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□近年、新規に開発された分譲地に住む人々は、そこにあった古い土地の記憶や、かつて祀られていたものに対して、きちんと向き合っておられるでしょうか。
□わたしの地域では、若者の突然死、精神疾患を抱える女性の深夜徘徊、相次ぐ家庭崩壊や離婚、家族の長期入院、豪邸を新築した直後の転勤命令、不自然な新築住宅火災……など、さまざまな出来事が起こっています。そのほかにも、土地の異常な隆起(地脈との関係を指摘する人もいます)、満月の夜の草むらに見られるノイズ状のちらつき、日本にはいないはずの極彩色の蝶の出現など、不思議に感じる現象もありました。
□特に、もともと近くの地域に住んでいた方、つまり、この土地の昔の事情を知っている方や、以前所有していた田畑を手放した後、その土地に建てられたアパートや住宅に住まわれている方には、こうした出来事が多く起こっているように感じられます。
□このお話は、新規分譲地に住み始めた私の周囲で起きた出来事をもとに、「霊がわかる」という女性から聞いた話を参考にして書いたものです。なお、この文章の目的は、御祈祷や祠(ほこら)づくりなどを勧めて、高額なお金を払っていただくことでは決してありません。石材店や寺院などとも無関係です。もちろん、過去に問題となったような「お地蔵さんの販売」といったものでもありません。
□土地に関わる先祖霊や、その土地に宿るものへの向き合い方は、人それぞれでよいのだと思います。しかし、お祭りやご供養をしたからといって、必ず運が良くなるというものでもありません。大切なことは、これまで、その土地に対して無関心だったことを改め、その場所への感謝や敬意を持つことではないでしょうか。さらに、そこに暮らしてきた生き物たちへの思いやりも、より深く持っていただければありがたいと思います。
□現在は分譲地となった場所にも、開発される以前には、広々とした畑や田んぼが広がっていました。霊的な力を持つ女性の話によると、こちらの新規分譲地には、もともと、小規模であっても稲荷様の「祠(ほこら)」が祀られていたそうです。しかし、土地を開発する時点ですでに壊れていたか、あるいは開発の際に撤去されてしまったのではないか、ということでした。もしそうであれば、その祠に関わっていた存在は、祠の再建や、自分たちの存在に気づいてくれる人を求めたとしても不思議ではないでしょう。しかしながら、霊的な感覚を持たない新住民の人々には、そのような思いは当然ながら伝わりません。
□そこで、彼らは、住む人が入れ替われば、いつか自分たちの願いを理解してくれる人が現れるのではないか、今の住民を追い出してしまえば、自分たちの願いが叶うと思ったのかもしれないのです。その結果として、新しく建てられた住宅に住むご家庭の中で、冒頭に挙げたような不思議な出来事が起きているように感じられるのです。
□また、自然現象として説明されるものの中にも、地脈との関係と考えられるような庭の土地の隆起、晩秋の満月の夜、プランターの草むらに見られた不思議なちらつき、日本にはいないはずの蝶の出現などがありました。
□この土地にも、かつては、多くの生き物たちが暮らしていました。また、先ほどの女性によると、祠の再建を願っている存在は、「野狐(やこ)」たちの霊だそうでして、「天狐(てんこ)さま」のような格式の高い霊ではないそうです。ただ、昔から土地と深く関わり、時には「伏見稲荷大社」などにつながる存在として語られることもあります。このように身近に聞く「稲荷神社」や「稲荷信仰」につながる存在なのだと考えれば、この話もさほどこわいものでもないでしょう。
□昔から、物がなくなった時に「はさみさん、はさみさん……」と唱えると、狐が面白がって探してくれることがある、という話がありますね。以前のテレビ番組「笑っていいとも!」でも紹介されたことがありました。また、昔の「こっくりさん」について、私の父は、生前、「狐が来るみたいだよ」と話してくれました。満州から日本に帰れるかどうかと占っていたそうなのです。
□【人霊よりも強い力を持つとされるのが動物霊だ】とも聞きました。
映画『平成狸合戦ぽんぽこ』を思い出してみてください。長く暮らしていた土地を人間に奪われた動物たちは、悲しみや寂しさ、あるいは恨みに近い感情を抱えていたのかもしれません。その場所は、彼らにとって遊び場であり、食べ物を得る場所であり、子どもを育てる大切な生活の場でした。
□今回は以上のようなお話をしましたが、だからといって必要以上に恐れることはありません。
また、何か特別なものを設置しなければならないということでもありません。
□ただ、「祠や鳥居を作り、我が家の金運や健康運を願おう」とお考えになるのであれば、一度始めたことを途中でやめてはいけないそうです。日々の感謝やお供えを続ける覚悟が必要です。
□土地から何かを得ようとする前に、その土地への感謝や敬意を忘れないこと。それが最も大切なことなのだと思います。
□私は十数年前に、霊的な能力を持つ女性からさまざまな話を聞いておりました。しかし、それを他の人に語ることはありませんでした。今回、こうして文章にしたのは、単なる不思議な話としてではなく、土地や自然との関わり方を考えるきっかけにしていただきたいと思ったからです。
□あなたのお宅でも、「これは何なのだろうか」、「なぜ、このような辛い出来事が続くのだろうか」と感じるような、科学的にも医学的にも原因が分からない出来事はなかったでしょうか。
□最後に、この話を単なる怪談や不思議な出来事としてではなくて、私たちが暮らす土地や、そこに存在する自然への敬意を考える機会として受け止めていただければ幸いです。
わたしは時々この土地に向かって「土地の神様。お土地を奪ってしまってすいませんでした。しかし、おかげさまで子どもを育てることができました。ありがとうございます」と静かに語りかけております。
□ご精読ありがとうございました。 令和八年八月、広島原爆忌
2026年8月6日 発行 初版
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