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ちょっと短めの競馬レース回顧【2021.03〜2021.09版】

和良 拓馬

ワラサンスポーツ出版



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 目 次

はじめに

2021年3月

2021年4月

2021年5月

2021年6月

2021年7月

2021年8月

2021年9月

はじめに

この度は本書を手にとってくださり、誠にありがとうございます。
こちらは僕のnote内のマガジン「ちょっと短の競馬レース回顧」として連載していたものを、加筆・修正を施したのち、1冊にまとめたものになります。まだまだコロナ禍が続く2021年の春から夏にかけての競馬をまとめたものになりますので、ぜひ皆様の馬券の思い出と照らし合わせながら、読み進めていただけますと幸いです。

さて、プレビュー(予想)よりもレビュー(回顧)だ! と常々この連載では述べておりますが、もちろん馬券は購入していますし、予想をしているわけです。そこで、今回は「僕は競馬予想でどんなことを重視しているのか?」を記していきたいと思います。

①血統
競走馬の血統というのは、僕にとっては予想ファクターを通り越して「競馬知識」のベースになっています。受け継がれた能力や性格が、積み重なったり、を補ったりしながら1頭の馬を創る……このドラマに惹かれてしまうのです。
さて、予想の組み込み方ですが、過去の傾向や前日・当日のレースでどのような種牡馬、母父馬、さらには母母父が来ているのかをじっくりチェックしています。これをもとに、「今日はロベルト系が強いな」とか「ディープ系は来ないな」やらを導き出すのです。

②馬場
良馬場か重馬場か、高速馬場か時計がかかる馬場か、走りやすいのはインか大外か……などなど、馬場は常に気になるところです。特に地方競馬の場合ですと、中央競馬と比べてデータが少ないので、当日の傾向というのは一層大事になるわけです。なので、天気を勘違いして予想を進めてしまったときは頭が真っ白になることも……

③脚質
①②と比べると比重は軽いですが、「今日はずっと前残りやん!」ということもよくあるわけで。そういうときは同じ脚質の馬を選び続けるのもアリだと思います。

さて、読者の皆様には「時計」や「調教」などをファクターにされる方も多いと思いますが、そのあたりは専門家の意見や記事をわりと鵜呑みにしています。なので、どんなメディアや専門家を頼るのかも重要でして……おっと、ページ幅が尽きそうですね。その話は、また別の機会で。ではまた!


2022年11月 和良拓馬

2021年3月

【中山牝馬S】
8〜9レースあたりはテレビ画面が雨粒で灰色に映るくらい酷い雨だった。重馬場適性も通り越した、精神的なタフさが求められる舞台とも言える。このレースも「泥を被らずにすんだ馬」が好走していたような。ランブリングアレーはより一層たくましくなった感あり。ロザムールの逃げも覚醒の気配があるし、フェアリーポルカも坂ありの小回りなら見限れない。

【フィリーズレビュー】
桜花賞には直結しないかもしれないが、権利を得た3頭の個性はチューリップ賞組よりも際立っている。シゲルピンクルビーは「距離延長が大丈夫なフィリーズR馬」とみた。府中が合うかは話は別だけど。ヨカヨカは控えて味を出した。今回みたいにインで我慢すれば面白い。ミニーアイルは馬場的に不利な外側からよく伸びた。

【金鯱賞】
去年の金鯱賞で◎を打ったのがギベオンだった……。「中京で穴を買うならは中京好走実績馬」と肝に銘じたい。あと、ここ数年の金鯱賞穴馬はみんな逃げ馬。さて、デアリングタクトは評価が難しい一戦になった。末脚自体は錆びついていないので、馬場と展開のせいにしても良い。ただし、そろそろ「勝ちパターン」や「適性」を見つけないと厳しくなりそうな予感。

【ダイオライト記念】
本稿は3/21に書いているが、少なくとも3/17の段階では「どうした松山?」状態だった。ただ、マスターフェンサーは馬体減や休み明けなどを考えると、本調子とは言い難かったのかも。勝ったダノンファラオは、最後の直線で突き放されかけたところを踏ん張った。ようやく「格」が出てきた。

【ファルコンS】
斤量+1kgを考慮すれば、グレナディアガーズは決して悲観する内容では無い。府中のマイル戦ならばより一層力を出せるはず。勝ったルーズネクストはいかにも今の中京に合いそうな血統や進路取りだった。モントライゼの控える競馬も良いチャレンジだったのでは。この路線は例年以上に良い質を保っている。

【フラワーC】
ホウオウイクセルの小回り適性の高さは相当なものである。丸田騎手もロスのない満点の騎乗ではないだろうか。ただ、桜花賞やオークス向きと言われると……。ユーバーレーベンは大味な競馬でちょっと勿体ない。他馬も実力通りの順位なので、ピッアップしたい事象は少ない。

【阪神大賞典】
重馬場ならディープブリランテ! ということで、ナムラドノヴァンもワイドに入れていたのだが……複勝2500円で顔が青ざめた。その原因となったアリストテレスの凡走をどう考えるか。重馬場連続+距離3000メートルは流石に堪えた? 天皇賞(春)の出走は如何に。ディープボンドは本質的なスタミナはどうか? と完全に能力を読み間違えたので猛省。

【スプリングS】
アサマノイタズラで久々に良い馬券が取れた。如何にも持続力が求められるレースで、それらしい走りをしてくれた。一方、ヴィクティファルスの勝ちっぷりにはちょっと驚いた。速い馬場への適応も前走でこなしているだけに、潜在能力は相当なものがある。ランドオブリバティ復活の道のりは険しい。ワールドリバイバルは風向き不利な状況で6着ならば、引き続き狙いたい。

