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(中略)
芸術という意識があるかないかも違いはなく、芸術も反芸術も、風俗も政治も芸能もひっくるめて、資本主義的な効率性や都市空間の合理性からの人間の解放を求めるすべての行為が撮影の対象になったのである。——
本書収録、黒ダライ児「身体のユートピアを求めて」より
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——たしかに壊れゆく感覚があるが、退廃的な悦びはない。野蛮に快活である。意味は後退するが事物はそこにあり、むしろ迫り出す。事物たちが暴力的なまでに潜在させていた姿をさらして、迫り出す。名前は聞こえないが無音でなく、むしろうるさい。音と認めていなかったものが一斉にざわめいて、うるさい。関係は希薄になるが心細くなく、むしろ興奮する。ほどけながら新たな組成をはじめる予兆に、興奮する。崩壊感覚とともに濃密な圧力で眼が押される。——
本書収録、五所純子「崩壊感覚、逆眼圧、回顧」より
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——十代でデザイナーデビューし、二十二歳で人生初のサインを求められた時、とっさに描いたのが横尾忠則のサインの模写だった。(中略)
一枚のサインはエディション数1/1のドローイングであるにもかかわらず、サインはアンリミテッドエディションであるという矛盾。さらに、宇川の筆跡という矛盾が色紙に重なる。(中略)
筆先の降霊者、宇川直宏のサインだけがここにない。——
本書あとがきより抜粋
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東京TDC賞は、東京TDCが毎年開催するタイポグラフィ&グラフィックデザインの国際賞だ。グラフィックデザイン/広告デザインに関するほぼ全てのカテゴリーを網羅し、15年前にはインタラクティブデザインも加わった。海外では「デザイン賞というものに懐疑的なデザイナーが唯一応募するコンペ」として、デザイン界の中で独特のポジションを築いており、受賞作の高いクオリティーは世界から注目を集めている。
本書は、国際賞としてスタートした一九九〇年から二〇一二年までの22年間の受賞作品をすべて掲載した、時代とデザインの関係を読み解く貴重な図録である。
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——「写真集」に取り憑かれた町口覚は一九七一年に産まれた。父親は写真集だ。生まれたばかりの赤ん坊に父親は、「雪国」「THE AMERICANS」といった写真集を『ぐりとぐら』のかわりに与えた。後に町口が手がけることとなる、森山大道、大森克己、佐内らの写真集も、その時ベビーベッドの脇に置かれていたのだろう。写真集の歴史を自身の時間として積み重ねてきた「町口覚写真史」が存在し、今ここに在る。本書はその〝時間〟を時系列に綴じた一つの写真集である。—— 本書まえがきより抜粋
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2017年4月21日 発行 第二版
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東京TDC 賞=東京TDC(1987 設立)が、1990 年から現在まで毎年開催している、タイポグラフィ&グラフィックデザインの国際賞。15年前にインタラクティブデザイン、現RGB部門を新設。デザインコンペに応募することの希有な作家が参加するコンペとしても知られ、世界で独自のポジションを築いてきた。