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子供の頃、もしくは大人になった現在でも、特定の時間帯になるとテレビのリモコンを握りしめ、毎週視聴を楽しみにしていたアニメがありますか? 近年ではテレビがなくともスマートフォン、タブレット、PCなどの媒体があればいつでもどこでも視聴できます。なかでも、近年では様々なサブスクリプションに登録さえすれば、DVDが発売されるまで待つことも、録画をためる必要もない上に、数年前の作品から最新のアニメまで視聴し放題と便利な時代になりました。
ですが、私が今でも強く記憶に残っているのは小学生の頃に夕方の時間帯に放送されるシリーズアニメ、例えば『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』、『ポケットモンスター』といった「キッズアニメ」とも呼ばれるアニメを毎週そわそわしながらテレビの前で放送待機していた時の思い出です。小学生の私にとって、アニメの非日常な世界の物語はどれも新鮮で色鮮やかに映り、魅力的なキャラクター達に夢や憧れを抱いていました。たしかに番組をリアルタイムで視聴することは今でもできます。しかし、サブスクのようなサービスが登場する前、スマートフォンが本格的に普及する前は家族で一つのテレビからリモコンを奪い合っては、今はこのチャンネルが見たいのだと兄弟と言い争いになる事もありました。それらの思い出も含めて、当時見ていたアニメはより鮮明に記憶に残っているのだと思います。
さて、私のアニメとの思い出について話していきましたが、これから紹介したい私の「推し」になった作品について述べていきます。この作品はとある国民的アニメのコーナーとして2010年に放送が始まり、テレビを見ていた当時の私はあまりの衝撃に目が釘付けになるほど魅了されました。
2010年11月26日から2012年9月14日まで、アニメ『クレヨンしんちゃん』で放送されていたコーナーアニメ『SHIN-MEN』をご存じでしょうか。この作品はクレヨンしんちゃん20周年記念のスピンオフ作品として発表され、本編が放送される以前から作品の宣伝映像が公開されていました。
内容は、主人公の「野原しんのすけ」達が住む世界とは別世界「しん次元」では、しんのすけが生み出した救いのヒーローであるはずの「ぶりぶりざえもん」が悪の組織となり、「しん次元」の世界征服を企んでいます。その世界征服を阻止するため日々悪の組織と戦う5人のヒーロー、それが「SHIN-MEN」です。
簡単なあらすじを説明しましたが、『SHIN-MEN』の物語の構成は毎回お決まりの展開があります。各話の内容は悪の組織が毎回新しい征服作戦で悪事を働いているため、「SHIN-MEN」が現場に駆けつけては問題を解決していくといった、定番でシンプルな構成です。
このようなお決まりの展開は『アンパンマン』、『プリキュア』、『おしりたんてい』などの他作品でも見られますが、なぜ私が推しているのか。そこには『SHIN-MEN』だからこそ味わえる魅力があるからです。
ここまでの内容を読んでいただき、もしかしたら「SHIN-MEN」の容姿について疑問に感じる人、なんとなくどのような姿なのかが想像できた人もいるのではないでしょうか。
5人のヒーローは全員、しんのすけに顔も頭身もそっくりな姿をしているのです。また、性格や好みもしんのすけに似ており、面倒くさがりで少し無責任だったり、1人を除いてきれいなお姉さん好きだったりと、しんのすけの要素が付与されたキャラ設定がなされているのが特徴の一つです。放送前の宣伝内容でも、しんのすけの母・みさえの「どんなヒーローなの?」といった質問に対し、ナレーションで「やる気のないヒーローです。」と、ヒーローの紹介とは思えない回答がされるなど、『クレヨンしんちゃん』だからこそできる設定が魅力的だと感じました。
次に紹介するのは、個性的なキャラクター設定です。
1つめの特徴は、彼らはそれぞれ炎、水、草、風、鉄といった属性の能力を使いこなしながら戦闘しますが、時に自身の力を暴発させてしまい、タワーを破壊、地球を丸焦げにしてしまうなどのトラブルを引き起こしてしまいます。
