「リアル脱出ゲーム®オタクが素人に向ける導入書」

田口颯太

１．はじめに

タイトルに「リアル脱出ゲームオタク」と書いてありますが、私も一年前にハマったばかりの新参者でして、「リアル脱出ゲームオタク」なんて名乗るのは烏滸がましいというかなんというか……。でも脱出初心者仲間は欲しいので、増やすつもりで紹介していこうと思います。

２．リアル脱出ゲームとは

マンションの一室や野球場や学校、廃病院、そして地下鉄や六本木ヒルズなど様々な場所を舞台に、謎を解いてそこから「脱出」することを目的とした体験型ゲーム・イベントです。
［SCRAP公式ＨＰより引用］
https://realdgame.jp/about.html

そうなんです。広い野球場から、ホール、はたまた狭い小部屋に閉じ込められて、謎を解いて脱出するというゲームです。知らない他のお客さんと組まされて協力することになったりします。感覚的には映画などでよく見る無作為に集められたデスゲームみたいな感じの緊張感が味わえます。あの画面の中でしかなかった脱出ゲームが、リアルに立ちはだかるのです。そんな娯楽施設ほかにありますか？　ないはずです。

試しに公演の一覧を見てみてください。

〖ＵＲＬ〗リアル脱出ゲーム
https://realdgame.jp/

ね？　たくさんあったでしょう？　他メディアとのコラボ、殺人マンションに閉じ込められるスリリングなもの、幽霊のいる廃工場を探索するホラー、魔界レストランに迷い込むファンタジー、可愛いスヌーピーと謎を解くファンシーなもの……興味のある公演はありましたか？　今行われている公演だけでもこんなにあります。

多数の公演が都内に６箇所あるSCRAP常設店舗では毎日プレイできます！　オンラインの公演も充実しているので気軽に試すのもいいかも！

「なんか今日つまらない一日だったなあ」と思った大学の帰り道、ふらっと新宿で降りて脱出して帰る、なんてことが可能なのです。（当日券が残っているものに限る）（まあなにかしらはあるから大丈夫）

今、読者の皆さんが思っていることを当てます。

「謎って何？」「難しいんでしょ？　クリアできないよ」「え、意外とチケット高！」

ふっふっふ、当たってるでしょ～。一つ一つ消化していきましょうね。

まず一つ目「謎って何？」について。

百聞は一見に如かず。SCRAPが開催している「謎検」の練習問題です。見てみてください。解いてみてください。

〖ＵＲＬ〗練習謎｜【謎検】謎解き能力検定 -日本謎解き能力検定協会-
https://www.nazoken.com/exercise-n/index.html

難しかったですか？　公演では証拠となる道具を集めて触って用いたり、ストーリーと重なった謎が出てきたりするのでこれよりもっと面白いと思います。

次に「難しいのでは？」について。

「はい難しいです」と答えておきましょう。私は過去に40公演くらいプレイしてきましたが、クリアした公演はきっと10もないです。そう、クリアできない前提でも楽しい、それがリアル脱出ゲームです。だからこそ、クリアできた回が輝くんです、一際嬉しいんです。

安心してください。何度も挑戦できる公演以外は最後に解説があるのでスッキリして帰れますよ！

最後に「チケット高い」問題。「確かに」と言っておきましょうか。だいたい３０００円くらいしますもんね……。

でもお手軽な８００円〜１０００円の公演もあるので是非……！ ハマりますよ……３０００円が高くなくなる……。

３．おわりに

みんな！ リアル脱出ゲームに参加して物語の登場人物になりましょう！ 主役はあなただ！

はじめてのＴＲＰＧ

久方しづ子

　突然ですが、あなたはＴＲＰＧというゲームを知っていますか？　最近YouTubeでもよく話題に上がっていて、配信が盛んにされているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
　ＴＲＰＧ……よく聞くけれど、どういうゲームなんだろう。ルールは？　遊んでみたいけれど、何から始めればいいんだろう？
　そんな疑問を持っている方に向けて、初心者さんでもとっつきやすいプレゼンをさせて頂こうと思います。興味が湧いたらぜひ、お友達と遊んでみてくださいね。
　「テーブルトークロールプレイングゲーム」……これが、いわゆるＴＲＰＧのフルネームです。固有のゲームタイトルではなく、あくまでゲームのカテゴリーを指しているんです。パズルゲームのテトリス、ＦＰＳゲームのフォートナイト……そんな具合に、ＴＲＰＧにもたくさんのゲームシステムが存在します。例えば、有名なタイトルといえば『クトゥルフ神話ＴＲＰＧ』や『忍術バトルＲＰＧ　シノビガミ』……あるいは『ダブルクロス』というシステムもとても人気ですね。これはそれぞれ違う世界観を持った、全く別のゲームです。
　ＴＲＰＧの特徴といえば、サイコロを使って遊ぶ点です。サイコロの出目によって、キャラクターの行動が成功するか失敗するか決まります。つまり運次第でストーリーの展開が変わっていくということです。ラックに任せてハラハラしながら遊べるところもＴＲＰＧの醍醐味です。
　また、プレイヤーキャラクター同士の自由なお喋りでストーリーを進めていく点もとても面白いポイントです。例えば「不気味な洋館に閉じ込められた、みんなでここから脱出しよう！」……そんなシナリオがあったとします。プレイヤーは、閉じ込められてしまったキャラクターになりきってロールプレイ（役割を演じることです）をしながら、脱出に向けて動き出さなければいけません。
　どこから調べるか、何を信じるか……それらも全て、プレイヤーとキャラクター次第です。キャラクターたちが仲の良い友達同士であれば、協力して調べられるかもしれませんが……もしも仲が悪かったらどうでしょう？　きっとまた別のドラマが生まれるはずです。
　最後に、いくつかシステムを紹介して終わりましょう。
　「いあ！　いあ！　くとぅるふ！　ふたぐん！」──人智を超えた圧倒的な存在が引き起こす、カルトな出来事に遭遇し混沌や狂気の一端を垣間見、未知に立ち向かいたいなら『クトゥルフ神話ＴＲＰＧ』
　「あらゆる望みを叶えるという、伝説のシノビガミを巡る戦い」──一般人に混じり生活するシノビとして課せられた秘密の任務を遂行しつつ、戦略性のある戦闘で目標の達成に奔走したいなら『忍術バトルＲＰＧ　シノビガミ』
　「幸福は義務です。市民、貴方は幸福ですか？」──コンピュータが管理する地下都市ディストピアの一員となって、周囲から強いられる《完璧で幸福な生活》を送るふりをしながら、他者を出し抜いて生き抜きたいなら『パラノイア』
　「僕には君が必要なんだよ」──持ち込まれる難事件を解決すべく奔走する探偵と助手になって、ドラマの中に感情が芽生えるバディを組んで遊びたいなら『バディサスペンスＴＲＰＧ　フタリソウサ』
　……まだまだ紹介し切れないシステムがたくさんあります。ＴＲＰＧプレイヤーの方が個人で作った面白いシステムもたくさんあるので、きっと調べるだけでも楽しいです。
　興味が湧いた方は、ぜひお友達と一緒に遊んでみてください。きっとあなただけの特別な物語が描けるはずです。