【ばんえい記念】
昨年から細々とばんえい競馬の馬券を購入しているが、ばんえい記念を本格的に買うのは初めてだった。帯広記念でお世話になったメジロゴーリキからワイドを流したが……重馬場ならまた狙いたい。重斤量を克服したホクショウマサルと6歳ながら好走したキタノユウジロウのワン・ツーは、「世代交代」を告げるに相応しい結果と言えるだろう。

【毎日杯】
キズナやアルアインを基準で考えると、1分46秒台で毎日杯を走れるならG1クラスである。ところが、シャフリヤールは1分43秒9! 期待は膨らむが、毎日杯→ダービーのローテーションはゲンが悪いだけに、次の選択が気になるところ。そのローテを睨んでいたと言われる、グレートマジシャンは痛恨の敗戦。

【日経賞】
カレンブーケドールはもはや、どう走っても2着になる運命なのか……。さて、ウインマリリンは前走も牡馬相手にタフなレースをしていただけに、今日の勝利も納得がいく。横山武史騎手の進路取りもお見事だった。56kgでも結果が残せるかが次の課題。ワールドプレミアは良い予行演習といった走り方だった。

【マーチS】
ルメール騎手も気合を入れて、中山行きを選択したはずだが。落鉄の影響はもちろん、多頭数+内で揉まれてやる気を失った印象。実力負けではないと信じたいが、かつてハイランドピークもここで躓いた歴史を思い出す。マクリと追い込みで上位独占の中、レビアーウィットは好位差しで勝てた点に価値がある。

【高松宮記念】
香港スプリントの勝ち馬なのだから、ちゃんと敬意を払うべきだった。昨秋から安定感が芽生え、ようやく大舞台でも実力が出せるようになってきた。2着、3着はマイル実績馬ということで、非常にタフなレースをスプリンターが制したということは、大きな意義がある。グランアレグリアとがっぷり四つで戦えるかも。
レシステンシアはカレンブーケドールと同じ課題を抱えている。インディチャンプのイン突きは納得できる騎乗。ラウダシオンとライトオンキューは、ごちゃごちゃした番手争いにストレスを溜めてしまったか。穴党としてはトゥラヴェスーラに驚きも、前々走の内容をもう少し評価すべしということで。

2021年4月

【ダービー卿チャレンジトロフィー】
スマイルカナの取捨が馬券的には争点だったが、やはり「ノープレッシャーなら強い逃げ馬」だった。内枠も仇になった感がある。そういう意味では、ボンセルヴィーソやマイスタイルの揉まれ強さは今後も期待できる。テルツェットは外からすんなり差し切り勝ち。モーリスと同じ成長曲線なのか否かはまだ不明。

【大阪杯】
まさかの大雨で、どちらかというと宝塚記念に近い状態。良馬場なら1・2着と3〜5着は入れ替わっていた。コントレイルもグランアレグリアも、敗因は雨で良いと思う。ただ、前者は宝塚記念を目指すのならば、スキルの軌道修正は必須。
レイパパレは「実は雨に強い小柄なディープ産駒」を絵に書いたような出来。こちらは1ハロン伸ばすよりも、府中マイルでの粘り込みの方が勝ち目はありそう。
最後に馬券の話を……モズベッロは高評価だったのに、頭は荒れないと踏んだのがすべての誤り。3連複で7200円は僕としては相当美味しい馬券だったので……(詳しくは本章の最終ページにてご確認を)

【阪神牝馬S】
デゼルにとっては一番走りやすい舞台が整っていた。高速馬場適性は非常に高い。マジックキャッスルのイン突きはリスキーすぎる采配。それで2着ならば、馬のメンタルは本物。ただ、適性は高速マイルよりもタフな中距離。リアアメリアは位置取りに疑問あり。

【ニュージーランドトロフィー】
何だか中山マイルらしからぬレースだった。タフさに欠けており、勝ち馬以外の評価は低め。バスラットレオンへのプレッシャーは緩かったが、小回りもワンターンもこなせるという意味では、能力に幅が出てきたということ。タイムトゥヘブンはちょっと善戦キャラから抜け出せない。

【桜花賞】
ソダシは根性のある馬だと阪神JFのときに思ったのだが、不利な条件が多かったこのレースでも勝ちきってしまったことには、ただただ驚き。一方、追い込み馬で唯一馬券に絡んだサトノレイナスも強い。オークスはもはやこの1・2着が入れ替わるか否かが争点。故に、3・4着の2頭の大逆転は厳しいか。
上位を阪神JF〜クイーンC組が占めたことで、牝馬もトライアル没落の兆し。5着以下からは唯一、馬場が渋ればホウオウイクセルの出番があるかな? くらい。忘れな草賞はあまりピンと来なかったので、残る東京の2レースを注視。最後にメイケイエール。とてもじゃないが、いち騎手の感性だけで抑えられる馬ではない。厩舎含めたプロセスのミスと感じる。

【アーリントンC】
翌日の皐月賞でも傾向は出ているが、朝日杯FS組の好成績を見ていると、2歳戦で最もレベルが高かったのはこのレースだったと痛感する。ホウオウアマゾンも阪神ならば安定して走れる。ピクシーナイトは左回りなら見限れないか要検討。2着3着は好意差しの馬であり、G1レベルでは難しいか。

【中山大障害】
オジュウチョウサンは飛越の拙さをスタミナと根性でカバーするタイプの馬だ。しかし、このレースでは大生垣で躓き、かつ走りでカバーすることができなかった。一時代の終わりを感じる負け方であるが、その功績は色褪せない。勝ち上がったのも、ここ1年で力をつけたメイショウダッサイと若武者・森一馬騎手ならば、大いに納得がいく。

