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ZAURUSドリル Vol.2


ザウルスドリル2は、中学理科・物理編です。
教科書の範囲ではない問題もあるかもしれませんが、挑戦してみてください。


GEO-SITE
味 蔵之介




  この本はタチヨミ版です。

挑戦1

 純物質1gの温度を1℃変えるのに必要な熱量のことを何というか。
    
 ① 比熱(ひねつ)

 ② 密度(みつど)

 ③ 比重(ひじゅう)

突破1

純物質1gの温度を1℃変えるのに必要な熱量のことを何というか。
①比熱 ②密度 ③比重
→→【①比熱】

 熱量には2つの単位(「J 」ジューと「cal」カロリー)があり、水1gの温度を1℃(=1K ケルビン)変えるのに必要な熱量は1calまたは約4.2J。。この「K」ケルビンという単位は「絶対温度」のことで、国内で使われる温度℃(セルシウス温度)の値に273.15を足した値(0℃=273.15K。1℃と1Kの目盛間隔は同じ)である。
 比熱(ひねつ)は、同じ質量や体積あっても物質によって異なり、物質1gあたりの温度を1℃(=1K)上昇させるのに必要な熱量のこと。同じ熱量が与えられても、比熱が小さいと温まりやすく(冷めやすい)特徴となり、温度変化が起こりやすい。比熱の単位は、「J/g・K(ジュール毎グラムケルビンと読む)」、または、「cal/g·K(カロリー毎グラムケルビン)」。学校では、比熱の単位としてJ/g·℃やcal/g·℃が使われることがある。さらに、この比熱(J/g·Kまたはcal/g·Kに物質の質量gを掛け算した結果を「熱容量(単位 J/Kまたはcal/K)」といい、熱容量は物その物体の温まりやすいさ・温まりにくさ(冷めやすさ・冷めにくさ)を示す。
 
 <物質の比熱(J/g·K)のおよその値> 
  水4.2 氷2.1 アルミニウム0.89 鉄0.44 
  銅0.38 金0.12 銀0.23

 ある比熱の物体に温度変化を発生させる熱量(Jまたはcal)は次式で求めることができる。
 ○熱量(J)=比熱(J/g·℃またはJ/g・K)×物質の質量(g)×温度変化(℃またはK)
 ○熱量(cal)=比熱(cal/g·℃またはcal/g·K)×物質の質量(g)×温度変化(℃またはK)
 熱量1Jと1calの関係は「1cal=4.184(約4.2)J」と定めれている。
 
 また、密度は、単位体積(1㎤または1㎥、1L)あたりの体積の質量(gまたはkg)のこと。単位はg/㎤またはg/㎥、kg/㎥、g/Lなどが使われている(1g/㎤=1kg/L)。密度は「物体の質量÷体積」で求められる。
 
 <物質の密度のおよその値> 
  水1.0 氷2.1 アルミニウム2.69 鉄7.87 
  銅8.96 金19.32 銀10.49

 さらに、比重とは、ある物体の単位体積あたりの質量(密度)と、標準物質(水や空気)の単位体積あたりの質量(密度)の比のこと。固体や液体の比重に関する標準物質は4℃の水(密度は1.0g/㎤≒0.999973)である。物体の比重は、物体の単位体積あたりの質量÷水の単位体積あたりの質量のことで、水に浮くか浮かないか等の判断材料になる。水の単位体積あたりの質量である密度は通常1.0g/㎤を使用するため、比重=物体の密度÷水の密度(1.0)。これより、比重と密度は同値となる。

挑戦2

 水の比熱を1cal/g·℃としたとき、50℃の水50gと100℃の水100gを合わせると何℃になるか。ただし、熱量は外部へ逃げないものとする。

突破2

 水の比熱を1.0cal/g·℃としたとき、50℃の水20gと100℃の水80gを合わせると何℃になるか。ただし、熱量は外部へ逃げないものとする。
→→【90℃】

 熱量は次式で求めることができる。
  ○熱量(cal)=比熱(cal/g·℃)×物質の質量(g)×温度変化(℃)
 ここで、2つの水を合わせたときに、温度が50℃と100℃の間のT℃になったとすると、
① 50℃の水20gが得た熱量(J)=1.0(cal/g·℃)×20(g)×(Tー50)(℃)
② 100℃の水80gが失った熱量(J)=1.0(cal/g·℃)×80(g)×(100ーT)(℃)
 この①と②は、外部へ熱量を失うことがないため等しい。これらよりTを求めると、T=90(℃)となる。