「ただ恋をしてるわけじゃない！」少女漫画の魅力

ミリ

はじめに

　あなたは「少女漫画」と聞いてどのようなイメージを持ちますか？
　甘酸っぱい恋模様、青春、胸キュンetc…。多くの人が「少女漫画＝恋愛」というイメージをもっているでしょう。勿論、恋愛も少女漫画の魅力の一つです。しかし、中には恋模様以上に仲間との絆や主人公の成長、何かを守りたいという一心など、様々な要素が「少女漫画」に詰まっています。「ただ恋をしてるわけじゃない！」そんな少女漫画の魅力を紹介していきます。

少女漫画×ファンタジー

　少女漫画で想起されやすいのが学園を舞台にした恋愛モノ。確かに学園モノの作品は数多くありますが、それだけではありません。
　そこでファンタジー作品として、『赤髪の白雪姫』を紹介します。
　『赤髪の白雪姫』はあきづき空太による作品で、白泉社の少女漫画雑誌「ＬａＬａ」にて連載しています。二〇〇六年から続くこの作品は現在二十五巻まで単行本化されています。
　舞台はクラリネス王国という異世界。林檎のような赤く美しい髪をした少女白雪は、その髪色の珍しさ故に自国の王の愛人にされてしまいそうになり、故郷を離れることを決意します。その道中でゼンと名乗る青年と出会います。実はクラリネス王国の第二王子であったゼン。彼の力になるべく薬学の知識のある白雪は、宮廷薬剤師を目指すことに。
　この作品の魅力は、「薬剤師・白雪」の姿です。薬草に関する知識のある白雪は、その知識を使って様々な困難を乗り越えます。また、登場する薬草の設定が細かくされていたり、国内外で事件が起こったりするなど、かなりストーリーが考えられて作られているように感じます。
　『赤髪の白雪姫』は恋愛模様より、奮闘する姿の方が多く描かれており、ストーリー性の強い少女漫画です。

少女漫画×青春

　学園モノが多くあると述べましたが、あえて学園を舞台にした作品として、『この音とまれ！』を紹介します。
　『この音とまれ！』はアミューによる作品で、集英社の月刊漫画雑誌「ジャンプＳＱ」にて連載されています。二〇一二年から連載され、現在二十六巻まで単行本化されています。
　舞台は神奈川県にある時瀬高等学校箏曲部。部長で二年生の倉田武蔵は、部員が自分一人になってしまった箏曲部を立て直すために奔走していました。そこに現れたのがこの春入学した不良少年の久遠愛に、巨大な箏の家元である天才少女鳳月さとわ。他にも愛の友人達等が入部し、部員不足で廃部寸前だった箏曲部は状況が一変しました。
　この作品の魅力は、ひたむきに音に向き合う箏曲部の姿です。演奏シーンでは弦を弾く手元が一人一人繊細に描かれており、弾き方の癖や力の入り方が見えてきます。また、効果音のみではあるものの、まるで音楽が聴こえるかのように描写されています。
　『この音とまれ！』はアニメ化されており、作中に出てくるオリジナルの音楽を聴くことが出来ます。演奏込みで楽しみたい方はアニメを見ると良いかもしれません。

おわりに

　「ただ恋をしてるわけじゃない！」をテーマに二つの少女漫画を簡単に紹介してきました。魅力がお伝えできたでしょうか。恋愛模様がメインのものでもヒロインの成長する姿や、周りの人たちとの関係性等、他にも注目できる要素が一作一作に詰まっています。そんな「別視点」を見出すことが出来たのなら幸いです。
　二作品に限らず面白いものは沢山あるので、まずは書店のコーナーを覗いて見てはいかがでしょうか。