【アンタレスS】
ハイペースの差し馬勝負。期待していたグリムもアナザートゥルースも、なんだかその波に飲み込まれてしまった……。勝ったのはテイオーケインズ。ここまでも堅調に馬券に絡んでいたが、また殻を突き破れた印象。古馬ダート路線は世代交代の兆しがより強まっている。

【皐月賞】
紐が総崩れで1円も手にしてないのだが、◎エフフォーリアを打てたことと、見事な勝ち方をしてくれたことで、僕の心は清々しい気分になっている。今年のクラシック路線はスローでタイムに不満を抱くレースが多かったが、そういうときは「着差」を見よ、ということで。乾きつつある馬場で潔くインを突いたのも良い判断だった。
タイトルホルダーは久々の「皐月賞の馬券に絡む弥生賞馬」。ハナを奪えず番手だとどうか? と思ったが、得意の中山で躍動した。ステラヴェローチェはレベルの高い朝日杯FS→共同通信杯組。ダービーもこの2路線から考えるのがベターか。ダノンザキッドは調整失敗か。輪乗り時の発汗を見ていると、非常に繊細な馬だと感じる。

【福島牝馬S】
「スピードが衰える」のと引き換えに、「持続力が増す」競走馬がいる。ディアンドルもそれに該当すると言えるだろう。1年がかりのキャラ変が実を結んだ結果でもある。小回りもいけるクチなので、次はサマー2000シリーズで狙ってみたいところ。ドナアトラエンテはややエンジンのかかりの遅さが気がかり。かつ、もう少し綺麗な芝生で走らせたい。

【マイラーズC】
逃げ馬2頭が暴走気味にレースを進める中、直線はズラッと各馬が広がり混戦に。それを制せたケイデンスコールの充実度はやはり高い。悪いことをした騎手はツキを逃したが、馬自体は関係なし。馬の力を信じきれた、古川騎手の大外一気も光る。◎アルジャンナも狭い進路をかいくぐり、復活の兆し。カイザーミノルは粘り腰を発揮できるレースならば侮れない存在として覚えておこう。

【フローラS】
天皇賞(秋)とは異なり、このレースは平気で8枠が絡んでくる。ただ、今日の場合は隣にいた馬が逃げたのもあったが、ルメール騎手がそつなく前方の好位置につけた点が巧みだった。馬自身も広いコースが力を出しやすそうだ。2着のスライリーもレースぶりが賢く好印象。ユーバーレーベンの脚は惚れ惚れするが、展開が向かないと勝つのは厳しい。この2戦ともにストレスフルであるが、果たして本番は如何に。

これが筆者が悶絶した大阪杯の馬券だ!

2021年5月

【東京プリンセス賞&羽田盃】
2日連続で森騎手×小久保厩舎。東京プリンセス賞のケラススヴィアはスタートで強気にハナを奪えたことで、中盤以降ものびのび走れた。◎ディアリッキーは外に膨れたのを差し引いても、これは完敗。羽田盃はアランバローズが仕掛けた消耗戦に唯一耐えられたのがトランセンデンスという印象。アランはこの型がキープできれば、距離延長でも侮れない。さて、ランリョウオー骨折で七不思議の解決は一気に遠のいてしまった。

【青葉賞】
休み明けの重賞勝ち馬とハイレベルな共同通信杯の4着馬。これですんなり決まってしまうところに、今年のクラシック戦線の硬直を痛感する。タイムも3着との着差も及第点に届かず。ダービーの秘密兵器への道のりは遠いと言わざるを得ない。なんだか、今年の3歳トライアル戦は140文字程度ですら書くのが難しいですね。

【天皇賞(春)】
「阪神替わり」をテーマに馬券を組み立てたのに、結果を見ると「ここ2〜3年の京都の天皇賞(春)」という感じになった。前が止まらない馬場、ディアスティマの絶妙なペース配分(坂井騎手も奮闘!)、ラストが内回りという妙……。◎ユーキャンスマイルはあの位置取りでは、やはり道中で脚を溜められないし、弾けるのは難しい。
馬や騎手らには罪は無いので、勝者の所見をば。ワールドプレミアは自分の持ち味を出しやすい位置で競馬ができたのでは。「ディープ系のステイヤー」はフィエールマン、ワールドプレミア、そしてディアスティマという流れで確立されつつあるから素晴らしい。ディープボンドも強いが、ワンパンチ足りないキズナ産駒らしい出来。阪神で狙い続けるのは変わらないが。
最後に着外組も。カレンブーケドールはいつも通り。ウインマリリンは負けて強くなるタイプなので、次は狙い目。アリストテレスは自分が人気になるよりも、人気者に嫉妬するようなときが強いのでは。今日は折り合いに重視するあまり、1・2着馬へのマークが薄かったのが気になった。

【かきつばた記念】
僕が1年で最も熱心に名古屋競馬を買うのがこのかきつばたデーなのだが、毎年距離やコース形態以上に着差につきやすいな、と感じる。それはさておき、ラプタス→テイエムサウスダンとは順当な決着。黒船賞との連動性が強いのも再認識。ノボバカラの復活 or スマートセラヴィーの連闘大駆けを期待した僕の馬券は……。

【かしわ記念】
小回り巧者の◎ソリストサンダーの単勝を持っていたが、○カジノフォンテンの勝利には大きな拍手を送るしかなかった。早いペースに耐え、好位で押し切る。この勝利をフロックと称するものはいないだろう。一方、カフェファラオは「地方の壁」を感じたのではないか。活躍できる競馬場は限定される。そして、「追込馬・インティ」のイメチェンを今後も信じることはできるだろうか?

