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生誕100周年を迎えたマーシャル・マクルーハン。2011年7月21日の メディア状況において、むしろその意味を拡張させる数々の言葉から100本を選び超約しました。

マクルーハン

メッセージ

McLuhan
is
the
Message

hmm0721Project 編

- -
Herbert Marshall McLuhan

(July 21, 1911 – December 31, 1980)
-

私は説明しない、

探求するのみ。

有罪判決は能率を

上げるために行われるから、

処罰には遅延が求められる。

ビジネスでは、
「うまくいったら、

それは時代遅れ」
という言い回しがある。

つまり物事は
時代遅れになって初めて、

誰もが馴染んで
うまく行くようになるのだ。

ささいな秘密には
保護が必要だが、

大きな発見は

大衆の不信感によって守られる。

永遠の監視の代償は

無関心。

宇宙船地球号を
運転しているのが

いまだに電車の
運転手であるように、

NASAはいまだに

ニュートン力学で

目標を定める人によって

運営されている。

発明は

必要の母。

利用者が

コンテンツ。

専門家とは

大きな誤りに
向かっていくのに、

決して小さな
失敗をしない人のこと。

10

私の誤謬が

間違っているとでも
言うのですか?

11

都会や田舎に
住む人にとって、

車は自分を守り
活動的にしてくれる

甲冑の役目を
果たすようになった。

12

現金は
貧乏人のクレジットカード。

13

流行しているものは、
通貨を生み出す。

14

過去の問題を解くのは
簡単なのに、

なぜ現在の問題は

こうも解決が
難しいのだろう。

15

答えはいつも

問題の中にあり、

その外にはない。

16

われわれはいつでも

裸の王様の

古い衣装は見えるが、

新しい衣装は見えない。

17

個々の新しい

テクノロジーによって

変わるのは、

額縁の中の絵ではなく

額縁のほうだ。

18

われわれは

自分の道具を形作るが、

その後は

道具がわれわれを形作る。

19

発見は

無知を共有することから始まる

対話の結果だ。

20

視点とは、

構造的認識を
記録するのに
失敗した結果

生じたものだ。

21

リテラシーを

身につけた人は
自然に、

他人との違いに対して
視覚的な解決法を夢見る。

22

この情報は極秘。

読み終わったら、

自分を廃棄しなさい。

23

大きくて得するのは、

考えることを

最小限にできること。

24

政治とは

今日の質問に対して、

昨日の回答を
提供すること。

25

存在の連鎖や説明より、

連鎖から
失われたもののほうが

はるかに注目を浴びる。

26

言語は
経験を蓄積するばかりか、

それを
他のものに

翻訳する
メタファーだ。

27

大企業においては、

新しいアイデアは
すぐに叩きのめせるよう

正面を向かされる。

大企業において
アイデアを出す部署は、

危険なウイルスを隔離する
研究所のようなものだ。

28

心の糧は
身体の糧に似て、

出て行くものが
決して入ってくるものと

同じにならない。

29

統合失調症は
文字使用の

必然的結果
かもしれない。

30

「子ども」は
17世紀の発明であり、

いわゆる
シェイクスピアの時代には

存在しなかった。

彼らはそれ以前
大人の世界に融合され、

われわれが言うところの

子どもの時代
というようなものは

なかった。

31

現代のアメリカの歴史は

インディアンが

白人を発見したことから
始まった。

32

新しい知識は、

それをどう使うかに対する

無知を幾何級数的に増やす。

33

分類することは

ある問題の研究を

開始することではなく
終点だ。

34

光の速度では、

政党や政策は

カリスマ的イメージに
場を譲る。

35

電気の速度では、

あらゆる形式は
その潜在力の限界まで

押しやられる。

36

電子の速度は、

どこにでも中心を作りだす。

それこそが
グローバルビレッジによる

新世界だ。

37

電気の世界では

多くのものごとが
すべて関連し合っているので、

人は責任を免れることは
できない。

38

今日では

すべてが加速する
傾向にあり、

それによって空間は

社会機構の
主たる要因ではなくなった。

39

同時性は

調和性を頑なに主張する。

40

情報と
エンターテインメントの

二分法は終わった。

41

ニュースは

アート以上に
