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囚人番号466番松本弦人の「獄中デザイン記」。刑務所という完全カンヅメ状態で延べ1000時間、黒・赤・青のボールペン十二本を使い切って描き殴ったうめき声のような三冊のノートは、「デザインの不必要な作家領域」を嫌う松本弦人の「抗いようのない作品集」となっている。

IN THE PRISON

松本弦人

天然文庫

『IN THE PRISON』チラ読み版をチラッとお楽しみいただけます。
「天然文庫の百冊」完全版は近日公開予定です。

 本書は、本書著者の囚人番号466番松本が千葉県市原刑務所に服役した二〇〇四年の五ヶ月間の「お勤め中」に浮かんだ思いつきを記した三冊のノートから抜粋した「獄中デザイン記」です。ボールペンで書き殴られた手書き文字は読者には解読困難と判断し全文をテキストにおこしました。原文再現を心がけていますが、松本も解読できない乱筆、文章的に成立しない乱文などの都合で、添削・加筆・省略箇所がある旨をご了承ください。
 市原刑務所では、一人五冊までのノートの所有が許可されています。日記と学習以外の目的での使用は認められず、松本は「日記」「学習:美術・デザイン」「学習:プロダクツ・建築」の三冊を申請しました。一日三時間の自由時間+朝勉一時間+申請制の夜勉一時間+早風呂シフトの空き時間+休息日という五ヶ月間、合計約一〇〇〇時間を費やし、黒・赤・青のボールペンの芯十二本を使い切り、他にやることが見あたらない完全カンヅメ状態で書き上げた三冊のノートは、「デザインの不必要な作家領域」を嫌う松本弦人の「抗いようのない作品集」と言えるのかもしれません。

『日記:466 松本』 -
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日記帳
466松本

全文

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六月六日
習い事は六歳の六月六日。四と六六六はオイラのラッキナンバー。ここ市原刑務所での受刑者番号「四六六」。めでたいことが重なり過ぎなので今日から日記を付けてみる。小学夏休みの宿題絵日記と中学交換日記以来。とりたてて「何とか日記」とかにするつもりもないけどやっぱ蓄積の強みってことで「デザイン」をしつつ書いていこうと思います。まずは自分のイニシャルでも作ってみるかな。「G」。アルファベットの中ではまずはフォルムが異端。おまけにG(Cの書き終わりから内側に線が一本)なのかG(Cの書き終わりが矢印)なのかG(Cの書き終わりにT)なのかはっきりしろ。デザイン的にはかなり好きな文字だけどデザインは難しい。なのでモロモロGの解せない部分を確認しつつ「他のアルファベットと合うデザイン」にトライ。ちなみに六月六日は6ックン6ールの日(日本語読みだけど)。

六月七日
今日が初出勤。いわゆる「お勤めごくろうさまです」のアレ。市原にはいろんな仕事があるんだけど、ここで一番有名なのが味噌と靴。味噌は外の人が面会でもなくわざわざ買いに来るくらいおいしいらしい。ほかには、野菜づくりや庭の手入れや車の整備や組み立て工場や部品整形やらととよりどりみどり。娑婆の就職難とかものともせず、引く手あまたですわ。オイラは靴の部品づくり工場に配属。味噌作りにはひかれていたけど第二希望でよしとする。

六月八日
昨日から図書室と娯楽室を使える身分になった。それぞれ各寮ごとに備わっていて、全部で一万二千冊のライブラリー。ビデオも閲覧可能で「NHK英会話全一六巻」とか「茶の湯全九巻」とか楽しげなラインアップ。シャバでは絶対読まなそうな本がテンコ盛り(宮部みゆきとか)。楽しみ。マルコムXが六年の刑期で四ケ所ほどの刑務所のすべての本を読破したのは有名な話。残念なことにオイラには六ヵ月しかない。

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六月九日
「ロックの日(日本語読み)」。
工場がなんとも美しい。ジュフ・ウォールよりリアル。女性用ハイヒールのヒール部分をせっせと作るのがオイラのここでのお仕事。エポキシのなんともシマリのないフォルムのヒール型に激安合成革皮をグリンと張り付ける。と、あら、そこそこな感じには見える。できあがったヒールをもくもくと並べていくとマシューバーニー的風景が机の上に出来上がる。ああ、今日は「風呂の日」で半どん。早風呂班だと一時三〇分には居室でのんびり風呂上がりを満喫してる。死ぬほど小さな窓からは、ウグイス、クイナ、虫の声、葉の音、風の音が遠近合いまった5.1chで鳴り響く、娑婆じゃ味わえない贅沢時空間。バッカイドウコン。束縛と自由はバランスがすべて。