【京都新聞杯】
ルペルカーリアは何とももったいないよれ方だった。この気性とズブさは如何ともし難い。レッドジェネシスのまくりも魅力的ではあるが、ダービー的なスピード感と言われると…? プリンシパルSも含めダービートライアルは終了。バジオウの着差は悪くないが、複穴級の評価に留まる。皐月賞組を逆転するのは、トライアル組よりも非常識なローテを組む馬たちのような気がする。

【新潟大賞典】
やむを得ない事情があるとは言え、もはや「土」という状態でレースをしているような。馬場的にダート要素もあった方が良いと踏み、サトノソルタスに◎を打てたのは良かった。悩んでいたのがマイスタイルなので、命拾いをしたものだ……。サンレイポケットは左回りのGⅡ、GⅢなら実に崩れない。ただ、新潟記念はハンデが厳しくなりそうなのが悩ましい。

【NHKマイルカップ】
ソングラインは桜花賞の◎だったのに……いや、これはよく立て直したことを称賛すべき。寄ってきたタイムトゥヘブンを吹き飛ばして先頭に立ったのだ。根性のある牝馬は常に馬券に入れておかねばならぬ。さて、グレナディアガーズ対シュネルマイスターという見立ては間違いではなかった。強い競馬をしたのが前者。ただ、脚の止まり方を見る限りでは、今後は距離短縮がベターと感じる。
一方、後者のマイル適性はただ者ではない。外が伸びる枠の利もあったが、高速馬場にもスムーズに適応できる点はお見事。キングマンの可能性がより広がっている。あと、「東京の高速馬場経験の有無」は馬券的な意味でキーだった。紐でロードマックスを選んだことに悔いは無い。最後にバスラットレオン。矢作厩舎怒りのダービー行きという選択は、サトノインプレッサに次ぐ二匹目のドジョウになれるだろうか?

【京王杯スプリングカップ】
このレースで好走した馬は、安田記念ではなくスプリントレースで買うのが鉄則。そういう意味で、今年の上位馬も楽しみな馬を揃えられたか。ラウダシオンは一層スプリント適性が強まってきた印象。前を追いかけ、追い越す持続力のスキルは高い。トゥラヴェスーラも重賞のレベルに適応しつつある。

【ヴィクトリアマイル】
諸用で外出していたため、レースは生で見ていない。用事が一段落し、テキスト速報の2・3着を確認して「??」となった。昨日・今日のレース傾向とは合致しない馬だったのである。多少雨が降ったからか? とも思ったのだが、家に戻りレース映像を見て納得した。ランブリングアレーもマジックキャッスルも、勝ち馬の傍でじっと忍び、勝者に導かれる上位へと登り詰めた。もっとも、勝ち馬はその遥か先を走っていたのだが。
グランアレグリアはアーモンドアイと比較される。改めて自分なりに両者を比較してみたとき、2〜5着までに持ってくる馬の質が違うな、と気がついた。前者の場合だとスプリンターズSのアウィルアウェイや今日みたいに、「足りない馬」の強さを引き出す。対する後者は「強くて格のある馬」を引き寄せる。次の安田記念はそういうことを考えながら、馬券を組み立ててみようと思っている。

【平安S】
アメリカンシードは復調していたので一安心。ただ、あのタイミングであっさりと抜かれるとは思っていなかったのでは。そんな最後の直線だった。さて、オーヴェルニュの中京巧者ぶりは凄まじい。今のうちからチャンピオンズカップの単勝馬券を予約したいくらい。あとは良馬場の適性次第? マルシュロレーヌは対牡馬でも遜色ない競馬ができる点を高く評価したい。

【オークス】
ソダシは「例外」と考えていたので、様々なデータを無視して◎を打ったことに後悔していない。クロフネ産駒の最高傑作という評価も変えない。ただ、クロフネ産駒の限界点はここであるとも感じた。少し辛かったのは、「タイム以上に流れが悪い先行争い」のど真ん中に巻き込まれてしまったこと。ソダシ以外も、内側にいる先行勢力は壊滅的な出来栄えである。
差し・追込が幅を利かすなか、ユーバーレーベンの勝因は「持続力を信じたマクリ」ということに尽きるだろう。3コーナー前で外に出した瞬間、念のため単勝を抑えていた(!?)僕の心はときめいた。内から唯一抜け出せたアカイトリノムスメも気持ちは見せたが、最後は内外のバイアスに泣いた。ハギノピリナの激走はビックリというか、この東京の馬場に合う馬がこのレースには少なかったが故に上位進出できたと考えたい。

【葵ステークス】
この日の中京に合いそうな血統&馬場傾向+大穴党御用達の亀田騎手ということで、レイハリアの複勝を持っていたのだけど、まさか頭まで突き抜けるとは思わなかった。中距離であれ短距離であれ、中京の馬場はパワーに偏る。2歳戦線を賑わせた馬が早熟さを感じさせる出来に終わる中、ヨカヨカのパフォーマンスとキャラ変には驚き。まだまだ短距離戦線でもうひと花咲かせることも可能だろう。

【目黒記念】
1000メートルの通過タイムが1分4秒と知って愕然とし、ラストの直線で外差し勢力がごちゃついたのを見て肩を落とした。馬券を持っていたディアマンミノルもミスマンマミーアもこれは参考外。一方、勝ったウインキートスは前走の借りを返す走り。それにしても、このレースとステイゴールド系の相性は抜群。ヒートオンビートはクラスなりに走れるが、突き抜けるまでに足踏みしそう。

