暦の中には暦注という日時・方位などの吉凶や、その日の運勢を占ったり、月の満ち欠けを知るための役割があります。過去に暦は、その日の行いを決めたり、振る舞いの計画を立てる要因のひとつとして、ひとの生活に関わっていました。
そういった、暦やものの周期とひとの営みの関係性を考えたとき、今の私たちの生活のなかにも、同じようにものの振る舞いが私たちの身体に作用するような瞬間があると気づきました。
小さい頃お風呂に入った時「10秒数えてから上がる」という習慣。最初はゆっくり数えているけれど、後になるにつれてだんだん熱くなってきて、はやく数えたくなる。
「10秒」という一般的な単位が「お湯の熱さ」と「自分の身体の感覚」によって補正されて身勝手な単位が生まれている。
この本はそういったものとの関わりの中から自分の身体の状態や感覚を発見したり、ものとの関係を改めて見つめなおすための生活の中のヒントを集めた「仕掛け」です。
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