンソン病の治療薬であるドーパミン製剤は、服用を突然中止すると、高熱、意識障害、著しい筋固縮などを呈する悪性症候群を生じる恐れがある。
☐ 377.症状が消失すると内服を自己判断でやめてしまう場合があるため、内服状況を確認する必要がある。
内服を自己判断でやめてしまうと、まだ治っていなかったり、症状が悪化する場合もあるため、内服状況を確認し、主治医や薬剤師に相談する必要がある。
☐ 378.胃ろうから薬剤を注入する際には、それぞれの薬剤について、錠剤を粉砕したり、微温湯で溶解させたりしてよいか、確認する必要がある。
☐ 379.口腔内で水なしで溶けるOD(Orat Disintegrant)錠は、口腔粘膜からそのまま吸収されるわけではない。口腔内に入れると唾液で速やかに崩壊する。
18.短期入所療養介護
☐ 380.利用者の心身の状況、病状、もしくは家族の疾病、冠婚葬祭、出張などの理由により、介護される側、介護する側の精神的負担を軽減するために指定短期入所療養介護が提供される。
☐ 381.指定短期入所療養介護を提供する施設として、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、療養病床を有する病院又は診療所、診療所がある。
☐ 382.指定短期入所療養介護では、喀痰吸引や酸素療法など医療ニーズが高い要介護者も利用できる。
短期入所療養介護事業所には医師が配置され、短期入所生活介護より看護職員の配置も手厚いため、医療ニーズが高い要介護者は指定短期入所療養介護を利用することができる。
☐ 383.指定短期入所療養介護は、災害や虐待等やむを得ない事情がある場合は、利用定員を超えて受け入れることができる。ただし、それ以外は利用定員を超えてサービス提供を行うことはできない。
☐ 384.指定短期入所療養介護には、療養型以外の介護老人保健施設が提供する短期入所療養介護には、在宅強化型、基本型、その他がある。
療養型以外の介護老人保健施設が提供する短期入所療養介護では、在宅復帰・在宅療養支援等指標や、退所時指導等、リハビリテーションマネジメント、地域貢献活動等の実施状況に応じて、在宅強化型、基本型、その他の3類型が設定されている。
19.定期巡回・随時対応型訪問介護看護
☐ 385.定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、居宅で生活する要介護者に対してサービスが提供される。
☐ 386.定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、心身の機能の維持回復を目指す。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の目的として、① 可能な限り住み慣れた居宅で尊厳を保持した自立した生活の継続、② 緊急時の対応、③ 心身の機能の維持回復がある。
☐ 387.定期巡回・随時対応型訪問介護看護の随時訪問サービスでは、随時の通報があってから、おおむね30分以内の間に居宅に駆けつけられるような体制確保に努めなければならない。
☐ 388.定期巡回・随時対応型訪問介護看護の苦情処理では、苦情の内容等を記録しなければならない。
指定居宅サービス事業、指定地域密着型サービス事業にかかる運営基準の共通事項として、利用者・家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情受付窓口の設置等を行い、苦情の内容等を記録しなければならないと定められている。
☐ 389.定期巡回・随時対応型訪問介護看護の介護・医療連携推進会議では、おおむね6か月に1回以上、サービス提供状況等を報告して評価を受けるとともに、必要な要望、助言等を聴く。その内容については記録を作成し、公表しなければならない。
20.ケアにおけるリハビリテーション
☐ 390.回復期リハビリテーションでは、機能回復、ADLの向上及び早期の社会復帰を目指す。
回復期リハビリテーションは、急性期に続き、多職種リハビリテーションチームにより行われる集中的かつ包括的なリハビリテーションである。機能回復、ADLの向上及び早期の社会復帰を目指す。
☐ 391.リハビリテーションで、変形性膝関節症の発症リスクは、減量をしたり、大腿四頭筋等の筋力を鍛えたりすると低下する。
☐ 392.リハビリテーションで、左片麻痺でみられる半側空間失認に対しては、左側から話しかける、左側に目印をつけるなど、失認空間への注意を向ける工夫やリハビリテーションを行う。
☐ 393.通所リハビリテーション計画は、医師及び理学療法士、作業療法士その他専ら指定通所リハビリテーションの提供にあたる通所リハビリテーション従業者が、診療又は運動機能検査、作業能力検査等をもとに、共同して作成する。
☐ 394.指定訪問リハビリテーションとは、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院から理学療法士、作業療法士又は言語聴覚土が要介護者の居宅へ訪問し、可能な限り居宅で能力に応じ自立した生活を営むことができるように、生活機能の維持もしくは向上を図ることを目的として行うリハビリテーションである。
21.介護予防通所リハビリテーション
☐ 395.介護予防通所リハビリテーションにおいて、利用者の居宅と指定介護予防通所リハビリテーション事業所との間の送迎を実施しない場合であっても、利用者の同意があれば、基本報酬を算定できる。
利用者の居宅から指定介護予防通所リハビリテーション事業所との間の送迎を実施することが望ましいが、利用者の状態を把握し、利用者の同意が得られれば、送迎を実施しない場合であっても基本報酬を算定できる。なお、指定介護予防通所リハビリテーション事業所と同一建物に居住する者に対しては、一月につき所定単位数から減算する。ただし、傷病その他やむを得ない事情により送迎が必要であると認められる利用者に対して送迎を行った場合は、この限りではない。
介護支援専門員 福祉サービスの知識等
1.ソーシャルワークとケアマネジメント
☐ 1.ソーシャルワークにおける地域援助では、地域におけるニーズ把握では、潜在的二ーズを掘り起こすアウトリーチを行う。
ソーシャルワークの機能の一つにアウトリーチがある。アウトリーチの対象は、個人や集団、組織、地域など多岐にわたる。また、顕在的なニーズはもちろんのこと、潜在的なニーズの把握に努めることが重要である。
☐ 2.病院の専門職によるチームアプローチは、利用者や家族を対象としている。退院促進のためのとあるため、ソーシャルワークにおける個別援助をおこなう。
☐ 3.「医療機関における医療ソーシャルワーカーによる入院中のクライエントヘの相談支援」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 4.「地域包括支援センターの社会福祉士による高齢者を虐待する家族への面接」は、ソーシャルワークにおける個別援助技術である。
☐ 5.「社会福祉協議会の社会福祉士による成年後見制度の利用に関する面接」は、ソーシャルワークにおける個別援助である。
☐ 6.「地域包括支援センターの主任介護支援専門員による家族介護者との相談」は、ソーシャルワークにおける個別援助である。
高齢者を支援していく場合は、家族の意思や役割が重要な位置を占めることがある。援助者が高齢者と家族を家族システムとしてとらえ、双方の生活の質を含めたシステム全体の調和と発展を図ることは、ソーシャルワークにおける個別援助である。
☐ 7.生活困難を抱える高齢者の相談二ーズが増大しているなかで、「社会福祉主事による生活保護の相談面接」は、ソーシャルワークにおける個別援助である。
☐ 8.「介護老人福祉施設の生活相談員によるカラオケ大会などのレクリエーション活動」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 9.「地域包括支援センターの社会福祉士による一人暮らしの高齢者を集めた生きがいづくりのためのプログラム活動」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 10.「精神科クリニックで行われる、アルコール依存症患者の家族を対象とした交流活動」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
クライエントのみならず、支援者側の集団の力動を理解し、その力動を活用してより強力なチームワークを形成しながら、支援者一人ひとりがもつ能力の活用や開発を図ることは、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 11.「特別養護老人ホームの生活相談員による入所者に対するグループ活動」は、ソーシャルワークにおける集団援助技術である。地域援助技術は、組織の制約を超えて、組織間の連絡調整の領域で行われるものである。
☐ 12.「地域支援事業として行われる、虚弱高齢者のグループを対象とした介護予防活動への助言」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
介護予防活動の現場など、心身の自立度が比較的高い高齢者が集う場面で行われる、共通の趣味や生きがい活動を通して人間関係や生活を豊かにするための支援は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 13.「地域包括支援センターに登録された虚弱高齢者向けの健康教室でのプログラム活動」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
心身の自立度が比較的高い高齢者が集う場面で行われる、共通の趣味や生きがい活動を通して人間関係や生活を豊かにするための支援は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 14.「精神科クリニックで行われる、アルコール依存症の当事者による分かち合いの体験」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
人々が集団的に力強く活動することで、一人ひとりの成長・発達や抱えている問題の解決を目指すのがソーシャルワークにおける集団援助である。設問のような、同じメンバー間の相互支援によって成り立つセルフヘルプ・グループを活用することも効果的である。
☐ 15.「地域包括支援センターによる、介護に悩む家族を対象とした交流活動」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
利用者のみならず、支援者側の集団の力動を理解し、その力動を活用してより強力なチームワークを形成しながら、支援者一人ひとりが抱える能力の活用や開発を図ることは、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 16.「難病患者の家族の会による会員向けの介護体験報告会」は、ソーシャルワークにおける集団援助である。
家族の会など支援者側の集団の力動を理解し、その力動を活用してより強力なチームワークを形成しながら、支援者一人ひとりが抱える能力の活用や開発を図ることは、ソーシャルワークにおける集団援助である。
☐ 17.ソーシャルワークにおける地域援助では、地域の問題や多様な社会資源について評価するために、地域アセスメンを行う。
地域アセスメントは、地域住民の暮らしにかかわる地域の実態や、多様な資源の存在や活動状況を把握することができるため、地域援助につながる。
☐ 18.ソーシャルワークにおける地域援助では、障害者が福祉サービスにアクセスしやすくなるよう自治体に働きかける。
