明日、一歩頑張るために。
元気のない時、ちょっと頑張れない時。ふと耳にした音楽が背中を押してくれた。いつも聴いてる曲に、励まされた。そんな経験ありませんか? 三人の著者それぞれの、「自分の力になる曲」特集です。
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筆者は、 通学途中やリフレッシュの時間によく音楽を嗜んでいる。様々なジャンルの楽曲を好む筆者が、読者にぜひ紹介したいと考える背中を押してくれる曲を一つ紹介する。
私が背中を押してほしい時に聞くことの多い曲は、指原莉乃氏がプロデュースするアイドルグループ、≠MEの「自分賛歌」という曲だ。
この曲に出会ったのは、大学一年生の夏のこと。友人に、このアイドルグループとともに、おすすめの曲を教えてもらった。
筆者 は、この曲の歌詞に惹かれた。どの部分を切り取ってもいい歌詞であり、好きな歌詞を挙げ始めるとキリがないため、今回はサビの一部分の歌詞を次に挙げ、紹介する。
「今日の君だって 頑張っていた 僕はずっと 褒めるよ 溢れそうな涙は全部今夜で 流し尽くしちゃって こっち見て 笑って! 」
小学生の頃などに比べると、誰かに褒められることは減ってきている。現在、学校の授業やアルバイトなど、様々な用事に時間を使い過ごしている。さらに、大人になるにつれ褒められることはほぼなくなってしまうだろう。そんなときに、この曲を聞くと、背中を押してくれているような気がして、とても元気が出る。
実際、筆者もこの曲を、運転免許を習得しようと教習所に通っているときによく聴いていた。慣れないマニュアル車の運転に苦戦してうまく行かなかったときに、先程挙げた歌詞を聴いて、とても勇気づけられていた。
誰しも、「褒められたい」や「勇気づけられたい」と思う日があるだろう。そんなとき、今回紹介した、自分讃歌を聴いてみてはどうだろうか。
今回、紹介した曲は一曲だったが、他にも筆者の励みになる曲はたくさんある。コロナ禍で、心が折れそうになったときに聴いた曲、受験前のつらいときに聴いた曲などの思い出の曲が読者の皆さんにも必ずあるだろう 。
その曲を、ぜひ今一度聴いてみてほしい。今聞くことによって、当時のことを思い出したり、新たなことに気づいたりすることがあるかも しれない。そして、その時の自分のことを褒めてあげてほしい。
私は元気がなくて疲れているとき、精神的に辛いときには前向きで励ましてくれる応援曲ではなく、同じ立場に立ってつらい気持ちに寄り添ってくれる曲を聴きます。そのなかでも特に思い出深い曲があります。 それは、 10―FEET の「蜃気楼」という曲です。
私がこの「蜃気楼」という曲に出会ったのは、高校時代の頃で、YouTubeで色んなバンドのライブ映像を漁っていた時に10―FEETのライブ映像を見つけ、その動画で「蜃気楼」に出会いました。しかし、当初は歌詞に注目せず、メロディーの良さでこの曲を聴いていましたが 、曲を聴けば聴くほど歌詞が頭の中に入ってき、胸を打たれ ました。そしてこの曲は大学生になったら余計歌詞がささるようになりました。それ以来自分の人生で立ち止まりたくなった時にはこの曲を聴いて、元気を出しています
まずこの「蜃気楼」という曲に自分はどこか寂しさを感じました。この寂しさをはらんだメロディーこそが辛いときの心情にそっと寄り添ってくれます。しかし、寂しさだけでなくアップテンポな曲調、その寂しさをかき消すようなギターソロが背中を押してくれます。そして、次にこのメロディーと曲調に合わさる歌詞です。冒頭を 引用します。
〝笑ってみても泣いてみてもあの頃の様な高揚も弱さもなくて孤独ささえも肯定して強くなっちゃってかっこつけた背中は滑稽に言い訳こぼした 〟
このフレーズからわかるように大人へ向けての曲です。そしてこの歌詞が大学生になり、大人という世界に片足をつっこんでいる私には深く刺さりました。そしてサビの
