高2の息子は聞こえない事と重度知的障害を伴う自閉症との重複障がい。娘は夢見る高校生。まだまだ続く育児に、障害者施設運営で日々奮闘しながら、夢の楽園目指しています。ここに至るまでの、悲し涙から嬉し涙への育児日誌を心に響く詩に乗せて届けます。ホントの幸せ、奇跡、何故息子は障がいを持って生まれたのか、答えのない答えを求め続け、わかった答えとは・・。
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息子 高2
自閉症で耳が聞こえず 最重度
ちなみにかわいさも 最重度
体は人一倍大きいが 気は小さい
娘 高1
「~がない」
「時間がない~」
エヘヘ・・と なのに余裕の笑み
大丈夫かな?と いつも気が気でない
女子高生
そして私
障がい児者施設経営して2年半
いかにも「施設」は嫌だから
他とは違う あったか~い
そんな仲間が集まって
親が行かせたいと思えるような
本人が行きたいと思うような
楽園を目指して奮闘中
これが段差?というような所に
つまずける四十代
人生まだまだ これから これから・・
ちなみに夫
普通のサラリーマン
夫婦仲危うし(笑)
これは、この[自己紹介]に至るまでの私の経緯こと
育児日誌こと“育児日詩”です。
こーんなかわいいのにねぇ
ムニムニ~
こーんな大事にしてるのにねぇ
でれでれ~
いつか反抗期がきて「くそばばー!」
なんて言われたらどうしよう
いつか
いつか・・
言われたかったな
二度とやって来ない “いつか„
どんな顔して どんな口調で
「くそばばー!」・・かぁ
「オギャー!」 大きな産声
あったかいような 愛しいような
何とも言えぬ 命の重み
頭ちょこっと見せてから
一晩頑張ったんだよね
朝 先生にお腹押してもらうまで
二人で頑張ったんだよね
五体満足 五体満足・・
それならいい それならいい・・
当たり前のように そう決め付けて
初めてのお宮参り
運だめしのおみくじ
はしゃぐ声さえ息子の耳に
届いてないのも気づかず
「あなたの人生 ずっとずっと
“大吉 ”でありますように」
と手を合わす
自閉症の確立 一〇〇〇人に一人
難聴の確立 一〇〇〇人に一人
少なくないなんて慰められた
たとえ一〇〇人に一人でも
わずか一〇人に一人でも
何故我が子が選ばれた?
納得出来ない 当たり前の親心
誰でもいいから
お願い
教えて下さい
一〇〇〇分の一と一〇〇〇分の一
たしても かけても 答えが出ないのです
間違いだったと
言ってください
誰でもいいから・・
生きる勇気もなかった
死ぬ気力もなかった
腫れた瞼を必死に閉じた
早く悪夢から覚めますように
それでも朝はやって来た
腫れた目でも
朝陽は変わらず眩しい
ぶらぶらぶらり
すがれる物にはぶらさがった
たのみの綱はブチブチ切れた
手を上に伸ばしてみたけど・・
この先 何にしがみついて
どう生きていけばいいんだろう
楽しい夢は
続きが見られない
悲しい夢は
二度も続く
夢のような
夢が好き
現実とごちゃ混ぜの夢は
ちょっとだけ
もうちょっとだけ
眠りたくなる
せめて
頬の涙が乾くまで
こんな時でも笑っている息子
泣いていいよ
悲しんでいいよ
「親の心 子知らず」
バカな言葉が
バカな私の頭を
通過しようとつまずいて
生まれてから
それが当たり前で
そう生んだ私を恨みもせず
責めもせず
「子の心 親知らず」
変わらないあなたが
そう告げるように微笑む
「僕は僕だよ」って
息子は小さなお兄ちゃん
その響きがたまらない
急ぐように生まれた娘は
この家族を選んでくれた
私の背中を押すように
一緒に生きようと泣く産声
寝るヒマなく
休むヒマなく
泣くヒマなく
逃げるヒマなく
時は過ぎ・・
私は生きた 生かされた
結局
子供達に救われた
走る車に飛び出す息子
興味ばかり先走る
ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっと
握る右手
あなたの左手覆うように
あなたの命守るように
散歩さえも気がぬけず
買い物するのに何も持てず
手を離せば消えそうで
急ぐ鼓動を静めるように
つないだ手に力をこめる
ただ
なくすものかと力をこめる
・・背中に娘の鼓動を感じながら
眠いだけだったんだね
おなかすいてたんだね
体調が悪かったんだね
言えず
伝わらず
泣くことしか出来ず
深呼吸したらわかる事
後になったらうなずく事
後悔 後悔の毎日は
あどけない寝顔に詫びるだけ
余裕がなくて
ゴメンナサイ
こんな母で
ゴメンナサイ
泣いて泣いて
いっぱい泣いて
そろそろ涙も枯れ果てて
明日は笑ってやる
人の倍笑ってやる
でなきゃあ
あれだけ泣いた意味ないし
結構
何でもない事かもしれないし
「強いね」と言われても
「強がりだよ」なんて言わない
言っちゃったら
強がりじゃなくなるし
私が私で
いられなくなりそうで
あなたに育てられて
私はやっとここまで来ました
右に笑う人あれば
一緒に笑いとばせばいい
左に優しい手があれば
つないで一つになればいい
後ろに後悔あるならば
前に向かって歩けばいい
そんな母に私はなりたい
あなたの母に私はなりたい
障害ごと抱いてやる
それがあなた自身なら
小さな反抗見えかけて
「兄ちゃんばかり」とすねないで
あなたも同じ愛しい我が子
迷わず真っ直ぐぶつけてください
半分ずつ愛せるかと
正直不安だったけど
あなたがここに来てくれて
気づかされた親心
一〇〇%の愛情は
半分ずつではありません
一〇〇%プラス一〇〇%なら
私にも答えが出せそうです
いつかあなたの名前
あなたの指で
描けるといいね
精一杯の願いを込めて
何度も何度も繰り返した
ステキなステキな響きです
その日が一歩でも近づくように
今日の私で
今日のあなたを呼ぶ
聞こえますか?