地域社会における社会関係に働きかけ、個人や集団に対する支援が有効に機能するように、社会資源を調整・開発する支援は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 19.「社会福祉協議会の職員と民生委員による『福祉マップ』の作成」はソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 20.「NPO法人のスタッフと地域住民による高齢者の見守り活動」は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
NPO法人と地域住民による活動や、ボランティアの募集、総合的なケア計画への住民参加の促進、自助集団への支援など、地域の社会資源を調整・開発する行動は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 21.「NPOによる地域住民とともに行う地域開発」は、ソーシャルワークにおける地域援助技術である。
☐ 22.「地域包括支援センターによる地域住民のための認知症サポーター養成講座」は、ソーシャルワークにおける地域援助技術である。
「地域包括支援センターによる地域住民のための認知症サポーター養成講座」のように、社会全体に呼びかけて、ボランティアグループや当事者グループヘの参加を促進することは、ソーシャルワークにおける地域援助技術である。
☐ 23.「震災被災者に対する支援のためのボランティアの組織化」は、ソーシャルワークにおける地域援助技術である。
「震災被災者に対する支援のためのボランティアの組織化」のように、特定の新たな利用者集団に対するボランティアの募集や支援集団の結成など、新たなサービスや資源等の創造・提供を行うことは、ソーシャルワークにおける地域援助技術である。
☐ 24.「キャラバン・メイトによる認知症サポーター養成講座」は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
「認知症サポーター養成講座」は、認知症の人と家族への応援者である認知症サポーターを養成し、認知症になっても安心して暮らせるまちを目指すものである。地域社会へはたらきかけるといった視点から、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 25.「社会福祉協議会のボランティアコーディネーターによる災害ボランティアセンターの設置準備」は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
「災害時を想定したボランティアセンターの設置」は、個人や集団に対する支援が有効に機能するように、社会資源を調整・開発することが目的であり、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 26.地域課題は多岐にわたるため、フォーマルな社会資源だけでは対応できない課題も多い。そのため、インフォーマルな社会資源を含めた地域ネットワークを構築する必要がある。
☐ 27.「特別養護老人ホームの入居者と地域住民との交流を目的とした夏祭りのためのボランティアの募集」は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
地域住民など地域社会における社会関係にはたらきかけ、個人や集団に対する支援が有効に機能するように、社会資源を調整・開発する支援は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 28.「社会福祉協議会による地域住民向けの生活支援サポーター養成講座の開催」は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
小地域における見守り支援ネットワークづくりや、閉じこもりがちな高齢者らが地域でふれあう場づくりであるサロン活動などの、社会福祉協議会による各種の在宅サービスを先駆的に開発・組織化する活動は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐29.「精神障害者の地域移行のための病院や障害福祉サービス事業者、不動産会社等のネットワーク構築」はソーシャルワークにおける地域援助である。
地域のサービスや資源のネットワーキング、また、介護サービス以外の地域の多様な資源の開発とネットワーキングは、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐30.「自治体や社会福祉法人と大学との協働による認知症カフェの設置・運営」は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
住民参加型サービスやボランティアを組織化するNPO法人、福祉施設などにおいても、地域に対するソーシャルワークが積極的に活用されており、介護予防や認知症予防に向けた地域へのはたらきかけを展開したりする活動は、ソーシャルワークにおける地域援助である。
☐ 31.ラポールとは、信頼関係のことである。援助者はクライエントのラポールを構築するため、相談面接技術を活用していく。
☐ 32.インテーク面接における記録は、第三者が読んでもわかりやすいように、相談者が話した内容だけでなく、経過や主訴、課題など面接の内容を正確かつ迅速に記録する必要がある。
☐ 33.インテーク面接では、画一的な対応ではなく、個別性を尊重した対応が求められるため、必ずしも1回で終わらせる必要はなく、必要があれば複数回行うこともある。
☐ 34.インテーク面接では、援助機関や援助者ができること及び提供できるサービスの内容などについて具体的に説明する必要がある。そして、その説明に対するクライエントの反応を注意深く観察する必要がある。
☐ 35.インテーク面接では、情報収集を行うことが重要だが、クライエントの問題が明確になってきたら、クライエントに情報を提供したり、対人関係や環境整備についての助言や提案を行ったりするなど、積極的なはたらきかけを行うことも必要である。
☐ 36.インテーク面接では、援助機関や援助者がどのような援助ができるか、できること及び提供できるサービスの内容などについて具体的に説明する必要がある。
☐ 37.インテーク面接では、画一的な対応ではなく、個別性を尊重した対応が求められるため、必ずしも1回で終わらせる必要はなく、必要があれば複数回行うこともある。
☐ 38.インテーク面接を行う場所としては、不安を感じ、相談者が自由に話せなくなることを避けるためにも、秘密が保持できる面接室を用意するなど、話しやすい環境を整える必要がある。
☐ 39.自らの所属機関において、クライエントの主訴に対し、十分な対応ができない場合は、その旨を説明し、ほかの機関を紹介するなどの対応が求められる。
☐ 40.インテーク面接における記録は、第三者が読んでもわかりやすいように、相談者が話した内容だけでなく、経過や主訴、課題など面接の内容を正確かつ迅速に記録する必要がある。
☐ 41.インテーク面接における情報収集は受容的・非審判的態度で傾聴することが大切であり、双方向的なものでなければならない。アセスメント項目による質問は、インテーク面接が確実に行われた後に導入されるべきであり、その順番や内容についても十分に考慮する必要がある。
☐ 42.インテーク面接では、まず、援助機関への紹介経路や援助機関に紹介された理由をクライエント自身がどのように理解しているかを確認することが大切である。誤解があると円滑な面接が行われない可能性がある。
☐ 43.アセスメントは、クライエントの生活上の問題を明確に把握することが目的であるため、必ずしもアセスメントシートの順番に従い、すべての項目を尋ねる必要はない。
☐ 44.情報収集については、クライエント本人の観察や面接のほか、既存の収集された情報(他職種及び介護者等による情報)を活用する方法がある。
☐ 45.援助計画はアセスメント・事前評価を基礎とし、有効な実行や介入の計画案を立てる過程であり、ワーカーの分析力、クライエントとの十分な関係とともにチームワークも重要となる。
☐ 46.多職種連携の際は、それぞれの支援の範囲や責任をチームで共有し、仕事内容や役割を明確化することが重要である。
☐ 47.ソーシャルワークでは、クライエントとソーシャルワーカーとの契約とは、両者の間で焦点となる問題や目標を明らかにして、援助に関する合意をすることである。
契約はクライエントとワーカー間で、焦点となる問題、目標、調整や介入の方法、及び相互の役割や分担課題を明確に表現し、合意していく一連の過程である。
☐ 48.援助計画はわかりやすい具体的な目標を設定する。抽象的ではなく、できる限り具体的に誰もが共通に理解可能な目標とすることが重要である。
☐ 49.ソーシャルワークで、モニタリングとは、援助計画の進捗を定期的、継続的に観察して評価することである。
モニタリングでは、援助計画が計画どおりに進められているかどうか、また新たな課題や予期せぬ障害が発生していないかについて評価を行う。また必要に応じ、計画の見直しを行う。
☐ 50.ソーシャルワークでは、事後評価には、スーパービジョンを受けることも含まれる。
援助実践過程での力量や有用性を検証するため、事後評価として、スーパービジョンやコンサルテーションを積極的に活用していくことが必要である。
☐ 51.面接場面におけるコミュニケーションの技術では、心身の障害その他の理由によって、イラストや手話、ビデオ、写真、文字盤など多様な表現方法を利用することもある。クライエントのコミュニケーションカを見定めつつ適切な手段を選ぶのも、相談援助者の責任である。
☐ 52.コミュニケーションの伝達経路には、言語・非言語の二つがある。言語と非言語は伝える機能が異なり、言語は情報の内容を伝え、非言語は思い、気持ち、感情を伝える。
☐ 53.面接場面におけるコミュニケーションでは、ジェスチャー、表情、姿勢、うなずきなどがあり、また媒介的要素として、声のトーン、抑揚、高低などの準言語が含まれる。非言語的コミュニケーションがどのように影響しているかを十分に理解することも必要である。
☐ 54.援助者は自身の過去や人間関係にとらわれず、クライエントの生活史を聴きながら、クライエントから見える視点を理解することが重要である。
☐ 55.面接場面におけるコミュニケーションで、波長合わせとは、相談援助者が、自らの態度、言葉遣い、質問の形式等をクライエントの反応に合わせて修正していくことである。
波長合わせとは、傾聴の過程で相談援助者が自身の予測と違ったクライエントの反応に対し、自らの態度、言葉遣い、時には話題や質問の形式等を軌道修正していく過程を意味する。クライエントの側がしだいに自分の思い込みや誤解を解いて姿勢を変更する過程と、それを相談援助者が受け止める過程も意味する。
☐ 56.面接場面におけるコミュニケーションの予備的共感とは、事前情報をもとに、クライエントの立場に立った共感的な姿勢を準備しておくことである。
予備的共感とは、面接前に得られるいくつかの情報から、クライエントの直面している困難や、その生活史から予測される心理的抵抗や近隣、家族への気遣いについて、クライエントの立場に立つて予測し、それへの共感的な姿勢を相談援助者がいくらか準備しておくことである。
☐ 57.面接場面におけるコミュニケーションの共感とは、クライエントの考え方について、援助者がクライエントの立場に立って理解しようとすることをいう。
☐ 58.面接のなかでの沈黙は、話をしたくない、思いをめぐらせている、話題を変えたいなど、さまざまな場合がある。援助者は沈黙の意味を考え、急がず、あせらず、丁寧に待つことが必要である。