【日本ダービー】
毎日杯からダービーというローテーションは、ブラストワンピースで痛い目にあった死のローテ。事情があるとは言え、乗り替わりのジンクスもある。その2点を考慮して、思い切ってシャフリヤールを無印にしたのだけど、やはり「毎日杯を1分47秒を切って走れたらGⅠ級」という言葉を信じるべきだった。そして改めて、今年は共同通信杯組のみがレベルの高い前哨戦だった、と。
それほど伸びない内枠、他馬からのマーク、二転三転する展開…。そんな中で「我慢」を続けたエフフォーリアと横山武史騎手に、一体何の過失があろうか。タイム面で低評価を下す向きもあったが、やはりこの馬こそ、世代を率い、象徴する1頭である。胸を張って帰れるダービーである。ただ、父親たちの伝統芸である【2着】をここで引き継いでしまったのは苦笑い。
最後に他馬のまとめ。馬券的にはステラヴェローチェのワイドで救われた。このタフさで息の長い活躍を。グレートマジシャンは一番良い位置を走ったが伸びきれず。古馬になってからが本領発揮か。サトノレイナスはダービーっぽい攻め方だったけど、今日はオークスっぽい乗り方でも良かったのでは。最後に、この日唯一単勝を買ったのはワンダフルタウン。色々なジンクスを気にしてしまうけど、やっぱり僕は青葉賞馬が好きなのだ!

2021年6月

【さきたま杯】
コース形態や砂質など、アルクトスもエアスピネルも向かない要素が揃っていると踏んでいたが、結果的にはこの馬のワン・ツーで決まる。両者とも最終目標は南部杯と思われるが、これからも良いライバル関係が続けていきそうだ。ワイドファラオは差を開けられ、復調までもう一息。最大の驚きは追込んできたハイランドピーク。地方の砂が合えば、もうひと花あるかも?

【鳴尾記念】
毎度おなじみ、流浪の重賞・鳴尾記念です。本年度は6月第1土曜日・中京競馬場の芝2000メートルでお送りします…えっ、下らない前口上は良いから早くレース回顧をしろ? いやはや、ユニコーンライオンのどスロー逃げ切りで呆気なく終わっちゃうのは、流石にレースレベルとして如何なものか。ブラストワンピースの復調はちょっとだけ嬉しいけど。

【安田記念】
なんでプレミアムじゃなくて、キングリーを選んだのだろう? そんな疑問をもっと掘り下げるべきだった。昨年は良いところなしで、かつ長期休み明け。買いたくなる要素はほとんど無かった。勝因はペースの割にはストレスフルなポジション争いで消耗せず、自分のペースで走り続けられたこと。川田騎手の選択が全て上手くいったとも言えるだろう。しかしまあ、もう安田記念は7〜9番人気の単勝ベタ買いをしても良いのかも。
さて、裏を返せば、グランアレグリアにとってあの位置で走らされたのは痛恨だった。絶望的な展開から強引に進路を選びアタマ差の2着。とにかくマークが厳しかった。さて、VMの回顧でグランアレグリアは「格が足りない馬の力を引き上げる」傾向があると記した。人気よりも好走した馬たちを見返すと、よりその印象は強くなる。
シュネルマイスターは大健闘の3着。どんな展開でもびくともしない経験を得られたことは、秋以降も大いに役立つだろう。インディチャンプは着実に走るが、やはり19年の爆発力と比較してしまうと…。サリオスは姉と同じく、5歳秋まで馬券は待つべきか。最後にカデナ。フジテレビの実況は他馬と言い間違えたのかな? と思ったら、後で見返したときに見事なイン突きに気がつく。彼の複勝を持っていた方が、どれだけ精神衛生上良かったことか……。

【東京ダービー】
アランバローズに楽に逃げ切られた感は否めない。ダービーまでは「実力>適性」で通用するということでもある。ただ、JDDではそこまで緩い戦いにはならないのでは。2着のギャルダルはびっくり。だが、ホッコータルマエ産駒は地方で要注意、とK谷氏が言っていたのを忘れていた。そんなことを語りつつ、的場文男を追いかける1年がまた始まったのである。

【函館SS】
ビアンフェはせん馬になってから成績が安定している。早いペースを押し切っての勝利も好印象。洋芝適性も含め、この馬のキャラクターがクリアになった。馬体重+12キロを気にしすぎて切ったのは失敗……。カレンモエは痛恨の2着。なかなか勝ちきれないのも、どこかのブーケドール嬢と似てきたような。

【エプソムC】
府中の1800メートル及び2000メートルは外枠不利がデフォルトだが、どうも今春からの東京開催では外差し傾向が強すぎる。それを踏まえて、◎アトミックフォースを選んだのだけど、ちょっと惜しかった。ザダル、サトノフラッグ、ファルコニアの3頭はそれぞれ、如何に走りやすい位置を辿れるかの争い。アルジャンナは距離の壁を感じさせる敗戦。

【マーメイドS】
これぞ「ハンデ重賞」。開幕週の馬場+軽斤量+スローの逃げという要素がガッチリ重なって、単勝20倍もつくのかと。某11競馬中継・俳優A氏の予想を見て、シャムロックヒルを切った筆者は深く反省。この反省を来年に向けて活かすならば、「血統は欧州寄りが良い」と「姉妹や近親に当該重賞好走歴があると更に良い」の2つを守りたいとおもいます。ああ、○ホウオウエミーズの進路が開けていればなあ…