六月十日
刑が始まってから今日でちょうど二ヵ月。今日もせっせとヒールづくり。先輩の指導の元、革の張り具合、カットの要領、ナメシのコツなどの基本を体得中。ところどころに極めて職人的感覚を伝えようとしているのがわかるが、教え手も受け手も未熟なため大事なところがうまくは伝わらない。でも、大事な所をもらしつつも「もれてる所が大事」ってことはわかるので今は十分。職人性はたいてい手放しに褒めたたえられる。たとえば、靴職人を目指してる人がその職人性を受け取り、そこからその人の仕事が始まるんだとすればそれはわかる。でも、職人とかじゃない人が置き換えられた職人性を鵜呑みにするのは間違いのモト。モノづくりに関わる人に多いよね。毎日毎日これでもかって同じことをくり返す、なんてことを今どれだけの人がやってるのか? それが「技」となるような質で。

六月十一日
頭で考えることもする。つーか感覚だけでモノを作るなんてのはオイラにはありえない。表出→感じて→考えて→情動→くりかえしっていうのを何度も何度も。二秒でひと回りの事もあれば、一週間周期の時もある。自分の知識を経験をフル回転させて自分の作ったモノをトレースさせる。自分の経験を解体して取り組んだりもする。この時間をどのくらい濃くできるか、どれくらいそのサイクルから外して動けるかがクオリティに現われる。そんな仕組みをポンと飛び越えて目の前に現われることがあるんだけど、それは意識化されてない積み重ねから大抵生まれてる。

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六月十二日
今日は免業日。つまり休日。休日と言えばメシ。メシと言えば蕎麦。神保町「いし井」、三郷「ほそ川」、赤坂「砂場」、浅草「並木薮蕎麦」、新宿「イケがみ」、西荻窪「薮長」、どれでもいいからざる! メシと言えばうなぎ。下田「小川屋」、飯倉「野田岩」、永田町「山の茶屋」、江戸川橋「石ばし」、神田「神田川本店」どれでもいいからうな丼。メシと言えばとんかつ。目黒「とんき」、白金「すずき」上野「双葉」、どれでもいいからロースカツ定食。メシと言えば丼。末広町「鳥つね自然洞」、銀座「とんき」、浅草「まさる」、天丼〜。ステーキで六本木ビーフシティ「チャコ」、高輪「リベラ」、うどんで「古奈屋」巣鴨だったっけ?洋食で浅草「よしかつ」、「大宮」、上野「本家ぽん多」、カレーで「ルパ中村屋」新宿ね、西荻窪「こけし屋」、一番町のアジャンタのアチャーー。

六月十三日
FBR(フリーハンドボールペンライティング)にも少し慣れてきた。このボールペンのベタ面の感じ悪くないなあ。筆圧を変えると表情もいろいろできそうだ。何とか印刷で再現できないかな? 「G」マーク少し直してみた。基本的には最初からハマッてる。最初の五分で描いたまわりに答えが得られたときって大抵強いカタチになる。もう二つ三つ描けばいいかな。

六月十四日
二ヵ月ぶりに走った。やっぱ有酸素運動しなきゃだめ。ここはロールプレイングゲームなデザインになってて、次から次へとダンジョンやら中ボスやら罠やらが現れて、おまけにいきなりレベル二〇イナズマの剣盾鎧フル装備な先輩とパーティー組まされこちとらこん棒に旅人の服みたいな。なので、まあ、ストレスたまるんだけどそんなのも走ってればなんとか。生まれて初めてボールペン使い切った。

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六月十五日
デザインする時に「フック」を用意するって書いた。いろんな方法がある。「フック」の逆の「シバリ」を用意することもあるし、「世界」を変えたり、自分を変えたりもする。たとえば「このマークはボールペンのキャンプのアタマに入るマークとして使えなければならない」とか「汚れたときに栄えるデザイン」とか。ここで使ってる靴がとてつもなくダメなので、急に「靴のマーク」を作りたくなった。