☐ 59.面接場面におけるコミュニケーション技術で傾聴は「聴いている」ということをクライエントに理解してもらうことを含む。
クライエントや家族の思い・悩みをうかがうことは聴くという文字で表され、「耳を突き出して、心を一つにし、相手の伝える言語と非言語のメッセージを理解する」ことを意味する。相手の話す内容とその思いに、積極的に耳と心を傾ける態度やありようを示している。
☐ 60.面接場面におけるコミュニケーションで観察は、非言語的なメッセージを感知することを含む。
面接場面における観察とは、言語だけではなく、しぐさ、表情、視線、口調など、非言語的なメッセージも感知することが重要である。
☐ 61.面接場面で明確化とは、クライエントがはっきりと伝えられない話の内容や言葉にできない感情、また、言葉にしていないが、潜在的に気づいていることなどを援助者が言語化することである。
☐ 62.時間的制約があるなかで、面接を効果的に実施するためには、問題解決に向けて取り扱う話題を的確に定めることが重要となる。
☐ 63.「はい」「いいえ」で答えられたり、簡単に2〜3の単語で答えられる質問をクローズドクエスチョンという。オープンクエスチョンとは、相手が自分自身の選択や決定による答えを見つけることを促す質問のことである。
☐ 64.クローズドクエスチョンを頻回に用いると、クライエントの意向を制限してしまうことにもなり、話をしながら広がっていくクライエントの世界を、ケアする側が狭めてしまうおそれもある。
☐ 65.クローズドクエスチョンを頻回に用いると、クライエントの意向を制限することにもなるが、適切に用いることで、相手が語ることを明確化し、焦点を当てていくことが可能となる。
☐ 66.「もう少し詳しく話してください」という質問は、相手が自分自身の選択や決定による答えを見つけることを促す開かれた質問(オープンクエスチョン)である。
☐ 67.面接場面において「励まし、明確化、要約」といった技術を活用して、クライエントと相談援助者がともにクライエントのかかえる課題を明確にしていく必要がある。
☐ 68.面接場面において、クライエントとの関係を形成し、クライエントが抱える問題や課題の焦点を絞る際には、励まし、明確化、要約などの面接技術を活用することが重要となる。
☐ 69.面接場面において直面化は、成長を促すコミュニケーションの技能のことであり、相異なる状況に対して問いかけることで、自分自身の感情・体験・行動を見直していくことへ誘うものである。
☐ 70.支援困難な高齢者で、高齢者が不平・不満を何度も訴えるため、担当の介護支援専門員が地域包括支援センターにスーパービジョンを依頼する。
日常生活圏域ごとに設置されている地域包括支援センターでは、主任介護支援専門員らが、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の担当する支援困難事例への対応をスーパーバイズしたり、虐待への対応などを含めて多職種協働で支援に取り組んだりするしくみが構築されている。
☐ 71.支援を拒否している高齢者には、信頼できる人を探し、支援につなげることが有効である。
支援を拒否するその背景に何があるのかを明らかにしていくことが、支援に向けた手がかりになる。支援を拒否している高齢者であっても、特定の信頼できる人からの助言や支援を受け入れる場合もあり、このようなキーパーソンを探し、支援につなげていく方法も有効である。
☐ 72.支援困難事例としてセルフ・ネグレクトには、親族による介護放棄が含まれる。
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)では、家族などの養護者による「介護・世話の放棄・放任」をネグレクトとしてとらえるが、高齢者自身が必要な援助を求めない場合をセルフ・ネグレクトと呼ぶ。
☐ 73.クライエントがサービスの利用を拒否した場合には、その要因を共感的な対話や観察から探り、信頼関係を構築することによって、必要な支援が導入できるような環境整備を行っていく必要がある。
☐ 74.アウトリーチの対象は、本人のみならず家族も含む。
相談に来るのを待つのではなく、援助を必要としている人のところへ出向いて行う援助活動をアウトリーチという。アウトリーチは、本人の支援のために家族を対象とする場合と、家族の抱える課題を解決するため家族を対象とする場合があるが、ともにアウトリーチの対象となる。
☐ 75.近隣住民からの「一人暮らしの高齢者宅から異臭がする」との訴えに対し、最初から高齢者に施設への入所を勧めるのではなく、一人暮らしの高齢者に対して地域でできる支援を検討することも必要である。自己の人生における重大な決定については、クライエントが十分な説明を受け、自分なりの判断を加え、自己決定することが求められる。
☐ 76.地域から孤立しているクライエントの場合には、アウトリーチは有効な方法である。特に地域から孤立しているような状況の場合、援助者や機関が積極的に問題を発見し、援助の手を差し伸べること(アウトリーチ)が重要である。
☐ 77.社会資源の不足により支援が困難な場合には、社会資源の開発が求められる。特に支援困難事例において、既存の社会資源では対応できない場合、フォーマル・インフォーマルな枠組みに限らず、ニーズに即した資源を開発していくことが重要である。
☐ 78.アウトリーチによる対応には、支援のためのネットワークの構築が含まれる。アウトリーチとは、自ら援助を求めないクライエントヘのはたらきかけだけでなく、二―ズの掘り起こしや地域や関係機関へのはたらきかけ、支援のためのネットワークの構築をも含んでいる。
☐ 79.複数の問題を抱えている支援困難事例については、各専門職が個別に得られる情報には限りがある。複数の問題を全体像でとらえ、解決へと至るためには、各専門職が協働して対応することが重要である。
2.社会資源の活用および関連諸制度
☐ 80.市町村は、介護給付費等の支給決定を行うにあたり、障害支援区分の認定を行う。障害支援区分とは、障害の多様な特性、その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示す指標のことである。
☐ 81.障害者総合支援法の対象となる障害者の範囲には、難病の患者も含まれる。
障害者総合支援法の対象となる障害者の範囲は、身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害者を含む)、難病等(治療の方法が確立されていない疾病で一定の障害の程度にある者)である。
☐ 82.障害者総合支援法による支援は、自立支援給付と地域生活支援事業で構成され、自立支援給付のなかに自立支援医療費、介護給付費などがある。
☐ 83.成年後見制度利用支援事業は、介護保険では地域支援事業の任意事業であるが、障害者総合支援法では市町村地域生活支援事業の必須事業とされている。また、成年後見制度法人後見支援事業も市町村地域生活支援事業の必須事業である。
☐ 84.障害者総合支援法の介護給付費には、行動援護、同行援護、居宅介護、生活介護、重度訪問介護等がある。
☐ 85.生活保護法第1条により、外国人は法の適用対象とならないが、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては、一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて、必要と認める保護を行うこととする。
☐ 86.保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基づいて開始する。ただし、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。
☐ 87.福祉事務所で生活保護の業務を担当する職員は、査察指導員と現業員(ケースワーカー)であり、社会福祉主事でなければならない。
☐ 88.生活保護は、原則として、世帯を単位として行われる。ただし、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができると規定されている。
☐ 89.生活保護は、原則として、世帯を単位として行われる。ただし、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができると規定されている。
☐ 90.生活保護の申請は、同居している親族も行うことができる。
生活保護の申請は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族ができる。生活保護の実施機関は、都道府県知事(町村部を担当)、市長及び福祉事務所を管轄する町村長であり、申請に基づき、都道府県・市等の福祉事務所が生活保護の要否判定を行う。
☐ 91.生活保護の補足性の原理により、介護扶助よりも介護保険の保険給付が優先して給付される。
被保護者が介護保険の被保険者である場合は、介護扶助よりも介護保険の保険給付が優先して給付される。補足性の原理とは、生活保護の適用の前に、不動産、預貯金などの資産、稼働能力、年金、各種手当等の社会保障給付などを活用することが求められることをいう。
☐ 92.葬祭扶助は、原則として金銭給付である。葬祭扶助は、死体の運搬や火葬・埋葬、納骨その他葬祭に必要な費用の範囲内で行われる。
☐ 93.医療扶助による医療の給付は、疾病や負傷による入院又は通院により治療を必要とする場合に、生活保護の指定医療機関に委託して行われ、現物給付を原則としている。
☐ 94.生業扶助は、原則として金銭給付である。生業扶助とは、生業費、技能修得費等の就労に必要な費用のための給付であり、高校就学に必要な費用(公立高校授業料相当分)も含む。
☐ 95.介護扶助は、原則として現物給付である。介護扶助とは、介護保険法に規定する要介護者及び要支援者に対して、居宅介護や施設介護、福祉用具、住宅改修等の介護サービスを受けられるようにするための給付である。
☐ 96.住宅扶助とは、被保護世帯が借間・借家住まいをしている場合に、家賃、地代等に充てる費用として、基準額の範囲内の額が支給される。住宅を維持するための補修費用も含まれる。原則として金銭給付である。
☐ 97.65歳以上の被保護者の場合は、介護保険の第1号被保険者となり、介護保険料については、年金がある場合は年金収入から控除され、それ以外の場合は生活扶助の介護保険料力算により対応される。介護扶助として給付されるのは、介護サービス利用料である。
☐ 98.介護保険施設入所者の日常生活費については、生活扶助の介護施設入所者基本生活費として給付される。
☐ 99.介護扶助には、居宅介護、施設介護、介護予防、移送等に関する給付が含まれる。なお、介護扶助の対象者は、介護保険法に規定する要介護者及び要支援者である。
☐ 100.介護扶助における居宅介護は、居宅介護支援計画に基づいて行われるものに限られる。
☐ 101.介護保険施設入所者の日常生活費については、生活扶助の介護施設入所者基本生活費として給付される。
☐ 102.被保護者が介護保険の被保険者である場合は、一般の介護保険の被保険者と同様に要介護認定等を受け、要介護状態区分等に応じて保険給付及び介護扶助を受ける。また、介護保険の被保険者以外の者については、その要介護認定等を介護扶助の要否判定の一環として、生活保護制度で独自に行うこととしている。
☐ 103.居宅介護支援事業所が生活保護受給者に対して居宅介護支援を行う場合には、介護保険法の指定のほかに、生活保護法による指定を受ける必要がある。
居宅介護支援にかかる介護扶助の申請は、居宅介護支援計画等の写しを添付して行うこととなるが、この居宅介護支援計画等は、原則として生活保護法による指定介護機関の指定を受けた居宅介護支援事業者が作成した居宅サービス計画等であることが必要となる。
