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大学生諸氏、並びにこれから大学生になる高校生諸氏へ提言したい。君たちは大学生の間にあちこちへ旅行に行くべきだ。
なぜ見ず知らずの他人にそのようなことを言われなければいけないのか、そう思う者もいるだろう。なに、それは如何にも簡単な理由である。時間がない。ただ時間がないのだ。大学時代とは、それすなわち社会に出る前の最後の猶予。1人で旅行に出かける分にはいざ知れず、気心知れた友人との旅行、バカ騒ぎともなれば、社会人にはそう簡単にはできない。
日々会社に赴く父の背を、あるいは母の背を見てきた者ならば、その社会人の忙しさがよくわかるだろう。互いが予定を合わせる難しさは想像に容易い。
しかし我々大学生はそうではない。確かに日々の授業は忙しいかもしれない。
しかし、我々には1ヶ月以上の夏休みがある。2ヶ月以上の春休みがある。これだけの長期休みがあれば、友人と予定を合わせることは実に容易い。しかも混雑期を避け悠々自適の旅も思うがままだ。
そう、故にこそ、君たちは、大学生である間に旅行に行くべきなのだ。そんなわけで、本稿では我々が大学生にお勧めしたい、選りすぐりの素晴らしい観光地を紹介していこうと思う。
さて、前項において、大学時代に旅行に行くべきであると言った手前、正直言いにくいことではあるが、旅行にはお金がかかる。1回の旅行でも3〜5万円程度は軽く飛ぶ為、学生にはかなり痛手になる規模だ。
しかし、ここではお財布にやさしい、正に学生の味方と言える観光地として、静岡県熱海市を紹介しよう。熱海市とは、静岡県の東端に位置し、神奈川県に接する市で、一般的に温泉地として有名な観光地である。
そんな熱海市がお財布にやさしい理由は、熱海市自体の立地にある。旅行において、時間やお金といった面で意外とウェイトを占めるのが「移動」の面。移動手段次第では、旅行費の半分以上が交通手段に持っていかれることがある。例で言えば、東京から大阪・京都等に行こうとすると、新幹線で往復3万円近くかかってしまう。
この3万円という金額は我々学生からすれば非常に手痛い出費だ。人によっては1ヶ月分のバイト代が丸々吹っ飛んでしまうだろう。
しかし、東京―熱海間であれば東海道線1本で往復3960円。特急「踊り子」を使っても往復で7120円(グリーン車は11660円)である。この価格のお手ごろさは、学生にとって正に大正義。2万円近く浮いたお金で、ホテルのグレード上げるもよし、豪遊するもよし、貯金もよし、といったところである。
勿論、観光資源という点で見ても熱海のストロングポイントは語るに易しだ。以下に私的な熱海の価値ある観光資源をあげる。
1.温泉
一番の目玉でそこかしこに温泉旅館やホテルがある。あちこちに足湯があり、熱海駅にも足湯がある。 足湯はもちろん無料。
2.美味い食事とお酒
美しく豊かな海と山に囲まれているだけあって、海産物が特にうまい。お酒に関してもあちこちに酒屋があり、特に日本酒と焼酎のラインナップが充実しており、海産物と非常にマッチしている。
3.MOA美術館
非常に大きな美術館で、日本絵画や彫刻を初め様々な美術品が展示・保管されている。国宝から、重要文化財、重要美術品等多くの歴史的、美術的価値のある作品を鑑賞することができる。滅多にない体験ができることを保証する。
4.熱海城
外観は城と言うにはかなり小ぶりな建物であるが、その本懐は内部の展示物にある。武家資料館というだけあって、歴史的価値の高い実物の刀や鎧等が展示してあり、滅多にみられないものであることは言うまでもないだろう。実際に刀がどれほど重いかも体験することができるなど、他にも多数の魅力的な展示物がある。
5.アタミザクラ
桜としてはかなり長い開花期間を誇る桜。1月~3月にかけて見ごろを迎えるので、1月~3月に訪れれば、温泉と一緒に花見酒も楽しめる事間違いなしである。
このように軽く挙げただけでもかなり魅力的な観光資源が熱海には存在しているが、その一方で旅行費は、交通費の面で大きく抑えることができる。正に我々学生にとって救いともいえる観光地であろう。ただ一方で、筆者自身熱海の全てを堪能してきたわけではない。もし、本書を読んで少しでも熱海に興味を持っていただけたのなら、是非その足で熱海に訪れてもらい、熱海の全てを楽しむとともに、自分だけの熱海を見出してもらいたいと切に思う。
