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『景』がつく単語には、風景・景観・美景・珍景・奇景・情景・遠景・佳景・景勝・景物・光景・叙景・絶景・点景・背景・夜景などなど多種・多岐にわたる。
どれも、私たちの日常生活において使用頻度の高い単語ばかりである。それだけ、『景』という文字は私たちの意識層に沈静しているのである。
さて、その『景』という文字は、(日+京)で構成されている。(日)は、太陽の象形を表し、(京)は、高い丘の上に建つ建物を意味すると言われている。
漢字学者の白川静氏によると、景は「ひかり(日光)」と「かげ」という相反する意味も有しているということである。歴史的には「かげ」の意味登場の方が早いとも言われる。
自己流に解釈すると、『景』を観るという(行為)は、高い丘の上から太陽の光と影(陰)を観察することではないかとも思う。すなわち、世俗の物事には、必ず明と暗があり複層的な視座が求められるということだろうか。
風景学者のアラン・コルバン氏は次のように語る。
「風景とは単なる物理的な環境だけでもなければ、視覚的にのみ捉えられるものでもない。それは複雑な感性(五感とそれを知覚した人々の情動や思考)によって捉えられ、その経験が重なり合うことによって風景として構築される」
観ている人にとって、視野に映っている光景は、その人の深層意識の中でしっかりと意味づけされない限り、『景』として記憶されていかないということをコルバン氏は言っているのだろう。
私は、これまで約四十年弱、海外の秘境・辺境・山岳エリアを中心にした、エスノグラフィック・フィールドワークを重ねてきた。
多くのフィールドで『景』として記録・記憶されたシーンが蓄積されてきている。その中から、幾枚かの『景』を写真で紹介するのが、この本の目的である。
※ 一九八〇年代以前に撮影した写真は、デジタル保存ではないので、色調などに変化が生じてもいるので、予め御諒解いただきたい。
※ また、紙面数の関係上、ある一定の分量しか紹介できないこともご理解いただきたい。










2023年5月22日 発行 初版
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二十歳の時にダライ・ラマ十四世と個人的に出会った事が、世界の山岳・辺境・秘境・極地へのエスノグラフィック・フィールドワークへのゲートウェイだった。その後国内外の「辺(ほとり)」の情景を求めて、国内外各地を探査する。 三十歳代にて鍼灸師と山岳ガイドの資格を取得した後は、日本初のフリーランス・トラベルセラピストとして活動を始める。そのフィールドは、国内の里地・里山から歴史的、文化的、自然的に普遍価値を有する世界各地のエリアである。 また、健康ツーリズム研究所の代表として、大学非常勤講師を務めながら、地方自治体における地域振興のアドバイザーとしても活躍している。 日本トラベルセラピー協会の共同創設者でもある。