人工的だ。

42

悪いニュースは

変化の性質を
明らかにするが、

良いニュースでは
分からない。

43

あらゆる社会において、

すべての新しい環境は
古い環境の強いイメージを

つくり出す。

44

テクノロジーは
どんな形で現れようと、

われわれの
最も親しんだ

心理的経験を
反映したものなのだ。

45

新しいテクノロジーは
それぞれの環境を作り、

それは退廃して
堕落したものと見なされるが、

それがそれ以前のものを
アートの形に変えていく。

46

環境は目に見えない。

その基本法則である
浸透した構造と

すべてを包み込む
パターンのせいで

簡単には知覚できない。

47

車輪は足の、
本は目の、

服は
皮膚の拡張であり、

電子回路は
中枢神経系の拡張だ。

48

宇宙船地球号には

乗客はおらず
乗務員だけ。

49

スプートニクの打ち上げで
衛星時代が来て、

この惑星は
人工的な環境に包み込まれ、

「自然」は終わった。

そして地球(グローブ)は
それについて語る

シェイクスピアの
演劇を出し物にする

グローブ・シアターへと
変わった。

50

新しいメディアは

人と自然の
架け橋なのではなく、

それ自身が
自然なのだ。

51

新しいメディアは
新しい言語であり、

その文法と
構文法は

未だ知られていない。

52

光を例外として、

すべてのメディアは

一方が
他方のコンテンツとして
ペアで現れるので、

両者の働きが
よく分からなくなる。

53

世界で最大のプロパガンダは
母国語だ。

それを子どものときから
無意識に学んでいる。

それが一生
われわれの認識を形作る。

それこそ最大の
極端なまでのプロパガンダだ。

54

言語が
知性に対して行ったことは、

車輪が
足や身体にしたことと同じだ。

そのおかげで、
対象に関与することなく

容易に動けるようになったのだ。

55

話し言葉は
人類が自分の環境を

新しいやり方で
理解するために、

それを
手放すことができるようにする

最初のテクノロジーだ。

56

活字印刷のテクノロジーが
パブリックを、

電気テクノロジーが
マスを生みだした。

パブリックは
個人がばらばらに

自分の視点を持って
動き回る。

しかし新しいテクノロジーは、

こうした驕った姿勢と
断片化したものの見方を

放棄するよう要求する。

57

印刷機械は最初、

シェイクスピアを除く
すべてのひとびとによって、

不朽の名声を作り出す
マシンであると誤解された。

58

印刷技術の成果として

予測できなかったものの中で
最も有名なのは、

ナショナリズムの発生だろう。

59

本の未来は

自画自賛の

宣伝文句。

60

コピー機は
タイプライターで打った

個人の秘密メモが
公になるほど拡張したが、

まさにそれを実証したのが

ペンタゴンペーパーだろう。

61

電信という
電子的な形式が

活字や輪転機と
交差することで、

近代の新聞が生まれた。

62

人々は実際には
新聞を読んでいるのではなく、

温かい風呂につかるように

そこに入り込んでいるだけだ。

63

新聞の日付を
とってしまおう。

するとそれは

エキゾチックで
魅惑的な

シュールレアリストの
詩になる。

64

電話を手にして
決定を下す人は、

代表権ではなく

知識の権威を執行する。

65

電話をかけたり
無線で話したりしている人は、

身体を失った

誰でもない人になる。

66

電話は
壁のない話し言葉。

電報は
壁のないミュージックホール。

写真は
壁のない美術館。

光は
壁のない空間。

映画やラジオ、テレビは
壁のない教室。

67

テレビにとっては

視聴者がスクリーンだ。

68

テレビは
危機のときだけ

奉仕のメディアになる。

69

非常に
個性的な顔をした人は

テレビの映りが悪い。

それに対して

田舎の老人のような人や
ハチャメチャな性格の人は

テレビでは受ける。

70

テレビが

古い
テクノロジーになって初めて、

それの持つ
輝かしい特性を

本当に十分に

理解できるようになる。

71

人々は

テレビに映った戦争を
受け入れないが、

映画に撮られ
新聞の記事になったものなら

受け入れる。

テレビに映った戦争は、
あまりに身近過ぎるのだ。

72

ポルノは

19世紀に
写真専門家ができたことで

初めて生まれた。

73

写真は

不思議なもの見慣れないものと

出合うという旅行の目的を

逆転してしまった。

74

無意識は

すべてのものを
一瞬にして貯蔵する。

あなたが情報を
電子的に移動し始めたら、

