この物語は高校の同級生である男女五人が、卒業後に様々な形で挫折に直面し、挫折を乗り越えたり、挫折に押し潰されたりする姿を描いた青春群像小説である。
突発性難聴を患ってジャズピアニストへの道を閉ざされた大塚茉莉。高校を出て直ぐに印章彫刻師の見習に就いた母子家庭の高田謙一。ラグビーのスクラムが潰されて首の骨を折り二十二歳で早逝した石黒達哉。自分を裏切った男を刺して刑務所に入った孤児の小泉遼子。手酷いノックアウトを喰らってボクサーへの夢を絶たれバーテンダーになった嶋木譲二。
人間は生きている時間ではなく、何を思い何をしたか、が重要なのである。
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