【ユニコーンS】
馬場やメンバーを見るとマイルというよりも、短距離戦に近いレースになるだろう、という読みは当たった。でも、◎ルーチェドーロは固いから、○スマッシャーは複勝だけで良いや、と思ってしまいまして…。おっと、気を取り直して。スマッシャーやサヴァのスピード持続力は相当なもの。ただ、次の買いは距離短縮では。惜敗組もJDDでは物足りない印象。3歳ダート中距離路線は混沌としている。

【宝塚記念】
穴党なので、「人気薄が馬券に絡むには…」から予想が始まる。でも、候補になりそうな馬たちが、1着で来る様子が全く浮かんでこなかった。普段は穴馬の単勝を抑えるのだが、このレースはカデナとミスマンマミーアの複勝でお茶を濁してしまった。結果として、無理に馬券を買わなくて済んだということ。非根幹距離のタフなレースならば、やはりクロノジェネシスは不動の存在である。
少し未来の話をすれば、クロノジェネシスほど凱旋門賞向きの要素を兼ね揃えた馬はいないと感じる。宝塚記念が凱旋門賞と親和性があるのはもちろん、血統やキャラクターも欧州向き。去年の天皇賞秋からはスピード力もアップした感がある。スノーフォールなどライバルは難敵揃いだが、恥ずかしくない勝負はできるはず。
展開が向いたとは言え、ユニコーンライオンの2着には驚いた。ラストの粘り腰を見ていると、小回りの鬼として開花の予感。となると、最終目標は香港だろうか? レイパパレはネセサリー・ロスという印象。本質的には距離も長いし、秋は広いコースでの戦いぶりも見てみたい。最後に少し暗い話をするならば、活きの良い牡馬が出てこない上半期になってしまったな……ということ。

【帝王賞】
この日は外枠の馬がよく馬券に来ていたので、てっきりそういう馬場傾向かな? と思ったら終始インを回った馬が勝つという。ただ、テイオーケインズに関しては成長度を完全に見誤っていた。3歳で挑んだ東京大賞典の出来も考えると、大井適性も充分。ダート中距離戦線は格より勢いで勝敗が決するフェーズに入っており、混戦は続きそう。
ノンコノユメは外をついたからこそ、あそこまで伸びきった。大舞台の真島騎手×荒山厩舎は怖いと言うが…。クリンチャーも良馬場専用と思いきや、あの粘り。2・3着の意味不明感はもう「大井らしいね」で片付けたい。最後にカジノフォンテン。今日は逃げ云々に関わらず、お釣りの無い走りだった。一休みして、冬こそは夢をまた現実に。

2021年7月

【CBC賞】
少し悩んだが◎ファストフォースで仕留められて安堵。夏の短距離重賞はバクシンオーの血が騒ぐと言うが、母父でもそれは同じ。休み明けながら、状態は非常に良かった。ピクシーナイトも短距離で開眼。ヨカヨカは早すぎる馬場にやられたか。上位勢はまた北九州記念に出てきそうな。

【ラジオNIKKEI賞】
上位3頭が通った道のりが、そのまま今日の福島のビクトリーロードだった。丸山騎手✕福島中距離の相性の良さを実感。当方の馬券的な痛恨は2着のワールドリバイバル。意外と複勝もハネてるなと…。あすなろ賞で小回り適性の高さを認識していたのだが。もうこのオッズでは買えないかな……。

【プロキオンS】
メイショウウズマサの複勝を持っていたので、最後に寄れたときは泡を吹きました。ほっ…。さて、メイショウカズサ鞍上の松山騎手の騎乗っぷりは、先日の帝王賞を見ているかのようでお見事。上位の馬たちをみて思うのは、1700メートルの距離でも中身は1400メートルのような競馬をした馬たちが強かったということ。

【七夕賞】
トーラスジェミニ+控える競馬→強い。あの折り合いと粘り腰は、まさに戸崎騎手の巧さが詰まっている。ロザムールのペースも丁度良かったか。中山牝馬Sの回顧で「本格化の兆しあり」と書いていたのを忘れていたのは痛恨。それにしても、捲れない展開だったとは言え福島巧者たちがことごとく崩れたのは想定外。まさに荒れる重賞……。

【ジャパンダートダービー】
人気薄の逃げ馬には要注意とは言うけれど。向正面から1ハロン13秒台にペースを落とした、キャッスルトップと仲野騎手の作戦がしっかり噛み合ったと言えよう。それにしても、山口→張田と続き、船橋所属の地味な騎手が大仕事を続ける傾向は何なのだろうか。そして、南関東所属と中央所属の差異がどんどん縮んでいると痛感する21年上半期になった。
端的に中央所属馬の回顧を。ゴッドセレクションは競馬の幅を広げたが、実を得ることはできず。ウェルドーンはタイトなローテーションだと思ったので、3着は好結果と捉える。鳳雛S覇者とJDDの相性は良い。スマッシャーは状態はよく見えたが、今日は展開面でツキが無かった。ただ、「買い時はマイル以下」というポイントは引き続き変えないでおこう。

【函館2歳S】
新馬戦や未勝利戦を控えて勝った馬を買え! の法則は今年も適応される。◎ナムラリコリスの直線のハジけ方は、父親のスピード感を彷彿とさせる。基本的にはマイル以下がベターだろうが。札幌の時計と函館の時計は別物とは言うが、ポメランチェはそれ以前の暴走ぶり。ハナにこだわらなければ、もう少し良い勝負になっていたのでは。

【中京記念】
青島特別でしか使わない芝1700メートルならどうなっていたのか。というのはさておき、ラスト800メートルから11秒台がキレイに並んでいるのを見ると、これは小倉のレースなんだなあ、と思う。アンドラステは全馬の中で最も上手く立ち回った。カテドラルは直線が短い方が良い足を使うが、届かない。クラヴェルは久々にノリさんマジック。軽斤量ならまた買いである。