あなたは外部に潜在意識を
創造し始めていることになる。

75

教育とは

メディアの死の灰に対する

市民の防衛だ。

76

安価で専門化した
教育で困るのは、

いつまでも
支払いし続けないと

いけないこと。

77

都市は

観光向きの
文化的幽霊としてなら
ともかく、

もう実在しない。

どのハイウェイの食堂にも

テレビがあり、
新聞があり、
雑誌がある。

それは
ニューヨークやパリと

まったく同じように
コスモポリタンだ。

78

広告は

広告を広告するもので、

それのみによっての意味はない。

79

広告は20世紀の洞窟アートだ。

80

広告はニュースだ。

どこが悪いかといえば、

それがいつでも
良いニュースであること。

その効果のバランスを
取っていいニュースを売るには、

新聞やテレビには
大量の悪いニュースが

出ていることが必要になる。

81

本当にクールな宣伝は
敵からもたらされる。

彼らは絶え間なく

タダで働いてくれるから。

82

今日では
ビジネスのビジネスが、

不断に新しいビジネスを
発明している。

83

時代や場所の最前線にいる人は、

それ以前の
アイデンティティーを放棄する。

近隣は
アイデンティティーを付与し、

最前線はそれを奪う。

84

ある組織内で
地位が上がれば上がった人ほど、

早く落ちこぼれになる。

なぜなら彼は

より現場から離れていくからだ。

85

プライバシーの侵害は、

いまでは最大の知識産業だ。

86

犯罪者はアーチスト同様、

社会の探究者だ。

87

人間はまるで

植物とミツバチの関係のように、

機械の世界の生殖器となって、

それを受胎させ
新しい形へと進化させる
存在となる。

機械の世界は人間の愛に対し、
望みや欲望を広げる形で
報いるが、

つまりそれこそが
富というものなのだ。

88

たぶん
人間の最も貴重な財産は、

ずっと
「適切な比例のアナロジー」に

気付いていることで、
それこそが

すべての形而上的な
直観の鍵であり、

たぶん
意識の基本条件そのものだ。

89

パラドックスは

どんな問題にも
ある相矛盾する側面を

把握するためのテクニックで、

複雑な過程の様々な局面を

一瞬にして圧縮して合体する。

90

デカルトが

機械主義の
サーフィンを楽しんだように、

ハイデガーは

電子時代の
サーフィンを楽しむ。

91

ポーと象徴派が

文学における
非理性を探求している

そのとき、
フロイトは

意識と無意識の共鳴的な図と
地の複線構造の探求を

すでに始めていた。

92

いまだかつて、

戦争がテクノロジーの変化を

加速しなかったことなどない。

93

未来のコンピュータの

本当の仕事は

情報検索とは
関係がなくなるだろう。

それは純粋な発見と
関係するだろう。

94

部族的な世界では
無意味な話だが、

文字社会では

数や統計が
神秘的で魔術的な

無謬性神話に取って代わる。

95

部族的な人間は

われわれの分断化された

感覚によるセックスについては

まるで気付かない。

96

現在起きていることを
凝視する意思があるなら、

不可避ということなど
絶対にない。

97

役者は

詩人が言葉を纏うように
観客を纏う。

ストリッパーは服を脱ぐことで、

観客を纏うのだ。

98

私は
間違っているかもしれないが、

決して
自分を疑ったことはない。

99

われわれは

バックミラーを通して
現在を見ており、

未来に向かって
後ろ向きに進んでいる。

100

明日とは

われわれの
恒常的なアドレスのこと。

- -

 
 
 
 
T H E T R U T H S H A L L

M A K E Y O U F R E E

マクルーハン

メッセージ

2011年7月7日 発行 converted from former BCCKS

著  者:McLuhan is the Message
発  行:hmm0721Project 編

bb_B_00039773
bcck: http://bccks.jp/bcck/00039773/info
user: http://bccks.jp/user/
format:#001

発行者 BCCKS
〒 141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
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http://www.bccks.jp/

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