挑戦3

 大陸と海洋の比熱を比べると、海洋の方が大きいという。このことから、日中に暖まりやすく、冷めやすいのは「大陸」、「海洋」のどちらかな。


突破3

 大陸と海洋の比熱を比べると、海洋の方が大きいという。このことから、日中に暖まりやすく、冷めやすいのは「大陸」、「海洋」のどちらかな。
→→【大陸】
 
 比熱が大きいということは、暖まりにくく、冷めにくいということ。
 晴れた日の昼間、比熱の大きな海洋は暖まりにくく、比熱の小さい大陸は、暖まりやすくなる。そのため、大陸の地上付近の空気は暖められ、密度が小さくなって上昇気流となる。そこへ海からの空気が地上付近へ流れ込み海風となる。一方、夜間は比熱の小さい大陸が冷えやすく、比熱の大きな海洋は冷めにくくなって、暖かい海洋表面の空気は上昇気流となる。そこへ陸からの空気が流れ込み陸風となる。この海風と陸風が変わる際に風が止まる、それが凪(なぎ)。朝起こる凪が朝凪、夕方起こる凪が夕凪である。

挑戦4

 「質量」と「重さ(重量)」に関する以下の選択肢において、正しいのはどれか。①〜⑧から4つ選べ。

① 質量は物体の量を、重さ(重量)は物体にはたらく重力の大きさを示す。
② 重さ(重量)は物体の量を、質量は物体にはたらく重力の大きさを示す。

③ 質量は世界のどこで測っても重力の影響を受けず同じ値になるが、重さ(重量)はその地点の重力の大きさの影響を受ける。
④ 質量はその地点の重力の大きさの影響を受けるが、重さ(重量)は世界のどこで測っても同じ値である。

⑤ 質量は上皿天秤ばかりで、重さ(重量)はバネばかりで測ることができる。
⑥ 重さ(重量)は上皿天秤ばかりで、質量はバネばかりで測ることができる。

⑦ 質量の単位はgやkgで、重さ(重量)の単位はN(ニュートン)である。
⑧ 重さの単位はgやkgで、質量の単位はN(ニュートン)である。

突破4

 「質量」と「重さ(重量)」に関する以下の選択肢において、正しいのはどれか。①〜⑧から4つ選べ。
 ① 質量は物体の量を、重さ(重量)は物体にはたらく重力の大きさを示す。
 ② 重さ(重量)は物体の量を、質量は物体にはたらく重力の大きさを示す。
 ③ 質量は世界のどこで測っても重力の影響を受けず同じ値になるが、重さ(重量)はその地点の重力の大きさの影響を受ける。
 ④ 質量はその地点の重力の大きさの影響を受けるが、重さ(重量)は世界のどこで測っても同じ値である。
 ⑤ 質量は上皿天秤ばかりで、重さ(重量)はバネばかりで測ることができる。
 ⑥ 重さ(重量)は上皿天秤ばかりで、質量はバネばかりで測ることができる。
 ⑦ 質量の単位はgやkgで、重さ(重量)の単位はNである。
 ⑧ 重さの単位はgやkgで、質量の単位はNである。
→→【①③⑤⑦】

 質量と重さ(重量)をまとめると、以下のようになる。
・質量は物体の量を、重さ(重量)は物体にはたらく重力の大きさを示す。
・質量は世界のどこで測っても重力の影響を受けず同じ値になるが、重さ(重量)はその地点の重力の大きさの影響を受けて変わる。
・質量は上皿天秤ばかりで、重さ(重量)はバネばかりで測ることができる。
・質量の単位はgやkgで、重さ(重量)の単位はNである。

