日常の中に溢れる「かわいい」という日本語。あなたはどんな時に使い、どんなモノに対して感じるでしょうか。あなたにとっての「かわいい」が、あなたを癒し、あなたを愛し、あなたを救いますように。
「かわいい」の対象は人それぞれで、モノに対して感じることもあれば、人の言動などに対して、相手に投げかける言葉として使うこともあるのではないでしょうか。「かわいい」はこの世界に人の数だけ、モノの数だけ、その存在の数だけ、数え切れないほど存在します。しかし、「かわいい」という言葉が使われる瞬間、如何なる時にもそこには愛が込められていて、幸せを紡ぐ言葉であると私は思うのです。
また、私たちの暮らしの中にいる「かわいい」存在であるペットは、飼い主にとって心の支えであり、癒しでもあると言えるでしょう。家という私たちの帰る場所で自分を待っていてくれる、求めてくれているペットがいてくれることは、生きる希望であり、救いであるのかもしれません。
『「かわいい」の力』 カントワネット渋谷
『「かわいい」がいる暮らし』 福本樹
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「モノ」に対して「これ、かわいい」
「誰か」に対して「かわいいね!」
「かわいい」。それは日本人の誰もが使ったことのある言葉でしょう。最近では世界から見た有名な日本語であると言えるほどに、「かわいい」という言葉は人気があります。「かわいい」を知っている人がいればいるほど、「かわいい」と感じるものも、「かわいい」を使う場面も人それぞれで、たくさんあります。私はそんな多種多様な「かわいい」が大好きで、「かわいい」を生きがいとしています。そしてこれからもたくさんの新しい「かわいい」を見つけたいのです。「かわいい」という感覚は、一人一人に違いがあって、個性豊かなモノであることから、自分の存在を肯定してくれるような気がしています。この本を読んでくれた人が、「かわいい」を新しく見つけたり、あるいは自分の中に眠っていた感覚を思い出し、再認識することで、少しでも楽しい、嬉しい気持ちになってくれることを願います。
「かわいい」という日本語を、あなたは日常の中で何に対して使うでしょうか。きっと赤ちゃんや、小動物などの小さなものから、自身の推しや恋人、アニメキャラクター、自分好みのお洋服やアクセサリー、時には誰かの言動などに対しても使っていますよね。そう、「かわいい」は例を挙げ始めたらキリが無いほどにとても自由で、ひとつの意味にとどまらない、無限に使う場面があって、汎用性が高いのです。私はこの「かわいい」は、すごく素敵な言葉だと思います。
「かわいい」を英語に訳してみてと言われると、おそらく“cute”や“pretty”が頭に浮かぶでしょう。しかし「かわいい」は、それらに収まりきらないたくさんの意味を持っています。
例えば、小さな赤ちゃんに対しての「かわいい」と魅力的な女性に対しての「かわいい」は同じ「かわいい」でも異なる意味を持ちますよね。これらを英語に訳すと、赤ちゃんに対しては“cute” 、魅力的な女性に対しては“attractive”が使われるのです。“pretty”には「小さい」、“cute”には「子供っぽい」という響きがあることから、大人に対しては適切でないということです(「ウィズダム和英辞典」 [電子辞書]、カシオ)。このように、例に出した英語では使い分けられている様々な意味の「かわいい」が、日本ではそこへ一括りにたくさんの意味を持ち、様々な場面で使われています。ここで、日本語の辞書で「かわいい」の意味を確認してみると、
①幼さやか弱さを感じとり、まもり慈しみたいと思うさま。また、そのように思わせるさま。
「娘がかわいくてしかたがない」
②外見・しぐさ・性格・行動様式などがほほえましく、愛情を感じさせるさま。愛らしい。
「かわいい服」「あの子は笑顔がかわいい」
③日用品などが小さくて愛らしい。
「かわいいデジタルカメラ」
④どことなく心をくすぐるところがあって好感が持てる。「照れちゃって、かわいい!」
②③は「かわいらしい」で置き換えることができるが、「かわいい」のほうが主観的な言い方で、話者の心理が前面に押し出される傾向が強い。
(「明鏡国語辞典」 、[電子辞書]、カシオ)