あなたの名前
映ってますか?
澄んだ瞳に
キレイだね
好きなんだね
いつかあなたも吹けるといいね
空いっぱいに広がるといいね
その日が来たら
天まで飛ばそうね
それまで私が飛ばすから
あなたの夢のせ飛ばすから
しゃぼんの向こうの
あなたの笑顔
大好きです
ふわふわふわり
しゃぼん玉飛んだ
息子の笑顔
いっぱい飛んだ
腕ふるだけのしゃぼん玉
自分で飛ばせる
その喜び
その想い
せつないくらい響きます
空いっぱいに響きます
しゃぼんの数を数えましょう
あなたの言葉を数えましょう
ふわふわふわり
『兄ちゃん 飛んだ!』
娘の言葉
キラキラ光る
「私も飛ばす」
「一緒に飛ばす」
二人の笑顔に満たされた
この景色を忘れない
叫びたいこの気持ち
言葉に出来ず
独り占め
娘の夢は自由でいい
兄ちゃんの為のお医者さん
泣かせた後は笑わせる
次の日にはペンギンに
チョキチョキチョキン
初めての美容院
あふれる夢は美容師に
パラパラパラリ
降り出した雨さえ
魔法のしずく
どこかに悲しみ抱いたまま
それでも私を変えるのは
二人の天使の
優しい魔力
少しくらいならこの雨に
うたれるのも心地いい
傘も必要なくなった
両手があいた状態で
小走りするのがちょうどいい
どしゃぶりには負けそうで
外に出る勇気がない
傘がさせると喜んで
長靴はいてかけ出して
子供達には
また完敗
無邪気な笑顔に
勇気をもらい
負けるものかと
とび出した
息子の歓声
響く店内
振り返る他人の視線
耳鳴りのような囁き声
チクチクしみる奥の傷
息子だけ見て
息子の声だけ聞いて
「うれしいね」
「おいしいね」
そう言って
笑ってみせた
負けるもんか!
負けるもんか!!
負けるもんか!!!
これだけ言ったら
負けないんだから
世の中まんざらでもない
「一番元気がいいね」と
息子に微笑み
忙しそうに立ち去った
ウェイトレスのおばさん
嬉しいような
照れくさいような
くすぐったさに
「ありがとう」って
言いそびれた
目尻のしわの優しさに
負けちゃってもいいかな?
って気持ちになった
何故
息子の聴力を奪ったのですか?
何故
自閉症と言う障害まで持たせたのですか?
未だ答えが出ず
生涯無理かもしれず
私にならやれると
私になら育てられると
“障害”なんか超えられると
人選ミスだと 悔いてませんか?
でもね 神様
この子を授けてくださって
悔しいけれど
・・感謝します
神も仏もいないのかと
孫かわいさに祖父母が言う
受け止めきれずこぼれる想いは
あふれる愛
どう感謝すべきか
返す言葉も見つけられないから
何が悲しいのかわからなくなるほど
笑ってあげる
もう苦しまなくていいように
神も仏も医学も科学も
助けてくれないなら
愛しかないでしょ
やっぱ 愛しかないでしょ
だから
あなた達の愛
・・大切にします
もういくつ寝ると
あなたの言葉聞けるかな?
もういくつ寝ると
旅行らしく楽しめるかな?
もういくつ寝ると
肩の力ぬけるかな?
もういくつ寝ると
居心地いい場所見つかるかな?
もういくつ寝ると
楽になったぁ!って言えるかな?
楽しみいっぱいの未来は幸せ・・
何もないより幸せ・・
そう思う事にした
『自由』が欲しい
『自由』になりたい
心の中で叫ぶ
もしも『自由』になれたなら
どんなふうに過すだろう
もったいないほど持て余し
気持ちだけが空回り
旅に出たならその先で
子供達を心配する
素敵な景色があったなら
見せてあげたいと思うだろうし
いい場所を見つけたら
連れて来たいと思うだろう
子供達が喜びそうな
おみやげばかり買いあさり
自己満足する
近すぎて見えない幸福を失わないように
・・目を開ける
もうすぐ息子は聾学校入学
もうすぐ息子は
ピカピカの一年生
だから我が家はお引越し
少し家が小さくなるかもしれない
少し家が古くなるかもしれない
新しい環境で
不安にさせるかもしれない
でも信じて欲しい
忘れないで欲しい
母もきっと父も誰よりも
あなた達の味方である事
こんなに傍にいる事
あなた達の未来
精一杯照らし続ける事
・・約束します
息子六歳 娘四歳
少し遅れの初詣
毎年恒例
人混み避けての初詣
「新しいお友達がたくさん出来ますように」
「今のお友達とも会えますように」
娘からもれるありったけの想い
一〇円玉じゃ足りませんか?