2つめの特徴は、しんのすけにそっくりな顔の5人ですが、彼らの声優は全員異なります。リーダーの炎の使い手「ゴゥ」の声優は、2018年6月29日の放送まで「しんのすけ」役を演じていた矢島晶子さんです。一方、他4人のヒーロー声優は水島大宙さん、斎賀みつきさん、ゆきじさん、吉野裕行さん。さらに「SHIN-MEN」をサポートするマスコット的存在「パラボン」の声優はかないみかさんと、アニメファンなら一度は声を聞いたことがある豪華声優が数多く担当しています。
3つめの特徴は、「SHIN-MEN」の5人は、全員成人した大人であることです。その理由として、彼らには救いのヒーローとして活動している時以外はそれぞれ別の職業、もしくは立ち位置にいることが明かされています。中華料理人や一流エステティシャン、子持ちのミュージシャンに、世界最大モーターマシン販売会社の女社長、一国の王子など。また、漫画版では本編の花見のシーンで飲酒をしている様子が描かれています。
最後に、この作品が『クレヨンしんちゃん』のスピンオフ作品ならではのアニメーションの魅力です。作品の設定・デザイン、1話~5話の監督を務めた湯浅政明さんは、『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』、『映像研には手を出すな!』といった数々の代表作に、同作品『クレヨンしんちゃん』の映画版シリーズの制作にも携わっていました。また、近年ではテレビアニメ『SPY×FAMILY』のOPの絵コンテ・演出をされています。湯浅政明さんは、独特な色彩にカメラワーク、カットの構図、作画の線の描かれ方が特徴的で、滑らかに動くアニメーションによる躍動感が『SHIN-MEN』でも全13話中1話〜5話にかけて味わうことが出来ます。
本稿で『SHIN-MEN』という作品をなぜ選んだのか、理由としては大きく2つあります。1つは作品について知っていただく事、作品の魅力を少しでも覚えていただくことです。そして、もう1つの理由は新規のファンを増やすことが現状では難しく、作品を知る機会が非常に少ないからです。
『クレヨンしんちゃん』の20周年記念作品として発表された『SHIN-MEN』ですが、放送当時、視聴者の様々な感想がSNSや匿名掲示板で書き込まれ、賛否の意見が大きく分かれる作品となりました。
その理由として、普段放送されている『クレヨンしんちゃん』とは大きく異なる世界観。しんのすけに容姿が似ていることに対し、声や人物像の異なるキャラクター設定、救いのヒーローである「ぶりぶりざえもん」を別世界での悪役として登場させたことによる違和感。他には、先にも述べた特徴的な作画で描かれたアニメーションのインパクトに苦手意識を抱いた人など、理由はいくつかあげられます。やがて、同時期に出版された漫画版『SHIN-MEN』では物語の結末まで描くことができましたが、アニメ版では第13話が放送されて以降更新されることはなく、静かに終了してしまいました。しかし、2019年に湯浅政明監督は新作のスピンオフ作品『SUPER SHIRO』の総監督として参加し、2020年に増補版が出版された『クレヨンしんちゃん大全』でのインタビューでは以下のように答えています。
以前、『SHIN-MEN』(10年)がちょっと中途半端に終わってしまったことがあったので、その復讐戦みたいな感じもあります。スタッフが頑張ってくれて、すごく動かしてくれています。トータルで観たら、かなりいい感じに仕上がっていたので、もっと観られてほしいですね。(※1)
このように、『SHIN-MEN』を完走することができなかったことに対する湯浅政明さんの無念が感じられます。
アニメ版『SHIN-MEN』は2010年から放送が始まり、2012年に放送が終了、翌年の2013年8月に全13話を収録したDVD版が発売されました。同年、漫画版は最終巻の3巻が発売され、2010年、2011年に発売された『クレヨンしんちゃん』のDS・3DSゲーム2作品のなかではゲストキャラとして登場したり、別のアプリでは過去にイベントの開催や、プレイアブルキャラクターとして実装されているなど、様々なコンテンツで彼らと再会することは可能です。