六月十六日
なにしろ全員同じ服、同じ靴、同じ下着、同じアタマである。同じカマでどころかお茶もお菓子も、すべて、本当に、ぜーんぶいっしょ。小中学校生の一体感より絆がある。小中学生ってのは当然まだ成長過程の中にいて自身の身体や性能に未来を見ているわけだけど、我々はもう完成形。あがりのカタチ。このカタチを死にむかって目減りさせながら生きていく。こんなサンプルをこんな集団(五〇〇人)でこんな間近(中で)で観察できる実験場、ちょっと他では考えられない。「キヲツケ」「コウシン」「セイレツ」などでミリ単位の身体コントロールを続けると姿勢や動きや歪みが気になる。まず、自分の身体の特徴や歪みに気づき、だんだん他人のそれが気になり出す。走り屋がタイヤを見てその車の持ち主の技量を測定するように、ここに来る前から、人の骨格と運動能力に才能や性格を関連づけて考えてたけど、それがいやらしいくらいグルメになってきた様子。「右向け右」の首筋を見て足の歪みを感じたり、「腕のフリの特徴が妙だな?」と思うとズバリ小指がなかったり、なんだか「ホルムンクス」実態バージョン。「動きのシステム」として人を見てる。

六月十七日
毎日夜七時、十五分間、座禅を組んでの「反省」の時間が好きだ。夏至間近いこの時期、室内六四人のすべての雑音が消え、明るい闇と藍ピンクの空を感じながら虫と鳥の声のみに囲まれる。

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六月十八日
今日は風呂の日。ほぼ二日に一回の割合で風呂に入れる。シャバより頻繁に入っている。ウチの工場は市原いちの大工場なので何をするにも早め早めに動く。風呂の日なんざ、一番風呂のグループは一時半に仕事が終わる。週のうち三日は「半どん」。ビールはないけどぷはー気分は味わえる。

六月十九日
テレビで死ぬほどウマソーなステーキと鰻を見た。今日の夕食はすき焼き風煮物とナポリタンスパゲティ。目をつむってステーキ映像をまぶたの裏に投影して食ってみる。「ウゲ! ウマイ!」。っつーかナポリタンがステーキ味! 「味は、視角、嗅覚、触覚、味覚、の順に感じて、しかも味覚が味に占める割合は20%にも満たない」って元グリーンベレーのやきとり屋のオヤジに聞いたことがあるんだけど、ほんとだ。

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六月二十日
今日はリスとカミキリムシを見た。夏近し。

六月二十一日
ここはアフォーダンスだらけ。いろんな意味と方向で人それぞれの環境になる。しかし、やっぱ圧倒的に効くスペックは「刑期の長さ」。年令より出身地よりシャバでやってる仕事よりどんな女とつきあってるかより、どんな車にのっているかより、ゴルフや釣りやサッカーや競馬の話より、ここで一番重要な話は「で、長いの?」である。三年を超える刑期だと周囲の興味が俄然増す。「仲間」として迎え入れる準備が始まる。ションベン刑(一年未満)だと「ひやかしかよ」という態度で終わる。実際、一年未満と三年以上の人を比べると、もう、ここでのすべてに対しての姿勢が違う。ごはんの味も一日の仕事もテレビや新聞から入る情報も「違う経験」をしてるのだと感じる。裁判所の待ち合い室で一緒になった男を見た時「オイラは刑務所の醍醐味の本当のところは味わえないのだろう」と感じた。その男の刑は「無期」。見たカンジも話をしてみても、社会性を備えた一般人にしか見えないその男に「ここまで絶望できるものなのか?」と、絶望タコメーターを10倍はフリ切った深い情動を見せつけられた。同じ服を着、同じ釜のメシを食ってと書いたけど、実はまったく違うところにいて、違うことをしているんだと。

六月二十二日
初のお買い物品が届いた。2HとHBと2Bのエンピツ。エコに良くないのでシャバではステッドラーの芯ホルダーを使っている。久々に手に取るトンボ鉛筆のデザインはどことなく北欧風。モスグリーンに白と金の箔押しによる凹や、文字のツブレ加減も良い。三〇円でこれだけ「フィギュア感」の高いものってそうはないのでは?
 ボールペンに馴れすぎたオイラには書き心地もとても三〇円とは思えない新鮮さ。新品の鉛筆削り(九〇円)も見事な切れ味でステッドラーのシャープナーを凌ぐ。

