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東京カフェチェーン珈琲研究会

コマツレン マツダ

二松学舎大学



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 目 次

はじめに

コマツレン

東京の大手カフェチェーンの差異

フルサービス型店舗

コマツレン

セルフサービス型店舗

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マツダ

東京の大手カフェチェーンの差異

コマツレン マツダ 

はじめに

コマツレン

 まず、東京のカフェチェーン店は、大手に限っても多く存在する。どのくらいの店舗数から大手と呼ぶかは個人差が出てしまうが、今回は東京に50店舗以上出店しているものを大手として取り上げたいと思う。
 そして、カフェは「フルサービス型店舗」、「セルフサービス型店舗」の2つに分けられる。フルサービス型店舗は従業員が席まで注文を聞き、商品を届けるような形式の事であり、名の通り客に対して全てのサービスをするような形式になっている。昔ながらの喫茶店ではほとんどがこの形式になっており、想像しやすいのではないだろうか。セルフサービス型店舗は注文、提供の流れをカウンター越しの接客で行う他、席や後片付けも客が行う形式となっている。スターバックスがわかりやすい例で、客の負担は増えるものの、その分値段が安かったりする特徴がある。
 どちらにもそれぞれの良さがあり、人によって好みが違ってくるこのサービス形式だが、同じサービス形式でもコーヒーの味、店舗の雰囲気等に違いがある。そこで今回は東京の大手カフェチェーンを店舗ごとに珈琲の味、値段、客層や雰囲気を解説していく。なお、珈琲の解説はアイスを主に行っていこうと思う。これから読者の方々がカフェに行く際、この本がカフェ選びの手助けとなってもらえれば幸いだ。

フルサービス型店舗

コマツレン


 まず本稿ではフルサービス型のカフェチェーンの紹介からいきたいと思う。東京に多くの店舗を置くフルサービス型の店舗は「コメダ珈琲店」、「星乃珈琲店」、「喫茶室ルノアール」、「珈琲館」の4つを本稿では選んだ。この4つの店舗にはそれぞれ差別化された特徴があり、自分好みの店舗を見つける際、良い判断基準になるだろう。

①コメダ珈琲店

 コメダ珈琲店は都内に91店舗あり、その店舗数には驚かされるが、なんと日本全国にコメダ珈琲店がない都道府県は無く、日本全国に出店していることは大きな特徴だと言える。珈琲1杯の値段は460円〜700円と場所によって変動する形になっており、渋谷宮益坂上店は最高額の700円となっている(2024年5月29日最終確認)。コメダで珈琲1杯700円は高いと感じる方も多いだろうが、立地を考えれば納得せざるを得ない。
 アイス珈琲の味は苦味が強く、お好みで砂糖とミルクで調節して自分好みの珈琲に調整しよう。ただ、コメダにはプレミアムアイス珈琲というものが存在し、値段はプラス100円かかるもののスッキリした味わいを楽しめる。お好みで飲み分けるのも一つの手だ。そしてコメダ珈琲店の強みはなんと言ってもモーニングだろう。開店から11時までの入店で、ドリンク注文の方にパンが無料で付くサービスを行っており、モーニング狙いの人が多い10〜11時がコメダのピークとも言える。また、モーニングの時間帯以外でも、ドリンクを頼めば豆菓子が無料で貰え、コメダのサービスの良さが伺える。
 店内は比較的話しやすい雰囲気であり、雑談をしている客が多い印象だ。ただ、グループ席のほか、1人席を設けている店舗がほとんどで、1人で作業に来る客も少なくなく、全てのニーズに当てはまったカフェと言えよう。1つ注意点があるとすれば、喫煙席を設けていない店舗がほとんどで、愛煙家向けの店舗とは言えない点だ。

 ♦コメダ珈琲店のアイス珈琲と無料の豆菓子

© コマツレン

②星乃珈琲店

 星乃珈琲店は都内に65店舗出店しており、コメダ程全国展開しているとまでは言えないが、6県を除いては店舗があり、比較的知名度の高いチェーン店と言えよう。アイス珈琲の値段は1杯450円とフルサービス店舗としては安い方だと感じる。
 味は酸味の強い事が特徴だが、ガムシロ、ミルクで飲みやすくなるので酸味が苦手な方でも美味しく飲む事ができる。また、星乃珈琲店はホット珈琲へのこだわりが強く、星乃ブレンド、彦星ブレンド、織姫ブレンドの3つがあり、自分好みのホット珈琲を飲むことができる。
 また、開店〜11時まで実施しているモーニングの種類が多いのも星乃珈琲店の特徴だ。ドリンク注文で無料で付いてくるトースト、パンケーキの他、プラス200円でカレーも頼めるなど、多数のモーニングメニューを揃えている。
 店内の雰囲気はコメダのような賑やかさではなく、どちらかと言えば大人向けで落ち着いた印象を受けた。タバコに関しては、喫煙ブースを設けた店舗がちらほら見られるが、禁煙の店の方が多く見られ、喫煙者は事前に調べることをオススメする。

 ♦アイス珈琲と焼き菓子のセット(730円)