と書いてあります。私たちの普段の使い方と、ここに共通するのは、「かわいい」は愛情であり、幸せをもたらしてくれるということです。「かわいい」の対象となっているものは全て、褒められていたり、大切にされています。「かわいい」なにかに出会ったとき、誰もが嬉しくなったり、気分が上がったりするものですよね。このことから、「かわいい」は「良い意味」としてとらえることが出来るでしょう。そしてまたこのことから言及すると、「かわいい」は「良い意味で」と同じような役割を担うこともできるのです。善意なのか悪意なのか受け取り手によって判別が難しいことを伝えるとき、例えば「あなたの声には特徴がありますね。」とその声を褒めたくて伝えたら、「そうなんですよ! チャームポイントで自分でも気に入っています。」とポジティブに受け取る人もいれば、「変な声ってことですか? 変ですみません。」などとネガティブに受け取りいやな気持になってしまう人もいると思います。そんなときに、「あなたの声には良い意味で特徴がありますね。」、「あなたの声にはかわいい特徴がありますね。」と付け足すだけで、相手にも善意が簡単に伝わり、相互に正確なコミュニケーションが成立するし、お互いがこれもまた幸せな気持ちになることができるのです。
また、「かわいい」に関連する「可愛い子には旅をさせよ」ということわざを、みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「子供は、甘やかして育てるより、手許からはなして世の中の苦しみやつらさを経験させた方がよい。いとしい子には旅をさせよ。」(「広辞苑」、[電子辞書]、カシオ)という意味です。一見厳しく、幸せと裏返しのようにも捉えられますが、この旅をさせた結果として子供はたくさんのことを経験した後に成長し、この社会を生き抜くための力を手にすることにより、幸せな人生を手にすることへの大きな前進となるでしょう。やはり、「かわいい」は幸せに繋がっているのです。「かわいい」は人を幸せにする力が強すぎると私は思います。良い意味で。
次に、外国から見た日本の「かわいい」とは具体的にどういったものであるかを考えていきます。私はオンライン英会話や大学の国際交流センタースタッフの経験があることから、外国人の先生や友人がいます。彼らは日常的に日本人を相手にしていますから、もちろん「かわいい」という言葉を知っています。しかし、やはり生まれた時からこの日本という環境で育ってはいないため、日本人ほど「かわいい」を汎用することはないですし、「かわいい」という言葉がいかに色々な意味で使われているのかを理解しきってはいないのです。正直本稿を書くまでは、私たち日本人が毎日のように自然と使っている「かわいい」に対してのその都度その都度での意味など深く考えることはなかったし、やはり説明しろと言われると自然と覚えている部分が多いことから、難しいと言えるでしょう。それほどに「かわいい」は私たちに溶け込んでおり、「かわいい」でこの世界は言い表せるものが溢れているようにも考えられます。
外国人である彼らが主に「かわいい」の対象としているのは、日本のアニメ等、キャラクターです。私が今まで話した外国人の中で好きなアニメがない人は一人もいません。日本=アニメ、キャラクター人気と言えるほど、現代はそういったコンテンツが外国人誘致になっているのです。特に歴史があり「かわいい」対象として有名なのは、サンリオキャラクターとポケットモンスターです。どちらのコンテンツにもたくさんのキャラクターがいますが、誰もが見た事のあるキャラクターとしては、ハローキティとピカチュウが挙げられるでしょう。私は日本文化体験施設でアルバイトをしているため、外国人観光客のお客様と接する機会がたくさんあります。そこでは、サンリオとポケモンのキャラクターが施されたファッションアイテムを身につけている人や、ぬいぐるみを持っている人、体にキャラクターのタトゥーを入れているほど愛の強い人たちとたくさん出会ってきました。サンリオとポケモンが、子供から大人まで世界中の人に愛されていることを実感します。私はそういった人たちに出会った時、思わず「かわいいですね!」と話しかけるのですが、するとほとんどの人が「Yes,Kawaii.」とにこやかに返事をして下さります。この瞬間に、この人たちに出会えて良かったなあとしみじみ思います。日本という世界に通用する「かわいい」の発信地で、実際に外国から日本の「かわいい」を求める人に出会い、「かわいい」の交流ができている。「かわいい」は日本の素晴らしい誇りでもあるのです。