ですが、このような情報はあくまで既に作品を知っている人にとっては有益ですが、作品を知らない人にとって重要なのは、既に放送が終了している本編をどのような手段で視聴できるのか? だと考えられます。 近年では複数のサブスクサービスで過去作のアニメを視聴できる方法が用意されています。しかし、現在『SHIN-MEN』の本編を視聴することができる手段としては、DVD版を購入・もしくはレンタルすること、または見放題サービス「TELASA」か「テレ朝動画」の月額プランを契約するしかありません。よって、有料プランを支払える環境でなければ、新規のファンを獲得することが非常に難しい状況と感じられます。
しかし、2023年4月7日、公式から2021年1月以降の放送に出演していない「おひさしぶり」なキャラクターを対象とした投票企画「おひさしブリブリProject」が開催され、投票で1位となったキャラクターを主役とした新作エピソードを制作する試みが行われました。このプロジェクトによって上位3名だけが登場する新作が公開される予定でしたが、実際に放送された2023年12月23日での新作では、1位のキャラクターを主役に、上位にランクインしたキャラクター含め、特別に数多く票の入ったキャラクター・グループの代表人物のほとんど全員が特別出演する内容だったのです。本編では背景やポスター、テレビの画面に数秒映り込むのみとはいえ、キャラクターの大半は数年から10年単位で地上波のテレビで姿を見せることがなかった人物たちだったため、ファンにとっては喜ばしいサプライズとなりました。このプロジェクトによって、同様に『SHIN-MEN』のある人物が女性のTシャツプリントイラストとして登場し、地上波の新作で約10年ぶりに再会することが叶いました。
以上、本稿を読んでいただいたことで、少しでも『SHIN-MEN』という作品について興味を持ち、このような作品があったことを覚えていただければ幸いです。
【引用・参考文献】
(※1) 湯浅政明.『クレヨンしんちゃん大全』,双葉社,2020,241ページ
湯浅政明.『湯浅政明大全』,飛鳥新社,2014
皆さんは今夢中になっていて私生活にも影響がでるほどの推しはいますか? 私は、ある日からその推しのことしか考えられず、朝から晩までその推しの情報を得ようとスマホやパソコンにかぶりついてインターネットを見ることがことが多々あります。
私自身、いろんなコンテンツに触れているため多くの推しがいます。その中でも今回は『アイドリッシュセブン』というアプリゲームについてお話させていただきます。
アイドリッシュセブン(以下アイナナ)とは、バンダイナムコオンラインが提供しているスマートフォン向けアプリゲームになります。そして、アニメや漫画、小説など様々な展開をしています。アイナナ公式にはイントロダクションとして「『アイドリッシュセブン』は仲間と共に成長するアイドルをキーコンセプトにしたメディアミックスプロジェクト。」(https://idolish7.com/より)と記されています。
アイドリッシュセブンには4ユニット16人のキャラクターいわばアイドルがいます。皆さんにも知ってもらいたいため、ユニットについて1つずつ紹介します。
1つ目は、「IDLiSH7(アイドリッシュセブン)」です。メンバーは、和泉一織(いずみいおり)、二階堂大和(にかいどうやまと)、和泉三月(いずみみつき)、四葉環(よつばたまき)、逢坂壮五(おうさかそうご)、六弥ナギ(ろくやなぎ)、七瀬陸(ななせりく)の7人で構成されています。IDLiSH7はタイトルそのままがユニット名になっているため察している方もいるかもしれませんが、はこのアイナナの顔であり、物語の中心となります。
2つ目は「TRIGGER」(とりがー)です。メンバーは、八乙女楽(やおとめがく)、九条天(くじょうてん)、十龍之介(つなしりゅうのすけ)の3人で構成されています。このグループは、アイドリッシュセブンの先輩にあたりライバルのような関係性です。