合わせた小さな掌
冷めないように
上からギュッと 暖めた
「兄ちゃんの耳 聞こえるようになるといいね」
そよ風のような優しさが
にいちゃんの耳にふれる
『ママ』って呼んで
それが私の夢だった
この子があなたの妹です
こんなかわいい名前で
こう優しく描けます
『ママ』なんて言葉
もう後回しでいい
強く私の手を握る息子
キュ―ッっと苦しくなる
暴れないように固定された体
抑えられた顔
視線だけで私を探す
「頑張れ」って声が
「大丈夫だよ」って声が
聞こえればいいのに
えらいね えらいね
本当えらいよ
「兄ちゃんすごいね」
「泣かなかったね」
「えらかったね」 私の代わりに褒める娘
あなたも怖いのに
逃げ出したいはずなのに
ずっと傍にいてくれて 「ありがとう」
「えらかったね」
小さな顔いっぱいに
風をきる満面の笑み
補助輪なしの自転車
得意気に乗る娘
息子がいない時しか出来ない
二人だけの貴重な時間
あてもない自転車の旅
何度も振り返りながら
「ママ、私と兄ちゃん大好きなの?」
後ろから響く声
「大好きだよ―っ!」の返事に
「止まって」と急ブレーキ
「感動した」と
袖口でぬぐう突然の涙
おませな娘の涙が
飾り気ない私の
“ダイヤモンド ”です
大好きな事をこだわりと呼ばれ
泣きじゃくって怒ればパニックと呼ばれ
一人でケタケタ笑い続ければ
周囲は首を傾げ
もっとありのままでいいんじゃないか
君は堂々と笑う
聞こえなくても
その上自閉症と名付けられても
僕は僕なんだと
小さな胸を張って生きるなら
私は私なんだと
一緒に胸を張って生きたい
それを教えてくれたのも君
それは言葉でもなく
いつなのかも
きっかけさえも
覚えてないけれど・・
「大好き泣き」
兄ちゃんが泣いてる理由を
自信ありげにそう言う娘
「私の事 大好き泣き」
そう言うあなたはもらい泣き
不思議と兄ちゃん泣き止んで
ボーッと
我が子に見とれる私
親バカでもいい
親バカでいい
ポジティブに生きて損はない
そうあなたに教わって
又あなたに救われる
泊まりがけの出張
喜んでゴメン
楽でいいなんて
思ってゴメン
何かちょっと物足りない
子供達の笑顔も足りない
いなくて気づく
父あっての夫あっての
我が家です
だから せめて
「ありがとう」の代わりに
「おかえり」って笑顔で言おう
・・「これが精一杯で ゴメン」
私にならやれると
神に選ばれた母親なんて
誰に慰められたか
誰に支えられたか
わかるものかと嘆くより
その優しさに甘えてみればいい
言葉の裏をよむよりも
ありのままの言葉を受け止めてみればいい
人の心の奥は
もっともっと暖かいのかもしれない
たくさんの出会い
助けられた言葉
ありったけの優しさ
宝・宝・・宝物・・・
おもちゃ リモコン お皿まで
投げて 笑って
ハラハラさせる息子
「ママー」「ママー!」
何かにつけて 連呼する娘
いつものぺース ソファーでくつろぎ
寝かかっている夫
私は一人
バタバタ イライラ
家中錯乱状態で
今日もぐったり日が暮れて
それでも
夕食の香りに家族が集まり
「おいしい」の言葉に ほころぶ顔
「おかわり」と夫が皿を上げ
子供達が真似て 笑う笑う笑う
これでいいのかもしれない
これが “奇跡 ”なのかもしれない
「早いな」「早いなー」
何度も繰り返す夫
泣いて泣いて 笑った事
一つずつ 一つずつ 膨らんだ心
言葉の代わりに
潤む瞳
夢をいっぱい詰め込んだ
ピッカピカのランドセル
背負った息子が
愛しい 愛しい
ただ愛しい
君が植えた種は
人よりちょっと出遅れて
大丈夫かな?と心配させ
あせるなと大地にしっかり根をはり
みんなの花が咲いた頃
精一杯つるを伸ばし
負けるものかと
しがみつく
みんなの花が散った頃
堂々と魅せる
大輪の花
好きな色が違う
好きな場面も
好きな人も
だからいい そこがいい
君は君でそれでいい
みんなみんなそれがいい
たとえ学歴社会でも
命に点数はありません
尊い命に変わりはありません
尊い命の代わりはありません
敵の方が多いとしても
戦う君の味方は
きっときっといる
笑ってみよう
君の笑顔が増えるように
怒ってみよう
君の痛みを感じるように
哀しんでみよう
君の哀しみが分かち合えるように
楽しんでみよう
君の人生が楽しくなるように
簡単なようで
結構むずかしいんだな
「ガンバレ! ガンバレ!」
「大変だね」
・・でもね
「かわいそうだね」
・・そうかな?
