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写真集 日本の景

清水正弘

深呼吸出版



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目 次

まえがき

時間的な陰陽の狭間・十三景

 早朝の富士山・静岡県
 早朝の岩木山・青森県
 尻屋﨑での日の出・青森県
 美ヶ原の朝・長野県
 涸沢の朝焼け・北アルプス
 茶屋町の夕暮れどき・金沢市
 闇夜の丹生都比賣神社・和歌山県
 竹野浜の日の出前・兵庫県
 宮島水道の日没・広島県
 御厨人 (みくろど)窟の朝・高知県室戸市
 宇和海の日没前・愛媛県
 大観峰の朝・熊本県阿蘇
 日没後の三苫海岸・福岡県
 五島列島に沈む夕陽・長崎県

季節の色彩美世界・十二景

 岩城島(いわきじま)の春・愛媛県
 下甑島(しもこしきじま)の初夏・鹿児島県
 美瑛の丘の花畑・北海道
 谷川岳の夏・群馬県
 森吉山の花・秋田県
 サロベツ平原の花・北海道
 佐渡島の花・新潟県
 八甲田山の秋・青森県
 津和野の秋・島根県
 紅葉の八重滝・島根県
 秋の高千穂峡・宮崎県
 蔵王山の冬・奥羽山脈

祈りと巡礼の記憶・二十景

 岩木山神社の祭り・青森県
 高山稲荷神社・青森県
 恐山・青森県
 山寺・山形県
 羽黒山・山形県
 華厳の滝・栃木県
 冬の戸隠神社・長野県
 宝光社・長野県
 足柄山 最乗寺・神奈川県
 ミシャグジ神社・長野県
 高尾山・東京都
 愛宕念仏寺・京都
 東大寺の大仏・奈良県
 玉置山の神代杉・奈良県
 ゴドビキ岩・和歌山県
 元乃隅稲成神社・山口県
 上色見熊野坐神社・熊本県
 両子寺・大分県
 熊野摩崖仏・大分県
 霧島神宮・鹿児島県

天地が胎動する場・二十景

 冬の大雪山・北海道
 礼文島・北海道
 利尻岳・北海道
 竜飛岬・青森県
 仏ケ浦・青森県
 会津磐梯山からの猪苗代湖・福島県
 安達太良山・福島県
 吹割の滝・群馬県
 木曽御嶽山・長野県
 南アルプス遠景・長野県
 翡翠峡・新潟県
 富士山の雲海・山梨県
 大台ケ原・奈良県
 鳥取砂丘・鳥取県
 小豆原埋没林・島根県
 帝釈峡(雄橋)・広島県
 阿蘇の噴火口・熊本県
 鍋ケ滝・熊本県
 高千穂峰・宮崎県
 桜島の噴煙・鹿児島県

人々の営み世界・十七景

 ねぶた祭・青森県
 藤里町の祭り・秋田県
 角館の街並み・秋田県
 阿仁マタギの里・秋田県
 遠野物語のかっぱ淵・岩手県
 銀山温泉の黄昏れ時・山形県
 蔵王温泉の夜・山形県
 大内宿・福島県
 薪能・新潟県佐渡島
 幻影の踊子歩道・静岡県
 冬の白川郷・岐阜県
 近江神社 冬の参道筋・滋賀県
 祭りの夜・島根県
 内子町の旧家・愛媛県
 宇和海の養殖・愛媛県
 博多山笠・福岡県
 下町の夜・長崎県長崎市

歴史の遺産時空を遡る・十八景

 宗谷岬と間宮林蔵・北海道
 三内丸山遺跡・青森県
 奥入瀬渓谷・青森県
 大湯環状列石・秋田県
 雨の白神山地・秋田県
 秋の松島・宮城県
 韮山反射炉・静岡県
 天岩戸(位山)・岐阜県
 縄文遺跡(真脇遺跡)・石川県
 高野山 奥の院への道・和歌山県
 投げ入れ堂・鳥取県
 稲佐の浜・島根県
 夜の錦帯橋・山口県
 金印公園からの日没・福岡県
 相島の石積遺構・福岡県
 賽の河原・宮崎県
 原の辻遺跡・壱岐の島
 平戸の教会・長崎県

※表紙写真は佐渡島、裏表紙写真は羽黒山である。

『日本の景』とは

我々が『景』という文字を見て、最初に思いつくのは『景観』という言葉だろう。ただ、この『景観』という言葉の歴史は意外にも浅いのである。

大正時代のはじめに、感性で捉えた自然資源の様子であるドイツ語の「ランドシャフト」や、英語の唯物的な自然環境を意味する「ランドスケープ」の日本語訳として案出されたという。

ただ、日本語に訳出される際に最も重要視されたのは、唯物的・視覚的な自然環境を、古来日本人はどのように捉えてきたのか、ということであったらしい。

すなわち、短歌や俳句、また中世に記述された紀行文などに、風物や季節感がどのように描写されたかということである。

それは、景色・風景・風土といった総合的な自然・社会環境を、過去の日本人は物理的な視覚のみで把握したのではなく、森羅万象すべてを心象風景として表現してきたのであり、それが『観』という行為であったということを意味している。

言ってみれば、『観』という行為があってはじめて、『景』という文字の持つ世界は無辺に広がっていくということなのかもしれない。
  
近代化以降の社会では、「知」を識る(知識)に重きがおかれてしまい、「知」の恵み(知恵)は蔑ろになりがちである。脳の浅い層にある意識下で事物を捉える能力の高さが競われ、記録された識の量を誇示する社会は限界点に来ている。

