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この本はタチヨミ版です。
木々の間 ぬかるみで足を滑らせたが幸い受け身をとる。
はっ、と声が出掛けた隙に転がり落ちたのは草の上。
幾つの沢を越え、
夜を朝と置き換えに、朝を夜と置き換えに
歩き
走り、
躓きそうになるのを堪えつつ滑った先に日を越しに越し、
木の根の張りに助けられたことだろう。
ー私は何処へ向かっているというのでしょう
その時、木々の間からざあ、と水を被った。
なんせ山場の天気は変わりやすい、そういう時に凌ぐのはやはり木の下。
然しどこよ何処よ、うまい臍は無きに腹? ふふふふ、我こそ青天の霹靂
何処に在らせます割れ喰う臍よ
そこか
ー身支度枯れ葉の穴のようであった。さすらば如なにでござろう、
雷殿のお気に召すごとき臍にて御座い候ら
いかがぞ食に尽し下され
よしんば
まずく食べらるぬものにてござるで候ら鎌口の蓋を開け返して頂けらばと存じ候
雷鳴轟く
歩ゐてなに尺彼の場所眼掛けて木が倒れた。
心臓が砕けたのかと思い気付けば菰が砕け散ってしまった。ここまでか。
目が宙を舞っていた。
濡れているこの地面が熱い岩のように燃えたぎっている。
タチヨミ版はここまでとなります。
2023年5月11日 発行 初版
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世作の世界観を絵にしたものを公開予定です。お楽しみに!
てやんでえてやんでえ。