皆さんはペットを飼っていますか? 猫、犬、小鳥、ハムスター、うさぎなど、ペットにはいろいろな動物がいます。そのどれもが、私たちの日々の生活に癒しを与えてくれます。かく言う私も現在猫を二匹飼っており、日々の生活で感じるストレスを癒し、心に安らぎをもたらしてくれます。本稿では、そんな猫という「かわいい」がいる暮らしの魅力について伝えていきます。
私の家で飼っている二匹の猫は、「こたま」と「こはな」という名前の、雑種のキジトラの兄妹です。まずは、二匹の猫のプロフィールを紹介します。
・名前:こたま
・生年:二〇一八年生まれ(六歳)
・性別:オス
・見た目の特徴:黒と灰色と白の縞々模様。しっぽが長い。体型は結構太っている(以前動物病院で体重を測ったとき七キログラムを超えていた)。
・性格:食いしん坊で、のっそりとしている。ビビり。
・好きなもの・こと:ご飯、寝ること
こたまは、小さい頃からなによりも食べることが好きな猫で、私や家族を見かけるとよくご飯をおねだりしてきます。また、基本的にはビビりなので家族以外の人には近づかないのですが、おやつを差し出されると食欲が勝るのか釣りだされています。こはなと比べるとのんびりとしているので、見ているこちらもゆったりとした気分にさせてくれます。
・名前:こはな
・生年:二〇一八年(六歳)
・性別:メス
・見た目の特徴:こたまより少しコントラストが低い黒と灰色と白の縞々模様。しっぽは短いかぎしっぽ。小柄の標準体型で、体重は軽々と持ち上げられる程。
・性格:アグレッシブ、甘えん坊、わがまま、ビビり
・好きなもの:庭での散歩、撫でられること
こはなは、こたまと比べて活発で、家の中を走り回ったり庭にいるトカゲや虫などを追いかけまわしている野生の部分が残っている猫です。外に出ることがとても好きなので、四六時中散歩を催促してきます。また、こはなはこたま以上にビビりなので、知らない人が家に来るとすぐに逃げてどこかに隠れてしまいます。ただ、懐いている人には甘えん坊な性格なので、撫でてほしいときなどに体をこすりつけてきてとてもかわいいです。
そんな猫たちが家族の一員になったのは、二〇一八年の八月下旬のことです。こたまとこはなとの出会いは、猫を飼うことを決めて訪れた、近所の動物病院が行っていた保護猫の譲渡会でした。一緒に譲渡会に来ていた母親が一目惚れしたことでお迎えすることになりました。私は猫を飼うのはこの二匹が初めてだったので、家に猫がいることの現実感がなく気持ちがふわふわしていた記憶があります。もちろん、猫も新しく住む環境や一緒に暮らす人に慣れていないので二匹で固まってケージの中に籠っていました。そこから、餌をあげたり庭で散歩したりふれあいを重ねることによって仲良くなることができました。今のように懐いてくれるまでの過程も、猫を飼うことの楽しみの一つだと言えます。
こたまとこはなが我が家に来たことで、私自身の暮らしにも良い影響がありました。なんといっても、猫がいることで家が癒しの空間になったことが、私が思う猫を飼うことの魅力です。仕事や学業など、日々の生活の中でストレスを感じる場面は数多くあることと思います。そのようなストレスを解消する方法としては、趣味にいそしむことや美味しいものを食べること、体を動かすことなどが挙げられます。しかし、忙しい日々を過ごす中で思うようにストレス解消のための時間をとることが出来ず、ストレスを溜め込んでしまうことがあると思います。というより私自身そういったことがよくありました。そのようなとき、家に見ているだけで癒してくれる存在がいることは想像以上に精神衛生上良いことだと言えます。
私はこのように、猫という「かわいい」と一緒に暮らすことで、日々癒しを得ることが出来ています。ストレス社会と呼ばれる現代で、前向きな気分になれないときは、あなたにとってのかわいいを見つけることで暮らしに彩を添えられるかもしれません。
2024年7月26日 発行 初版
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「かわいい」という言葉が好き。日本と世界のKAWAIIカルチャーについて研究中。かわいい卒論が書きたい。