───────────────────────
───────────────────────
とある調査報告にては、次のように四国をゾー二ングした上で、それぞれのゾーンについての特徴を記述している。
❶ 瀬戸内ゾーン
〇四国の北部に位置する瀬戸内ゾーンは、温暖少雨の気象で、穏やかな瀬戸内海とそれに面した大小の平野からなる。昔から瀬戸内海の航路を中心とした地域間交流の盛んな地域である。
○ 瀬戸内海に広がる多島海の景観は、日本初、及び最大規模の国立公園として指定されている。
○ 臨海部は、瀬戸内工業地帯の一翼を担い、大規模工場が立地している。
○ 少雨であることから、満濃池をはじめとするため池が多く残されている。
○ 瀬戸内ゾーンでは、日照時間の長さ、平地の少なさなどを理由に、斜面を有効に活用した段々畑が多く見られる。
❷ 山間部ゾーン
○ 四国の中央部に位置する山間部ゾーンは、二千メートル級の急峻な地形であり、その険しい地形は優れた山岳渓谷美をつくっている。
○ 四国の屋根ともいわれる石鎚山系の山岳景観などは国定公園に指定されている。
○ 急峻な地形のなかでは、山の側面を利用した集落が形成され、林業のほか、棚田や段々畑を利用した農業が営まれている。
○山間部ゾーンは日本有数の多雨地域であり、年間三千ミリの降雨を記録する。また冬期は季節風を受け寒さが厳しい。
❸ 太平洋ゾーン
○ 四国の南部に位置する太平洋ゾーンは、平野や山地、入り組む海岸など多様な地形を呈している。
○ 東西に位置し二県に跨る二つの国立、国定公園は穏やかな砂浜と磯辺の海岸までさまざまな表情を見せる。
○この地域は温暖多湿な気候と水利の便の良さから、早期米が収穫され、野菜のハウス栽培も盛んに行われる。
○ 四国山地での降雨が四万十川をはじめ幾筋もの清流を生み、太平洋に流れ込む。また、川では豊かな自然の恵みを受け、川漁が行われる。
さらに、もっと細かく地域毎の特徴を次のように(アルファベットは地図上のものと照合)述べられている。
❶ 瀬戸内ゾーンについての地域分け
(A)瀬戸内エリア
穏やかな海に囲まれた瀬戸内海の島々は多島美を賞されるように印象的な地形となっている。また、瀬戸内海の恩恵を受け、漁業等が盛んである。
(B)讃岐エリア
讃岐平野が広がり、その中に見る、やさしく丸み帯びた特徴的な山々と点在するため池の風景が印象的である。ため池の一つで日本最大である満濃池は、千三百年ほど前に創築され、弘仁十二年に空海が修築したといわれている。
(C)吉野川エリア
雄大な吉野川の流域にあって、吉野川と地域の生活が密接に係わり、その係わりが地域の歴史となり、文化となっている。また、毎年県下各地で繰り広げられる阿波おどりは、日本を代表する祭りとして夏の風物詩となっている。
(D)燧灘(ひうちなだ)エリア
山と海に囲まれ、南方の山地からの強風(やまじ風)が吹き付ける地域である。このため、風で瓦が飛ばないように屋根には石やブロックを置いている住宅が点在している。
(E)伊予松山エリア
松山平野が広がる地域である。松山城を中心に同心円上に発展し道後温泉をはじめ歴史豊かな地域である。
❷ 山間部ゾーンにおける地域分け
(F)剣山エリア
剣山国定公園を有する山岳地帯で、大歩危・小歩危や支流の祖谷渓などの渓谷を含む、自然豊かな地域である。
(G)石鎚山エリア
西日本最高峰の石鎚山を中心とする石鎚山国定公園を有する山岳地帯で、険しい山地、渓谷といった自然豊かな地域である。また、山岳景観を主とする国定公園の中で、異なる趣を添えるのが面河渓である。
(H)四国カルストエリア
日本の三大カルストの一つに数えられている四国カルストは、石灰岩が雨水の溶食作用の影響を受けて特徴的な風景を呈している。
(I)伊予灘エリア
複雑に入り組んだ特徴的なリアス式海岸と急斜面の地形を活用した何段もの棚田の風景が印象的な地域である。また、明治時代に養蚕や製糸で栄えた家並みが随所に残っている。
❸ 太平洋ゾーンにおけ地域分け
(J)阿南・室戸エリア
阿南室戸海岸国定公園を有する地域である。海岸線は、複雑に入り組んだリアス式海岸であり、その特徴的な地形を活用した港町が点在している。
(K)土佐エリア
厳しい気候からくる(豪雨対策)建築様式による町並みは、印象的な景観を呈している。また、太平洋の恵みを受けた漁業や気候の恵みをうけた農業が盛んに行われている。
(L)四万十川エリア
四万十川流域の地域は、清流四万十川の恵みを受け生活、文化そして歴史を形成してきた地域である。
(M)足摺宇和島エリア
足摺宇和海国立公園を有する地域である。複雑に入り組んだリアス式海岸、その背後には、南斜面を利用した段畑が印象的な地域である。
========
このようなゾーニング・地域分けをした上にて、前述の調査報告書にて四国の魅力について次のようにまとめている。
○古来より四国では、満濃池普請や道普請など、地域の人々が勤労奉仕により、地域の共有財産を自分達で造るという普請の精神が根づいており、ボランティア団体も全国に比べ多い。お遍路さんを迎えるお接待の精神も文化として受け継がれており、こうした四国人の人情が四国の景観をいっそう美しく感じさせる要因となっている。
○八十八ヶ所巡りのお遍路さんは、様々な個性のある四国の地域を歩くことにより、四国の多様な景観、四国人の人情等を体感し、ひとつの物語を作っていく。
○ 四国には、太平洋から瀬戸内海、急峻な山、清流等、スケールの大きい自然や多様性のある自然があり、これらを背景とした個性ある景色や文化が詰まっている。
○四国には、美しい手付かずの自然や里山・棚田等が多数残されている。また、交通事情の関係で、最近まで四国内の移動も困難であったことから、個性的な発展を遂げた街の風景や農村や漁村の人々が織りなす風景等、ふるさとを感じさせる昔からの原風景が残っている。
○日本の原風景といえる景観は、戦後の経済成長の影響で数少なくなっているため、四国の原風景は世界に誇れる心の安らぎの空間と言える。
○昔から造り上げられてきた土木構造物も、自然条件が厳しい四国では、生活の一部として自然と融合し、自然とのコントラストを見せて個性的な風景を演出している。













2023年8月22日 発行 初版
bb_B_00177140
bcck: http://bccks.jp/bcck/00177140/info
user: http://bccks.jp/user/152489
format:#002t
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp
二十歳の時にダライ・ラマ十四世と個人的に出会った事が、世界の山岳・辺境・秘境・極地へのエスノグラフィック・フィールドワークへのゲートウェイだった。その後国内外の「辺(ほとり)」の情景を求めて、国内外各地を探査する。 三十歳代にて鍼灸師と山岳ガイドの資格を取得した後は、日本初のフリーランス・トラベルセラピストとして活動を始める。そのフィールドは、国内の里地・里山から歴史的、文化的、自然的に普遍価値を有する世界各地のエリアである。 また、健康ツーリズム研究所の代表として、大学非常勤講師を務めながら、地方自治体における地域振興のアドバイザーとしても活躍している。 日本トラベルセラピー協会の共同創設者でもある。