3つ目は「Re:vale」です。メンバーは百(もも)、千(ゆき)2人で構成されています。アイナナの世界では絶対王者といわれ、アイドル界を牽引しています。
4つ目は「ŹOOĻ」です。メンバーは亥清悠(いすみはるか)、狗丸トウマ(いぬまるとうま)、棗巳波(なつめみなみ)、御堂虎於(みどうとらお)の4人で構成されています。アイドリッシュセブンの後輩になります。このグループはストーリーが進むにつれ他のグループより特に印象が変わるグループです。
細かいところまで紹介してしまうとネタバレになってしまうため、とても簡単に紹介させていただきました。アイナナの公式ホームページではもう少し詳しく、かつネタバレにならないようにグループ、アイドル1人1人について紹介しています。気になった方はぜひホームページに行ってください。アイドルの顔と一緒に説明されているため、ビジュアルからアイナナに触れるのもありだと思います。https://idolish7.com/(アイドリッシュセブン公式サイト)
先ほど「ŹOOĻ」を紹介する中で、「ストーリーが進むにつれ印象が変わる」と述べました。これは「ŹOOĻ」に限らずすべてのユニット、アイドルにいえる事です。
アイナナはアプリゲーム内で公開されているストーリーのほかに、スピンオフとして漫画や小説も出ています。アプリゲームでは描き切れない細かいアイドルやユニットの表現、アイドル同士の関わりなどが描かれています。
私はアイナナのストーリーの印象として光と闇の落差がとてもあると考えています。それをみなさん に手っ取り早く感じていただけるのはYouTubeにアップロードされているメインストーリーのPVです。アイナナのは2024年5月時点で第6部まであり、第2部から第6部までPVがあります。希望が見えるセリフや不穏を感じるセリフなど読者を引き込ませるPVになっています。3分以上5分以内のPVですので是非みていただきたいです。
第2部PV
https://www.youtube.com/watch?v=4WyN3LcDMf0
第3部PV
https://www.youtube.com/watch?v=-mC3ceIpLoM
第4部PV
https://www.youtube.com/watch?v=HsNumWfkwYU
第5部PV
https://www.youtube.com/watch?v=BYPtctEL2wM
第6部PV
https://www.youtube.com/watch?v=XGX_GyVSR04
アイドルが活躍するアプリゲームですのでもちろん楽曲があります。ユニットごとに歌う楽曲の雰囲気が違うため皆さんが気に入る楽曲があると思います。
この楽曲の良さを感じる方法としておすすめしたいのは、2023年5月に上映された『劇場版アイドリッシュセブン』です。この映画はストーリーを追うのではなくアイドルが歌って踊っている映画になっています。Day1とDay2の形態あり、本当のライブに行っているような気分にさせてくれます。この劇場版で披露している楽曲は、ユニットの代表曲やユニットの大事な節目に歌われた楽曲になっています。そのため、ユニットのよさ、アイドルのよさ、楽曲のよさすべてを網羅できる映画となっています。
ここまでアイナナについて様々な形でおすすめしましたが、興味はでてきたでしょうか? もし興味が湧いた方は是非一度触れてみてください。アプリゲーム内のメインストーリーに沿ったアニメも展開されてるのでお時間があればぜひ見て下さい。
アイナナに限らずですが、コンテンツに興味を持つことや推しを作ることはいつ、どのタイミングでも良いのです。そして、誰かの許可など必要ありません。新しくファンになった人たちを拒むコンテンツはそうそうありません。
推しを見つけるには、自分が「好きだ!」、「興味がある!」という気持ちを大切にすることです。様々な作品に触れて推しを見つけてください。それがアイナナであれば筆者として、とても嬉しいです。
2024年7月26日 発行 初版
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