☐ 104.生活困窮者自立支援法は、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しの一体的な検討を経て国会に提出され、成立した。
生活困窮者自立支援法は、生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るとともに、生活保護から脱却した人が、再び生活保護に頼ることのないよう、2013(平成25)年12月に制定され、2015(平成27)年4月より施行されている。
☐ 105.生活困窮者自立支援法の対象者は、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者であり、具体的には、現在生活保護を受給していないが、生活保護に至る可能性がある者で自立が見込まれる者とされている。
☐ 106.生活困窮者自立相談支援事業は、必須事業である。
生活困窮者自立支援制度の必須事業には、生活困窮者自立相談支援事業と生活困窮者住居確保給付金の支給がある。生活困窮者自立相談支援事業とは、生活保護に至る前の段階の自立支援を強化するため、生活困窮者から相談を受けて支援するものである。
☐ 107.生活困窮者就労準備支援事業は、任意事業である。
生活困窮者自立支援制度の任意事業には、生活困窮者就労準備支援事業、生活困窮者一時生活支援事業、生活困窮者家計改善支援事業(2018(平成30)年の生活困窮者自立支援法の改正により、「生活困窮者家計相談支援事業」から「生活困窮者家計改善支援事業」へと名称変更されている)等がある。生活困窮者就労準備支援事業とは、直ちに一般就労への移行が困難な生活困窮者に対して、一般就労に必要な基礎能力の形成を計画的かつ一貫して支援するものである。なお、生活困窮者就労準備支援事業、生活困窮者家計改善支援事業については、2018(平成30)年の法改正により努力義務化されている。
☐ 108.生活困窮者住居確保給付金の支給は、必須事業である。
生活困窮者住居確保給付金の支給は、必須事業である。離職等により経済的に困窮し、住居を失った、又は、そのおそれのある者に対し、住居確保給付金を支給することにより、安定した住居の確保と就労自立を図るものである。
☐ 109.後期高齢者医療制度で運営主体は、都道府県ごとにすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合である。
運営主体は、都道府県ごとにすべての市町村(特別区を含む)が加入して設立された後期高齢者医療広域連合である。ただし、保険料の徴収、被保険者資格の管理、医療給付に関する届出の受付などの事務は、市町村が行う。
☐ 110.後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県ごとにすべての市町村(特別区を含む)が加入して設立された後期高齢者医療広域連合である。
☐ 111.後期高齢者医療制度では、診療報酬点数表は、健康保険法に基づくものと同一である。
☐ 112.後期高齢者医療制度の一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。
一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。3割負担となる者は、課税所得145万円以上で、かつ、高齢者複数世帯で520万円以上もしくは高齢者単身世帯で383万円以上の収入がある者である。
☐ 113.生活保護世帯に属する者は、後期高齢者医療制度の被保険者から除外される。
☐ 114.後期高齢者医療制度の被保険者は、後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する者で、① 75歳以上の者、② 65歳以上75歳未満であって、当該広域連合の障害認定を受けた者である。ただし、生活保護世帯に属する者などは、被保険者から除外される。
☐ 115.後期高齢者医療制度の患者の一部負担の割合は、1割又は3割である。
☐ 116.後期高齢者医療制度について:他の都道府県の特別養護老人ホームに入所するため住所を変更した者は、従前の住所地が存在する市町村で届出を行う。
病院や診療所、介護保険施設(特別養護老人ホーム)、養護老人ホームや社会福祉施設などに入院・入所するため転入してきた者については、引き続き、転入前に住んでいた都道府県の後期高齢者医療制度の被保険者となる住所地特例がある。他の都道府県の特別養護老人ホームに入所するため住所を変更した者の届出先は、従前の住所地が存在する市町村である。
☐ 117.後期高齢者医療給付には、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給が含まれる。その他、訪問看護療養費や移送費等がある。
☐ 118.後期高齢者医療給付には、入院時食事療養費及び移送費の支給が含まれる。その他、入院時生活療養費や特別療養費等がある。
☐ 119.養護者による高齢者を衰弱させるような著しい減食は、高齢者虐待に当たる。
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)の養護者による高齢者虐待の定義として、ネグレクト(高齢者を衰弱させるような著しい減食、長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置など、養護を著しく怠ること)が含まれる。
☐ 120.養介護施設に、地域包括支援センターは含まれる。ほかにも介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、地域密着型介護老人福祉施設などが含まれる。
☐ 121.市町村又は市町村長は、虐待の通報又は届出があった場合には、高齢者を一時的に保護するために老人短期入所施設等に入所させることができる。
市町村又は市町村長は、虐待の通報又は届出があった場合には、養護者による高齢者虐待により生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められる高齢者を、一時的に保護するために老人短期入所施設等に入所させるなど、老人居宅介護等事業や老人ホーム入所の措置を講じるものとされている。
☐ 122.市町村長は、養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは、地域包括支援センターの職員その他の高齢者の福祉に従事する職員に、高齢者の居宅への立ち入り、調査、質問をさせることができる。
☐ 123.市町村は、養護者の負担の軽減のため、養護者に対する相談、指導及び助言その他必要な措置を講ずるものとされている。その措置として、養護者の心身の状態に照らし、その養護の負担の軽減を図るため、緊急の必要があると認める場合に、高齢者が短期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を講ずるものとされている。
☐ 124.成年後見制度の利用の促進に関する法律では、市町村は、当該市町村における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めることが定められている。
☐ 125.成年後見制度の利用の促進に関する法律では、成年被後見人の意思決定の支援を定めている。
☐ 126.成年後見制度の利用の促進に関する法律では、成年後見制度の基本理念として、「ノーマライゼーション」、「自己決定の尊重」及び「身上の保護の重視」の考え方を示している。
成年後見制度の基本理念として、「本人の保護」とともに、ノーマライゼーション、自己決定の尊重、現有能力の活用がある。2016(平成28)年に施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律では、本人の意思決定の支援、身上保護の重視が追加された。
☐ 127.成年後見制度の利用の促進に関する法律では、「国民は、成年後見制度の重要性に関する関心と理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする」と定めている。
☐ 128.後見開始の申立は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に行う。
☐ 129.後見開始の審判を請求できる者は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官である。事実上婚姻関係と同様の事情にある者の請求は認められていない。
☐ 130.65歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要と認めるときは、市町村長は、後見開始の審判の請求をすることができる。
後見開始の審判は、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官等の請求に基づくものだが、老人福祉法の規定に基づき、65歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、市町村長も後見開始の審判を請求することができる。
☐ 131.精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、配偶者も、後見開始の審判を請求することができる。
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長(高齢者の福祉を図るため特に必要があると認める場合)などが後見開始の審判を請求することができる。
☐ 132.成年後見制度で、法定後見制度では、検察官や市町村長のみではなく、本人、配偶者、四親等内の親族なども後見開始の審判を請求することができる。
☐ 133.成年後見制度で、本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意が必要である。
補助開始の審判は、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長(高齢者の福祉を図るため特に必要があると認める場合)などの請求により行われるが、本人以外の者の請求による場合でも、本人の同意が必要である。
☐ 134.成年後見制度で任意後見契約は、公正証書によってしなければならない。
任意後見制度は、公正証書で任意後見契約をすることとなっており、公正証書以外の方式で契約をしても、任意後見契約として使用することはできない。なお、任意後見契約を利用するためには、本人にこの契約を理解できるための判断能力を有することが必要になる。
☐ 135.成年後見制度で任意後見制度は、認知症などにより本人の判断能力が不十分となったときに、家庭裁判所へ任意後見監督人の選任を申し立て、選任されることで開始される。
☐ 136.成年後見制度で任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、任意後見監督人となることができない。
☐ 137.成年後見制度で親族が成年後見人に選任された者の割合は年々低下傾向にあり、後見の社会化が急激に進んでいる。最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」によると、2019(令和元)年における親族が成年後見人等に選任された者の割合は、約21.8%であった。