六月二十三日
逮捕されてから、あたり前だけど環境がぐるぐる変わってきた。ここに来てようやく落ち着くようになった。何より身を動かす環境の変化がすごい。二ヵ月ほとんど歩かず走らずで、急に朝のマラソンが始まったり、ぺったんこのスニーカーでコンクリートをブンブン走ったり、いろんなあおりが体に迫ってきたんだけど、よーやく体も落ち着き始めたのか「ここでの乗り物としての身体」のベースができてきた様子。整備がビッとした車はアイドリングが安定しクラッチやハブがガシッと繋がりブレーキがタイヤを通して路面をつかんでいる。そんな状態は渋滞運転でも気持ちがよい。酒たばこをやめさせられ、粗食に夜更かし無しの規則正しい生活のおかげで、エンジン/吸排気/オイル周りとかの内環境はすこぶる調子よしだったのだが、ここにきてようやく、足回り/フレーム/駆動系が全開になったカンジ。西伊豆スカイラインをかっ飛ばしたい。

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六月二十四日
信じられないくらい一日が早い。もー今日も終わりだ。さらに一週間がとんでもなく早い。けど、二週間前のことははるかに昔に感じる。

六月二十五日
久々に週刊誌が届いた。ヤングマガジンとフライデー。「カイジ」がいつのまにか始まっている。なぜかあまり読みたくない。「長崎」の事件も気になってたけど、なんだかどうでもいい。外のことなのか? モノを描いたり書いたりする時間が少ないせいか? ここに来てまでワーカーホリックかオイラ。でも本はゆっくり読んでるなあ? 自分の中でいろいろ何かが変わってるのは感じる。単発ではなく連鎖的な変化を感じる。思考や行動に少し現われる。ここでそれは、楽しくもあり、不安でもある。外が無い。

六月二十六日
ボールペンのインクにはノリが結構入っている。ベタ面をしっかり塗りたくるとヤマトノリの匂いがする。東京拘置所で買えたAPICA大学ノートはボールペンのインクのノリがよい。先っちょのすごく細いPITをグリグリ塗ってるような気持ち良さがあった。市原で買えるノートは残念ながらコクヨのCampus。ボールペンとの相性がよろしくない。ボールペンにも性能がある。東京拘置所で買った三菱のボールペンで今この日記を書いてる。市原ではまだ買えてないので、どこのメーカーでどんな書き味なのかが楽しみだ。

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六月二十七日
時間があっという間に過ぎる。FBR(フリーハンドボールペンライティング)は時間を忘れる。スニーカーのロゴを描いていたらこんなんになってしまった。別にスニーカーのロゴってわけではなく、例によって「そこにハマるデザイン」をしていたらいつの間にか本気でハマってた。「インタラクションが楽しい」というのは仕事でも遊びでもゲームでもとても重要。中村こういち(ドラクエのプログラマー)は「ただボタンを押してるだけで気持ちがいい」デザインを常に心がけていると言っていた。ドラクエの戦闘時の複雑なコマンドをコドモが目にも止まらぬ早さでこなしていくのを見るとなるほどうなずける。目の前の紙に自分の行為が指先からインタラクションと共に積み重なる。ただ単純に快感だ。

六月二十八日
ここに来る前にいた「東京拘置所」は東京で捕まった懲役候補が留められる場所。殺人、強盗、強姦、恐喝、監禁、詐欺師、泥棒など、いろんなヤツらがあちゃこちゃから集められる。国籍も四人に一人は中国人、イラン人、インド人、メキシコ人、チリ人と多彩。悪いヤツと頭の悪いヤツばかり。

六月二十九日
暑い。異常な白さと明るさの月が少しだけ涼しさを呼ぶ。昨日は北の空にマジ「空爆」って思うほどの雷が小一時間、神宮花火の代わりに涼をくれた。今一番飲みたいものはビールでも焼酎でもスコッチでもなく「カルピス」。白地に青の水玉が頭から離れない。カルピスの「青」「白」も世界三大色。やっぱ「赤・白」「青・白」「黒・白」は強い。中国の「青・赤」、エストニアの「青・黒・白」、イエメンの「赤・白・黒」は配色異端児。

