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屋久島は,鹿児島の佐多岬から南へおよそ六〇キロの洋上に浮かぶ山の島である。一周が百三十キロ程であり、面積が五百キロ平方と淡路島より一回り小さい島であるが、中央には九州で一番高い標高一九三五メートルの宮之浦岳がそびえている。花岡岩が隆起して誕生したと言われる山々は深い森におおわれており九十%は森林である。
その特異な地形が屋久島の気候や山、川、海をそれぞれを構成している。北緯三十度の少し北に位置している屋久島では、海岸平地は年間平均気温が二十度弱で、亜熱帯の北端と同じ気候である。
しかし、標高が上がるにつれて気温が低下して千メートルでは東北地方と同じ気候で二千メートルに近い山岳部では推定六~七度と北海道中部地方の気温だそうである。
また、海岸には魚が遊ぶさんご礁があり、ハイビスカスやブーゲンビリアの花が四季を通して咲いているが、背後の山は冬になると雪と氷に覆われる。直径二十キロに満たない屋久島に亜熱帯から寒亜熱帯の入口まで、南北二千五百キロに及ぶ日本列島全ての気候がこの小さい島に凝縮されていると言える。
さらに、気候の変化のおかげで標高が高くなるにつれて南国の植物から、北国の植物へと垂直分布が屋久島の自然を特色づけているのである。
この本では、屋久島の自然を代表する「縄文杉へのトレイル」、そして「ガジュマルの森」、「白谷雲水峡」を軸に屋久島の魅力を紹介する。
2023年8月17日 発行 初版
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二十歳の時にダライ・ラマ十四世と個人的に出会った事が、世界の山岳・辺境・秘境・極地へのエスノグラフィック・フィールドワークへのゲートウェイだった。その後国内外の「辺(ほとり)」の情景を求めて、国内外各地を探査する。 三十歳代にて鍼灸師と山岳ガイドの資格を取得した後は、日本初のフリーランス・トラベルセラピストとして活動を始める。そのフィールドは、国内の里地・里山から歴史的、文化的、自然的に普遍価値を有する世界各地のエリアである。 また、健康ツーリズム研究所の代表として、大学非常勤講師を務めながら、地方自治体における地域振興のアドバイザーとしても活躍している。 日本トラベルセラピー協会の共同創設者でもある。