☐ 138.成年後見制度で市町村は、後見、保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るため、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
市町村は、後見、保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るため、① 研修の実施、② 後見等の業務を適正に行うことができる者の家庭裁判所への推薦、③ その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされている。
3.訪問介護
☐ 139.訪問介護で、配剤された薬をテーブルの上に出し、本人が薬を飲むのを手伝うことは、身体介護として算定される。
服薬介助における、水の準備 → 配剤された薬をテーブルの上に出し、確認(飲み忘れないようにする) → 本人が薬を飲むのを手伝う → 後片づけ、確認といった一連の行為については、身体介護として算定される。
☐ 140.訪問介護で、ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別し、ゴミ出しのルールを理解してもらうよう援助することは、身体介護として算定される。
上記のような、自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・☐OL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)は、身体介護として算定される。
☐ 141.訪問介護で、ボタン付け等の被服の補修は、生活援助として算定される。
衣類の整理(夏・冬物等の入れ替え等)、被服の補修(ボタン付け、破れの補修等)は、生活援助として算定される。
☐ 142.訪問介護で、自動血圧測定器により血圧を測定することは、医行為に当たらないため、訪問介護員が行うことができる。
☐ 143.訪問介護で、水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること、耳式電子体温計により外耳道で体温を測定することは、医行為でないため、訪問介護員が身体介護として行うことができる。
☐ 144.訪問介護で、草むしりや花木の水やり等は、日常生活の援助に該当しない行為のため、生活援助として算定できない。
☐ 145.訪問介護で、利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡するものとする。
利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡することとし、希望内容に応じて、地域支援事業、有償サービス、シルバー人材センター、ボランティア等、他のサービスを利用するように助言し、有効な活用を検討する必要がある。
☐ 146.訪問介護計画は、利用回数にかかわらず、すべての利用者に対して作成しなければならない。
☐ 147.介護支援専門員は、統計的にみて通常の居宅サービス計画よりかけ離れた回数の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、居宅サービス計画に必要な理由を記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。
☐ 148.指定訪問介護事業所の管理者については、職務に専従する常勤の者であれば、特段の専門資格は不要である。
☐ 149.訪問介護のサービス提供責任者は、介護福祉士以外にも実務者研修修了者、旧介護職員基礎研修修了者、旧ホームヘルパー1級課程修了者のいずれかの要件を満たしていればよい。
☐ 150.訪問介護の管理者には、事業所の従業者及び業務の管理を一元的に行い、必要な指揮命令を行うことが業務として位置付けられている。サービス提供責任者には、サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ることが業務として位置付けられている。
☐ 151.指定訪問介護事業者は、正当な理由なくサービス提供を拒むことはできない。
正当な理由がある場合とは、① 事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合、② 利用申込者の居住地が事業所の通常の事業の実施地域外である場合、③ 適切なサービスを提供することが困難な場合などとされている。
☐ 152.訪問介護で、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合は、利用者にかかる居宅介護支援事業者に連絡しなければならない。
☐ 153.利用者に対する訪問介護の提供により事故が発生した場合には、市町村、利用者の家族、利用者にかかる居宅介護支援事業者等に連絡を行わなければならない。
☐ 154.利用者又はその家族等からの要請に基づき、サービス提供責任者が介護支援専門員と連携し、介護支援専門員が必要と認めた場合に、緊急に行った指定訪問介護については、緊急時訪問介護加算を算定できる。
☐ 155.訪問介護計画において計画的訪問することとなっていない身体介護を訪問介護が緊急に行った場合には、所定の単位を加算できることがある。
身体介護について、利用者又はその家族等からの要請に基づき、サービス提供責任者と介護支援専門員が連携し、介護支援専門員が必要であると認め、訪問介護員等が利用者の居宅サービス計画において計画的訪問することとなっていない訪問介護を緊急に行った場合には、1回につき所定の単位数を加算できる。
☐ 156.新規に訪問介護計画を作成した利用者に対して、初回もしくは初回の訪問介護を行った日の属する月に、サービス提供責任者が訪問介護を行った場合、又はサービス提供責任者がその他の訪問介護員等の訪問介護に同行した場合には、1月につき所定の単位数を加算できる。
☐ 157.訪問介護事業所と同一敷地内にある建物の居住者に対して訪問介護を提供した場合には、介護報酬は減算される。
訪問介護事業所と同一敷地内もしくは隣接する敷地内の建物もしくは訪問介護事業所と同一の建物(以下「同一敷地内建物等」)に居住する利用者に対して訪問介護を行った場合には、事業所の1月あたりの利用者数が50人未満の場合は介護報酬が10%減算され、50人以上の場合は15%減算される。また、同一敷地内建物等に該当しないが、事業所の1月あたりの利用者が同一の建物に20人以上居住する建物に居住する利用者に訪問介護を行った場合には、介護報酬が10%減算される。
4.訪問入浴介護
☐ 158.訪問入浴介護は、「居宅要介護者について、その者の居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介護」のことをいう。
☐ 159.訪問入浴介護は、自宅の浴室の有無にかかわらず、自宅にある浴室での入浴や地域の入浴施設の利用が困難な場合などに訪問入浴介護を提供することができる。
☐ 160.主治の医師の指示のもとで適切な方法で行うのであれば、終末期であっても訪問入浴介護を利用できる。
☐ 161.訪問入浴介護の協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましい。
緊急時等の対応として、協力医療機関については、① 協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましいものであること、② 緊急時において円滑な協力を得るため、当該協力医療機関との間であらかじめ必要な事項を取り決めておくこととされている。
☐ 162.訪問入浴介護で、利用者の身体の状況により全身入浴が難しい場合は、利用者の希望によって、清拭や部分浴に変更する。
主治の医師から指示されている事項と利用者の状態が異なる場合、又は突発的な発熱、血圧の上昇、呼吸の乱れなどの体調の変化を発見した場合には、あらためて主治の医師の指示を仰ぎ、利用者に十分説明し、了承を得たうえで、必要により清拭や部分浴に変更する。
☐ 163.訪問入浴介護で、利用者に病状の急変が生じた場合には、速やかに主治の医師又はあらかじめ定めた協力医療機関へ連絡を行う。
☐ 164.訪問入浴介護のサービスの提供の責任者について、常勤専従であることまでは定められていない。サービス提供に携わる3人(看護職員1人、介護職員2人)のうちの1人が、サービスの提供の責任者を務める。
☐ 165.訪問入浴介護の管理者は、特段の専門資格は不要である。主治の医師との連携に努める役割を担う目的で、訪問入浴介護従事者に看護職員(看護師又は准看護師)が1人以上配置されている。
☐ 166.指定訪問入浴介護事業者は、自らその提供する指定訪問入浴介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。
☐ 167.訪問入浴介護は、利用者の身体状況等に支障がない場合には、主治の医師の意見を確認したうえで、介護職員3人で実施することができる。
訪問入浴介護の提供は、1回の訪問につき、原則、看護職員1人と介護職員2人で行うが、入浴により利用者の身体の状況等に支障を生じるおそれがないと認められる場合に、その主治の医師の意見を確認したうえで、訪問入浴介護事業所の介護職員3人によってサービスを提供することができる。ただし、介護職員3人で行った場合は、所定単位数の100分の95(95%)相当の単位数に減算される。
☐ 168.指定訪問入浴介護事業者は、運営規程として「通常の事業の実施地域」を定める必要がある。
☐ 169.訪問入浴介護では、浴槽など利用者の身体に直接接触する設備、器具その他の用品等については、サービスの提供ごとに消毒したものを使用する。
☐ 170.訪問入浴介護の提供は、1回の訪問につき 原則、看護職員 1名と介護職員2名の3名体制で行う。
☐ 171.訪問入浴介護事業者は別の訪問介護員等が同一時間帯に同一利用者に対して入浴その他の介助を行った場合には、別に訪問介護費を算定することはできない。
☐ 172.訪問入浴介護費は、サービス提供時間にかかわらず、訪問1回あたりで設定された所定単位数により算定する。
☐ 173.利用者が短期入所生活介護を利用している間は、訪問入浴介護費は算定しない。
利用者が短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、看護小規模多機能型居宅介護を利用している間は、訪問入浴介護費は算定しない。
☐ 174.利用者が小規模多機能型居宅介護を利用している場合には、訪問入浴介護費は算定できない。
☐ 175.利用者の心身状況及びその希望によって清拭に変更になった場合には、訪問入浴介護費は減算される。
利用者の心身の状況等から全身入浴が困難な場合であって、利用者の希望により清拭又は部分浴(洗髪、陰部、足部等の洗浄)を実施したときは、所定単位数の100分の70(70%)相当の単位数に減算される。
☐ 176.利用者が訪問入浴介護事業所と同一の建物に居住する場合でも、所定の率に相当する単位数を減算した介護報酬で訪問入浴介護を提供することができる。
5.通所介護
☐ 177.通所介護計画は、通所介護事業所の管理者が通所介護計画を作成しなければならない。
介護支援専門員が作成した居宅サービス計画に、サービス担当者会議にて修正・確認された結果、通所介護が組み込まれた場合、通所介護事業所の管理者が通所介護計画を作成しなければならない。
☐ 178.指定通所介護事業所は、利用定員数にかかわらず、生活相談員を配置しなければならない。
通所介護における生活相談員は、利用定員数にかかわらず、サービス提供日ごとに、提供時間に応じて専従で1人以上配置しなければならない。