皆さんは、旅行へ行くとなるとどこへ行くだろうか。また、中にはインドア派で旅行には全然行かないという人もいるかもしれない。今回は、そんな読者に対しても箱根旅行をお勧めする。筆者は年に数回箱根に行っている。また、神奈川県内ということや、奥まで行かずに「箱根湯本」と呼ばれる箱根の玄関口でも十分楽しめる、そして、都心からのアクセスも非常に良いので気軽に旅行できる。さらに筆者は鉄道が好きで行き帰りの電車も楽しんでいる。むしろ電車に乗ることが目的で箱根に行くような形でもある。今回は、大学生におすすめする旅行先として箱根の魅力について述べていきたい。
筆者が具体的に箱根へ行って何をしているかというと、1日に何か所も観光名所を巡るような観光はしていない。まず、行きは特急を使わずに普通電車で箱根湯本駅まで行く。箱根湯本駅は箱根の玄関口のような場所である。ちなみに筆者はこれより先にはあまり行かない。箱根湯本駅に着くと、観光案内所でその日行く日帰り温泉の候補を探す。言うまでもなく箱根は有名な温泉地で、旅館やホテル、温泉施設が多くある。箱根旅行はほとんどいつも祖父と行くのだが、祖父とどこの温泉へ行くかを決めて向かい、温泉でゆっくりする。その後、温泉から駅に向かう途中など、歩きながら風景を楽しむ。箱根湯本は川が流れていたり、山が見えたりと自然がとても豊かだ。さらに、駅前に商店街もあり歩いていてとても楽しい場所だ。帰りは特急ロマンスカーに乗ってゆったりと帰る。一般的な箱根旅行とは少しずれている気がするが、筆者の箱根旅行はこのような内容である。
ここからは箱根旅行の魅力について述べていく。まず、温泉がたくさんあることだ。日帰り温泉は旅館で入ることもできるし、宿泊施設ではない休憩所や温泉施設で入ることもできる。特に、「箱根湯寮」はとても有名で駅から比較的近く、無料の送迎バスもあるので初心者にはおすすめである。様々な場所で温泉に入ることができるので、行くたびに場所を変えてみるのも楽しいだろう。
また、筆者は鉄道が好きだということから、小田急電鉄のロマンスカーに乗ることをおすすめする。ロマンスカーは座席指定の特急列車で、新宿や北千住、町田などから乗車することができる。ロマンスカーは現在、全部で4種類あり、それぞれに違った良さがあるので、ぜひ色々な車両に乗ってみてほしい。少し細かいお話になってしまうが、筆者が一番好きな車両は、60000形MSEという水色のロマンスカーである。この車両は東京メトロ千代田線と直通運転もしているので、北千住や大手町などからも乗ることができる。筆者は車体の色や内装などがロマンスカーの中で一番気に入っている。さらにこの車両は6両編成と4両編成で分割併合ができるため、連結していなければ先頭と後方で違う形になっていて面白い(箱根湯本駅には連結していない状態で来るのでこれを見ることができる)。タイミングが合えばぜひ乗ってみてほしい。ただし、帰りにロマンスカーに乗る場合、旅行の疲れや温泉の効果などにより眠くなりやすいので、寝過ごさないように注意してほしい。誰かと一緒に乗るのであれば、できる限り会話を続けているほうが良いだろう。
観光名所でいうと、箱根彫刻の森美術館や箱根関所、芦ノ湖、箱根神社など多くの場所があるので、昼間に訪れてみるのも良いだろう。筆者は小さい頃で記憶があまり残っていないが、芦ノ湖の海賊船に乗ったことがある。(本稿で紹介した観光名所は、筆者が行ったことがない場所も含まれる。)
今回は筆者の体験を基に箱根について述べてきたが、箱根は都心からのアクセスが非常に良く自然も豊かなので、大学生にとてもおすすめの場所である。新幹線などを使って遠出するよりもお金はかからないので、とても行きやすい場所である。皆さんもぜひ箱根に行ってみてほしい。そして、筆者と祖父の箱根旅行と同じように自分たちなりの観光スタイルを見つけてみてほしい。自分なりの観光スタイルを見つけられると、箱根に限らず様々な場所で観光をさらに楽しめるようになるだろう。また、実際に旅行に訪れる際は公式サイトなどで最新情報を確認してから訪れてほしい。
2023年7月26日 発行 初版
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