「日本で最初のモダンボーイ」とよばれた小説家・北林透馬の、幻となっていたデビュー作を完全復刻。昭和5年に発表されて以来、入手が絶望的になっていた作品です。
スキャンダラスな実在の事件や人物を巧みに交えながら、頂点を極めたモダン都市文化が万華鏡のように展開します。不思議な浮遊感と淡い憂鬱のベール。横浜、銀座、軽井沢と舞台を変えながら、この時代でなくては醸し出せない、お洒落で刹那的な世界が物語られていきます。
巻末に『明治 大正 昭和 不良少女伝』(河出書房新社 2009年)の平山亜佐子と『消えた横浜娼婦たち』(データハウス 2009年)の檀原照和による解説を2本立てで収録。本文には詳細な註釈を付与(ePubで発行した商品から画像を除いてコンバートしたもの)。
本を入手していないとコメントは書けません。