☐ 179.通所介護で、通常の事業の実施地域以外に住む利用者の送迎にかかる費用は、利用料以外の料金として支払いを受けることができる。
☐ 180.通所介護計画は、その内容について利用者又はその家族に説明し、利用者の同意を得た上で、利用者に交付しなければならない。
☐ 181.指定通所介護事業所において、夜間及び深夜に指定通所介護以外のサービスを提供する場合は、その開始前に都道府県知事に届け出をしなければならない。
☐ 182.通所介護事業所は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備ならびに指定通所介護の提供に必要なその他の設備及び備品等を備えなければならない。
☐ 183.通所介護で利用者は、利用日ごとに異なる提供時間数のサービスを受けることができる。
適切なアセスメントを経て居宅サービス計画及び通所介護計画に位置づけられた時間設定であれば、利用者は、利用日ごとに異なる提供時間数のサービスを受けることができる。
☐ 184.通所介護費は、事業所の規模によって通常規模型、大規模型(Ⅰ)、大規模型(Ⅱ)の3つに分けて設定されている。
☐ 185.通所介護費は、サービスの所要時間によって、3~4時間、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7~8時間、8~9時間の6つに分けて設定されている。
☐ 186.通所介護は、サービスの所要時間が同じ区分の利用者であっても、サービス提供開始時刻を同じにする必要はない。サービス提供開始時刻は、利用者の生活状況等に応じて設定される。
☐ 187.通所介護の送迎時に実施した居宅内での介助は、1日30分以内を限度に、通所介護を行うのに要する時間に含めることができる。
送迎時に実施した居宅内での介助(着替え、ベッド・車いすへの移乗、戸締り等)に要する時間は、居宅サービス計画及び通所介護計画に位置づけたうえで実施し、かつ介護福祉士等一定の資格要件及び経験年数を満たす者によって行われた場合、1日30分以内を限度に、通所介護を行うのに要する時間に含めることができる。
☐ 188.通所介護に係る介護報酬については、事業所の規模、介護の所要時間、要介護度別によって設定されている。併設事業所の有無によって異なることはない。
☐ 189.通所介護の通常の事業の実施地域内に住む利用者の送迎に要する費用は、通所介護費に含まれる。
☐ 190.通所介護の所要時間が通算して9時間以上になった場合は、5時間を限度として延長加算を算定できる。
☐ 191. 通所介護の中重度者ケア体制加算は、① 必要な従業者の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2人以上確保していること、② 要介護3~5の者の占める割合が100分の30以上であること、③ 専ら当該指定通所介護の提供にあたる看護職員を1人以上配置していることのいずれの要件も満たした通所介護事業所が、中重度の要介護者を受け入れる体制を構築し、サービスを提供した場合に算定できる。ただし、共生型通所介護の場合は算定できない。
☐ 192.通所介護の入浴介助加算は、入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備の要件を満たしたうえで、入浴介助を行った場合に、1日につき所定の単位数を加算することができる。
☐ 193.通所介護の生活相談員配置等加算は、共生型通所介護事業所に生活相談員を1人以上配置し、かつ、地域交流の場の提供等の地域貢献活動を実施している場合に、1日につき所定の単位数を加算することができる。
☐ 194.通所介護の若年性認知症利用者受入加算は、65歳未満の若年性認知症の利用者を受け入れ、利用者ごとに個別に担当者を定め、その担当者を中心として利用者の特性や二ーズに応じたサービスを提供した場合に算定できる。ただし、認知症加算を算定している場合は算定できない。
☐ 195.通所介護の生活機能向上連携加算を算定するためには、外部の理学療法士等と当該事業所の機能訓練指導員等が共同してアセスメントや個別機能訓練計画の作成等を行わなければならない。
生活機能向上連携加算は、外部のリハビリテーション専門職等(理学療法士等)と当該事業所の機能訓練指導員等が共同してアセスメントと計画の作成等を行い、機能訓練指導員等が機能訓練を適切に提供し、かつ、専門職等と連携して計画の進捗状況を3月ごとに1回以上評価し、利用者等に説明のうえ、必要に応じて計画・訓練内容の見直し等を行っている場合に算定できる。
☐ 196.通所介護の栄養改善加算は、管理栄養士(外部との連携を含む)を1人以上配置し、低栄養状態又はそのおそれのある利用者に対して、管理栄養士等が共同して栄養ケア計画を作成し、栄養改善サービス(栄養食事相談等の栄養管理)を行った場合、原則として3か月以内の期間に限り月に2回を限度に算定できる。
6.短期入所生活介護
☐ 197.短期入所生活介護は、利用者の心身の状況により、もしくは利用者の家族の疾病、冠婚葬祭、出張等の理由により、又は利用者の家族の身体的及び精神的な負担の軽減等を図るために、一時的に居宅において日常生活を営むのに支障がある者を対象に提供されるため、家族の結婚式への出席や趣味活動への参加のための利用は可能である。
☐ 198.短期入所生活介護計画は、おおむね4日以上連続して利用が予定される場合に作成しなければならない。
☐ 199.短期入所生活介護の管理者は、利用定員にかかわらず常勤専従でなければならない。ただし、事業所の管理上支障がない場合は、他の職務と兼務することができる。
☐ 200.短期入所生活介護の生活相談員は1人は常勤でなければならない。ただし、利用者20人未満の併設事業所の場合、非常勤でもよい。
☐ 201.短期入所生活介護で、利用者20人未満の併設事業所の場合でも、機能訓練指導員は他の職務と兼務することはできる。
☐ 202.短期入所生活介護で、利用者40人以下の事業所の場合には、他の施設の栄養士との連携があり、利用者の処遇に支障がなければ、栄養士は配置しなくてもよい。
☐ 203.短期入所生活介護で、利用者20人未満の併設型の事業所の場合、介護職員は非常勤でもよい。
☐ 204.短期入所生活介護で、食事の提供と機能訓練に支障のない広さを確保できる場合には、食堂と機能訓練室は同一の場所とすることができる。
食堂と機能訓練室の合計画積は、利用定員×3.0㎡以上が必要だが、食事の提供と機能訓練に支障のない広さを確保できる場合は、食堂と機能訓練室は同一の場所とすることができる。
☐ 205.短期入所生活介護で、介護支援専門員が緊急やむを得ないと認めた場合には、専用の居室以外の静養室も利用できる。
☐ 206.短期入所生活介護で、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合、緊急短期入所受入加算を算定することはできない。
☐ 207.短期入所生活介護の認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合、若年性認知症利用者受入加算を算定することはできない。
☐ 208.短期入所生活介護で、医療連携強化加算と在宅中重度者受入加算は、同時に算定でない。
喀痰吸引等の医療ニーズの高い利用者に対し、看護職員による定期的な巡視や、緊急時の対応について協力医療機関との取り決めを行っている等の基準に適合する場合であって、看護体制加算(Ⅱ)又は(Ⅳ )を算定しているときは、医療連携強化加算を算定できるが、在宅中重度者受入加算を算定している場合は算定できない。
☐ 209.短期入所生活介護で、医師の発行する食事箋に基づいた糖尿病食等を提供する場合は、1日につき3回を限度として、療養食加算を算定できる。
☐ 210.短期入所生活介護で、共生型短期入所生活介護を算定している場合は、夜勤職員配置加算は算定できない。
☐ 211.短期入所生活介護で、利用者の状態や家族等の事情により、居宅サービス計画にない指定短期入所生活介護を緊急に行った場合は、原則として、緊急短期入所受入加算を算定できる。
緊急短期入所受入加算は、利用者の心身の状態や家族等の事情により、介護支援専門員が必要と認めた利用者に対し、居宅サービス計画において計画的に行うこととなっていない指定短期入所生活介護を緊急に行った場合に、利用開始日から起算して原則として7日を限度として算定できる。ただし、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合は算定できない。
☐ 212.短期入所生活介護で、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合、緊急短期入所受入加算を算定することはできない。
☐ 213.短期入所生活介護で、一定の条件を満たした事業所が、客痰吸引等の医療ニーズの高い利用者に対してサービス提供を行った場合には、医療連携強化加算を算定できる。
喀痰吸引等の医療ニーズの高い利用者に対し、看護職員による定期的な巡視や、緊急時の対応について協力医療機関との取り決めを行っている等の基準に適合する場合であって、看護体制加算(Ⅱ )又は(Ⅳ )を算定しているときは、医療連携強化加算を算定できる。
☐ 214.短期入所生活介護では、利用者の心身状態や家族等の事情から送迎を行う場合には、送迎加算を算定できる。
送迎加算は、利用者の心身の状態や家族等の事情等から送迎が必要と認められた利用者に対して送迎を行った場合に、片道につき所定の単位数を算定できる。
☐ 215.短期入所生活介護で、連続して30日を超えて同一の事業所に入所して、指定短期入所生活介護を受けている利用者については、30日超過減算として、1日につき所定の単位数を減算する。
☐ 216.短期入所生活介護で、一定の条件を満たした事業所が、認知症の高齢者に対して専門的な認知症ケアを行った場合には、認知症専門ケア加算を算定できる。
認知症専門ケア加算は、日常生活に支障をきたすおそれのある症状もしくは行動が認められる認知症の利用者の占める割合が2分の1以上であって、認知症介護にかかる専門的な研修修了者、その指導にかかる専門的な研修修了者の配置等の基準に適合する事業所が、認知症の高齢者に対して専門的な認知症ケアを行った場合に算定できる。
7.介護老人福祉施設
☐ 217.指定介護老人福祉施設に虐待等のやむを得ない事由があれば、要介護1又は2の者を入所させることができる。
家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であるなどやむを得ない事由がある場合、要介護1又は2の者であっても入所が認められる。
☐ 218.指定介護老人福祉施設は、夜間を含めて、常時1人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならない。
☐ 219.指定介護老人福祉施設は、入所者数が30人以上50人未満の場合は、常勤換算で2人以上の看護職員を配置しなければならない。
看護職員のうち、1人以上は常勤の者でなければならず、① 入所者30人未満の施設では1人以上(常勤換算)、② 30人以上50人未満の施設では2人以上(常勤換算)、③ 50人以上130人未満の施設では3人以上(常勤換算)、④ 130人以上の施設では3人、プラス50人又はその端数を増すごとに1人を加えた数(常勤換算)を配置しなければならない。
☐ 220.介護老人福祉施設の看護職員については、常勤の者を1人以上配置しなければならない。
☐ 221.介護老人福祉施設に入所定員が40人を超えない施設で他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、栄養士を配置しなくてもよい。