(Geo) 物質の質量は重力の影響によらないため、地球上、月面上、宇宙空間など重力の影響が違うところでも値に変化なし。この質量には慣性質量と重力質量があり、同じ値。慣性質量は、物質の動きにくさの程度を表す慣性の大きさのことで、ニュートン力学の運動の第2法則やアインシュタインの特殊相対性理論(物体がもつすべてのエネルギーを真空中の光速の2乗で割った値)で求められる。また、重力質量は、万有引力の法則によって定義され、上皿てんびんばかり等で、物体にはたらく重力と、分銅などの標準物体にはたらく重力との比較から求められる。単位はkgやgなど。

挑戦5

 質量600gの物体を、①赤道、②月面、②宇宙空間へもっていき、質量を上皿てんびんばかりで、重さをバネばかりで測定したら、それぞれ何g、何Nを示すか。
 ただし、地上のどこででも重力の大きさが等しく、質量100gの物体の重さ(重量)は重さ(重量)1Nとする。また、月面の重力の大きさは地上の6分の1、宇宙空間では無重力とする。


突破5

 質量600gの物体を、①赤道、②月面、②宇宙空間へもっていき、質量を上皿てんびんばかりで、重さをバネばかりで測定したら、それぞれ何g、何Nを示すか。ただし、地上のどこででも重力の大きさが等しく、質量100gの物体の重さ(重量)は重さ(重量)1Nとする。また、月面の重力の大きさは地上の6分の1、宇宙空間では無重力とする。 
→→【①赤道での質量600g、重さ6N ②月面での質量600g、重さ1N ③宇宙空間での質量600g、重さ0N】

 質量は、その場の重力の大きさによる影響を受けないため、①〜③のどこで測定しても上皿てんびんばかりは600gを示す。一方、重さ(重量)は、その場の重力の大きさに関係する。地上(赤道上を含む)において、バネばかりで測る質量100gは重さ(重量)が1Nであることから、赤道での質量600gは重さ6Nになる。月面上では、地球の重力の6分の1であるから、質量600gの重さは1N。また、宇宙空間は無重力であるため、質量に関係なく、重さは0Nを示す。
 
 しかし実際には、無重力下では重力を利用する「はかり」は使用できない。そのため、質量の「加速されにくさ」を利用し、物体をバネにつなぎ振動させ、振動周期(質量が大きいほど長い周期)の測定から質量を求めることができる。また、力を加えた際の加速の具合で測ることもできる。

挑戦6

 以下について考えてみよう。

① エネルギーとはどんなものか、簡潔に説明してみよう。また、エネルギーの単位は何か。

② 身の回りにあるエネルギーの例を3つ挙げてみよう。

③ 光エネルギーが電気エネルギーに変化する具体的な例はなにかな。

④ 仕事が熱に変わったり、熱が仕事に変わったりするとき、エネルギーの総量はどうなるか。







突破6

以下について考えてみよう。

  エネルギーとはどんなものか、簡潔に説明してみよう。また、エネルギーの単位は何か。
→→【①エネルギーとは、物体や光、熱、電磁気などがもつ仕事(はたらき)をすることのできる能力のこと。単位はJ(ジュール)】

  身の回りにあるエネルギーの例を3つ挙げてみよう。
→→【②力学的エネルギー(運動エネルギー、位置エネルギー)、熱エネルギー、電気エネルギー、原子核エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、電磁気エネルギー、電磁波エネルギー(光エネルギーなど)などから3つ。】

  光エネルギーが電気エネルギーに変化する具体的な例はなにかな。
→→【③太陽光発電】など。

 ④ 仕事が熱に変わったり、熱が仕事に変わったりするとき、エネルギーの総量はどうなるか。
→→【④仕事が熱に変わったり、熱が仕事に変わったりしても、損失がなかればエネルギーの総量は不変】
 
 「エネルギー」は、ものを動かしたり、変形させたり、温度を変えたりするなどの仕事を可能にする。エネルギーは、物体や質量、光・熱・電磁気が存在する空間などがもつ仕事(はたらき)をすることのできる能力のことを指す。「エネルギーをもつ」と「仕事ができる」という表現はほぼ同意。単位はJ(ジュール)。



  タチヨミ版はここまでとなります。


ZAURUSドリル Vol.2

2023年10月21日 発行 初版

著  者:味 蔵之介
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