「頑張ってね」・・
頑張ってるよ
・・素直に「ありがとう」が
返せる人間に
私はなりたい
いつかは
きっと・・・
なってみせる
同じ目線
同じ歩幅
近づこうとする気持ち
挑戦する力
ありがとう
先生が先生で
ホント良かった
おかげでランドセルが
さまになってきました
息子は話せません
手話もまだ使えません
聾学校への車での送り迎えが
私の日課
先生の顔を見て降車して
抱きつく息子
「はい、おはよう」
優しい挨拶
先生にも聞こえるんですね
この子の言葉
上から見下ろすから
見えない心
しゃがんで
座って
初めて見える
一三〇センチ足らずの
あなたの世界
優しさだけじゃ
生きられないけど
やっぱり私は
優しくなりたいと思うのです
「もーいいかい」
「まーだだよ」
あなたのいいとこ
盗めばいい
あなたの優しさ
真似ればいい
それが たぶん近道・・
息子のベテランランドセル
娘のピカピカランドセル
並んだ 並んだ 二つ並んだ
ギューって ギューって
抱きしめていいですか?
平成一八年二月二十六日
それは誕生日でも
記念日でもなく
いつものように慌ただしい朝
“息子がしゃぼん玉を吹けた日”
夫が泣くから・・
娘が泣くから・・
息子が必死に吹くから・・
私一人 又 泣きそびれた
「ちょうだい」の手話が出来るようになったんです
挨拶やお願いする時に
頭が下げられるんです
嬉しすぎるから
かわいすぎるから
ゴメン!
やっぱり私
“親バカ宣言”します
にやけた顔 止まらない
妹になでなで
友達になでなで
いろんな人になでなで
もちろん私はなでっぱなし
そんな息子の坊主頭
気持ちよくて かわいくて
「障害なんてどうでもいい」
一番こだわっているのは
私なんじゃないかと
最近 やっと思えるのです
詩の中に入ると
別の自分に 出会えたりする
素直で 素顔で
詩の外に出ると
いつもの自分が 待ったをかける
素顔のままじゃいけないと
今の自分に手紙を書くなら
いくつのホントが書けるだろう
未来の自分が読んだなら
いくつの嘘に気づくだろう
私はサニーレタスの苗植え
娘は近所の子達とビーチバレー
息子は羨ましそうに眺めてた
危険がないように閉ざされた門
「兄ちゃん、おいで おいで」
娘が誘う
土を触りながら
心ここにあらず
どこかに行っちゃわないかと
耳を澄ます
息子の声 娘の声 周囲の子達
一つになるはしゃぎ声
胸いっぱいのまま
たっぷりの水をやる
軟らかくて
とびきりおいしいサニーレタス
食べようね
いい場面なのに
泣けてきて
顔が上げられない
待合室でまてない子
髪振り乱し 手遊び繰り返す母
だぶる 自分と息子の姿
放っておけない気持ち
「ママ 行って来ていいよ」
娘の言葉で我に返る
39度以上の高熱で
インフルエンザと診断され
元気がない娘に背を向け
・・苦しいのに ゴメンね
もっと 苦しくさせてゴメンね
「何やってるんだ 私」
「何様のつもりなんだ 私」
今しなくちゃいけない事
娘の傍に寄り添う事
どこにも行かないから
体も 心も
必ず
ママが治すから
今日は一段とパワフル
大声出して 走り回って
大はしゃぎする息子
落ち着かせたいのは
息子の行動?
自分の心?
見つめられて
ドキッとした
またか・・なんて思って
恥じた
「お母さん 止めなくていいよ」
予想外の女性の言葉に
涙こらえて
作り笑い
会釈するのが
精一杯のちっちゃな自分
「優しい気持ちもらったね」
頷く娘の大きなこと
勇気ある優しさに
出会えた日
三人ではしゃぎながら
買い物した
負けない
負けたくない
人を悲しくさせるのは
天使の言葉じゃないから
耳を澄まして
顔を上げて
真っ直ぐに向けた
瞳の先に
見えてくるモノ
それは
俯いたままじゃ
見えないモノ
もうちょっと待って
もう一度前を向くまで
私は負けるわけにはいかない
もしも生まれ変わるなら
君の障害なくして欲しい
この世に障害がなくならないのは
人の心を育てる為だと 君から学んだ
もしも雲の上で
そういう会議が行われたなら
君は又立候補するだろう
君はきっとそういう子だから
そして君がもう一度
私の息子になってくれるなら
私は又泣くだろうけど
悩むだろうけど
君の母で良かったって
きっと笑うだろう
~君の代わりはいないから~
もしも生まれ変わるなら
娘はここに来てくれるでしょうか?
私はあなたに会いたいけれど
我慢ばかりさせてるから
感動やさんで
頑張りやさんで
負けず嫌いで
ギャグが好きで
反面 人一倍怖がりで
だからこそ優しい
あなたの代わり
代わり 代わり・・
必死で探したけど
やっぱりたどり着いたのは
あなただけでした
身長も人一倍
体重も人一倍
息子は早 四年生
一泊二日のキャンプ
泣いてないかな?
眠れるかな?