☐ 222.介護老人福祉施設の生活相談員は、常勤の者でなければならない。入所者の数が100人又はその端数を増すごとに1人以上配置することとされている。
☐ 223.介護老人福祉施設の機能訓練指導員は、同一施設の他の職務に従事することができる。
機能訓練指導員は、同一施設の他の職務に従事することができる。1人以上を配置しなければならず、日常生活機能を改善、又は減退防止の訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。
☐ 224.指定介護老人福祉施設の居室の定員は1人だが、入所者へのサービス提供上必要と認められる場合は、2人とすることができる。
☐ 225.指定介護老人福祉施設の介護支援専門員は、常勤の者を1人以上配置しなければならない。また、入所者の数が100人又はその端数を増すごとに1人を増やすこととされている。
☐ 226.指定介護老人福祉施設の医務室は、医療法に規定する診療所とする。入所者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けることとする。
☐ 227.介護老人福祉施設の介護支援専門員は、常勤の者を1人以上配置しなければならない。また、入所者の数が100人又はその端数を増すごとに1人を増やすこととされている。
☐ 228.指定介護老人福祉施設では、身体的拘束等の適正化を図るため、対策を検討する委員会の開催、指針の整備、定期的な従業者に対する研修の実施等の措置を講じなければならない。
☐ 229.指定介護老人福祉施設では、入所者が居宅での生活を営むことができるかどうかについて、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等の従業者間で協議しなくてはならない。
入所後、入所者の心身の状況や環境等から、居宅での日常生活を営むことができるかどうかを、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等で定期的に検討し、居宅での日常生活を営むことが可能と認められる入所者に対しては、本人や家族の希望等を勘案して、円滑な退所のために必要な援助を行わなければならない。
☐ 230.指定介護老人福祉施設では、施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
入所を待っている申込者がいる場合には、介護の必要の程度及び家族等の状況を勘案し、入所して指定施設サービスを受ける必要性が高いと認められる者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
☐ 231.指定介護老人福祉施設では、入所者が医療機関に入院しなければならなくなった場合、3月以内に退院できる見込みがあるときは、やむを得ない事情がある場合を除き、退院後、再び当該施設に入所できるようにしなければならないが、3月間当該ベッドを空けておくことまでは義務づけられていない。
☐ 232.指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、入所者の負担により、当該指定介護老人福祉施設の従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。
☐ 233.指定介護老人福祉施設では、健康状態によって入浴が困難な入所者には、清拭を1週間に2回以上行わなければならない。
指定介護老人福祉施設は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。
☐ 234.指定介護老人福祉施設での感染症や食中毒の予防又はまん延防止のため、その対策を検討する委員会をおおむね三月に1回以上開催しなければならない。
施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、介護職員、栄養士、生活相談員等で構成される感染対策委員会を、おおむね三月に1回以上開催し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する。
☐ 235.指定介護老人福祉施設の入所者に対する施設サービス計画等の記録は、その完結の日から二年間保存しなければならない。
☐ 236.当該指定介護老人福祉施設について広告をする場合には、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならないが、広告自体が禁じられているわけではない。
8.福祉用具
☐ 237.「特殊寝台からの起き上がりや移乗の際に用いる介助用ベルト」は、介護保険における福祉用具貸与の対象となる。
☐ 238.「特殊寝台と一体的に使用されるマットレス」は、介護保険の福祉用具貸与の対象となる。
特殊寝台と一体的に使用されるマットレスや、利用者の落下防止のためのサイドレール、テーブル、利用者の身体を滑らせるスライディングボードやスライディングマット、起き上がり、立ち上がり、移乗するときに用いる介助用ベルトは、特殊寝台付属品として福祉用具貸与の対象となる。
☐ 239.「エアマットレスなどの床ずれ防止用具」は、介護保険における福祉用具貸与の対象となる。
「床ずれ防止用具」は、福祉用具貸与の対象となる。床ずれ防止用具には、エアマットと呼ばれる送風装置を備えたもの、体圧を分散するために、水、ゲル、シリコンなどさまざまな材質が入ったものがある。
☐ 240.設置工事を伴うスロープは、住宅改修の対象となる。設置工事を伴わず、持ち運びの容易なものが福祉用具貸与の対象となる。
☐ 241.「取付工事の必要がなく、持ち運びが容易なスロープ」は、介護保険の福祉用具貸与の対象となる。
スロープは、段差を解消するための福祉用具で、取り付けに工事の必要がなく、持ち運びの容易なものが福祉用具貸与の対象となる。2本のレールを敷くタイプとフラットな板状になるタイプがある。
☐ 241.「車輪のない歩行器」は、介護保険の福祉用具貸与の対象となる。
福祉用具貸与の対象となる歩行器は、車輪のないものと脚部に車輪のあるものがある。
☐ 242.「移動用リフト」は、福祉用具貸与の対象となるが、「移動用リフトのつり具の部分」は、特定福祉用具販売の対象となる。
☐ 243.「浴槽内いす」は、入浴補助用具として、特定福祉用具販売の対象となる。
☐ 244.「自動排泄処理装置の専用パッド」は、保険給付の対象ではなく、自費での購入となる。
自動排泄処理装置の本体部分は、福祉用具貸与の対象となるが、交換可能部品(レシーバー、チューブ、タンク等)のうち、尿や便の経路となる部分は特定福祉用具販売の対象となる。専用パッド・専用パンツ、洗浄液など、排泄のつど消費する消耗品は保険給付の対象ではなく、自費での購入となる。
☐ 245.「入浴用介助ベルト」は、入浴補助用具として、特定福祉用具販売の対象となる。
☐ 246.空気式又は折りたたみ式等で使用しないときに立て掛けるなど容易に収納できる構造の浴槽で、取水や排水のために工事を伴わないものは、特定福祉用具販売の対象となる。
☐ 247.福祉用具貸与については、種目によっては、要介護状態区分に応じた制限がある。
要介護1の利用者に対して、車いすや特殊寝台等は原則として給付できない。また、要介護1~3の利用者に対して、自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引する機能のものを除く)も給付できない。ただし、例外として、利用者の状況に合わせ要件を満たせば、給付できる場合がある。
☐ 248.福祉用具貸与事業所には、福祉用具専門相談員を2人以上置くことが義務づけられている。
☐ 249.特定福祉用具を販売する際には、福祉用具専門相談員は、利用者ごとに特定福祉用具販売計画を作成しなければならない。
福祉用具専門相談員は、利用者に福祉用具を貸与・販売する場合に、利用者ごとに福祉用具サービス計画(福祉用具貸与計画・特定福祉用具販売計画・介護予防福祉用具貸与計画・特定介護予防福祉用具販売計画)を作成しなければならない。
9.夜間対応型訪問介護
☐ 250.夜間対応型訪問介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、夜間対応型訪問介護計画を必要に応じて変更する。
☐ 251.指定夜間対応型訪問介護事業者は、利用者へ配布するケアコール端末に係る設置料、リース料、保守料の費用を利用者から徴収することはできない。
☐ 252.夜間対応型訪問介護で、看護師及び介護福祉士は、面接相談員になることができる。
指定夜間対応型訪問介護事業所には、オペレーターと同様の資格又はこれらと同等の知識経験を有する者を面接相談員として配置することができる。オペレーターの資格として、看護師、介護福祉士、医師、保健師、准看護師、社会福祉士、介護支援専門員が定められている。
☐ 253.夜間対応型訪問介護の随時訪問サービスにおいて、オペレーションセンター従業者は、一月ないし三月に1回程度利用者宅を訪問しなければならない。
随時訪問サービスを適切に行うため、オペレーションセンター従業者は、利用者の面接及び一月ないし三月に1回程度の利用者の居宅への訪問を行い、随時利用者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な相談及び助言を行う。
☐ 254.夜間対応型訪問介護の随時訪問サービスは、利用者の処遇に支障がないときは、他の指定訪問介護事業所の訪問介護員等に行わせることができる。
指定夜間対応型訪問介護事業者は、指定夜間対応型訪問介護事業所ごとに、当該指定夜間対応型訪問介護事業所の訪問介護員等によって定期巡回サービス及び随時訪問サービスを提供しなければならない。ただし、随時訪問サービスについては、他の指定訪問介護事業所との連携を図ることにより当該指定夜間対応型訪問介護事業所の効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の処遇に支障がないときは、当該他の指定訪問介護事業所の訪問介護員等に行わせることができる。
☐ 255.定期巡回サービスを行う訪問介護員等については、最低必要となる人員要件は定められていないが、交通事情、訪問頻度等を勘案し、利用者に適切に定期巡回サービスを提供するために必要な数以上の人員を配置しなければならない。
☐ 256.夜間対応型訪問介護で利用者から合鍵を預かる場合には、その管理を厳重に行うとともに、管理方法や紛失した場合の対処方法などを記載した文書を利用者に交付する必要がある。
☐ 257.指定夜間対応型訪問介護事業者は、利用者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。
☐ 258.利用者が短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護又は小規模多機能型居宅介護等を受けている間は、夜間対応型訪問介護費は算定できない。
☐ 259.夜間対応型訪問介護で緊急時の連絡体制を確保し、日中においてオペレーションセンターサービスを行う等の要件を満たす場合は、24時間通報対応加算を算定できる。
日中においてオペレーションセンターサービスを行うための人員や、緊急時の連絡体制が確保されている事業所において、日中も当該サービスの利用を希望する利用者については、24時間通報対応加算を算定できる。
10.認知症対応型通所介護
☐ 260.認知症対応型通所介護には、機能訓練が含まれる。
認知症対応型通所介護には、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練が含まれる。