これからの時代では、五感を超える六感などの無意識下の深層領域にて獲得した、森羅万象からの「知の恵み」に謙虚に向き合うことが求められるだろう。『景』を『観』する行為とは、その出発点なのかもしれない。

この本は、そんな『景からの知の恵み』の数々を、テーマ別に写真でまとめたものである。



※ 各テーマ

  〇 時間的な陰陽の狭間
  〇 季節の色彩美世界
  〇 祈りと巡礼の記憶
  〇 天地が胎動する場
  〇 人々の営み世界
  〇 歴史の遺産時空を遡る






時間的な陰陽の狭間

早朝の富士山・静岡県
早朝の岩木山・青森県
尻屋﨑での日の出・青森県
美ヶ原の朝・長野県
涸沢の朝焼け・北アルプス
茶屋町の夕暮れどき・金沢市
丹生都比賣(にうつひめ)神社・和歌山県
竹野浜の日の出前・兵庫県
宮島水道の日没・広島県
御厨人窟 (みくろど) -の朝・高知県室戸市
宇和海の日没前・愛媛県
大観峰の朝・熊本県阿蘇
日没後の三苫海岸・福岡県
五島列島に沈む夕陽・長崎県






季節の色彩美世界

岩城島(いわきじま)・愛媛県
下甑島(しもこしきじま)・鹿児島県
美瑛の丘・北海道
夏の谷川岳・群馬県
森吉山・秋田県
サロベツ平原・北海道
佐渡島・新潟県
八甲田山の秋・青森県
津和野の秋・島根県
紅葉の八重滝・島根県
秋の高千穂峡・宮崎県
蔵王山の冬・奥羽山脈






祈りと巡礼の記憶

岩木山神社の祭り・青森県
高山稲荷神社・青森県
恐山・青森県
山寺・山形県
羽黒山・山形県
華厳の滝・栃木県
冬の戸隠神社・長野県
宝光社・長野県
足柄山 最乗寺・神奈川県
ミシャグジ神社・長野県
高尾山・東京都
愛宕念仏寺・京都
東大寺の大仏・奈良県
玉置山の神代杉・奈良県
ゴドビキ岩・和歌山県
元乃隅稲成神社・山口県
上色見熊野坐神社・熊本県
両子寺・大分県
熊野摩崖仏・大分県
霧島神宮・鹿児島県






天地が胎動する場

冬の大雪山・北海道
礼文島・北海道
利尻岳・北海道
竜飛岬・青森県
仏ケ浦・青森県
会津磐梯山からの猪苗代湖・福島県
安達太良山・福島県
吹割の滝・群馬県
木曽御嶽山・長野県
南アルプス遠景・長野県
翡翠峡・新潟県
富士山の雲海・山梨県
大台ケ原・奈良県
鳥取砂丘
小豆原埋没林・島根県
帝釈峡(雄橋)・広島県
阿蘇の噴火口・熊本県
鍋ケ滝・熊本県
高千穂峰・宮崎県
桜島の噴煙・鹿児島県






人々の営み世界

ねぶた祭・青森県
藤里町の祭り・秋田県
角館の街並み・秋田県
阿仁マタギの里・秋田県
遠野物語のかっぱ淵・岩手県
銀山温泉の黄昏れ時・山形県
蔵王温泉・山形県
大内宿・福島県
薪能・新潟県佐渡島
幻影の踊子歩道・静岡県
冬の白川郷・岐阜県
近江神社 冬の参道筋・滋賀県
祭りの夜・島根県
内子町の旧家・愛媛県
宇和海の養殖・愛媛県
博多山笠・福岡県
長崎市下町の夜






歴史の遺産時空を遡る

宗谷岬と間宮林蔵・北海道
三内丸山遺跡・青森県
奥入瀬渓谷・青森県
大湯環状列石・秋田県
雨の白神山地・秋田県
秋の松島・宮城県
韮山反射炉・静岡県
天岩戸(位山)・岐阜県
縄文遺跡(真脇遺跡)・石川県
高野山・奥の院への道・和歌山県
投げ入れ堂・鳥取県
稲佐の浜・島根県
夜の錦帯橋・山口県
金印公園からの日没・福岡県
相島の石積遺構・福岡県
賽の河原・宮崎県
原の辻遺跡・壱岐の島
平戸の教会・長崎県

写真集 日本の景

2023年5月22日 発行 初版

著  者:清水正弘
発  行:深呼吸出版

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清水正弘

二十歳の時にダライ・ラマ十四世と個人的に出会った事が、世界の山岳・辺境・秘境・極地へのエスノグラフィック・フィールドワークへのゲートウェイだった。その後国内外の「辺(ほとり)」の情景を求めて、国内外各地を探査する。 三十歳代にて鍼灸師と山岳ガイドの資格を取得した後は、日本初のフリーランス・トラベルセラピストとして活動を始める。そのフィールドは、国内の里地・里山から歴史的、文化的、自然的に普遍価値を有する世界各地のエリアである。 また、健康ツーリズム研究所の代表として、大学非常勤講師を務めながら、地方自治体における地域振興のアドバイザーとしても活躍している。 日本トラベルセラピー協会の共同創設者でもある。

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