大丈夫かな?
しゃぼん玉の準備もいらない
食事もせかされなくていい
お風呂もトイレも
水遊びも夜遊びも
何かをしでかし
怒る事も 溜息も
平穏な空気が
別の溜息でいっぱい
お泊りだよ
楽しいね 嬉しいね
「待ってるからね」
せめて 最後の一言でも
伝わっていたら
「今日は楽しかった?」
「楽しかった」
たったそれだけの返事で安心して
早 でも まだ 娘小学三年なのに
何気に聞いた 昼休み
一人で図書室
他は・・?
兄ちゃんの事ばかりで
自分の事ばかりで
知らなくて ゴメン
気づかなくて ゴメン
ゴメン ゴメン ゴメンね
毎朝 手を握った
ママのパワーを全部あげる
娘への充電器
だから 何でも話して
“ピピッ”
充電三つ 充電満タン
・・登校前「いってらっしゃい」の
おまじない 繰り返す
眠る前に 娘が言う
「明日は 二つだけ充電して」
「満タンじゃなくていいの?」
「後一つは自分で頑張る!」
えらいね えらいね
知らなかった 娘の力
いいよ いいよ
このまんまで
ポンポンと肩を叩き
たまに自分に優しくすると
ポンポンと人に優しくしたくなる
ポンポン ポンポン
いいよ いいよ
君のまんまで・・
いいよ いいよ
君のまんまが・・
釣りたての鮎をね
こう 串で刺して
こう 両手で持って
ガブッて 丸かじり
一度でいいから
したかったんだ
おいしくって
嬉しくって
幸せって! 素直に思えた
この場所
この時
この気持ち
息子がくれた
かけがえのない出会い
大切な人達 温かい空気
夢にまで見た
これがまさに 「夢心地」
おもしろい 楽しいと 笑ってる
ドラマティックな人生が
素晴らしいと思い
出会った人達が
宝だと感じる
秘めた悲しみを
こぼせる場所を見つけ
今 奇跡の真ん中に立ち
暑い夏を 楽しんでいる
息子十回目の夏の日
ケーキ嫌いな息子へ
毎年恒例
ケーキ代わり
巨大ハンバーグに
愛をたっぷり練りこんで・・
今年はロウソク十本になりました
「お誕生日おめでとう」
「産まれてきてくれてありがとう」
ティッシュを丸めて
ギュッと糸でくくって
ふわふわの真っ白な丸い顔に
墨で描く
目 目 鼻 口
笑ってるのか
哀しんでるのか
見方次第
心次第
ほろほろっと ぽろんっと
墨に溶けた 私の涙
悲しみくっつけたまんまでも
明日は晴れる
てるてる坊主の目が優しい
てるてる坊主がほらね
笑ってる
『トクン トクン トクン』
鼓動から 鼓動へ
ぬくもり届きましたか?
あなたに あなたに あなたに
届くといいな
あさがおの種と一緒に・・
平凡って なんだ?
幸せって なんだ?
ある人から見たら平凡ではない私
ある人から見たら幸せではない私
普通に平凡なのに
普通以上に幸せなのに
ちょっと覗いてみて下さい
平凡以上 幸せ以上
ホントの
私の日常
海から来た風
冷たさが透き通っているみたい
松の大木が 遠慮することなく
何本も何本も
横に 上に 自由に
隙間いっぱいの 松の葉のあっちの方
大きな青空に 惹きこまれるように
不思議なほど 上に傾く首
公園の遊具に跨る 子供達の傍で
深く目を閉じる
右でも 左でも
前でも 後ろでもない
ほんの数秒 呼吸を忘れ・・
青空と私だけ
「私、今週お当番なんだ。」
「お当番というのは二種類あってな・・」
お風呂場から聞こえるよ
「なあ、兄ちゃん・・わかった?」
「それでな・・」
キャハハ
笑ってるよ
私が入る前の
兄妹水入らずの
浴室での会話?
言葉よりいいもの響いているはずだね
耳を澄まして “聞こえる”
今日ママ
悲しかったんだ
ちょっと
辛かったんだ
でも 聞こえる
聞こえるから
どんなものにも
“負けないエール”
フライパンの中で
ポン ポン! パン パン!
はじけるコーンは
夏の終わりにした
線香花火の一番いいとこに似てた
取り合いっこして
口いっぱいに頬張る
息子と娘の いい顔は
誰にも
何にも
似ていない
他にはない
私の宝物
ホント 方向音痴で
困ってしまう
あっちから来たのか
こっちから来たのか
ホント 現在地も
悩んでしまう
どこに進むべきなのか
ここに留まるべきなのか
頑張っているから歩むのか
逃げているととられるか
見る角度の違い
価値観の違い
そして 今日も迷い道
「ここに行きたいのですが・・」
立ち止まって考えた
明日はちょっと勇気を出して
誰かに訪ねてみようかな
発熱 三九度五分
仕事中気付かれないよう
必死で家まで辿り着いた
一度力を抜くと 動けなくなる
何も口にしたくなかったけど
娘が一生懸命入れてくれたお茶が
私を温めた
体力が気力に追いつかず 原因不明の高熱に
負けそうになりながら
「こんなおいしいお茶が飲めるならいいや」と
泣きそうになる
苦しくて おいしくて 嬉しくて
ごちゃまぜになって・・
何にも言えなくなって
泣きたくて 泣きたくて
苦しくて 眠れなかった
早朝五時
三八度まで 熱下がり?