☐ 261.介護保険における認知症対応型通所介護で、認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者も、対象とならない。
認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者は、認知症対応型通所介護事業所において日常生活を送ることに支障があると考えられることから、認知症対応型通所介護の対象とならない。脳血管疾患、アルツハイマー病、その他の脳の器質的な変化により、日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能や認知機能が低下した状態にある認知症の要介護者が認知症対応型通所介護の対象となる。
☐ 262.認知症対応型通所介護は、居宅サービス計画に沿った認知症対応型通所介護計画を作成し、その内容について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得て、交付しなければならない。
☐ 263.指定認知症対応型共同生活介護事業所における共用型指定認知症対応型通所介護の利用定員は、共同生活住居ごとに1日当たり3人以下である。
☐ 264.認知症対応型通所介護で、若年性認知症の者も対象とする事業所の設置市町村は、他市町村から指定の同意の申し出があった場合には、原則として、同意を行うことが求められる。
若年性認知症の者が少なく、また、若年性認知症の者に対応したプログラムを有する事業所が少ないことから、近隣市町村等も含めて広域的な利用が行われることが想定される。そのため、若年性認知症の者の希望に基づき、他市町村から指定の同意の申し出があった場合には、原則として、同意を行うことが求められる。
☐ 265.認知症対応型通所介護で職員、利用者及びサービスを提供する空間を明確に区別すれば、一般の通所介護と同じ事業所で同一の時間帯にサービスを行うことができる。
認知症対応型通所介護を一般の通所介護と同じ事業所で同一の時間帯に行う場合には、例えばパーテーションなどで間を仕切ることなどにより、職員、利用者及びサービスを提供する空間を明確に区別することによりサービスを行うことができる。
☐ 266.認知症対応型通所介護で、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、事業所の生活相談員又は、介護職員が兼務して行っても差し支えない。
☐ 267.認知症対応型通所介護で、利用者、家族へのサービスの提供方法等の説明には、認知症対応型通所介護計画の目標及び内容や利用日の行事及び日課も含まれる。
☐ 268.指定認知症対応型通所介護事業者は、運営推進会議における報告、評価、要望、助言等について記録を作成するとともに、記録を公表しなければならない。
☐ 269.認知症対応型通所介護で、送迎時に実施した居宅内での介助等に要した時間は、サービス提供時間に含まれる。
サービス提供時間には送迎に要する時間は含まれないが、送迎時に実施した居宅内での介助等(着替え、ベッド・車いすへの移乗、戸締り等)に要する時間は、居宅サービス計画及び認知症対応型通所介護計画に位置づけたうえで実施し、かつ介護福祉士等一定の資格要件又は経験年数を満たす者によって行われた場合、1日30分以内を限度に、サービス提供時間に含まれる。
11.小規模多機能型居宅介護
☐ 270.小規模多機能型居宅介護は、通いサービスを中心として、訪問サービス、宿泊サービスを利用者の様態や希望に応じて柔軟に組み合わせて提供するものである。
☐ 271.小規模多機能型居宅介護では、利用者と従業者がなじみの関係を築きながらサービスを提供するという観点から、利用者は1つの事業所にしか登録できない。
☐ 272.小規模多機能型居宅介護で、従業者について、介護福祉士や訪問介護員の資格等は必ずしも必要としないが、介護等に対する知識、経験を有する者で、うち1人以上は看護師又は准看護師でなければならない。また、従業者のうち1人以上は常勤でなければならない。
☐ 273.小規模多機能型居宅介護で、小規模多機能型居宅介護の本体事業所とサテライト事業所の距離は、自動車等でおおむね20分以内の近距離でなければならない。
☐ 274.小規模多機能型居宅介護の人員基準は、従業者のうち、1人以上は常勤でなければならないとされている。また、1人以上は看護師又は准看護師でなければならないとされており、このどちらも満たさなければならないという規定はない。
☐ 275.小規模多機能型居宅介護で、介護支援専門員は、利用者の処遇に支障がない場合には、管理者と兼務することができる。
☐ 276.小規模多機能型居宅介護で、1室あたりの定員は1人、床面積は7.43㎡以上となっているが、利用者の処遇上必要と認められる場合は、1室あたりの定員を2人とすることができる。
☐ 277.運営推進会議は、小規模多機能型居宅介護事業者が必要な要望や助言等を聴く機会として設置しなければならない。また、運営推進会議での評価、要望、助言等について記録を作成し、それを公表しなければならない。
☐ 278.小規模多機能型居宅介護で通いサービス、訪問サービス及び宿泊サービスの算定月における提供回数について、登録者1人当たり平均回数が週4回に満たない場合には、介護報酬は減算される。
算定月のサービス提供回数が登録者(短期利用者を除く)1人当たり週4回未満の場合は、所定単位数の100分の70(70%)相当の単位数に減算される。
☐ 279.小規模多機能型居宅介護で一定の条件を満たす事業所において、看取り期におけるサービス提供を行った場合は、看取り連携体制加算を算定できる。
看取り連携体制加算は、看護師により24時間連絡できる体制を確保し、看取り期における対応方針を定め、利用開始の際に登録者やその家族等に内容の説明を行って同意を得たうえで、医師が回復の見込みがないと判断した利用者に対して看取り期におけるサービス提供を行った場合に、死亡日及び死亡日以前30日以下について1日につき所定の単位数を算定できる。
12.認知症対応型共同生活介護
☐ 280.認知症対応型共同生活介護で計画作成担当者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、他の介護従業者と協議のうえ、援助の目標、当該目標を達成するための具体的なサービス内容等を記載した認知症対応型共同生活介護計画を作成しなければならない。当該計画を作成した期間について、居宅サービス計画の作成は必要ない。
☐ 281.認知症対応型共同生活介護で複数の共同生活住居がある事業所の場合には、認知症対応型共同生活介護計画の作成担当者のうち1人は、介護支援専門員でなくてはならない。
指定認知症対応型共同生活介護事業者は、共同生活住居ごとに、保健医療サービス又は福祉サービスの利用計画の作成に関して知識及び経験があり認知症対応型共同生活介護計画を作成するのに適当と認められる者で、厚生労働大臣が定める研修を修了している者を、計画作成担当者として専従で1人以上(支障がなければ兼務可)置かなければならない。そのうち1人以上は介護支援専門員でなければならず、介護支援専門員以外の計画作成担当者の業務を監督するとされている。
☐ 282.認知症対応型共同生活介護では、共同生活住居ごとに、認知症対応型共同生活介護計画の作成を担当する計画作成担当者を置かなければならない。
☐ 283.認知症対応型共同生活介護で事業所の立地場所について、利用者の家族との交流の機会の確保、地域住民との交流を図る観点から、住宅地又は住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される地域にあるようにしなければならない。
☐ 284.認知症対応型共同生活介護の事業所に設けることができる共同生活住居は1又は2とし、1つの共同生活住居の入居定員は5人以上9人以下とされている。
☐ 285.認知症対応型共同生活介護での居室1室あたりの定員は1人であるが、利用者の処遇上必要と認められる場合には2人にすることができる。
☐ 286.認知症対応型共同生活介護で事業所は、共同生活住居ごとに、非常災害対策などの事業運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
指定認知症対応型共同生活介護事業者は、共同生活住居ごとに、非常災害対策、事業の目的及び運営の方針、従業者の職種、員数及び職務内容、利用定員、指定認知症対応型共同生活介護の内容及び利用料その他の費用の額、入居にあたっての留意事項、その他運営に関する重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
☐ 287.認知症対応型共同生活介護で事業所の管理者は、厚生労働大臣が定める研修を修了していなければならない。
指定認知症対応型共同生活介護事業所の管理者は、常勤専従(支障がなければ兼務可)で、3年以上認知症である者の介護に従事した経験を有し、厚生労働大臣が定める認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した者でなければならない。
☐ 288.指定認知症対応型共同生活介護事業者は、自らその提供するサービスの質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受け、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない。
☐ 289.指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者に対して、利用者の負担により、共同生活住居の介護従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。
13.住宅改修
☐ 290.敷居を低くする工事、スロープを設置する工事などは住宅改修費の支給対象となるが、昇降機、リフト、段差解消機等、動力により段差を解消する機器を設置する工事は、住宅改修費の支給対象とならない。
☐ 291.扉の取替えに伴う壁や柱の改修工事の費用は、住宅改修費の支給対象となる。
☐ 292.ベッドサイドで排泄するためのポータブルトイレ、和式便器や洋式便器の上に置いて高さを補い、立ちしゃがみを容易にする便座などは、特定福祉用具販売の支給対象となる。
☐ 293.要介護等状態区分が3段階以上上がった場合には、再度、支給限度基準額の20万円まで住宅改修費の支給の申請をすることができる。
☐ 294.転居した場合には、転居前の住宅に対する住宅改修費の支給状況にかかわらず、転居後の住宅について、支給限度基準額の20万円まで住宅改修費の支給の申請をすることができる。
2022年3月28日 発行 初版
bb_B_00173176
bcck: http://bccks.jp/bcck/00173176/info
user: http://bccks.jp/user/150447
format:#002y
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp
「資格試験のペネトレイト」で医療・介護・福祉の仕事に携わる方に必須の資格取得のお手伝いをしています。 私は、薬剤師、社会福祉士、介護支援専門員の免許を持っていますが、現在は薬剤師の仕事に従事しています。 資格試験合格のノウハウは1つ、シンプルな学習が大切、そのための教材を公開しています。 ホームページ「資格試験のペネトレイト」http://penetrateblog.com/に教材の販売コーナーと無料の問題集を集めた棚を提供しています。 私と一緒に資格試験合格を目指しましょう。