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アイドルに興味がない方にとって、アイドルとは「ただ容姿が良いだけ」、「歌って踊ってバラエティーにも出る」程度の認識だろうか。はたまた、「ファンが熱狂的で宗教じみている」という認識かもしれない。あの歌手の歌が好きで……、なんてものとは違う熱量をアイドルに持つ人が多く存在するとは知りつつも、その魅力がイマイチわからないという人は多いのではないだろうか。
私はアイドルが大好きだ。はじめてアイドルを好きになった小学生時代から、大学生の今までアイドルに魅了され続けている。
私がもっとも好きなアイドルの一人が、指原莉乃だ。元「AKB48」/「HKT48」であり、バラエティー番組での機転の利く返答や上手な立ち振る舞いから、今や説明不要の知名度を誇る。アイドルとしての指原莉乃の魅力や私に与えた影響の紹介を通じて、アイドルの魅力を感じてもらいたい。
私が感じているアイドル・指原莉乃の魅力は、「ファンに寄り添う心」である。もちろん、持ち前の容姿や歌、トーク等も魅力であるが、私が彼女を根源的に好きな理由はこの姿勢に尽きる。
そもそも彼女がアイドルになったのは、中学生時代に受けたいじめにより不登校になっていた経験からだ。上京してやり直すため、昔から好きで心の拠り所であったアイドルを志したという経緯がある。
だからこそ彼女は、かつて自分が憧れ勇気付けられたアイドルと同じように、ブログ等のSNSや各所での発言等を通じて多くのファンに寄り添い続けたのだ。
私が今でも忘れられない彼女の言葉を引用したい。第七回AKB48選抜総選挙にて、二年ぶりに一位に返り咲いた際のスピーチの一部だ(※1)。
「全国の自分に自信のないみなさん、私のように、いじめられて、ひきこもりになって、親にたくさん迷惑をかけてしまったみなさん、日の当たっていないみなさん、私は、もう一度一位になることができました。奇跡の一回ではなく、自分が一年がんばってきたことを評価されての一位だと信じています。
私は落ちこぼれです。選ばれた人間ではありません。全国の落ちこぼれのみなさん、私の一位を、どうか自信に変えてください。
あの日、私に力をくれたアイドルのように、私も、みなさんの力になれることがとても嬉しいです。今日は本当にありがとうございました!」
私は、彼女を応援することで生きる意味を与えてもらった。大袈裟なようだが、とにかく「同じ時間に生きる意味」をくれたのが彼女の存在なのだ。同じ世界で同じ時間に生きる彼女のパフォーマンスや活躍をずっと見ていたいと思い、また、彼女に励まされたことで、私自身も今を大切に生きることができている。彼女は平成の終わりとともにアイドル活動を卒業したが、今でも私のアイドルとして生きる意味を教えてくれる、大切で大好きなアイドルだ。
私にとって、彼女のようなアイドルはもう現れないかもしれない。しかし、あなたにとっても大切なアイドルはきっといる。
指原莉乃は今、アイドルグループのプロデュース業に力を注いでいる。「=LOVE」(イコールラブ)、「≠ME」(ノットイコールミー)、「≒JOY」(ニアリーイコールジョイ)の三グループだ。アイドルが気になる方にはぜひ、彼女の元で意志を引き継ぎアイドルとして生きる三組をおすすめしたい。信念をもって活動する彼女らが、いつしかあなたの大切なアイドルになるかもしれない。
【出典】
(※1)ハフポストNEWS「指原莉乃、地元・九州でAKB総選挙の1位奪還(スピーチ全文)」(二〇一五年六月六日)より
https://www.huffingtonpost.jp/2015/06/06/akb-sashihara_n_7525236.html
私の紹介するアイドルは「ももいろクローバーZ」(以下ももクロ)である。
