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私にとって最初のネパール渡航は一九七九年の夏であった。まだ未成年(当時成人は二十歳から)時代であった。それ以来、この国との付き合いは深さを増すばかりである。二〇二一年からは、ネパール観光大使補佐(中国四国地域担当)となり、ネパールと日本との交流促進に尽力している。
ネパールと聞けば、多くの日本人は世界の屋根・ヒマラヤを第一に想起され、次いでお釈迦様生誕地ルンビニを思い起こされるであろう。そんなネパールに、密林ジャングルがあり、象や犀、そして虎や鰐が棲息していることは、ほとんどの日本人は知らないだろう。ネパールの国土は狭く、ごく短い南北の距離の中で、急激に地形が変わるのである。農業地として最適な沖積帯ガンジス平野部から、ヒマラヤ高峰群のある、土地としてはほとんど使い道のない凍土にまで多様な世界が狭い国土の中で展開している。
この両極端な南北二つの土地の間に丘陵地帯や低山地帯が横たわり、チュリア山岳帯やマハーバーラタ山地として知られている。この本で取り上げるタライ地方のジャングルや平野部は、その丘陵地帯の南、インドとの国境沿いに存在している。タライ地方は、ネパールの西国境から東国境までをカバーし、国土面積の十七%を占めている。ネパールの最低標高点もこのエリアにあって、その地の標高は海抜七〇mに過ぎないのである。その平野部は亜熱帯気候に恵まれた極めて肥沃な大地であり、国土人口の食用穀物の大部分をまかなっているのである。
特に南部タライ平原には数多くの保護区があり、チトワン国立公園やバルディア国立公園、シュクラ・パンタ野生動物保護区、コシタップ野生動物保護区等には驚くほどバラエティーに富んだ野生生物が居住しているのである。
この本では、チトワン国立公園、その周辺地域を中心としてフィールドワーク時に撮影した写真を掲載している。同じタライに位置するルンビニに関しては、別途二〇二三年度にフィールドワークした調査報告書(https://bccks.jp/viewer/176302/)を参照してもらいたい。




























2024年2月4日 発行 初版
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二十歳の時にダライ・ラマ十四世と個人的に出会った事が、世界の山岳・辺境・秘境・極地へのエスノグラフィック・フィールドワークへのゲートウェイだった。その後国内外の「辺(ほとり)」の情景を求めて、国内外各地を探査する。 三十歳代にて鍼灸師と山岳ガイドの資格を取得した後は、日本初のフリーランス・トラベルセラピストとして活動を始める。そのフィールドは、国内の里地・里山から歴史的、文化的、自然的に普遍価値を有する世界各地のエリアである。 また、健康ツーリズム研究所の代表として、大学非常勤講師を務めながら、地方自治体における地域振興のアドバイザーとしても活躍している。 日本トラベルセラピー協会の共同創設者でもある。