【函館記念】
異常な馬場だった福島民報杯と新潟大賞典。スローすぎて出番の無い馬が多かった目黒記念。ここで力を出せなかった馬たちが、そのままリベンジを果たす。レース面では折り合いの差が勝敗の分かれ目。暴走する前2頭を尻目に、◎トーセンスーリヤは良いリズムで走り続けることができた。洋芝適性は非常に高い。○バイオスパークの複勝もゲットで満足。最後にカフェファラオ。今日は斤量よりも内枠が痛かったか。揉まれやすい小回りコースの挑戦は疑問である。

【アイビスSD】
このレースが始まったころは「内ラチ沿いを狙う内枠の馬」もぼちぼちいたが、ここまで綺麗に内ラチを走るとは。調教師の判断とと菅原騎手の思い切りが奏功したか。バカラクイーンの活躍で勝ち馬の存在も霞んでしまいそうだが、オールワットワンスは「従来のアイビスSD」を体現した勝ち方。中山1,200メートルと新潟千直の連動性をもっと信じるべきだった。

【クイーンS】
ヴィクトリアマイルでより負けた方がこのレースでは上位に来る。ただ、広いコースで好成績を挙げていたテルツェットを選ぶのは、僕としては難しいものだった。久々にルメール騎手の好騎乗を見たような。マジックキャッスルも器用な馬だが、やはり本質はもう少し距離があるのがベター。個人的には、フェアリーポルカとイカットの単勝を持っていたので、直線のアレは残念無念……。

2021年8月

【エルムS】
アメリカンシードはお祓いをしに行きたいくらいだろう。それも含めて、上位人気の馬たちは実力が出せない要素の多いレースになってしまった。そんな我慢比べのレースを制したのが◎スワーブアラミス。トニービンの血を持つ馬は函館・札幌ダートで要注意なのだが、この馬もそれに該当してくれた。松田騎手の勝利も何だか嬉しい。

【レパードS】
実力が測りにくいときは着差を見よ、という理論と照らし合わせれば、やはりメイショウムラクモの強さは信頼すべきだった。2・3着の馬とはモノが違う。柴田善臣騎手も冷静な手綱捌きで、馬の力を出す騎乗をしていた。スウィープザボートは左回り適性高く、レプンカムイは新潟替わりで一変。ルコルセールは砂を被って自滅。緩いレースが続いたツケだろうか。

【クラスターC】
こんなときに限って4着…なんてことは無く。シークザトゥルースが案外楽にハナを奪ったことが、中央勢の明暗分ける。取りたい位置を得たのがリュウノユキナとサイクロトロン。そして、◎ヒロシゲゴールドは典型的な外枠馬の負け方。ジャスティンとマテラスカイにいつものスピード感は無し。盛岡の砂質が変わったことを思い知らされる。

【小倉記念】
「小倉記念≒トニービン系」は「母母父アドマイヤベガ」のヒュミドールで今年も適応される。ただ、「父母父トニービン」のヴェロックスに◎を打ってしまいまして…。内から武豊、外から松山。いつものラスト1000メートルの追いあいだけでなく、進路取りの妙も見れて面白い小倉記念になったので、満足。

【関屋記念】
逃げ馬を見て、我慢して、直線でインを突く。ロータスランドは教科書通りの勝ち方だろう。ソングラインは脚を余している訳ではないので、まだ成熟してないということか。カラテは復調示す2着。菅原騎手も新潟での乗り方を掴んできたか?

【北九州記念】
◎ファストフォースの単勝を持っていた身としては悔しいが、ヨカヨカに負けたのであれば仕方が無いという感じ。得意の地元で待望の重賞制覇。馬場が重くなるのはどうか? と思ったが、程よく時計がかかる状況の方が強みが出るということか。今日の小倉は外差し傾向が強かったが、モズスーパーフレアに差し勢は脚を使わされた印象もあり。

【札幌記念】
ソダシは舐められすぎではなかったか? 今日のレースは彼女の「勝ち方」をつくったレースとして、多くの方々に記憶されることだろう。キタサンブラックのイメージに近いかもしれない。3角でブラストワンピースが迫ってきても、動じなかったし、はねのけてしまった。ラブズオンリーユーも内容は悪くないし。アメリカでも川田氏のような鞍上を確保できれば良いのだが。

【キーンランドC】
「伝説の葵ステークス」になりつつある、ということだろうか? レイハリアは良い成長曲線を描けている。異なるコースで勝ちきっている点も評価が高い。エイティーンガールは良馬場では…と思ってしまったが、今回は展開も向いたということ。セイウンコウセイは重斤量でもGⅢなら崩れていない点を確認すべきだった。

【新潟2歳S】
川田騎手×中内田厩舎≒早熟である、という意見も出てきてしまうが、今回はレースの上手さで勝ったとも言えよう。まだインを突いても伸びることができるというのは、今年の新潟らしい傾向である。アライバルはイメージよりも末脚に物足りなさあり。オタルエバーはちょっと内に寄れすぎ。そこが治れば、良い逃げ馬になりそうだが。

【サマーチャンピオン】
今年もJRA勢力の4頭によるレースに。ラプタスの小回り&地方適正を実感するレースになった。JBCが金沢開催というのは、この馬にとって追い風になるに違いない。イメルは想像以上に戦えず。連戦の疲れあったか。サクセスエナジーは2コーナーで終わったと思ったが…それを強引に2着まで突っ込ませるのも、なんとなく乗り替わりの効果とも感じる。

