「さて皆さん。お待たせしました。これより第三回心霊ミステリーツアーの・・・」
男の低いトーンの挨拶から幽霊見たさに集まった人間たちの心霊ミステリーツアーが始まった。興味本位の人間と自分たちの居場所を守りたい幽霊の駆け引き。怖いのはいったいどちら? 「ゆうれいって、いるんですか?」
「私」の乗った飛行機が大きく揺れた。その時「私」の手に持ったレシートが・・・。「レシート」
何よりも子猫を愛してしまった「私」。あるとき目覚めると・・・。「猫目」
他、人間の生と死、人間と幽霊、科学を超えた不思議な出来事などをテーマにした珠玉の10編。
ほのぼのとしたユーモア、ペーソスにあふれた語り口の陰から覗く作者の鋭い視線。札幌で人気占い師として活躍中の作者が永年の経験で培った人間を見る目と深い洞察力、そして人間に対する温かな心配りがここに結晶しました。さっと読めて、じんわりと味わえる、そんな短篇集です。
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