それでも 随分楽になる
薬を信じ 無理矢理強がる
体が心に追いつかず 悲鳴をあげても
耳を塞ぐ 私は“バカ者”
「休みたくない」
やっと ここまで来られたのに
障害児を その家族を助けたい
一番近い気持ちで
やりたい仕事の第一歩
自分が許される限られた時間の中
幼稚園で支援が必要な子のお助け先生
やっと ここまで来られたから
ガンバレ!バカ者
サービスデイと名付けた
今日は土曜日
だけど 息子は学校デイ
娘だけの 今日は母
自転車の旅
バドミントン ビーチバレー
公園 ランチ
とことん とことん
めいっぱい詰め込んだスケジュール
今日は我慢しなくていい日だよ
娘に捧げる
スペシャルサービスデイ
お返しは いっぱいの“笑顔”で
「めっちゃ 楽しかった!」
って “めっちゃ笑顔”
私もきっと今 へとへとだけど
“めっちゃ笑顔”
なんだろうな
かぼちゃ煮 食べたよ
一〇回目の冬至
息子 初めてかぶりついたかぼちゃ煮
嬉しいような 恐ろしいような
激しかった偏食に 勝る相手
噛まずに飲み込む程の食欲
私の口に かぼちゃは入らず・・
皮を剥いて綺麗になくなった
ゆず風呂
怒るべき瞬間
笑ってしまっている
そんな 今年の冬至
そんな 今年の私
車の後部座席
息子に語りかける娘
「お兄ちゃんは 将来何になりたいの?」
「教えてよ~!」
・・当たり前に 返答なし
さあ 娘よ
次はどうでる?
「お兄ちゃん、シャボン玉作る人になる?」
「なって!」
「あっ! 割れないシャボン玉発明して」
「私買う!絶対買う!!」
「でも ただにしてな」
・・・?
息子も私も
・・?
「ふわふわだけど 絶対割れないシャボン玉だよ」って
「ほんとに ふわふわ」
「ほんとに もにょもにょ」
娘よ
あなたの顔が もにょもにょだよ
・・発明家・・か
・・ありがとね
「サンタさんってホントにいるの?」
娘 小学3年 微妙な年齢
「みんな いないって言ってたよ。」
「ふ~ん」って私
「みんなって何人?」
「みんなってみんな!」って娘
「ママはいて欲しいと思うよ。」って私
「ふ~ん」って娘
「ママ おやすみ」って
言われずテレビ消して
歯を磨いて トイレへ行って
布団に入る
信じてるんだ ママと一緒だね
絶対来るよ サンタクロース
「おやすみ♡」
雪じゃないね 雨でもないね
冷たいね・・
行きたいのは
ここじゃないか ここでもないか
ごめんね
わかってないね
今年も又二人ぼっち
でも 一人ぼっちじゃないね
傍にいてくれるね
淋しくないね
お正月だと思うから・・
一月一日だね
お正月の君じゃないね
今日も君だね
笑ってなかったね
君の笑顔まで消してたね
話せないんじゃないね
私が聞いてなかったんだね
心を澄ませば
・・
君はおしゃべりだね
そうやって 又
今年も 私を励ます
いい本読んで
じゃぶ じゃぶって
じゃぶ じゃぶ じゃぶって
心の洗濯をした
真っ白は無理だよ
落ちない部分も 洗い残しも
んー・・ まぁいいかぁって
本を閉じて
さー 出かけようって
きっと 又汚れちゃうけどね
そしたら 又洗えばいいよね
それだけの事
ランドセル 片付け
学校 行きたくない・・か
休み明けの 息子のサイン
何気に娘に聞いてみた
そっかー・・ そっかー・・
娘も 同じかー・・
タイムスリップしてみたら
そっかー・・ そっかー・・
私も同じかー・・
特別じゃないね
みんな同じかー・・
大型スーパーの花売り場
アロエを買いました
大きいのに 百円で
隅っこで淋しそうでした
その上 今日は半額セール
五〇円で 億万長者の笑顔
小さな庭に植えました
蜂に刺されても 百足に刺されても
治してやるよ
新入りなのに
大きな気持ちで 立っています
ギュオーン ゴギューン
風がわがまま 暴れています
ガギュッ
ザンッ
物音が泣いているようです
でも 五〇円のアロエは
物静かです
見た目じゃなく
値段じゃなく
ようは 中身です
仕事を終え
夕暮れのバタバタを 一通り終え
早足が一瞬止まる時 弱まるパワー
「ママー、パパがー!」
「うーん・・」
「私にね・・」
「うーんん・・」
今日は夫が休み
母はしんどい・・ 今だけ休憩・・
素っ裸の娘は 諦めて浴室に戻り
おそらく にやけ顔
パパに報告
「ママ、子供への愛情なくなったみたい」
浴室がケラケラ笑ってる
息子もつられて笑ってる
やったなー!
やるね!