2021年9月

【札幌2歳ステークス】
ジオグリフの小回り適性はどうなのか? という疑問を残しつつも、ジオグリフは相当強い馬である、というふうに観点を変えなければ。現時点でも相当完成度は高い。再び広いコースでの活躍も見たいところ。それ以外だと、武豊と山田クンが4コーナーから追い比べしているのを見て、両者の特徴がよく出ている乗り方だな〜、という感じで微笑ましかった。

【小倉2歳ステークス】
今年の2歳短距離はナムラ勢が躍進中。◎ナムラクレアに関しては、パワーとスピードが程よくブレンドされた良い末脚だったと思う。ミッキーアイル産駒はこれでワン・ツーかつ2年連続勝利なので、来年以降も要注目。ショウナンマッハはレベルが上がったことに対応できていなかった印象。アネゴハダは漁夫の利という印象ありも、短距離は芝・ダート兼用で活躍できそうな。

【新潟記念】
「デームーロ騎手は新潟千直が上手い」とたまに馬券講座で聞くことがあるが、要するに「外ラチを使って走らせるのが上手い」ということか。このレースはデムーロ騎手のベタ買いで良いのか? というくらい強い。マイネルファンロンと手が合う騎手が見つかった。トーセンスーリヤも進化を見せる2着。GⅠでも複穴で狙えるかも。ザダルは力がいる馬場&スローの決め手勝負な状況だと弱いのか。

【紫苑S】
距離がもったというのはファインルージュにとっては大きなプラス。ソダシの良きライバルになれそうなほど、充実した内容で勝利。内を突けたスルーセブンシーズ、脚を使い切ったミスフィガロも良い競馬だが、1着をとは差がある。エクランドール含め、体調が万全でない馬が多かった印象あり。

【京成杯AH】
コントラチェックの複勝を持っていた身としては万々歳の結果だが、逃げたい&先行したい馬が総崩れしたのに救われたところはある。そのライバルの自滅で繰り上がったという点では、カテドラルも同じ。ただ、常に良い末脚を使える点は見事。グレナディアガーズは微妙な敗戦。まだ崩れていないが、ここから成長は見込めるかどうか。

【セントウルS】
逃げ馬が全く残れなかったことを考えれば、レシステンシアの強さは更に際立つ。本番でも同じ展開に持ち込めるか? 成長力なら◎ピクシーナイト。今回は枠に泣いたけれど、こちらも次戦での逆転に期待できる。クリノガウディーは中京が一番力を出せる場か。カレンモエは本当に相手なりにしか走れない。

【フォワ賞・ヴェルメイユ賞】
キズナという馬は、僕たちが考える以上にパワー型の馬だったのか? そこにダンシングブレーヴの血が加わると、今日のディープボンドになる。純粋な能力てはなく、フランスの馬場適性で戦うという方針はここまで成功である。スノーフォールは伸びきれず敗戦。凱旋門賞戦線異常あり!?

【テレ玉杯オーバルスプリント】
ラプタスは「Youは何しに…」となってしまった。その一方で、僕は◎ティーズダンクからワイドを流してホクホク……おっと、話が逸れた。テイエムサウスダンは休み明けや外枠を苦にせず。逃げ馬を冷静にマークできたのも勝因の一つか。アランバローズがスプリンターになるためには、もう少し戦いの幅を広げなくては。複勝を買っていたハイランドピークは、タフな流れになる交流重賞の方がチャンスありそう。

【オールカマー】
残り200メートルで前が詰まりヒヤッとし、残り100メートルで抜け出したとき安堵する。ウインマリリンは「負けて強くなる馬」と評したが、前走からさらに成長する姿を見せることができた。2着のウインキートスも非根幹距離or長距離なら引き続き買い。グローリーヴェイズは大味な内容だが、3着ならば健闘か。レイパパレはやはり広いコースを走らせたい。

【神戸新聞杯】
不良馬場だけど、ここは素の力を信じよう! と考えた結果、シャフリヤールからモンテディオにワイドを流してましてね…阪神大賞典のときと同じミスをしてしまった、嗚呼。もう少し冷静になって、適性で馬券を買うべきだった。ステラヴェローチェにとっては恵みの雨だったのは間違いない。ただ、菊花賞で再考したいのはレッドジェネシス。阪神長距離得意な友道厩舎なら、何か秘策があっても良い。

【日本テレビ盃】
僕は予想プロセスにおいて、2つミスをしてしまった。1つ目はクリソベリルを過大評価してしまったこと。調教やパドックはギリギリセーフだったが、馬体減少をもっと重く捉えるべきだった。もう1つは、船橋の馬場が徐々に外差しから内有利へ変わってきていたということ。これならサルサディオーネも伸びるし、ノンコノユメやラストマンは伸びきれないということである。JBCに向け、争いは激しさを増すばかりだ。

ちょっと短めの競馬レース回顧【2021.03〜2021.09版】

2022年11月3日 発行 初版

著  者:和良 拓馬
発  行:ワラサンスポーツ出版

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和良 拓馬

1988年3月生まれ、神奈川県横浜市出身。サラリーマンを続ける傍ら、2014年秋より電子書籍の作成及び執筆活動をスタート。得意ジャンルはスポーツとファンタジー。主な寄稿先は「月刊群雛(GunSu)」「ウマフリ」など。NovelJam 2018に編集として参加し、新城カズマ賞及び海猫沢めろん賞を受賞。(これに気を良くしてしまい、)以降は雑誌制作活動も開始。「電子雑誌をつくろう!」「ラグビークラスタ」「#susonolife」の編集長を務める。日本代表から近所の空き地まで、場所と格を問わず、暖かくスポーツの現場を見守り続けています ・Twitter @Waratas ・note https://note.mu/waratas

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