© コマツレン

③喫茶室ルノアール

 喫茶室ルノアールは都内に69店舗出店しており、都外の店舗は埼玉、神奈川、千葉のみであり、関東を中心に狙いを定めていることがわかる。アイス珈琲の値段は今回の比較対象の中では最高の790円であり、味は酸味よりも苦味を感じる珈琲となっている。その値段から簡単に手を出せなく、店内の昭和、大正チックな雰囲気も相まって高級感のある店となっている。
 だが、この店はモーニングを他店舗よりも少し長い12時まで実施しており、かつ1つのドリンクでモーニングメニューを2つまで頼めるサービスを行っている。ドリンクにプラス80円〜270円でサンドイッチ、スープ等のモーニングを注文でき、時間帯によっては他店舗と値段に大差ない食事を楽しむ事ができる。
 また、ルノアールの大きな特徴として、69店舗中68店舗で席で喫煙でき、残りの店舗でも喫煙ブースが設けられていることが挙げられる。愛煙家に優しい店舗であり、先述の通り高級感のある店内であることから、客層はビジネスマンやご老人の方々が多く、静かで落ち着く雰囲気となっている。
 ♦アイス珈琲とcモーニングセット(960円)

© コマツレン

④珈琲館

 珈琲館は都内に60店舗出店しており、セルフサービス店舗の「ベローチェ」、「カフェ・ド・クリエ」と同じグループが運営している。アイス珈琲の値段は580円、濃厚でビターな味わいとなっている。
 珈琲館の強みと言えばきつね色でふっくらした美味しいホットケーキであり、珈琲との相性も抜群である。11時まで実施されているモーニングメニューにもホットケーキが用意されており、その他トースト、ホットドッグといったメニューも揃えている。
 店内はどちらかと言えば賑やかな方だが、特に何か気になる事はなく、誰でも適応できるようなそんな雰囲気になっている。また、喫煙ブースがある店舗、無い店舗があるので喫煙を目的とする人は事前に調べる必要がある。

 ♦珈琲館のふわふわホットケーキ

コマツレン

 ここまでフルサービス店舗を比べてみて、「値段」、「モーニング」、「味」、「雰囲気」、「喫煙」等、それぞれの店舗に違いがあり、どの店舗も差別化された良さを持っている事がわかった。その時その場所に合った店舗を見つけたい際、参考にしていただければ幸いだ。

○引用・参考文献

写真:いずれも筆者による撮影

セルフサービス型店舗

マツダ

 ここでは、セルフサービス型店舗であるドトールコーヒーとカフェ・ベローチェについて紹介していく。

➀ドトールコーヒー

 ドトールコーヒーは全国で1281店舗、都内に482店舗を展開している。フランチャイズを積極的に進めており、主要都市や駅周辺などアクセスしやすい場所に多くの店舗がある。
 価格設定は非常にリーズナブルで、コーヒーはSサイズ250円、Mサイズ300円、Lサイズ350円となっている。また、私たちを飽きさせない季節限定メニューを随時展開している。この手頃な価格設定により、毎日気軽に立ち寄れるカフェとして多くの人に利用されている。アイスコーヒーの味はコクがあって香りもよく、コーヒー好きにとってはおいしく飲める一杯になっているのではないだろうか。また、午前10時30分までのモーニングセットは450円から楽しむことができ、セットドリンクは自分で選べるようになっている(合計金額から50円引き)。
 店舗は、落ち着いたインテリアと清潔感のある空間が特徴である。木目調のテーブルや柔らかな照明を使用し、リラックスすることができる。コンパクトな設計が多いが、落ち着いた雰囲気である。
 客層は様々で、ビジネスマンや学生など幅広い層に利用されている。都市部では特にビジネスマンの利用が多く、朝の出勤前やランチタイムに立ち寄る人が多く、店内でパソコンを使って仕事をする光景も見られる。学生も多く利用しており、リーズナブルな価格と落ち着いた雰囲気が勉強や課題に取り組むのに適しているため人気である。
 また、多くの店舗で喫煙室が設けられており、分煙となっている。喫煙者にとっても利用しやすい環境である。喫煙室にはドアが設けられており、禁煙エリアではたばこの匂いが全くせず、非喫煙者も安心して利用することができる。

© マツダ

➁カフェ・ベローチェ

 全国に157店舗、都内に95店舗を展開している。首都圏を中心に店舗が多く、駅から少し離れたところに多いため、店内は広くゆったりと座ることができる。
 価格は、コーヒーがRサイズ280円、Lサイズ330円となっている。アイスコーヒーはスッキリとした飲みやすい味わいのコーヒーである。また、11時までのモーニングセットは3種類から選び480円で楽しむことができる。
 店舗は、赤を基調としており、カジュアルな雰囲気が特徴である。都市部でも広い店舗が多いため、席と席の間隔が広く配置されており、長時間の滞在に適している。
 主な客層はドトールコーヒー同様、ビジネスマンや学生が多い。また、比較的広いためグループで来店する人が多くみられる。
 ベローチェも多くの店舗で喫煙室が設けられている。しかし、喫煙室と禁煙エリアは開放状態で、禁煙エリアでもたばこの匂いが少々するため注意が必要である。

© マツダ


 ドトールコーヒーとカフェ・ベローチェは、似ているようで少しずつ異なっている。店舗数ではドトールコーヒーが圧倒的に多く、全国に広く展開している一方、カフェ・ベローチェは首都圏に集中している。コーヒーの味わいや店の雰囲気などにも違いがある。どちらもセルフサービス形式を採用しているが、各々の強みを活かして異なるニーズに応えている。両者ともカフェチェーンでは珍しく、喫煙スペースも設けられており、喫煙者も安心して利用することができる。利用シーンやニーズに応じて、使い分けてみるのが良いだろう。

○引用・参考文献

写真:いずれも筆者自身による撮影

東京カフェチェーン珈琲研究会

2024年7月26日 発行 初版

著  者:コマツレン マツダ
発  行:二松学舎大学

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コマツレン マツダ 

コマツレン 2003年5月11日生 
松本山雅とベガルタ仙台をこよなく愛する
好きな飲み物は『ルートビア』

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