2019年2月17日更新
改題(題名変更)しました
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夢に躓き転びつつも挫折から立ち上がる若い情熱の迸りに感動して下さい。
青春、それはどんなに奔放自由であっても一抹の憂愁が通底している。
自己の存在感や充実感を求めて夢を追い夢に縋り、そして、そのぬかるむ夢に躓き足を掬われ、傷ついてよろける。それでも並大抵でない再起を目指して再びチャレンジする。
プロのジャズピアニストを志しながら、突発性難聴を患って夢を絶たれた茉莉。幼馴染の同級生謙一に励まされ支えられて再び音楽の道へ挑戦したが、その道程は・・・・・。
幼くして父親を亡くし、母親に早く楽をさせたいと、高校を出て直ぐに印章彫刻師の職に就いた謙一。だが、伝統工芸師の仕事は一人前になるのに十年を要し、最初は碌に仕事をさせて貰えず、挫ける心に鞭打って、負けてたまるか、の矜持だけで頑張ったが・・・・・。
ラグビーのスクラムに潰されて首の骨を折り、二十二歳で早逝した達哉。自己の燃焼感と実在感をひたすら追い求めて時を駆けるように生きて来たが・・・・・。
子供の頃から野球に夢中になり、女子プロ野球リーグ誕生と同時にプロの投手となった由香。だが、酷使が祟って右手指血行障害と診断されて打ちひしがれた。絶望から由香を救ったのは・・・・・。
自分を裏切った男を刺して刑務所に入った孤児のホステス遼子。出所後、造園業を営む同級生後藤の支援で女庭師として再生した。後藤から求婚された遼子は己の出自を確かめる為に生まれた九州まで出かけたが・・・・・。
達哉の葬儀の後で言った謙一の言葉が象徴的である。
「人間、生きている時間じゃ無くて、何を思い、何をしたかが問題なのだ。如何に納得した充実感を持ち乍ら生きるかが重要なのだ。自分の信じるものに向かって闘い続けることが生きるということだ!」
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