二〇〇八年五月十七日に「ももいろクローバー」を結成。グループ名の由来はメンバーの一人である百田夏菜子の母の案であり、「ピュアな女の子が幸せを運びたい」という意味がこめられている。二〇一〇年にサブリーダーだった早見あかりが脱退し、その卒業ライブ後にメンバーにもサプライズでグループ名が「ももいろクローバーZ」となることが発表され、現在に至る。AKB48をはじめとする48グループや坂道グループは定期的に新メンバーが加入し、年上のメンバーは卒業をすることでメンバーの入れ替えが行われるが、ももクロは二〇〇九年の加入を最後に新メンバーの追加はなく、女性グループでは珍しい少人数のグループ構成になっている。
ももクロの魅力はなんといってもライブである。ファンとの対面の交流は現在ではライブ以外ほとんどなく、握手会も二〇一二年以降開催していない。その分ライブに力を入れており、二〇一四年三月には改修前の旧国立競技場で女性アーティスト初の単独ライブを成功させ、二日間で延べ十一万人を動員した。現在では定期的に大きな会場でライブを開催し、ドームがない地方でもイベントを行うことで地域貢献にも関わっている。直近では全国十一ヵ所でライブを開催し、東京や福岡、大阪といったよくイベントが開催される地域だけではなく岩手や青森といった普段は大きな会場がないために飛ばされてしまうような地域で開催することで、ファンが実際に現地に行き、地元の宿泊施設や飲食店に貢献している。
もう一つ避けては通れない魅力がある。それは楽曲についてである。ももクロを詳しく知らない人でもメジャーデビュー曲である『行くぜっ!怪盗少女』や二〇一二年に放映された日本テレビの連続ドラマで主題歌に採用された「サラバ、愛しき悲しみたちよ」などは一度は耳にしたことがあるかと思う。
しかし知名度は低いもののファンに人気の楽曲は数多くあり、ここでは二曲紹介したいと思う。
(1).『DNA狂詩曲』(読み:ディーエヌエー ラプソディー)
まず一曲目は『DNA狂詩曲』である。この曲は二〇一二年三月に発売された七枚目シングル『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』内に収録されたカップリング曲である。表題曲ではないのにも関わらず、とても人気な曲で、ファン投票企画でも常に上位にランクインし、ライブでも盛り上がる楽曲である。野球界でも田中将大や柳田悠岐も登場曲に使用しており、親しまれている。
(2).『オレンジノート』
二曲目は『オレンジノート』である。この楽曲は二〇一一年七月に発売され、ファーストアルバム『バトルアンドロマンス』に収録された楽曲である。二〇一〇年からライブ限定で披露されてきた楽曲で、当アルバムで初めて音源化され、収録された。
アルバムのプロモーションの一環で行われた東京タワーで行われたフリーライブにて、歌唱中に音楽を流す設備が故障してしまい、途中から最後までアカペラで歌い切るというトラブルが起きたこともあり、今でもこのイベントはファンの中でも語りがれている。
私にとってももクロとは自分の人生を語るうえで無くてはならない存在である。家族の影響で二〇一一年のクリスマスライブである「ももいろクリスマス二〇一一 さいたまスーパーアリーナ大会」に初めて参加したときに、こんなにもキラキラした世界があるのかと感動したことを十年たった今でも明瞭に覚えている。グループにとって大黒柱であった早見あかりの卒業後初めてのクリスマスイベント、そして過去最大規模の会場、開演直前のリハーサルでのトラブル……その後ライブの開催規模をどんどん広げ、ブレイクする直前の初々しいライブを見てから私の人生は変わった。十年たった今では当時と変わったところがたくさんある。それでもライブと楽曲で私の気分を高揚させ、明るくしてくれる存在がいる、というのはももクロに出会ったことで得ることのできた、人生においてかけがえのないものである。そして、ももクロというグループを知ることで自分の世界が広がったことも事実である。
名前は知っているけれど細かくは知らない人も多い「ももいろクローバーZ」の魅力を少しは紹介できただろうか。今日では公式YouTubeでミュージックビデオもライブ映像も配信されているので、ぜひ調べてみてほしい。
2022年7月1日 発行 初版
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