〝見失っても遠くに消えても繰り返しの日々も表情のない日もああ僕はぎこちない朝また同じ夢を見ていた〟
この歌詞が私に寄り添ってくれ、「また明日も頑張るか 」という気持ちにさせてくれます。また、この曲で最も共感し、気にいっている歌詞があります。それは、二番の冒頭の
〝悲しみは幸せの原石だけれど乗り越えなきゃただの石ころだって淋しそうな顔で紅茶を残してまた出かけた〟
という部分です。乗り越えなきゃただの石ころというの が残酷だけれど確かにその通りだと感じました。
私はこの曲の主人公と同じで前向きに物事を考えられません。だからこそ共感し、勇気づけられるのだと思いました。この文章を読んでいる皆さんにも辛いことがあったとき、またそうでない時でも是非一度10FEETの「蜃気楼」を聴いてみてほしいです。
元気の出る曲、背中を押される曲。そのまま考えてみれば、わかりやすく「応援歌」のようなものが思い浮かぶだろう。しかし残念なことに、元気など出なかった。きれいなものを見ても、内側に溜まったストレスが燻るだけだった。私はひねくれていたのだ。
そんな私が元気のない時によく聴く曲は、その時抱えたストレスを代弁・発散してくれるようなものだ。特にsyudou氏の楽曲を好んで聴いており、カラオケに行った時もよく歌っている。最近ではAdo氏歌唱「うっせぇわ」の作詞作曲、アニメ「チェンソーマン」で使用された「インザバックルーム」などで表舞台に出てきている彼は、元はボカロPとして、何年も何百万再生を保っている。彼の生み出す歌詞は毒舌で、怨嗟や憎悪、嫉妬、社会へのアンチテーゼや心のダークサイドを描いたものが多い。普段なら表に出せないようなストレスや不満を、代わりに叫んでくれるのだ。全体として若者に好まれるのも同じ理由だと思う。
中でも私がよく聴くもののひとつが、「ギャンブル」という曲だ。この曲の主人公は若者で、おそらく周囲から愚かだと言われるような夢を持っている。サビの「そうアタシは半人前 ブサイク ただ凡人 転生さえ願った業人」という歌詞、またMVMV のこの部分が匿名掲示板の発言になっていることから、他人からの評価を気にしていた様子が伺える。また「未来に貰ったこの道を 心から信じていいんですか?」と、用意された真っ当な人生や決められたレール上を歩むことに疑念を抱いており、やいのやいのと口を出す外の人間に対しても不満を抱えているようだ。
この曲はずっとやりたいことができずに燻っていた主人公が、周囲の言うことや己の不安に対して「至極真っ当な道を闊歩してたって完璧はない」「掛け替えない一生なんだ」「不安なら無限 時間は有限」「才能や喉を枯らさずにくたばる 冗談じゃないだろ」と言い返して全て振り切り、勘違いでも構わないと自分の叶えたい未来にベットBet する曲である。
また、これは恐らくsyudou氏本人の心情や覚悟を歌った曲であると思われる。「俺は夜なんて駆けない」という歌詞は明らかにYOASOBIの「夜に駆ける」が意識されたものであり、彼自身の対抗心が伺える。音楽に限った話ではないが、芸術分野を歩むことは安定とは程遠く、文字通り自分の人生を「賭ける」ことになる。周囲の言葉に対して「そんな事 言って明日もし急に 死んじまったっていいかって話」と言っているように、強い意思を歌った曲である。アップテンポな曲調と力強い歌声が、それを物語っている。
この曲は、一見自棄になって全てをギャンブルに注ぎ込んでいるように見えて、〝世界はきれいではないしきっと何をしても思い通りにはいかない、それなら自分のやりたいことやって楽しんでやろうぜ〟という、希望のメッセージを秘めているのだ。
2023年7月30日 発行 初版
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