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六月三十日
早いもんだ。二〇〇四年ももう半分。一年がたった二枚に印刷された「矯正協会カレンダー」。やっと釈放日が刷られた下半期頁を部屋に飾れる。上半期のビジュアルは一目で日本とバレる風車とチューリップの写真。下半期が雨上がりのトンボ。6×7、ペンタ、一二〇㎜マクロかな。カレンダーらしい写真。CAPIC等のような刑務所ブランドって、もっといろいろできそうなもんだが・・。特に市原のような「一般人」が多いところなら、程良く複合性を生かしつつ拡大再生産ラインナップで。確か来年の四月くらいに「監獄法」が改正になり、アメリカばりとまではいかなくても昭和36年に決まって以来変わっていないこのルールが大きく変わるんだろう。ちなみにアメリカではジュースの自販機があって、電話やメールができて、外から好きな料理をデリバリーできて、週に一回彼女とセックスができるんだと。そーゆー方向にゆるくすると日本的には被害者感情がとかありそうなんで、やっぱ自由度を上げる方向かしら? そーすると、CAPIC的な自由なモノづくりとか作品とか商売とか? 結構いろいろできそう。所内売れっ子プロデューサーとかすんげー儲けたり。てことで、まずはブランドロゴを先にデザインしときます。スニーカーにハマってるんでそれ系で。やっぱ売りは「強さ」「権力」「固さ」で。「ど素人でも数が集まれば力強い商品とか開発しちゃったりするし、ウチのど素人はただのど素人じゃなくて各国からいろんな職業の人間が集まっているんだから」とかをカタチに。そーだ。有能人材とかヘッドハンティング。ぽんぽん捕まえちゃえばいいじゃん。すでにある刑務所ブランド商品って何があるんだろう? 市原の味噌と醤油。府中のパンは売ってるのかな? ウマイんですよ。それと監服が悪くない。素材もいい。

七月一日
ツバメがすげー。オイラの第二工場は一三〇人の大所帯なので、整列点呼など、待ち時間が長い。その分、見事に手入れされた庭とそこに棲む虫や動物をたっぷり観察できる。で、ツバメがすごい。何がって、その飛行身体術。F16かステルスか、っつーか見たことない動き。つばめの主観映像見たい。他の鳥と圧倒的に違うのは加減速。特に狩りでの加減速が半端ない。逆光でキラキラ光る飛行中の虫を見つけると目の前に〇・四秒で移動→空中ABSブレーキでホバリング喰い。見事すぎ。ヨーロッパ雨燕が飛びながら喰ったり寝たりするって話を聞いたことがあるけど日本のツバメもかなりのモノだ。ツバメと足跡でスニーカーにハマるマークを作った。クツにも映える。Gマークをツメたいとこだけどどんどん違う方向にいっちゃってるなあ。デザインする時間がもっとほしい。

七月二日
デブがいない。昔の上海に似ている。ここで普通に生活しているだけで、とてつもなく健康なのは間違いない。おまけに、みんなチューニングの鉾先が身体なわけだからかなりのレベルだ。外の人(靴工場の人とかクライアント様)と合うと、とんでもなく姿勢が悪く見えたり不健康そうだったりするんだけど、オイラたちが気持ち悪いくらい正しい姿勢をしているんだろうね。運動、生活パターンが近いと肉体要素も近くなる。幅広い年齢層でこれだけ健康体ってるのも完成形身体見本市ならでは。はっきり見えてくるのが骨格と姿勢。姿勢は相乗効果的に変わっていくものなので、注意深く見てこうと思う。前に書いたけど「やっと身体の準備ができた」と感じた日から身長が伸びてる。姿勢が良くなってるって事なんだろうね。お、やっぱり今日は満月。

『IN THE PRISON』チラ読み版はここまでです。
「天然文庫の百冊」完全版は近日公開予定です。

IN THE PRISON

2011年8月3日 発行 converted from former BCCKS

著  者:松本弦人
編  集:佐藤雅子
発  行:天然文庫 松本弦人

bb_B_00040100
bcck: http://bccks.jp/bcck/00040100/info
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発行者 BCCKS
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東京都品川区上大崎 1-5-5 201
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http://bccks.jp/

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松本弦人(まつもと・げんと)

1961年東京生まれ。グラフィックデザインとメディアデザインを軸に活動。2007年にweb本が作れるサイト『BCCKS』、2010年にONEコインブック『ブックス文庫』をスタートさせる。
ADC賞、TDC賞、通産大臣賞、読売広告大賞優秀賞、読売新聞社賞、I.D.Magazine Annual Design Review、NEWYORK DISK OF THE YEAR、International Digital Media Awards、D & AD AWARDS Magazine & NewsPaper Design、等受賞多数。

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