そういうとこ 好き
お茶碗洗う手が笑う
ぶちゅーって
きゃはははーって あーって
私にくっついてきた息子
「お兄ちゃん ママって一番呼びたいよね。」
って嬉しい事
普通に言ってくれる娘
あなたの名前 呼びたいよ
きっと きっと・・
こんないい妹 二人といない
気づいていないでしょ?
あなたのことなら
1・2・3・4・5・・・
パタパタ・・ バシャ ガシャ
フュエー フュフュフー キュー
ゴトゴト・・ ヒューン
ドドド・・ グジューッ
鴨がいっぱい 車がいっぱい
電車 池 いろんな音の中
はー はーっ・・
ぷっ ぱっ ぱっぱっ
あーーっ 息子の声
聞こえなくても 体で心で
感じる 散歩の音
カシャ カシャッ ふーん
鼻をすすり 鉛筆走らせ
詩人きどりの 娘の音
ベンチに三人 腰かけて
ちょっと暖かな空気を 時々冷たい風が
いじわるする 散歩道
「さあ コンビニ行くよ!」
走る足音
ダントツ一位は
“キャハハッ” の声
公園 独占
滑り台を青空ごと 独占
本日 快晴
雨上がりの眩しさ
どろんこ靴 仕方ない仕方ない
風は まだちょっと冷たいけれど
平気 平気
気分は最高!
息子の笑顔 独占
「拭いて」
頭をちょっと拭く
「拭いて」
顔をちょっと拭く
お風呂上がり いつものパターン
滴ポタポタ 私の体
「えっ?」
背中拭いてくれた?
「お願い もう一回」
「えっ?拭いてくれた?」
ホントに一回は一回だけ
約束通り でも 嬉しい
その一回が何百回より
そんな日曜日の終わり
明日から 又一週間ガンバルゾ!
の気持ち
あしたは又 忘れて
愚痴っていたら 遠慮なく叱ってね
迷って 迷って
進むたび 迷って
息子は 中学から学校を変わり
スクールバスだの ディサービスだの
娘はバスケだの 習い事だの
夫は転勤だの 自分の事だけで精一杯だの
私は仕事だの 家事だの
家族みんなの スケジュール調整だの
毎日 分単位 バッタバタ走り
それでも 愚痴る時間はあるから困ったもので
その上 思春期だの 反抗期だの
来るモノは
障害あろうとなかろうとやってきて
厳しくつらい日の方が多い今でも
私には夢がいっぱいあって
いくつになっても 余裕がなくても
夢追いかけ生きるのが楽しくて
絵に描いたような夫婦ではない
憧れられるような家族ではない
ある人にはわかってもらえなくても
きっと わかってくれる人はいる
自分の為にも走っていたいと
右にも左にも 同時進行
そして 賢くなれない頭がパニック
あー! もー! なんでバカバカバカ!
人にやつあたりしたり 自分責めたり
私ももしや思春期かしら
「夢は叶える為にある」
そう語れるおばちゃんになりたい
夢見るかわいいおばあちゃんになりたい
いくつになっても
私が私であり続ける為に
今まで生きてきた中で
今いる場所が一番好き
明日は もっといい場所に
未来は きっと もっと
いい笑顔になってやる!
「迷子の 迷子の・・♪」
鼻歌交じりで いいじゃない
世の厳しさに 時々涙し
人の優しさに これ又涙し
自分を 信じ
人を 信じて
笑ってみよう
君の傍にいるだいけで
優しくなれるから
嬉しい時も
悲しい時も
迷ってどうしようもない時も
言葉より強く
ぎゅーって
ぎゅっ ぎゅーって
“障害ごと抱きしめて”
きっと
言葉なんて 答えなんて
求めなくなるから
個人病院から大きな病院へ
向き合ったのは 我が命
「変成した子宮筋腫かも」
に託す思い
検査 検査 検査
MRIの中でも 採血しながらも
父が眠るお墓の前でも どこでも願う
子ども達のこれからで 頭がいっぱいになり
せめて 我が子達が成人するまではと泣き
やりたい事 今やるべき事に頭かきむしり
障害児の放課後ディサービスをと
障害児の最高の居場所をと
もちろん息子も含め
障害児の為の「楽園」を作りたいと
現状にもがく
そして願いは届き
「子宮筋腫」と診断
ほっとしたのも束の間
なぜか 39度台の原因不明の高熱続く
感染? 悪性の可能性?
何度も疑われ 深く落ち込み
日毎 体力がついてこなくなり
原因と考えられる子宮筋腫を
子宮ごと取ることになる
ただ祈る 命が続きますように
背中にぶちゅーって 半身麻酔
めっちゃ痛いって 聞いていたから
めっちゃ 怖い
「我慢強いな」と医師
こんな場面でも言われ
「グリ グイ ギジッ」
って感じで針が入っていく
声にならないだけ
怖くて 不安で
声にしたら少しは楽かな
我慢の仕方は 損するくらい
上手になっていく
辛ければ辛い時ほど強がる癖
そして全身麻酔だけが
我慢も強がりも消す
夢さん 夢さん
ちょっと待っててね
病気やっつけて
病院から脱け出して
全力で走れるようになったら
つかまえに行くから
絶対!
筋腫が骨盤の方に入り込み
熱の原因作ってた
麻酔から目覚め
お腹痛すぎたけど
医師も驚く
結果「良性」
寿命が延びた気分
“健康第一”
身に染みて知る
深呼吸したの 久しぶり
生きられる事の幸せ
皆さん 命を大事にして下さい
ここは産婦人科
新生児室のガラス越し
かわいい赤ちゃん達に
ほころぶ顔
もう子供はいらないと
迷いはなかったのに
なんだろ これ
なぜだろ 寂しい
もう子供は産めない
産むつもりもなかったのに
なぜだろ ここ
喪失感
人生なんとかなるものだ
「私」だったら無理だとか
何だかんだ言ったって
その「私」になることは
あり得る事で
実際「その私」になった時 気づく
いきなりの人生の岐路
目前で 突然で
戸惑うけど
人生なんとかなるものだ
最初は無理して笑っていても
そのうち自然に笑えるものだ
「笑う門には福来る」
・・なるほど
「大丈夫」って言ってくれた
「絶対大丈夫」って言ってくれた
術後 「帰っていいよ」って言ってるのに
「一人でいい」って言ってるのに
「ここにいる」って言ってくれた
「心配だからいる」って言ってくれた
そんな母から産まれて
そんな母に守られて
私は母になったんだね
「産んでくれて ありがとう」
「守ってくれて ありがとう」
私もそうやって
守りぬきたい子供達がいる
だから 頑張る
だから きっと 大丈夫だね
真夜中 麻酔きれた時
爆睡してたから 起こせなかったよ
痛みが半端なくやってきて
必死でナースコールに手を伸ばして押した
なかなかいい思い出だよ
私は好きだよ そんなとこも
手術日にも 我が子が心配
「おじいちゃん おばあちゃんが
いてくれるから大丈夫だ」と
娘になだめられ
「ガンバレ!」と励まされ
「大丈夫」「大丈夫」と
言葉でほぐされ 心癒され
支えてくれる義父母に感謝
みんながいてくれるから
ガンバロ!
一人じゃない
一人目 障害あるけど?
障害あるから?
かわいい長男
二人目 健常だけど
無器用なとこがかわいい長女
「三人目 “子宮”産みました!」
自分らしさも
ぼちぼち
快復に向かう
息子が来る
私を見る
食べ物を食べる
ベッドに寝転がる
嬉しそうな顔 しない
期待外れかな
寂しくないのかな
もう帰りたいのかな
「さあ」とみんなが腰をあげた
「バイバイ」と手を振った
息子は私の手を握り
ぐいぐい
ぐいぐい
駐車場まで連れてった
「帰ろう」って
「一緒に帰ろう」って
つないだ手から伝わる
柔らかい手が語る
身も心も目頭も
ただ ただ 熱くなる
一回目 手術前の大吉
二回目 痛みも和らぐ大吉
三回目 溜息の後に大吉
入院グッズに入ってた
娘の手作りおみくじ
大吉づくしのおみくじ
退院日
今日からテストと
頑張る娘の為
最後のおみくじ
引きました
幸福のおみくじ
〆の大吉
テスト頑張ってね
道中気をつけてね
「おかえり」って
ちゃんと家で
待ってるからね
死ぬ気になれば 何でもできる
もし 命が続くならと
あの時 強く誓った
私の背中を押した 病気もプラス
全てが夢への道標
もし の命がつながった今だから
やるなら今しかないと心決める
未来に笑っている自分を励みに
いつか今の自分を褒められるように
ぶらんこ よーし!
滑り台 よーし!
お砂場 よーし!
やる気 よーし!
笑顔 ぴーす!
楽園名 「ぴーす」
障害児の放課後ディサービス
夢のオープンにドキドキしてる
一人ずつでも
一つずつでも
この手とその手が
繋がっていけるように
自分を信じて
勇気を出して
この足で一歩ずつ
この子達の未来を広げたい
イヤ 広げる!
お父さん
五年半前 病室のベッドの上
覚えていますか? 二つの約束
一つ目・・
「いつか必ず」と宣言した楽園
有言実行が好きです
楽園は目前です
それは
“この世に必要な物”だから
二つ目・・
お母さん 心配ないよ
友達とランチ行ったり
余生を謳歌してる
お父さん
ちょっと寂しかったりして
私がいるから・・大丈夫です
こんな 自分の人生が好きです
「雨上がりの空は眩しいね お父さん」
「ごめん、まま!」見てしまったわ。ままが書いた育児日詩。ちょっとくらいやったらいいかとのぞいたら・・止まらんくなった。知らん間にぼろぼろ泣いとった。本当は、テスト勉強の調べものしようと思ってパソコン開いたんやで。このことは内緒にしとこうと思っとったんやけど、一言伝えときたかったし、ままに嘘つきたくなかったから、ばらします。明日の期末テスト悪かっても怒らんといてな。今日は感動して勉強できんわ。あ、大丈夫やな。だってまま、「かしこく産んどいたから大丈夫」っていつも言ってるもんな。「にいちゃんの次に」って笑いながら。
「まま、ありがとう。」
って伝えたかったのに、爆睡してるから。もういいや
「まま、大好き!だーい好き‼」
かわいい娘より
2016年1月4日 初版
続く
2022年9月4日 発行 第二版
bb_B_00174732
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